COP6.5

気候変動枠組み条約に基づく京都議定書交渉が昨年11月のCOP6でまとまらず、止むを得ず開催することになった『COP6.5』(7月1627日、ハーグ)。その開催準備がまさに本格化しようというこの時期に、「米国ブッシュ政権」は突如京都議定書を支持しない旨を表明した。その真意については、「反クリントン政策あるいは自国経済・主要産業を庇護するためのガラガラポン」的な見方と、「より有利に交渉を進めるための条件闘争戦略の一環」という2つの見方に集約されるようだが、OECD環境大臣会合、G8サミットを経て、当面の焦点となる『COP6.5』まで、その騒動と混乱はしばらく続くことになりそうだ。

 米国は元来、気候変動問題に限らず、生物多様性条約やxx議定書などにみるように、環境保護目的の国際取り決め(「自国産業に不利になる」という条件が付く)には極めて冷淡だ。批准しないと宣言しておきながら、あれこれ注文を付けては引っ掻き回す。気候変動問題に関しても条約交渉の段階から常に足を引っ張り続けてきた。そうした経緯を振り返ると、今回の表明はある意味予測できたといえる。こんな、いわゆる「自己中大国」の米国に対しては当面、その出方を見守るとして、実はもっと情けないのが京都会議議長国であるわが国の対応だ。日本政府は早くも「米国が参加しない議定書交渉は意味がない」と、実質的な米国の追随を始めた。議定書に参加しない国とその産業界は京都メカニズムに一切参加させない。その産業界が売る商品や製品が環境配慮していなければ、「環境保全上の欠陥品」として「買わない、使わない」。そうした覚悟があるのなら協調してくれなくても結構――。それで十分だと思うのだが…。

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