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2010.06.09
[ひとりごと]

宇宙ぼけと異次元の意識

  ブックオフの棚にあった『立花隆・対話篇 宇宙を語る』という本を買ってきた。日本人の宇宙飛行士が宇宙でどんな体験をしたか、精神的な面、心理や宗教的な視点をまじえて編集されている。立花隆は1981年、アメリカ人の宇宙飛行士へのインタビューをまとめた『宇宙からの帰還』と題したルポルタージュを書いているが、この本は、その問題意識の延長線にある。
 パラパラ、ページをめくっていたら、三カ所書き込みがある。この本の前の持ち主が書いたようだ。オレンジ色の蛍光ペンで文章に線が引かれていて、鉛筆でコメントが書いてある。文字の筆跡からは、年輩の人ではないか。線が引かれていたのは、日本人で最初にスペースシャトルで宇宙に行った毛利衛さんのインタビューで、こんな一節だった。

「私の場合は二日目からは嘔吐感もまったくなくなって、宇宙酔いの症状はなかったんですけれども、頭がちょっとぼけている感じはずっとありましたね。歯磨きのチューブを壁に貼るのを忘れて、見失ってしまったりとかね。自分では次にやる動作や手順を、つねに頭の中に浮かべてチェックしながら行動しているつもりなのに、実際に行動してるときには、もうチェックしたことを忘れている(笑い)」

 ページの余白にはこんなコメントが書かれていた──「人間が四次元に近ずくにつれ起きる現象だ」

 誰だか知らないが凄いコメントだと思った。四次元とか五次元、何次元でもいいでもいいけど、要は、今の物理的世界の現実とは次元の違う世界があって、人間はそこに近づいていると言っている。
 凄いと思ったのは、何か未知の出来事、あるいは神秘的な体験でもない、単に、宇宙ぼけが起きたといった話しを、人間が異次元に近づいているときに起きる現象だと見ていることだ。
 LSDやマジック・マッシュルームといったサイケデリックスをしているときにも、これと同じことが起きるという報告がある。そんな体験談をよく聞いた。珍しいことではなく、体験中、ごく普通に起きることだ。日常の意識では、ごく自然に出来る単純な行為が、慣れている動きが、白紙になっていて、まったく訳が分からなくなってしまう。

 人間が宇宙に出たときの意識と、サイケデリックスをしたときの意識は、共通しているところがあるのかもしれない。同じ意識と言ってしまうのは乱暴かもしれないが、共通している面があるように感じた。そういうリアリティは、いまの人間の意識では、とらえられない、認知できないはずだ。宇宙ぼけと語られていることは、そんな、いまの人間には、分からない意識状態のことを指しているのかもしれない。

 人間は、20世紀の後半から、これまでの人間の意識、別の言い方をすると地球人の意識から、さらに違う何かに変化しはじめているのではないか。それは、何世紀もかかって変化していくことなので、まだ、その萌芽が現れはじめていると言ったぐらいの段階なのかもしれないが。