砲弾と装甲板関係...

角度の解説をやって無かったので説明を兼ねて作りました...

0.軍用角度計算2000.11.16
単位の簡単な説明と変換用プログラム... mil(ミル)は古くから軍用に使われている単位で昔の精密な計測器具が無い状態でも 2直角(180度)を半分に5回すると100mil(ミル)5.625度になり、 1mil(ミル)は、1000mで約1mの差となるので便利でした... 軍用角度単位 軍用{mil(ミル)、6400mil=360度} コンピューター用{ラジアン、2π(6.28...)=360度} 角度の基本、60進法(イギリス式) {1直角=90度、1度=60分、1分=60秒} 角度の基本、100進法(測量用、航空カメラの傾き角度など) {1直角=100g(グラード)} {1g=100cg(センチグラード)=0.9度=54'分=3240"秒} {1cg=100cc(センチ・センチグラード)=0.009度=32.40"秒} {1cc=(1/100)cg=0.32"秒} 修正、軍用、mil(ミル)は、6400mil=360度ではなくて 6300mil=360度を使ったり別の値を使う所もあるので計算値を 書き換えられるように修正しました... 6300だと1000mで0.99733m... 6400だと1000mで0.981748m... となり、6300mil=360度の方が1mに近くなるため 1/1000ラジアンを使うと良いと言う話もある 1000mで1.0000003333m...

砲弾の貫通力の角度修正
大戦中の砲弾と現在の戦車砲用の砲弾の違い
装甲板傾斜	WW2		現代
、	HVAP		APFSDS
70°	8%	1.087倍	6%	1.06倍
60°	19%	1.34倍	13%	1.15倍
50°	31%	1.45倍	23%	1.3倍
45°	39%	1.63倍	31%	1.45倍
40°	46%	1.85倍	36%	1.56倍
35°	55%	2.22倍	43%	1.75倍
30°	62%	2.63倍	50%	2倍
25°	70%	3.33倍	58%	2.38倍
20°	78%	4.55倍	66%	2.94倍

大戦中の砲弾と現在の戦車砲用の砲弾では初速の違いから
衝突時の装甲板の物理特性が違います
HVAP、X=1/0.7
APFSDS、HEAT、X=1
「1は、貫通弾道が斜めになった分、(装甲板の厚みが増した分)だけの数値です...
APFSDSは、装甲板に真っ直ぐ当たっても、斜めに当たっても、
装甲の厚みの分しか影響が無いことを現しています...」

HEAT弾の場合も、傾斜装甲の影響にX=1の方を使用します。
(HEATには限界角度というものがありそれを超えると炎が装甲を貫通する)
(のが不規則になり急速に貫通力が衰えます...)
(限界角度の法則)
(弾形によって違ってくる)
(旋転弾より有尾弾の方が限界角度が大きい)
(重い弾体より軽い弾体が限界角度が大きい)
装甲耐久値計算(テキストボックスとボタン式)

(半角で、装甲板の傾斜角度と厚さ(単位はmm)を入力してください)
10度とか20度の装甲で極端に装甲数値が大きい場合は滑ったか跳ね返される と思ってください...
しかし、装甲が極端にもろい場合は(弾丸直径に対して装甲の厚さが極端に薄い)
(ノモンハンの日本戦車は75度の傾斜で紙のように貫通してやられた)
数値どおりの防御力はありません

この計算式の前提条件外は...
(装甲板の厚み>砲弾の直径)の場合で砲弾の弾種によっても違ってきます...

APやAPHE(APDSも?)の場合
堅い弾頭が滑ってしまい計算内でもはじかれる場合が多いです...
APC、APCBC、APCRなどは、
先端に柔らかい金属キャップをつけて滑らないようにしてあるので計算通りで 良いようです。

実戦に出てくるT34(45mm)対75mm砲もパンサー戦車(80mm)対SU100、 is122も砲弾が大きくてこの計算式の前提条件外です...
(装甲板の厚み<砲弾の直径)なので弾丸質量に装甲が負けてしまい 規定の防御力(はじく?)を発揮できません。

旧(prompt入出力ボックス)装甲耐久値計算

「弾道合成角度計算」
徹甲弾と装甲のページに載せた表ですが実戦では、敵の真横や真正面から 撃っているわけではないので修正する必要があります。

式は、Cosφ=Cosθ×Cosα
φ=合成された角度、、θ=装甲板の傾斜、、α=砲弾の着弾角度

弾道合成角度計算(テキストボックスとボタン式)

旧(prompt入出力ボックス)弾道合成角度計算

曲面装甲厚計算プログラム

円筒型の砲塔や半円型の防盾、など曲線装甲部分はけっこう多いので
ゲーム内で簡単に命中場所の装甲値を確定するプログラムです...

