◎「ソロモンの指輪1 動物の行動の場合」

解説1
動物には同族同士で殺し合いをすることを禁ずる「抑制本能」が存在する。強力な武器(牙や爪)を発達させた動物に特有の本能で、逆に攻撃能力の弱い動物にはない。

P276
「ある動物が同族の仲間に向かってみさかいなく武器を使用することを禁止するこの抑制は、生まれつきそなわったものであり、本能として確立されたものである。」

P277
「ある種類の動物がその進化の歩みのうちに、一撃で仲間を殺せるほど武器を発達させたとする。そうなったときその動物は、武器の進化と並行して種の存続を脅かしかねないその武器の使用を妨げるような社会的抑制をも発達させねばならなかった。」

P278
「すべての動物を武装してきた進化的な過程は、同時にその衝動と抑制をも発達させてきた。なぜならば、ある動物の体の製造プランと、種に特有な行動様式の遂行プランとは、一つのものであるからだ。」

P276〜277
(例外)ごくわずかの肉食獣だけはまったく非社会的な生活をしているので抑制なしですませている。…シロクマ ジャガー…


◎解説2
詳しい例、オオカミの場合、
注目点は勝者は敗者を噛み殺そうとする意志があるのだが、抑制本能のおかげて攻撃できなくなってしまう点…

P264
(オオカミの場合)「彼はほんとはかみつきたいのだが、それができないのだ。...このような状態で相手に首すじをさしだしているイヌやオオカミは、けっして本気でかまれることはない。」
P268
「…なぜジュズカケバトは{同類虐殺}を防ぐ保証を一つも持っていないのだろう?」
「ワタリガラスがなんの抑制も持たずなんでもキラキラ光る動くものをつつき、彼の兄弟や妻やヒナたちの目玉をつつきまわっていたとしたら…オオカミやイヌ…彼らがほかの対象とのみさかいもなく、抑制もなしに、いきなり群の仲間の首すじめがけてかみつき…仲間をふり殺してきたとしたら…」
P268〜P269
「ジュズカケバトはそのような抑制を必要としない…相手を傷つける力がごく弱く、おまけに逃げだす能力がじつによく発達している…」


◎解説3
本には鳥かごの中におしこめられた(自然状態では、敗者は飛んで逃げるのでこのようなことは通常起こらない)ハトが敗者の上に乗って残酷にも羽をむしってとどめさす挿絵が載っている。

P272
「これまで知られている社会性動物の服従の態度や姿勢は、すべておなじ原理に基づいている。情けを乞うほうはまったく無防備になるのである。」
P274
「・・・服従の身振りが、固定した本能的なものであり、かつ長い進化の産物である・・・」

この抑制は個々の個体が貴重な高等生物の場合に発達したもので細菌や昆虫などの場合、個々の個体よりも集団として


注、同族に対する抑制についての部分の解説であって、弱肉強食の肉食獣と草食獣については、別 のルールが存在する。捕食獣は絶対に獲物を狩り尽くしたりできない。つまり、「鯨が全滅する前に捕鯨会社が倒産してしまう。」(ローレンツ)一定数より獲物が減れば生活していくことができなくなり、ほかの場所へ移動しなければならなくなる。

もし、捕食獣を消してしまうと・・・
まず「草食獣が大増殖し」=>「食べ過ぎで草地が荒廃し」=>「食料が突然足りなくなって大量餓死」=>「これが繰り返され、肉食獣のいた時よりも(環境悪化し)」=>「生存数が何分の1に減ってしまう」


同じ捕食者の地位で同じ獲物を獲る場合は、激しい競争を演じ敗者は、滅亡する。
猿人、旧人、新人の世代交代は、自然環境の中の同じ場所を占めるため、劣った種族は滅亡した。
動物の例はオーストラリアの有袋類の捕食者が人間の持ちこんだ犬との競争に敗れて滅んだ。

弱肉強食は異なる種の間の問題であって、同じ種内の闘争とは関係ない。人間が拡大解釈して使っている。




戦争は個人の決闘や単純なエスカレート理論では表せない。
ソロモンの指輪2 人間の行動の場合資料


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