ALTERED DIMENSIN
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2006.12.20
 

シークァーサー・ミックスジュースのレシピ

右手前/ショウガ、右後方/富士柿、中央/シークァーサー、左/スペアミント鉢植え
[素材]
シークァーサー(適量、目安は5〜6個で一人分)
ショウガ(適量、1センチ角ほど)
スペアミント(適量、葉7〜8枚ほど)
炭酸水
富士柿(甘味をつけるため。ハチミツ、砂糖でも可)
 
  師走、西荻窪の駅前にある果物屋さんの店頭に沖縄特産の柑橘類シークァーサーが並んでいた。緑色の実が5個入ったパックで売られている。手に取って見ていたら、店の人が近寄ってきて説明してくれる。沖縄から来てこの店で働いているという。シークァーサーは秋から年末にかけて出回っていると教えてくれた。沖縄では刺身に上から絞ったシークァーサーを垂らすんですよと両手を前に出して指で絞る仕草をする。
  前々から気になっていたことを尋ねてみた。「シークァーサーでミックスジュースを作るとすると他にどんな果物があうんですか?」 ……どうも予想外の質問だったようで答に窮した様子。少し間を置いて、「とにかくレモンみたいなもんです」と言ってくれた。どうも愚問というか、聞くべきではないことを聞いてしまったみたい。
 
  普通の生のシークァーサー・ジュースは、果汁1に水5〜8で薄めて、シロップやハチミツで甘味をつけて出来上がり。
 
  せっかくだからシークァーサーをベースにしたミックスジュースを作ってみたい。シークァーサーは輪切りにして親指と人差し指で絞るのに都合のいいサイズ。皮が薄いので簡単に絞れる。種がポタポタ落ちてくるが、それは後から取り出す。 ミックスジュースのヒントなったのが「レモンみたいなもんです」という言葉。沖縄では「ひらみレモン」とも呼ばれているとか。それならシークァーサーの絞り汁に生薑(ショウガ)を加えてみよう。当然ながら割るのは水ではなく炭酸水。これで酸っぱさと、刺激、「キレ」の3つが揃ったが、ジンジャエールのマネといえなくもない。炭酸水は工程の最後に注ぐ。
  それにプラスして何かユニークな個性をつけたい。とはいえこれにトロピカルな香味を加えると、そっちの印象が強くなって、刺激やキレのピントが外れる。甘味は控え目にして、ドライな感じがいいのではないか。
  ハーブのスペアミントの青々とした葉を加えてみた。ショウガもミントも摺ったものを加えてミキサーでかき混ぜる。スペアミントは香料のひとつに数えられているが、この場合は、どちらかというと風味といった感覚で使っている。フルーツジュースに生のハーブを加えるというのは、自分なりのオリジナルな方法だ。
  最後に、甘味をどうするかで悩んだ。八百屋さんの店頭をながめて香気がそれほどなく甘味が強い(少量をミックスするだけ)、そしてすぐに手に入る果物はないかとを探した。
  選んだのは富士柿。この柿は富士山のように大きく円錐形なのでそんな名前がついている。渋柿の渋を焼酎で抜いた柿で、まろやかな甘さが特徴。もともと柿は香味がそれほどないので、このレシピーの甘味つけには適しているかもしれない。富士柿は晩秋から冬に出回っているので、季節季節で他の果実でもいい。
  富士柿を加えるとマンゴーのようなとろみが出て、摩訶不思議なフルーツ・ジュースになった。どんな味といったらいいのか、ちょっと比喩する言葉が見つからない。柿を使わずにハチミツや砂糖で甘味を出すと、ドライでクールな感じが際だって、受けるかもしれない。冬至の時期より夏至から真夏にかけての飲み物だと思う。

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