地方環境税

 政府税制調査会等での環境税論議の高まりとともに、「地方における環境関連税制」の導入を求める動きが強まってきた。国レベルでは自治省が「研究会」を創設。地方税分野での環境税(具体的には「炭素税+エネルギー課税」的な内容を想定しているらしい)導入を目指し、検討を始めた。また、地方分権推進委員会でも地方財源の確保に向けて、地方環境税の具体化を模索する動きがみられる。一方、地方レベルでは自治体独自の動きが活発化。特に「地方分権一括法」の施行(今年4月)に伴い創設された「法定外目的税」を活用しての新税導入を検討する自治体が増えている。

 まず自治省は今年2月に「地方における環境関連税制のあり方研究会」を設置、先月末から@環境政策における自治体の役割、A環境関連税制の目的と地方課税、Bいわゆる環境税(炭素税+エネルギー税)の組立てと地方課税の手法、Cいわゆる環境税以外の環境関連税制の組立てと地方課税(課徴金その他も含む)の手法、D選択すべき地方財源の種類――などを論点に論議を始めた。年末を目処に報告書をまとめる考えという。この自治省の狙いに関しては、政府税調を中心に進められている「環境税(炭素税的イメージ)論議に乗り遅れまいとする思惑から」との見方が強い。こうした自治省の対応に、国税としての導入を狙う大蔵省が反発、政府税調や地方分権推進委員会などではそれぞれ「炭素税は国税で」「地方税でも対応できる分野はある」と、せめぎあっている。

  一方、こうした国の動きを横目に、自治体独自の動きも活発化している。三重県が「産業廃棄物埋立税」の試案を公表、近隣府県も関心を示しているという。鳥取県も「産業廃棄物税」の導入を検討中だ。さらに上越市が炭素税的発想で導入を検討。東京都など大都市自治体も相次いで「環境税」「廃棄物税」の導入検討を始めている。

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