Denali National Park

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9 月 3 日 (火曜日)

[Photo of Mt. McKinley from Stony Hill]
Stony Hill (の手前) からの Mt. McKinley
下方の 2つの小さな箱が、丘上に停車中のツアーバス この日の行程を縮尺の大きな地図で見る

Wild life tour 出発

0600。ようやく明るくなってきた東の空に明けの明星がキラリとする中、Denali Park の奥へとこれから進んでいくバスが動き出しました。各ホテルを巡回しつつ客を拾っていきます。(バスの旅の楽しさははじめに決まる、乗る場所に注意)
乗り込んだとき、各座席上にはランチボックスが置かれていて、その蓋に今日の road map が刷り込まれています。ちなみに、青山はランチボックスの中味には手を付けずに返してしまいましたが (箱も中味も未使用分は次の客のために再利用されます!)、クロワッサンと袋菓子の詰め合わせであったようです。
運転手兼ガイドから注意があります。 出発。Taiga 気候で人間の背丈ほどしかない低木が続く景色ですが、これでも樹齢 100 年以上だそうです。

[Famale moose]0650。右方向に moose の雄1, 雌2 が見えました。客が一斉にバスの右半分に寄るので、バスが横転しないか、と思うくらいです ^_^;。8倍の双眼鏡 (元々は競馬観戦用) では 3頭がよく見えましたが、カメラの 110mm レンズでは豆粒くらいにしか写りませんでした (この場合に限らず、動物をまともに写すつもりなら、それ相当の装備が必要です。コンパクトカメラ程度では、後で何を写そうとしたのか分からないでしょう)。
Moose が木々の間に隠れると、バスは微速前, 後進してよく見えるポイントを確保してくれます。Moose は普段単独行動のため、夏にお目にかかれる機会は少ないが、この時期はハーレムを形成しつつあるため、このような場面が比較的多く見られるそうです。
0655。今度は moose の雄 2頭が角を突き合わせています。ハーレム形成時らしい場面。この時期の moose は冬に備えて食い溜めをしなくてはならないのですが、ハーレムを形成した雄は喧嘩のために食べるどころではなく、冬を越せないと言われているそうです。「いい思いをしたヤツは長生きしない」

0712。低木がまばらになってきました。ここでは moose が隠れる場所はなさそうです。
運転手兼ガイド「自然が厳しく、動物は頭数が少なく、大きな群を作らず、公園内に 1本の道があるだけで道路外へは出られないから、動物を観察できる条件は Africa の safari よりも厳しい。」「Moose がここまでで 8頭も見られたことは珍しいことなんだ。」

0715。眼下を横切る川の向こうに木のない山が現われてきました。その中腹にこれから行く道が細い筋になってついています。その左に Mt. McKinley が見えてきました。まだ山の上の方の 1/3 くらいしか見えませんが、これから進むに従って下の方まで見えてくることになります。
0725。その眼下の川は Savage River で、橋のたもとに番小屋が建っています。一般車の乗り入れはここまでで、これから先は、定期の shuttle bus, 私が乗っているようなツアーのバス, 公園の奥にある hotel のバス, キャンプ場の予約のある車だけしか通行できません。キャンプ場をこの先でいくつか見かけましたが、こういうところでのんびりとキャンプ & トレッキングをしてみたいものです〜申し込みが大変だそうですが〜。

[a row of ptarmigan] 0733。10分間のトイレ休憩。駐車場の隅を 10羽くらいの雷鳥 (rock ptarmigan) が列をなして行進しています。もう冬支度は始まっているようで、腹の毛が白くなっています。ここまででもブッシュが薄白い箇所があったのは、既に夜間には氷点下の気温になるからだそうです。これより手前で雷鳥に似ているが違うという鳥 (willow ptarmigan 〜ヌマライチョウ、という和名らしい〜) も見かけました。動物図鑑を買って来るんだった、と大いに後悔しました。植物図鑑は持ってきたのに。

0747。Alpine tundra 気候のため、ますます木がなくなってきました。

Denali Park の Big 4

〜是非見たい動物たち〜 それぞれに住んでいる場所や生態が異なるので、なかなか全部を一度には見られないようです。私もこの日は、 caribou に会えませんでした。

0813。Teklanika River を渡ります。「teklanika」は Indian の言葉で組み紐のような流れ (braided stream) の意味だそうですが、このあたりの川はこの川に限らず、川原が広く、なるほど組んずほぐれずの細い流れが何束も集まって川として流れています。
ここから、Dall sheep が出るという山と山の間の谷を通って Sable Pass への登り道。

