曇天を切り裂く一瞬の光芒

〜 久しぶりで勘の鈍ったままの夜 〜 Feb. 27 - 28, '01

northern light Feb. 28 FT-QL 1st northern light Feb. 28 FT-QL 2nd
左写真右写真
大きい写真は11kbytes12kbytes
機械フィルム式のカメラ (Canon FT-QL, 露出計以外は電池駆動の箇所なし)
レンズと撮影モード28mm, f2.8 (広角レンズ), 焦点距離 = 無限大
フィルムISO 1600 (FUJIFILM SUPER HG)
シャッター開放時間約 60 sec約 60 sec
撮影時刻Feb. 28, 01:40 頃Feb. 28, 02:20 頃
画像処理普通に D.P.E. に出して現像, プリント。EPSON GT-5500 WINS を Macintosh Quadra 650 に接続、240dpi にて PICT 形式で読み込み。Adobe Photoshop を用い、120×90 pixels (大きい写真は 320 × 240 pixels) に縮小 → アンシャープマスク 50%)
その他最初に西の空に現われた強い光ほぼ終了後の弱いカーテン。左中央にカシオペア座

northern light Feb. 28 Coolpix
大きい写真は 29kbytes
機械デジタルカメラ (Nikon COOLPIX 800)
レンズと撮影モードFish Eye (FC-E8) を装着, コンバータを「テレコンバータ」に設定 (本来使うべきフィッシュアイモードの正反対)
シャッター速度8 sec
感度(ISO) 400
撮影時刻Feb. 28, 02:07 デジカメなら画像と一緒に記録されるので便利
画像処理1600×1200 pixels で撮影したものを Adobe Photoshop を用い、120×90 pixels (大きい写真は 320 × 240 pixels) に縮小 → 色調レベル の 入力レベル を 0 〜 255 → 0 〜 16 に → コントラスト +20 → アンシャープマスク 50%)
その他天頂から光が降り注いでいるところ、中央に北斗七星が写っています。
northern light viewこの夜 オーロラが掛かった位置 (Fish eye で空を見上げる, 大きい写真は 21kbytes)

2回目の訪問は、前回とは違って、日本出発のその日のうちに Chena に入るという強行軍。
AS 135 (ANC 1332 → 1428 FAI) で Fairbanks 入りしたのだけれど、この飛行のほとんどは雲の上でした。Fairbanks に近付いても、雲は切れないまま。高度を下げると、雲の通過時に機体は揺れ、薄暗い下界が見えてきました。
空港に降り立って空を見上げると、どんより曇っていました。
なにより暖かい。暑くてセーターなど着てはいられないくらい。天気が悪いからかもしれません。
車の運転手は、「(Fairbanks 市内では) 今日は特に暖かいから、窓を開けて走るょ」。気温を表示している電光掲示板は 44F (2℃) を示していました。

Chena に着いてからも、ずっと曇ったままでした。1900 過ぎに岩風呂に浸かりながら空を見上げると、星は見えず、月が霞んでいました。
いくらなんでも、晴れていなければオーロラが見えるわけがありません。「今晩は駄目かもしれないな、ま、温泉に入りに来たんだから、いいか。」
2100 就寝。2300 に日本から持っていった目覚まし時計が鳴ったはずですが、熟睡していて気付かず。0042 自然に目が覚めました。いくら期待してなかったとはいえ、ちょっと慌てました。
あおやま は、野沢温泉に行っても、スキーに来たんだか、外湯巡りが主目的なんだか分からない行動を採っていますが、いくら、事情を僅かに知っている Chena といえども、甘く見てはいけない、ということをこの直後に思い知るのでした。

下のロビーから話し声が聞こえてくるので、オーロラはまだ出ていないと思われました。ここでは日本人のおじさんの集団が酒盛りをし、大声で話していたのですが、オーロラが出ているのなら、建物内にいるはずがありません。
深夜になっても暖かいままだったので、普通のジーパン, HAWKINS の靴で外に出ました。日本での冬の格好と変わりません。みぞれが降っていましたが、とにかく出かけることにし、そのままオーロラキャビンまで上がると、西の空が明るくなってきました。「出そうだ」と思いました。すぐには強くならないと考え、この格好では雪の上には座れないので、一旦ロッジに引き返し、スキーズボンに着替え、Sorel を履きました。でも、手袋不要の暖かさ。
このとき、まだ 0100 を少し過ぎただけでしたが、AIE のバスが帰っていきました。もう今晩は出ないと諦めて、早めに引き上げるようでした (このバスツアーの方々は、この夜の光を見逃すことになったでしょう)

オーロラキャビン内では、女性 4人がトランプ遊びをしているだけでした。建物周囲にもほとんど人はいません。普段の夜なら、キャビン内も人で一杯だし、カメラを置く場所を探すのに苦労するくらいの混雑ぶりですが、今晩はみなさん諦めたようです。
0140 頃、西方下の光の固まりが明るくなって、一本の線に成長しつつ、西の空から東の空への光の架け橋になりました。北の空にも薄いカーテンが揺れていました。
突然のことで、慌てて撮ったので、地上物を一緒に写すのを忘れ、つまらない出来映えになってしまいました。しかも、強い光は短時間で、取り直しもできず。
さらに、デジタルカメラでも撮影しようと試みたので二兎を追うことになってしまいました。暗所で長時間露光撮影する練習はしたつもりでしたが、いざとなるとうまくいかないものでした。 これが、結局、この夜唯一のオーロラらしいオーロラでした。
一旦北の空が明るくなりかけたことがあったのですが、そのまま quiet sky。
この後も、そして、先にも書いたようにこの前にも、空に薄明るい部分はずっとあって、それもオーロラだったのですが、派手でなく、 成長もしませんでした。薄曇りだったので、ぼけて見えたのでしょうか?
寒くないし、すぐに 1本出たし、温泉ロッジの灯はすぐに見えて、すぐ近くで人の話し声がするから寂しさを感じないで済むし、気楽な 第 1 夜でした。

0420 帰還。ロッジ前のムースの角を積み上げたところに掛かった温度計は 0℃をわずかに下回っただけの気温を示していました。カメラも全く凍り付かず。
途中、オレンジジュースを買うために Recreation Center に寄ったら、誰もいませんでした。
そのまま自分の部屋へ帰ってきてしまいましたが、佐竹さんたちは、この時間もまだ champagne を開けて歓談なさっていたそうです。そっかー、「もうお休みになっただろう」と勝手に決めつけてはいけなかったかー。建物の外から部屋を窺ったときは、灯が消えているように見えたけど、カーテンがしっかり閉まっているだけだったのか。旧 lodge には電話がないので、連絡手段が難しい
Moose Lodge では、さすがにおじさんは引き上げつつありましたが、おばさんの話し声は 0500 過ぎまで続きました。
おじさんもおばさんも夜中まで高声で話し続けるし、ロビーの机と椅子を占領して酒を飲んでるし、全館禁煙の建物内で喫煙するし (建物外に灰皿がある) …。 皆、胸には JTB のバッジを付けていて、お揃いの (A& P 社の) 赤い防寒着 を着、屋外には立派なカメラを林立させていたので、経済的にゆとりのある人々なのでしょうが、久しぶりに「日本人の恥」という言葉を思い出しました。

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Last Modified : Oct. 13, 2001