JS2スターリン重戦車



機動力及び装甲厚 乗員 4人 全長 9.83m (砲を含む) 全幅 3.07m 全高 2.73m キャタピラ幅 65cm 戦闘重量 46t 機関   V2ーIS水冷60ーV型12気筒ディーゼル(38800cc) 出力   520HP 回転数  2000rpm 変速器 出力/重量比 11.3ps/t 接地圧 0.82kg/cm2 馬力荷重 8.00kg/HP 燃料容量 246リットル 潤滑油  45リットル 最大速度路上 37km/h 路外 最大航続距離 路上 240km 未整地 登坂能力 60〜100% 超濠能力 2.5m 渡渉水深 1.0m 回転半径 信地および8.6m 燃費   0.8〜1.05km/リットル 運行時間 10h 武装1943年型46.3口径122mm戦車砲D-25T 1931/37型46.3口径122mm砲A-19を戦車用に改修 AP弾、BR-471、 APHE弾、BR-471B 800m/s、弾重24.9kg、1000mで145mm HEAT弾、BP-460A 550m/s、13.2kg、貫通200mm(成形炸薬弾) HE弾、F460、800m/s、22.6kg、(榴弾) HEF弾、OF-471、800m/s、24.9kg(榴霧弾) 弾薬数 装甲(mm) 前面上部下部 側面 後面上面下面 車体 120(60) 120(60) 90(75) 60(41) 60(49) 砲塔 100 90(72) 90(60) 車体上面 前60(18) 30mm 車体下面20mm 初期型車体前面、上部120(60) 下部100(60)、傾斜部分60mm(30)
最初はKV1の機動力を上げようとして開発がスタート (T34について行くことがまったくできなかった。) しかし、1943年初めにレニングラードでタイガー1を捕獲 したことから武装と装甲を強化した新型重戦車を開発することに なりました。 最初は、KV戦車に85mm戦車砲S-18を乗せて試作しましたが、 76.2mm砲用の砲塔に85mm砲を乗せるのは無理があり、 専用砲塔を制作することになりました。 完成したKV85は総重量46tになってしまいさらにタイガー1に対抗できる だけの装甲を追加するのは不可能との判断から車体も新しく新作することになりました。 KV85 JS戦車の生産が軌道に乗るまでの数ヶ月の間に生産された KVの車体にJS1、85mm砲塔を乗せて量産された... JS−85(1943年、10月15日生産開始、1944年1月まで)生産台数、107両 装甲重量を軽減するために車体はKV戦車より小さくされ、装甲強化した上で2tの重量 軽減に成功しました。同時にKV戦車の泣き所であったトランスミッションも改良され (「機動性が無い」といわれているのは、KV戦車は実際にはミッションの故障で動けない) (ことが多かったのでこういわれたのでした。(-_-;)...) 生産性(部品点数の削減)と信頼性が向上しました。 JS100、122? 1943年10月30日主砲、換装決定 T34/85戦車の開発成功のニュースが伝えられ、スターリン戦車に中戦車と同じ砲を付ける わけにもいかず(スターリンの機嫌を損ねると銃殺される危険がありました(-_-;)...) パワーアップすることになりました。 候補に上がったのは新開発の100mm砲と旧来の122mm砲です。 貫通力から見れば100mm砲の方が圧倒的でしたが、新型すぎて砲弾やメンテナンスに まだ不安があると言う理由から122mm砲が採用されました。 前線で広く利用されているため弾薬供給不足になる心配はありませんでした。 戦車攻撃以外の陣地や拠点攻撃など多目的に使用する場合弾量の多きい122mm砲の方が有利でした。 (もしかすると(-_-;)口径の大きい方が安全(自分の首が)だとか考えたのかも(-_-;)...) 欠点は、 元々薬莢式85mm砲用に弾薬収納部分が設計されていたため、 分離薬莢式の122mm砲弾と薬莢を別々に収納すると28発分しか搭載できなくなってしまいました。 JS2生産開始...1943年12月 初期型は、野戦用の重砲であった122mm砲A19の尾栓形式をそのまま採用したため 発射速度が遅く、車体前面、車体前面の装甲バイザーが危険でここにタイガー1の88mm砲 の連打を受けて破壊されるケースが続出しました。 「主砲の発射速度の差から連打を受けた... JS2の前面、は始めからタイガー1の88mm砲に耐えるように作られていたため 正面からタイガー1に撃たれてもデーター的には100m〜300mの超近接射撃をしないと 装甲を貫通できませんでした、しかし、技量、発射速度や命中率の高いドイツ戦車は JS2の欠陥を突いて倒しました... 主な物は車体前面の装甲バイザーと砲塔防盾の丸みのショットトラップで 車体上面を直撃されたり、装甲バイザーを壊されて多数のJS2が破壊された...」 1944,1月、尾栓形式変更、しかし、分離砲弾なので根本的にスピードアップは 不可能でした... 1944年2月改良 直接照準器10-T-17の位置を防盾を広くしてずらした、85mm砲用の砲架に無理矢理 122mm戦車砲を載せたため照準器の位置に無理があった。 1944、8月、前方形状変更、 訂正、1943年、11月27日には改良閉鎖器型の122mm戦車砲D-25Tは完成していて、 生産開始と同じ時期43年12月から装備開始されている。 量産車の大部分、もしかすると全部がD-25Tの可能性が高い... JS3は... 実戦には参加せず9月7日の戦勝パレードでお披露目されたと言われていますが (キングタイガーの主砲でも貫通不可能な装甲と巨大な122mm砲、重量を減らすための) (コンパクトな車体など脅威の性能に西側武官の度肝をぬいたそうです。) 少数は、試験的に実戦投入されていたようです... 「ドイツ空軍のハンス・ルーデルの手記に終戦の数日前に、見たことも無い新型戦車を 撃破した話が載っています。」 各種自走砲... Jsタイプの車体を使って自走砲が作られています。 JSU122、 JSU152、 このクラスの主砲になると弾丸重量による破壊力が圧倒的になるのでキングタイガークラスの 敵戦車も葬れました... JSU152 開発命令からわずか25日で試作車を完成させた。 KVの車体に六角形の密閉戦闘室を載せる簡単 な手法で作られた。 1943年2月7日採用 3月1日までに35両完成 1943年末までに704両生産された。 JSU122 T34車体でも122mm砲を載せた自走砲の制作が始まったが スターリン戦車の生産がなかなか進まないので 穴うめの為に生産が続いた 実戦は... JS2は、独立重戦車連隊(実際は21両程度)、後に独立親衛重戦車旅団 (64両程度)として編成され、前線突破戦車として重防御されたドイツ陣地 の攻撃用に集中投入されました... (そのため主要な敵は対戦車砲や歩兵でした) JS2の機動力についての疑問? ルーマニアで戦ったタイガー1部隊の記録にタイガー1より速度も遅く 機動力も悪かった...という話がある。 (注意、練度不足で上手く操縦できなかった可能性もある...)
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