試験所認定制度

試験所認定制度とは、特定の試験や計量計測を実施する試験所の能力を、公式に承認する制度。1970年代から欧米等が導入を開始し、1980年代には飛躍的に普及した。そうした個別の認定制度を、地球レベルで共通なモノにしていこうということで生まれたのが、ISO/IEC17025やISO/IECガイド58だ。ISO/IEC17025は、個別の試験所・校正機関が能力として満たすべき事項を規定したもの。各試験所等を審査・認定する際のいわゆる「認定基準」となる。昨年までは「ガイド25」という位置づけであったが、今年から公式な国際規格として格上げし、内容も抜本的に拡充・強化された。これに対しガイド58は、これら試験所等を審査・登録する認定機関が満たすべき事項などを規定したものである。このうち認定基準の「17025は、品質システムの要求事項と技術的な要求事項で構成。それによると、前者は@組織、A品質システム、B文書管理、C契約の内容の確認、D苦情、E不適合の業務の管理、F是正処置、G予防処置、H記録の管理、I内部監査、Jマネジメントのレビュー――など、後者は@要員、A施設および環境条件、B試験・校正の方法およびその妥当性の確認、C設備、D測定のトレーサビリティ、Eサンプリング、F試験・校正結果の品質の保証、H結果の報告――などの各項目について、詳細を規定している。

  ところで、こうした国際規格に基づく認定制度をわが国の計量証明事業に活用できないかと考えた通産省は、9月に計量行政審議会を開催。当面、「データの信頼性確保」について社会的要請の強まっているダイオキシン類など、極微量物質の環境計量事業者に対して適用する方向で、検討を開始した。こうした試験所認定を取得するためには審査・登録料や更新料など多額のコスト負担が新たに必要となるため、一部事業者には反対する声も強いが、果たしてどうなることか。11月下旬には報告案、年内に最終報告をとりまとめる予定だが…。

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