曲面装甲の半径をRとすると
命中場所は円の中心から線分を引き入射角度と垂直の線との角度をθとすると
入射角度の傾きとθは同じになり...
入射角度と垂直の線上の円中心からR×Cosθ離れた地点になります。
%乱数を追加してあります。

半円型の装甲を想定して5度きざみに計算してあります。
最初の角度は命中場所を表す角度、次の%は命中場所を乱数判定するため
二番目の%は(x−5)〜x度の間の命中率%です。

曲面装甲厚計算プログラム(テキストボックスとボタン式)

これを使えばたとえばタイガー1の砲塔を側面から射撃した場合
装甲の厚さは80mmではなく中心からずれるにしたがって傾斜装甲に
対する命中になり見かけ上の装甲厚が増すのを再現できます...

T34/85に500mで撃たれた場合、111mmの貫通力

80mmを入力...
45度__14.64%___2.95%___入射角度45__装甲厚WW2_131mm_現代113mm
50度__17.86%___3.22%___入射角度40__装甲厚WW2_117mm_現代104mm
55度__21.32%___3.46%___入射角度35__装甲厚WW2_106mm_現代98mm

125度__78.68%___3.68%___入射角度35__装甲厚WW2_106mm_現代98mm
130度__82.14%___3.46%___入射角度40__装甲厚WW2_117mm_現代104mm
135度__85.36%___3.22%___入射角度45__装甲厚WW2_131mm_現代113mm

貫通するのは17.86%〜78.68%までとなり61%となります...
(ほんとは正規分布だと中心部に命中弾が集中するので違ってくるのですが)
(距離や誤差ごとに計算させるのは大変なのでとりあえず簡易計算用です...)

旧(prompt入出力ボックス)曲面装甲厚計算プログラム


「正面側面命中比率計算」

車体の寸法と射撃された角度から正面、側面どちらに 当たりやすいかその比率を計算するプログラムです...
ほんとはこの入力で命中個所判定と上の砲弾合成角度計算もいっしょに やってしまうほうが簡単ですがとりあえず作ってみました...

式は案外簡単で...
斜辺=(車体の幅もしくは全長)
視線を平行線とすると
sinα=対辺/斜辺
比率だけ考えれば良いので
sinα×斜辺(全幅)=対辺A:対辺B=sin(90−α)×斜辺(全長)

と、するだけです...

正面側面命中比率計算(テキストボックスとボタン式)

注意、入力ボックスは車体全長、車体幅、視線角度1度〜90度 の三つです。
半角で入力してください、車体全長、車体幅は(砲塔全長、全幅でもいい) 比率を出すだけなので単位は両方そろっていればmでもcmでもmmでも OKです...
(注意、数字だけで単位は入れちゃいけません(^^)...)

旧(prompt入出力ボックス)正面側面命中比率計算


解説
正面装甲が撃ちぬけない重戦車などに対しては斜め前方にずれて側面装甲を 狙うのが基本です。上の二つの式があればだいたい計算ができます...
ケニヒティーゲル(独)、キングタイガー(英)で
実験すると。10度ごとに出力です...
、      正面:側面、、車体側面装甲80mm傾斜65度は...
0度  100:0     
10度  74:26    09度
20度  58:42    18度
30度  47:53    27度
40度  38:62    36度
50度  30:70    44度
60度  23:77    52度
70度  16:84    58度
80度    8:92    63度
90度    0:100   65度
式2改定...
(注意この式は旧版しか作ってないです_(._.)_)
正面側面命中比率計算2(prompt入出力ボックス)

上の表の比率部分ががいっしょに出力されます。


「貫通力計算、空気抵抗グラフ入力計算(ドイツ軍用)」

貫通力計算(空気抵抗定数計算)

弾道の計算を利用して...
jacob de Marre
1/2*P*Vr2=c1*(d1.5)*S1.4 S∝((p/d1.5)0.714)*Vr1.43
Krupp
1/2*P*Vr2=c1*(d(5/3))*S1.3 S∝((p/d1.67)0.75)*Vr1.5
Moisson
1/2*P*Vr2=(c1/Vr)*d*S2 S∝((p/d)0.5)*Vr1.5
などの式を代入して計算させています...
この方程式達の基本原理は、

弾丸が装甲板を貫通した穴の体積・・・
(π/4)×穴(砲弾)の直径の二乗×貫通穴の深さ

砲弾の運動エネルギー
(1/2×重力定数)×砲弾重量×砲弾速度の二乗

この二つの間には相関関係があり比例式が成り立つはずなのですが
実験しても正確に比例式にならないので色々修正を加えた式が
各国で作られて使われています...
(注意、どれも古典式です現代の弓矢型砲弾用は別の式が存在します)

