バンドから村落社会における戦争と人口調整(追加2)


バンドから村落社会における戦争と人口調整
(注、国家ができ戦争が巨大化した時代では人口調整としての戦争は成立しない)
(どの巨大な戦争でも一時的に若者などの大量死で人口が減っても増加率は減らないため)
(男性数が戦争による大量死で減っても人口増加は女性の数で決まるため...)
(元々人間の増え方は避妊などによって制限しなければかなり大きい。)

P70
「男児の優遇を通して行われた人口増加規制は、文化が自然に対して収めた驚くべき「勝利」である。親がわが子をほったらかしにしたり殺したりするには、非常に強い文化的強制力が動機として不可欠である。まして、男児と比べより多くの女児を 放置したり殺したりするというような行為は、ことのほか強い強制力がなければ生じなかった。そして、戦争は、こうした強制力や動機を与えた。戦士となる男児を養育した集団だけが、戦争の中を生き残ることができたからである。戦闘法を教える対象として男児が選ばれたのは、武器が槍、棍棒、弓矢、その他 手で扱うものだったからである。だから軍事的成功は、屈強な戦士が多いか少ないかで決まった。したがって、男性のほうが女性よりも社会的に価値のある存在となり、男も女も男児をできるだけ多く育てるために協力して女児を「片付け」ようとしたのである。」

p74
「戦闘部隊を編成する決定的要因が筋骨たくましさにあるのなら、敵方の平均的な男性と同じくらい、もしくは彼らをしのぐほど屈強な女性が対象外となるのは何故だろうか?・・・鍛え上げられた大柄で力の強い女たちが自分より小柄な男どもを向こうに回して戦勝を収めるということが時折にでもあると、それは 女 児 殺 し を行う根拠となっている男女の上下関係と矛盾をきたしてしまうからである。戦功のあった男性には、報酬として、数人の妻と、男性優位を受け入れる女性教育にもとづく性的特権が与えられる。社会システムが円滑に機能するには、自分が器量においても力においても男性にひけは取らないという考えを擁くことは、どの女性にも許されない。」


(戦争が腕力で決まった時代は男性優位だったが、現在では移動は内燃機関、戦闘力は火薬で得られるので兵士が男性である必要はない...男だけが兵士になるのは戦闘文化がこの時代に固定されてしまったから...)


P74
「戦争と女 児 殺 しは、かろうじて食べて行くだけの状態まで生活水準が下がってしまうのを阻止するために行う人口調節に対して石器時代の祖先が支払わなければならなかった代償の一部である。」

(再生産圧力)
(村の戦闘力を増やすにはまず女性を増やして戦士になる男性を沢山産ませれば村は強くなる。
これが当り前の答え...しかし、村が持つ農地や食料の生産量は限られていて村の人口自体を増やすことはできなかった。そこで・・・)

P68
「男児の養育を奨励し、男児の男らしさを戦闘に対する備えとして称賛する一方で、戦うことのない女児の価値を下げていった。こうして、女児たちはほったらかしにされ、虐待され、公然と殺されるようになり、そのために人数が制限されるにいたったのである。」

p75
「嬰 児 殺 し も戦争もさらにはこうした災厄にともなう男女の上下関係も、人口を分散させ人口増加率を下げなければならないが故に生じたということを示している」


マーヴィン・ハリス
ヒトはなぜヒトを食べたか(生体人類学から見た文化の起源)より

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古代ローマの生活誌 新生児の遺棄(資料1)
エデンの園の殺人(資料3)

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