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2005.12.21
 

ベルリン ハンフ・パレード2005 PHOTO GALLERY

ドイツの首都、ベルリンでは1997年を皮切りに毎年、ハンフ・パレードが行われている。ハンフとはドイツ語の大麻のことである。
夏も真っ盛りの2005年8月13日、第9回目になるハンフ・パレードに参加した。

ハンフ・パレードは、毎年、違ったスローガンを掲げているが、今年は "Wir sinddas Hanf!" 「わたしたちは大麻である」。実際は、パレードの先頭を行く横断幕には "Wir sind das Volk Hanf"となっている。Volk つまり「国民」を消して、「大麻」だといっているのだから、シャレてもいる。

パレードの車は集合時間の午後1時をを過ぎても飾りつけをしたしていて、案外のん びりとしている。公園になっている広場には、観光客やそぞろ歩きをする人は少なくないが、パレード参加者と思われる人はさほど多くない。このパレードは多い年には1万人以上の参加者があったそうだ。辺りをきょろきょろ見回しながら、あの人たちは参加者で、あのグループは観光客で、と推測してみるが、200人いればいいほう、としか思えない。
協賛の会社や参加グループがチラシを手渡したりはじめるころ、やっとパレードの雰囲気が出てきた。協賛のシード会社は参加者と思われる人々に種を配っていた。こうしたパレードの常で、警察官も警備のためにたくさんいるけれど、近くにいた広報の腕章をした警察官にも種を配り、その警官がにこにこしながらポケットにしまっていたというのは、日本では考えられない光景だ。

1時半ごろはじまったスピーチが何人かすんでやっとパレードは動きはじめる。パトカーに先導されて、スローガンを掲げた横断幕を掲げる人々が行き、参加者が歩き、その間に何台か飾り付けた車が行く。車のうちの一台はレゲエ。もちろんそのあたりにいる参加者はラスタ風。音楽をかけているもう一台はトランス。その後ろにいる参加者はトランスを踊りながらパレードしているといったふうで、いくつかのカラーがあるのがおもしろい。歩く速度は散歩よりもゆっくりめのペース。道路を歩いてもいいし、歩道を歩く人もいる。
真ん中あたりには「非合法の植物なんてない!」(Keine Pflanze ist illegal!)という横断幕を持つグループもいた。参加者は若者が多いが、中年の人々も少なくなく、お年寄りもいた。老年の女性は、自分の乗っているカート(車いすではなく、そこに横になれる)をパレードの車につなぎ合わせて、参加していた。そして、犬も!。というわけで、参加者の幅はかなり広い。パレードが進んでいくと、途中から参加する人が増えて、パレードの半ば、休憩地のチオンズ・キルヘ・プラッツまでには、人はかなりふくれあがっていた。

チオンズ・キルヘ・プラッツではそのまま道路に横断幕をおき、休憩。道路に座りこんだり、あるいは立ったままで、のどかに雑談をしている。このパレードのため、一般車両は迂回しているので、一帯は解放区のようだ。なかにはボングを手にガンジャ(らしきもの)を吸っている若者、円く輪になってジョイントを回しているグループもいた。警官も近くにいるけれど、別に気にとめるふうもない。
再びゆっくりとした散歩のペースで歩きはじめる。緑が豊かな大きな木々を道路の両側に見ながら、終着地のマウエル・パークの入口についたのは午後4時ごろであった。 ここで主催者や緑の党などの政治家のスピーチがあったり、フリスビーやハッキー・サックで遊んだり、おしゃべりしたりしてひとときを過ごし、三々五々人々は散っていった。

例年、終着地ではコンサートやヘンプ製品を扱う企業や芸術家たちの出展などがあるアフター・パーティが催されるのだが、今年は公園使用の許可が下りなかった。ここではいくつかのクラブのアフター・パーティの案内のチラシが配られていた。
参加者は主催者の発表によると1000人。緩やかな坂道を歩いていたときに、パレード全体の大きさを見たら、悪くない規模だった。途中で雨はすっかり上がったが、夏とはいえ、肌寒い日であった。それにアフター・パーティのキャンセル。1万人の参加者の年と比べれば、かなり小さいと言えるかもしれない。しかし、写真を撮ったりしながら、参加している人々を見ていると、パレードをパーティのように踊りながら楽しんだり、たんたんと行程を歩んだり、気負いもなく、ありのままの姿でそれぞれがハンフ・パレードに参加している、ということが印象に残った。

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出発地のアレキサンダープラッツ。ロート・ラトハウス(赤い市庁舎)がこの広場に面している。
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パレード用に飾り付けたトラック
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リーフとボングのプラカードを持っているのは翌週ハノーバーでのパレードの広報に来た人。隣はオーストラリアのニンビンに住む「ニンビン・ヘンプ大使 館」のチボーさん。
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パレード前のスピーチ。
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広報の警察官にも種が配られていた。
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会場で無料で配られていた種。
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自転車に乗っていたハンフ・パレードのスタッフ。
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「わたしたちは大麻である」という横断幕を先頭にパレードが出発。
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パレードの風景1
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パレードの風景2
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パレードの風景3
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パレードの風景4
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途中休憩のひとこま
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途中休憩のひとこま
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パレードの風景5
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パレードの後半、
人もだんだん増えてきた。
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パレードで愛嬌を振りまき、子どもに大人気だったぬいぐるみ君。
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終着地、マウエル・パークでのひとこま
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終着地でのスピーカーのひとり、「緑の党」の議員シュトレベレさん。
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終着地でのスピーチに真剣に耳を傾ける参加者。
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