「ソロモンの指輪2 人間の行動の場合」

P276
「降伏者への哀れみが戦史の厳しいモラルになったのは、やっと中世・・・棋士道にはいってから・・・」


注意1、人間の抑制については、殺人に対する嫌悪感や忌避として現れている。哀れみではない。
注意2、儀式化した戦争による戦争の制限は先史時代からある。
(コンラートは人間には「抑制がない」とは書いていない。人間は、「自分の体」「種族特有の行動様式」に不つりあいな強力な武器を発明してしまい。これにつりあう抑制が用意されていないとだけ書いた。
注意3、人間にも、殺人の抑制が存在する。道具を使う人間の場合、さまざまな状況が考えられるため、オオカミのような攻撃抑制を誘うポーズでは無く。殺人自体に対する嫌悪感や人を刺し貫くことへの恐怖という形になっている。
しかし、先史時代の石器ナイフや槍、程度までの武器にしか対応していない。(切るより突き刺す方がより大きな抑制が生じる。金属や石器の刃物より、木の先を尖らせた槍のほうが 古くから使われてきたため、ちゃんと抑制が作られたということが判る。)
近代兵器の大砲や爆撃、機械の人型画像シルエットを見ながらゲームのように撃ち殺す場合など、殺人の実感が沸かず。抑制が働かず簡単に虐殺を実行してしまう。

P278
「 自分の体とは無関係に発達した武器を持つ動物がたった一ついる。
したがってこの 動物が埋まれつき持っている。種特有の行動用式はこの武器の使い方をまるで知らない。武器相応に強力な抑制は用意されていないのだ。」
「この動物は人間である。彼の武器の威力はとどまるところなく増大していく。十年とたたぬうちに、その威力は何倍にもなる。だが生まれつきの衝動と抑制が生ずるには、ある器官が発達するのと同じだけの時間がいる。それは地質学者や天文学者が常用する膨大な桁の時間であって、歴史学者の時間ではない。」

P278〜279
「われわれの武器は(爪や牙のような体にそなわったもの)自然から与えられたものではないわれわれみずからの手で創り出したのだ。武器を創り出すことと、責任感、つまり人類をわれわれの創造物で滅亡させぬための抑制を創り出すこと。どちらがより容易なのだろうか?われわれはこの抑制もみずからの手で創り出さねばならないのだ。なぜならわれわれの本能にはとうてい信頼しきれないからである。」

抑制の創出、
男児の場合は(母親や保母さんが)仲良くすることを教え込まないと、かなり攻撃的な本能を持つことが判る。相手を殴り、良さそうなおもちゃがあれば奪ってしまう。大きくなってもかなりの競争意識や闘争本能があるので競争を煽れば簡単に玩具のブームを作りだせる。(女児用玩具に比べると簡単な市場だと男を馬鹿にしたような記事が流通新聞に以前載っていた。)
しかし、幼児期にかなり教育によって抑制され、子供が生まれた社会に合うように調整されるということが判る。

本能のままだと人間はかなり好戦的で破壊衝動などもある、しかし、これは、競争という意味と同時に狩猟を行って獲物を捕らえねばならなかったため、必要な本能だと言える。(同族には向けられないように抑制本能がちゃんとついている。)
フロイトや原罪みたいな考え方はかなり誤りを含んでいる。
注、一般に考えられているフロイト、実際のフロイトの心理学はかなり深い




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