幾何学的戦略論

アントワーヌ・アンリ・ジョミニ、スイス系フランス人
1779年ヴォー州(Vaud)生まれ
幾何学的戦略論 ジョミニの<戦争の基本原則>
1. 戦略的に一大優勢兵力を戦域の決定的地域に間断なく投入するとともに、我が軍の 安全を保持しつつなるべく遠く敵背後連絡線上に兵力を指向すること。
2.如上の部隊運用にあたっては、わが大量集中部隊で、敵の一部と交戦することを策 すること。
3.同様に指揮下部隊をして、・・・・・・戦術的部隊運用にあたり、わが集結部隊を戦場の 決定的地点に投入するか、もしくは敵の抵抗不可能な部位に指向するように指導するこ と。

余りにも単純なためその真意をうまく伝えることができなかった。

重点を間違え誤りがある。
奇襲=>大量集中
機動=>幾何学
彼の戦術姿勢は正統的な18世紀の戦略家のものと同じであり、ナポレオン式戦法 の本質的な価値を見過ごしている。

追加です。
ジョミニの部分が一番出来がよくないので少し補強...

ジョミニの未来兵器予測...兵法より
(クラウゼヴィッツの戦争論には無い考え方です。)

「軍備の優越は勝利のチャンスを増大させる。それは軍備の優越自体で戦いに勝つものではないが、勝利の需要因子をなすものであることはちがいない。 最近20年間の軍事的技術上の新しい発見は、軍の編成、装備および戦術についての大変革 を促しているように見える。

戦略だけが、スキピオやシーザーの時代でも、またフリードリッ ヒ大王やナポレオンの時代でも、同一原理に貫かれて不変のままである。というのは、 兵器の性質や、部隊の編成、組織とは本来無関係なものだからである。

現在オーストリアでは その威力と方向性能について調整可能といわれているコーングレーヴのロケット砲、弾丸と 同じ射程だけ遠くに 散 弾の雨を降らす榴弾砲、一個大隊分に等しい銃弾を放出するパーキン スの蒸気砲、これら全ては、アイラウ・ボロジノ・ライプチヒ・ワーテルローでの大殺戮戦 が、まるでヨーロッパ人種を根絶やしするまでにまだ不足でもあるかのように破壊のチャンス を狙っている。

諸国の政府が、もしこのような新しい兵器から防御する手段を発明することについて議会の 合意を取り付けられないならば、装甲をまとった騎兵で編成される軍の半数をもって戦いが始まる前に迅速にこれらの新しい兵器を奪取するように仕組まざるえないし、また、歩兵ですら 中世の鎧をふたたび持ち出して装着し、戦うことを余儀なくされるであろうし、またこれ以外 に方法が残されていないだろう。こうでもしないと、大隊は敵と交戦を始める以前に粉砕され てしまうであろう。

そして我々は全身を鎧でまとった中世のあの有名な戦士たちにふたたび出会うことになろう し、また馬たちも同様の防具をまとわなければならなくあるであろう。」兵法より

ジョミニ
戦争が科学として戦われるものなら、政治指導者ではなく「科学者(プロの指揮官)」 が、戦争の法則を解釈し適応するのに最適である。
(ジョミニの信念、作戦レベルの戦争の研究および実施は科学としてアプローチすべきである)

ジョミニは、ゲリラ戦の残虐性を嫌っていたが、
将来この種の戦闘形態が主流になると読んでました...

ゲリラ戦に情報が果たす役割...(ジョミニ兵法より)
(この考え方もクラウゼヴィッツには無い...)

武装住民はたとえどんな脇道でも、またそれがどこへ通じているかも詳しく知っている。 その上彼らには、至る所で力を貸してくれる親戚、多数の友人がいる。彼らの指導者たちも、 同じくその地方に精通しており、侵略者たちのどんな軽微な行動をも直にに嗅ぎ付け、その 企てを打ち砕く最適の手段をとることができる。

侵略者は相手側の行動について一片の情報 も持ち合わせず、これを察知すべき一切の条件を欠き、その携える銃剣以外に頼るものもな く、ただその部隊の集結によっていささかの安全を求める以外何らなす術もないのだから、 まるで暗闇を手探りで歩くようなものである。彼らの行動は全て失敗へと通じている。

最後 まで注意深く計画された行動、最高度に急速かつ疲労を押し退けての行軍の後、九分九厘ま で目的地に近づき、あわや敵に大打撃を与え得ると確信した瞬間、彼の発見するものは敵の 存在する印ではなくtれ、何と露営の残り火でしかないのである。

こうして侵略者たちが、 あたかもドンキホーテのように、水車めがけて突進している隙に、敵は後方連絡線に出没し、 守備に残された分遣隊を血祭りにあげ、補給隊や兵端部を襲撃し、後日侵入者たちがやむなく 侵略を諦めねばならなくなるほど、この種の戦争を耐え難いものにするのである。

ジョミニについての考えかた、批評

追加中...1999/10/5
ジョミニ「兵法」
マハンの「海軍戦略」の元本
ジョミニは名前は消えてしまったが彼の理論は現代でも知らずに使われている...

彼の性格からか?否定的に解説される場合が多かった。

否定的面
「現代戦略思想の系譜」ジョン・シャイより
西洋の軍事学思考に大きな影響を与えたナポレオン戦争の権威ある解説者だったが...
省略と誇張により舌足らずな論理を生み危険な結果を...

ジョミニの著作には軍事闘争の真の目的は地域の支配であるとするものが多い 戦いを空間的観点で考えた...

攻勢の原則、攻勢行動のみが勝利をもたらす
反撃を受けることなく攻撃できることはまれである
安全の原則、と競合するが曖昧なまま答えがない
目的の原則の運用上の意味もはっきりしない

彼の仕事の最大の弱点は、彼の著作自体の観点から判断しても、戦争の原則がどこに 適応され、どこに適応されないかがはっきりしていないことで例証される...

彼は科学的分析に何が適しており何が適していないか、という区分の存在とその重要性について 非常に不注意である。

「帰無仮説」
彼の原則から導き出される予測に合致しなかった歴史的ケースについての検証を行わなかった

弁明にこだわり疑問や批判をかわすための議論しかない
(検証によって彼の理論の幅を広げるかもしれない検証を避けた)

「還元法」
複雑な要素を単純化して考える方法

単純化しすぎた同じ規模の部隊の戦力を同じと数え
(装備、補給、訓練、規律、士気などの要素の違いまで省略した)
クラウゼヴィッツは変数と見なした

なんかぼろぼろです(-_-;)...

肯定的
当時は戦闘のどちらか側に立って(ひいきして)解説を書くのが普通だったが ジョミニは現代風に中立的に解説を書いた。

簡略化された部隊の考えかたは...
シュミレーションや現代戦略の基本的な考え方を作った
我々は知らずにジョミニの恩恵を受けている...




上の例は判りにくい...こっちに変更。
1.戦略機動により大兵団を次々と戦場の決定的な地点に、また可能な限り敵との交通線上に、わが後方連絡線(ライフ・オブ・コミニケーション)を危機に陥れることなく集中せよ。

2.わが主力をもって敵の一部分と会戦する如く機動せよ。

3.戦場においては、決定的な地点に、あるいは敵を撃破するために最も重要な戦線の一部に大兵団を投入せよ。

4.これら大兵団は単に決定的な地点に投入するだけでなく、適時に勢いをもって投入せよ。


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