低排出ガス車認定制度

 低排出ガス車認定制度が今年4月から施行された。同制度に基づく第一弾として、運輸省は21車種・37形式を初認定。超優良低排ガス車には天然ガス車が選定された。

同制度の創設にあたっては環境庁と運輸省が連携して取り組んできた。制度はいたって簡単で、環境庁がまず「低公害車排出ガス技術指針」(3階級)を策定。運輸省はこれを認定基準に置き換え、自動車メーカーや輸入業者からの申請に基づいて型式認定等の際に適合審査を行い、認定・公表する。認定された自動車にはそれぞれのクラスに応じたステッカーの貼付が認められ、一般車と差別化できる仕組みだ。また、認定基準も単純で、各申請車のNOx、CO等有害物質の排出量が最新規制値と照らし75%削減されていれば「超・低排出ガス車(ULEV)」、50%削減されていれば「優・低排出ガス車(LEV)」、25%削減されていれば「良・低排出ガス車(TLEV)」と区分されている。

このほど運輸省が公表した内容によると、最高ランクのULEVにはCNG車(日産ADバンとそのOEM供給車)が認定された。ガソリン車では、ホンダのオデッセイやスバルのレガシィ、スズキのエスクードなどがLEVとして認定された。最近すっかり悪役と化したディーゼル車は当然のことながら?認定はなかった。今後これらの認定車に関しては各メーカーが格好の宣伝材料として活用、テレビや新聞広告などを通じ、賑やかなPR合戦が繰り広げられることになるだろう。

   ただ、政策としてみると、これだけでは不十分だ。運輸省や環境庁が自ら報告書で指摘しているように、今後はもっと具体・直接的なインセンティブ措置の実現が課題となる。現在、環境庁はそうした大量普及方策のあり方について検討会を設け審議中で、6月中にもまとまる見通しだが、その内容が当面注目されるところだ。

ご注意:この記事の著作権は、筆者に帰属します。転載を希望される場合は、必ず事前にご連絡をください。ご連絡はこちらからどうぞ。