貫通力計算、空気抵抗グラフ入力計算(ドイツ軍用)
改定...

jacob de Marreを基本に数値を再計算(暫定値(^^)..)
「jacob de Marre c1=2616、n=1.7、AP、RHA(圧延均質)」
旧陸軍の数値を追加しました...
「30mm以下、c1=4950、n=1.5、AP、AFH(表面硬化)」

注、c1値が固定なので両者を同じ係数で使えません。
旧陸軍は小口径用なのでjacob de Marreを優先して作ってあります。
(選択方程式が「旧陸軍」で「砲弾種類ボタン」を押した時だけ )
(実験定数(貫通力調整用)×1.1525倍になります。)
一応、MoissonとKruppはc1値を「8.8cm_L56_Pzgr39」で合わせてあります...
(小口径だとずれて来ます_(._.)_...)
2000.1229...
どうやらネットスケープだと出力がおかしくなるらしいので修正しました。

「古典貫通力式」内の変数も簡単に書き換えて計算できるようなっています...
貫通力用の変数は、「実験定数n」と実験定数c1の二つです...
「実験定数(貫通力計算用)基本「1.00」」は微調整用に使ってください。
「選択ボタン」でドイツ軍の基本砲弾データーを順番に書きこみます。
(そのままだと発射角度がゼロになってしまうので各自で入力してください。)

注、普通コンピューターで簡単に弾道計算ができますといってプログラムが載っているのは...
単純に分割時間ごとに空気抵抗による減速を引いただけのものが多いようです。
このプログラムも同じような簡易版で、解答は、分割時間点で折れ曲がる
折れ線グラフ(多角形)になります...
つまり分割時間を小さくすればするほど弾道軌道に近づいていくことになりますが。
実用的じゃないので、サンプルは0.1秒で計算してあります。

使用する場合は、最低0.1秒以下の分割時間で使ってください...
(分割時間を変更すれば当然計算結果はずれます...)
それから、このプログラムは、戦車砲用に作ったので、
高度による大気密度の補正をしていません...
(そのため、最大仰角の射程が実際より短くなります)
(パンタークラスで18~20度の仰角をかけると高度1000mを簡単に越える)
(地表1062.2mb、1000mで898.7mb、気温-9.1度)
2000.10.28...


古典式は、装甲と砲弾の種類によって数値を変えて実射と比べて使いました...

貫通力計算、空気抵抗グラフ入力計算古典式計算用 試作...

jacob de Marre
S∝(P/d1.70.71428... Vr1.42857...

鋳鋼弾vs鋳鉄板 C1=1280
S∝(P/d1.50.76923... Vr1.53846...

鋳鋼弾vsCreuzet鋼板 C1=1530
S∝(P/d1.50.71428... Vr1.42857...

無帽弾(AP)vsNi-Cr鋼板(10cm以下) C1=1900
S∝(P/d1.50.76923... Vr1.53846...

無帽弾(AP)vs軟鋼板 C1=1477.066335...
2832.04402...
S∝(P/d1.50.76923... Vr1.53846...

無帽弾(AP)vs硬鋼板(Harvey) C1=20078.89
S∝(P/d10.66666... Vr1.33333...

無帽徹甲弾(AP)vs均質防弾鋼板 C1=2616
S∝(P/d1.50.71428... Vr1.42857...
----------------------------------------------------------------
無帽弾(AP)vsNi鋼板 C1=2832.04402...
S∝(P/d0.70.454545... Vr0.90909...

無帽弾(AP)vsCrupp鋼板(約15cm) C1=5800
S∝(P/d1.50.5... Vr1...

繭形弾vs均質鋼板 C1=1983 (銅金大佐)
S∝(P/d1.50.71428... Vr1.42857...

無帽徹甲弾(AP)vs表面硬化防弾鋼板(小口径3cm以下) C1=4950
S∝(P/d1.50.76923... Vr1.53846...

無帽徹甲弾(AP)vs表面硬化防弾鋼板(大口径3cm以上)
PVr2=13.6Sd2(1-0.549(S/d))
プログラム必要

ざっと組んだだけなのでまだ改良する必要があります...