0838。「このあたり、grizzly bear が多くて、トレッキングでも道路以外を歩いては行けない区域だ」と運転手が説明しているその時、左の丘の上から中腹へと grizzly bear の親子が下っていきました。Bear でも、繁みにはいると姿が見えなくなってしまいます。Berry でも食べているのかしら。
運転手「Berry って言ったって何種類もあるんだぞ、blueberry, raspberry, cranberry, wild strawberry, ....」

右の丘には Dall sheep が 4頭ほどいましたが、双眼鏡でもはっきりとはわからないくらい小さく、白い粒くらいにしか見えません。Dall Sheep はこの後もバスから見かける機会がありましたが、いずれの場合も 8倍の双眼鏡でもよく見えませんでした。前日夕方にヘリコプターに乗ったら眼下の尾根に群がいるのをいくつか見かけましたが、まだその方が、至近距離でした。

このあたり、険しい道が続くので、運転手はガイドを休止し、運転に専念。「動いてるものを見たら、『stop』のかけ声を忘れずに!」

0900。Polychrome Pass[Polychrome Pass] で 20分間のトイレ休憩。眼前には白いものを頂く Alaska 山脈。私の立つ峠と山脈の間は全く木がない荒涼とした眺めの中を川が 2条流れています。

バスが発車後、前から蓋付きのプラスチックのコップが配られてきました (ホテルのお土産やさんでも $1.70 くらいで同じものを売っていました)。ついで、通路を前から回されてきた段ボール箱の中にはインスタントのコーヒーやココアの袋が入っています。Stony Hill 到着後にお湯を入れて飲もう、というわけ。

0940。Toklat River。悪天候時はバスはここで引き返すらしいのですが、今日は Mt. McKinley が見えているから、ここでは停まらずにさらに先まで進みます。Red fox が道路をバスの進行方向へトコトコ進んだ後、反転してきました。

Stony Hill

1002。Stony Hill 着。Mt. McKinley まで 57km 余。雪と氷の峰が雄々しく視界を占拠していて圧倒される感じでしたが、これでも山の上半分が見えているだけだそうです (このページ最初の写真)。 [Coffee break at Stony Hill]バスの後部に箱が取り付けられていて、木炭バスのエンジンじゃあるまいし、と思っていたら、この箱にお湯の入った容器が格納されていました。さっき配られてきたコップにお湯を入れ、丘の上のテーブルを囲んでコーヒータイムでもあります。
ここまでで、鉄道の Denali Park 駅から約 80km。道はこの先 Eielson Visitor Center を通って Wonder Lake, Kantishna へとまだ 40km 余も続いていますが、Wild life tour のバスは20分の休憩の後、今来た道を引き返します。
Wonder Lake には hotel もキャンプスペースもありますが、ホテルは何泊か以上でないと予約が入れられなかったりするし、キャンプスペースは 12 しかないので、行くのは困難とのこと。
1047。Toklat River。川原でトイレ休憩。トイレの裏側の板に grizzly bear の足跡というか、手形というか、が付いていました。川の水に手を突っ込んでみる、と、なるほど、すぐに感覚がなくなる冷たさ。水は澄んでいる (氷河からの細かい石で濁ってはいない) が、「飲むな」という注意がありました。
復路ではさらに holly marmot, bear を見ることが出来ましたが、moose 等には出会えず、眠気との格闘でもありました。他の客は、というと、やはり居眠りしている人は多く、備え付けのランチボックスをむしゃむしゃ食べている人もいました。朝と違って、陽が当たると taiga の様子もかなり明るく感じられました。
1345。Denali National Park Hotel 帰着。(鉄道の駅のすぐそば)

バスの座席の決まり方

6時間以上バスに乗るわけですから、どこに座れるか、は重要な問題です。
バスの起点は谷底のMcKinley Chaletsです。バスに乗ってしまった後は座席は指定されていないので、起点で乗れば、好きな位置に座席を占められます。が、後の方のホテル (Denali Park Hotel 等) から乗り込むと、連れでも、離れ々々の席になってしまうことがあります (バスは大抵満員になります)。そうなると、バスの中から見かけた動物の感激等を共有できなくなって、ちょっとつまらなくなるかもしれません。進行方向に向かって右とか左とかはさして重要でないと思われます。
ちなみに、McKinley Chalets のカフェテリアやお土産屋さんは 05:00 には営業を始めています。前日 Alaska 鉄道の展望車で一緒だった顔に何人も会いました 〜 Gray Lines のツアーだから行程が一緒になったのでしょう〜。
カフェテリアの片隅には、今年 ('96) の Iditarod Trail Sled Dog Race の優勝カップの実物と、花輪と、報道写真が飾られていました。Jeff King 〜 従来の記録を 1 日以上短縮して優勝〜 がこのホテルのオーナー関係者だからのようです。それにしても、写真の中で、ゴール後の犬たちの誇らしげな顔が印象的でした。


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Last Modified : June 17, 2000