Chena Hot Springs Mar. 11 - 12, '97

[Northern light1](大きい写真は 8.6kbytes あります) (00:00 頃の Hale Bopp 彗星と northern light 1)
[Northern light 2](大きい写真は 8.7kbytes あります) (00:00 頃の Hale Bopp 彗星と northern light 2)
[Northern light 3](大きい写真は 11.5kbytes あります) (大規模なオーロラが終わった後も天空では小規模な〜でも明るい〜ショーが続きました。)
[Northern light 4](大きい写真は 8.3kbytes あります)(大規模なオーロラが終わった後もカーテンが揺れるようなオーロラは続きました、色の変化には乏しかったですが。)

この夜は、00:50 くらいから約 30 分にわたって大規模な northern light が出ました。まず、南の空が明るくなって始まりました。ついで、頭上からドライアイスの煙で出来たドームというか釣鐘状のものをすっぽり被せられているところに、下方からスポットライトを当てられたような感じで、大変明るくなりました。天空真上から白いシャワーがどんどん注がれている気がします。しかも、そのドームの裾の部分を赤, 黄, 緑の光が絶えず「すーっ」と走っていきます (語彙が乏しくてうまく伝えられないなぁ)。ただ呆然と空を見上げるだけです。私は、ロッジから 20 分ほど登山して見ているのですが、下界 (たぶん、ロッジ近辺のキャビン) からの「お〜 」という人の声がここまで響いてきます。ここまで明るい northern light だと、星は見えなくなります。

一旦終わったな、と思ったら、今度は北の方角で別のものが始まりました。長いカーテンをさーっと引くようなものです。やはり、裾を赤、黄の順で光が素早く進んでいきます。南側のものも再び始まり、やはりカーテンを繰り出してきています。どっちを見たらいいのか、まずそれに困ってしまうくらいです (嬉しい悲鳴)。

しかし、残念なことに、この明るい northern light が始まる前に私の手持ちのフィルムがなくなってしまいました。上述の「大規模」のものは、カメラのフィルムに記録されることなく、私の頭の中のフィルムに収まることになりました。負け惜しみを言うわけではありませんが、肉眼で見ているのでもあれだけ忙しかったのに、カメラを向けている暇はなかったでしょう (28mm で写せる範囲もまだ狭そうな位だったし)。また、あれだけ赤や黄色の移動速度が速くては、写真に写すのは難しいのでは (素人考え)。

そのドーム状の大規模のものがようやく終わっても、北側のカーテンは少し細目の、しかしより明るい帯になって続きました。照明がなくても腕時計の文字盤が十分読みとれるくらいの明るさです。地面が一面の雪で覆われているためでもあります。新月の時期で、月は全くなかったのですが (同時期に日食が観測されています)。

ここで、せめてもこの northern light の残り滓でも写真に収めようとの、どうしようもないせこい根性を押さえることが出来ず、01:25 に下山を始めました。ちぢかんで動かなかった爪先に血が通い始めて暖かくなってきました。空にはまだ東方に赤や黄色の帯が走り、上方も薄白いままです。下山するのだから足元に注意しつつ歩くべきなのだけれども (下手に踏み外すと膝までずぼっと埋まる)、空がこの状況なので、首を上方に固定したまま歩くのはなかなか大変です。自分の部屋に戻る頃 (01:50) には赤や黄色の濃いものや長いカーテンは終わったようでした。フィルム (既に ASA 400 のものしか残っていなかった) を取ってすぐに引き返します。これまで陣取っていた広場まではもう時間的に戻っていられなかったので、ハイキングコース登り途中の少し開けたところにとどまることにしました。目前の高い木が少し邪魔でしたが、緑〜白いものはこの後も 02:40 頃までは空の高いところで続き、肉眼で観察する分には問題ありませんでした。それが、このページ上方の写真 (4 枚中の下 2 枚) です。

03:00 頃、ようやくすべてが薄くなったようで、翌朝早く起きなければならなかったのも気に掛かり、この時点で引き揚げることにしました。ジャグジー横の温度計は -10F (-23℃) を示していました。


この夜は、はじめ (22:30 頃) ガスっぽくて、星も良く見えず、Hale Bopp 彗星も霞んでいました。夕方に雲が出始めたことから考えて、今日は northern light の見え方は悪いと、私は独断しました。別の日本人はこれを northern light の前兆と考えたそうで、今日は大きいものが 出るかな、と思ったそうです。あのガスっぽいものが雲か northern light の前兆かは未だにわかりません。

この夜が始まった時点でまだ ASA 800 のフィルムを 1本半残していて、余らせても仕方がないから、この夜のうちに撮り切るつもりにしていました。そのうち、東南 の方向 (火星を見る方向) が少し明るくなってきました。まだ弱くてすぐ暗くなってしまいますが、どんどんシャッターを切っていきました。ちょうど反対の方向 (カシオペア座方向) もときどき明るくなったり暗くなったりし始めました。後で現像に出してみると、これらの写真にも northern light は写ってはいましたが、シャッタースピードを 2分程度取ったものでも、暗い出来映えでした。

そのうち、北の山の稜線の上に少し明るい帯が出始めました。一昨日と同じ現象で、気合いを入れ直します。こうも早い時間帯から northern light が出てくれて、「待つ苦しみ」がないと、気分的にとっても楽でした。23:30 頃には 空のガスっぽいものがなくなり、星をくっきりとみることが出来るようになりました。やった、と思ってさらにシャッターを切るうち (このページ最初の写真)、東の空がより一層明るくなり始めました。これを数枚撮ったところで、フィルムがなくなってしまいました T_T (シャッタースピードを 15秒程度にしても十分明るく写っていましたが、彗星はややほっそりと頼りない感じの写りでした)。そして、この後、上述の大規模な northern light が始まったのです。



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Last Modified : Oct. 21, 2001