家電リサイクル法

家電リサイクル法が今年4月から施行された。同法は洗濯機、冷蔵庫、テレビ、エアコンの4品目を対象として、メーカーに一定割合以上の再資源化を義務づけるともに、その費用の一部を消費者に負担させる仕組み。「使用済み製品廃棄物のリサイクルシステム構築の第一歩」として、その普及・定着を期待する声がある一方で、問題点として不法投棄の急増を懸念する声も根強く、東京都は不法投棄の回収・処理費用をメーカーが負担するよう要請。すでに一部の自治体が都の措置に追随を始めるなど、早くも、「メーカー側の製造責任のあり方をさらに見直すべき」との声が拡大。今後の制度改革の焦点になりつつある。

 そうした中、日本政策投資銀行がこのほど「家電リサイクルシステム導入の影響と今後」と題した調査レポートをまとめた。同システムの市場規模や事業採算性などを検討し、今後の制度見直しに向けた論点などを整理したもので、市場規模は「家電4品目で1,000億/年、電機・電子機器を含めても3,000億円/年程度と小さい」と予測。さらに、不法投棄や中古品輸出など不確定要因が多いため、事業採算性を確保するだけの回収率を実現するのは容易でないと指摘した。一方で、@廃棄物の定義の見直し(廃棄物処理法規制対象からリサイクル可能物を除外するなど)A電子・電気機器のリサイクルシステムとの一本化――などを課題として指摘した。うち@は、環境省もその検討に入る方針を明言。一方、Aは経済産業省がパソコンのリサイクルシステムを改正リサイクル法の下で進めようとしていることから、将来は家電リサイクル法も、改正リサイクル法に統合し同体系の下で進めることが必要――などと提言している。

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