貫通力数値変換
シュミレーションゲーム用は垂直装甲に対する貫通力、
書籍などに載っている実験値は、 60度の装甲板(垂直から30度傾斜)に対する貫通力...
sinX-0.7=0.814251
を掛ければ良いのですが一つ一つ計算するのは面倒です。
表計算ソフトがあれば簡単に計算できますが
作っておくと便利そうなので...
6.貫通力数値変換計算用

貫通力計算、空気抵抗グラフ入力計算
こちらも傾斜装甲板に対する貫通力を出力できるものを作ってみました...
新設した...標的装甲板傾斜のボックスの数値を60にして使ってください。

注、HPの戦車貫通力は、検証用に別々の資料から取ったもののほうが多いので
計算しても、小数点まで同じ物は無いです...
5mm〜10mmぐらいの誤差で合うならその数値は信憑性がある...
という考え方です

(書籍に書かれているものも総て実験数値ではなくて大まかな数値から)
(計算式で計算したものが多く使う式によって違ってきます。)
2000.0915


7.被弾角度による装甲防御力の変化2000.1023
今回は、暫定盤です(^^)...

砲弾の貫通力の角度修正装甲耐久値計算
弾道合成角度計算
正面側面命中比率計算
の三つをを統合しました...
しかし、使い勝手を考えるとデーターを一々入力して使うのは面倒なので...
本式は、個々の戦車データーに付けるか、国別くらいに分けてデーターを
入力しとかないとゲームで使うには不便みたいです(ーー;)...

上の欄が入力、下が計算装甲値と合成角度です
サンプルは、パンターD、M4シャーマン、97式中戦車の三つです
「<<」「<」「<」このボタンは被弾角度を30度5度1度変えます
X=は、傾斜装甲計算sinβ1/0.71/0.7です。
1を入力すると現代兵器の高速APDS用になります...

材質修正% は、
RHA、圧延均質装甲鋼鈑(ロールド・ホモジニアス・アーマー)100%
CHA、鋳造均質装甲鋼鈑(キャスト・ホモジニアス・アーマー)85%〜95%
AFH、表面硬化装甲鋼鈑(アーマー・フェイス・ハーデント)
などの差を計算する時に使えます...
(CHAは曲面を作って弾を弾けるので総合的に考えるとそんなに性能は落ちない)

ヤークトパンターとパンターとティーゲル1用を作ってみました...
ヤークトパンターパンターティーゲル1

被弾角度による装甲防御力の変化22000.1023
大体できました(^^)...

菱形や六角形の砲塔や車体の戦車用です。
三つ目のボックスを新設し、正面は0度、側面は90度、後面は180度を 入力します...
間の角度の装甲板も30度とか45度とか入力して計算します...
装甲板一枚ごとに上下と左右の傾斜角度を入力して使うことになります(^^)...
ティーガーUをサンプルで付けてあります...
複合傾斜だと砲塔側面の装甲値の感じがずいぶん違ってきます。
下の出力側の三つ目のボックスは装甲の材質用です 砲塔は鋳造で車体は圧延など違う場合はこのボックスを使います... 2000.1027...


8.penetration table Sinβxの(1/x)を射程距離ごと可変タイプ2000.1230
調べていくと傾斜装甲に対する減少値は可変なので...
旧「penetration table」はせっかく作ったのですがあまり使えないことになります
バリスティックデーターを見ると数値はひねくれた放物線になるらしい(~_~;)...
(砲弾ごとに速度変化、角度変化によって2軸で変わってくるので...)
(簡単に再現するにはグラフを使うぐらいしか方法が(-_-;)...)
角度側(上二段の従来のボタン)を先に操作して基本値を決めてから...
傾斜用ボタンを使ってください

固定軸m(ここを中心にして数値を傾けたり曲げたりします)
傾斜値(グラフだと数値が直線的に上がったり下がったりします)
放物線値(X2やsinなどの方程式のように数値を曲げます)

角度と同じパターンで矢印ボタンを押すたびに再計算します...
2000.12.30...

sinβxのxは、1に固定して(弾道が通過する実際の装甲の厚みになる)
出てきた数値を元にして砲弾の種類や弾丸速度によって○○%の変化とか
貫通数:口径で○○%修正とかしたほうが使えるものができそうです...
試作e2「penetration table」
sinβxのxは、1に固定...
修正%可変...
2001.0101...

両者を比べてみると...
細かい調整して角度ごとに数値を出しても0.4や0.5だとその角度専用で
90度−>60度−>30度とずらしていくととても使えない(-_-;)...
(角度ごとに専用の修正値を出さなければ使えない...)
装甲側から見て[1〜0.7]という数値は使い易く現象を理解し易いと言う面が
あるような気がします...

penetration table
Sinβxの(1/x)、補正値、可変タイプ2001.4.21
両者を統合しました。

これはネットスケープでも稼動する修正版です。

戦史研究&戦車戦へ戻る