ALTERED DIMENSIN
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2000.10.31
[ひとりごと]

5MEO−DIPE体験レポート

 夜11時30分、5MEO−DIPE(N,N-Diisopropyl-5-Methoxytryptamine hcl)10ミリグラムをカプセルで服用。この10ミリグラムという量は1グラムの100分の1という微量で、計りでカプセルに入れるときは調整に手間取った。シュルギンの本では、大体3〜12ミリグラムが服用量の範囲で、3ミリグラムが弱い効き、5〜8ミリグラムが軽めの効き、8〜10ミリグラムが一般的な服用量だとされている。
 20分経って嘔吐感と眩暈がしてきた。思っていたようりも早かったが、これが最初の自覚だった。この嘔吐感は効果のピークと平行して高まった後、少なくなっていったが、結局最後まで続いた。
 12時、体の力が抜けてしまい、座っているのも辛くなり、ぐったりしていた。胃の辺りのむかつきが続いている。意識はノーマルで、視覚的な変化もあまり感じない。これではとてもリクレーショナル・ドラッグにはならないだろうと思った。そのうちメモを書こうとしたら手がガクガク振るえてきた。
 横になっていたら一瞬眠ってしまったような、意識を失ったような状態になり、奇妙な情景を見た。その頃、やけに心臓の鼓動音が気になり、それがいつの間にかデジタル信号音になっていったのを覚えていた。その音に誘発されたのだろうか、情景はアンドロイドのような機械人間が宇宙船の操縦室でコントロールパネルを前に座っている場面だった。メタリックな体をしていて、そこには生物的なものがなにもない部屋だった。なんだか遠い未来の情景を一瞥したような妙な現実感があった。
 1時、引き続き嘔吐感があり不快だが、同時に少し前から性的な感覚が高まってきた。シュルギンの本では、7ミリグラムを経口摂取した人の体験談として、素晴らしいセクシーな気分になった、全てのものがエロティシズムで彩られているようだったという記述があるが、確かにそういった効果がある。
 波間を漂っているような、熱病にうなされているようなエロティシズムとでも言えばいいのだろうか、その高まりは個別的な自分の欲望を遥かに超えて、人類全ての性的欲望を体現しているような状態だった(と書くと誰でも病みつきになりそうだが、終始、嘔吐感に見舞われているなかでのことなので、こんな体験をしたいと思うだろうか疑問だ。日常生活で体験している快と不快が±10なのに対し、5MEO−DIPTの快と不快は±100といったところだろうか)。
 1時45分、同じような状態が続いているが、不快感のピークは過ぎている。その後、明け方4時頃もやはり効果は続いていて、立って歩こうとするとフラフラする。シュルギンの本では作用時間が4〜8時間と記されているが、わたしの場合ではピークの効きが2時間ぐらい、はっきりとした効きが4時間ぐらいだった。
 4時半頃から眠ったようで、朝8時には目が覚めた。短い睡眠時間だけども先ほどまでの効果は消えている。起きると目が冴えていた。実は、この目が冴えているというのも効果(副作用といってもいいが)の一部で、この日、午後になってから寝不足でウトウトしていた。

(この5MEO−DIPE体験の詳しいレポートは『オルタード・ディメンション』誌の9号に掲載する予定です)

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