TMA-2(20ミリグラム)体験レポート
アレキサンダー・シュルギンが1960年代にメスカリンの分子を修飾して効果を強める研究をはじめて、最初に作ったサイケデリックスがTMA(トリメトキシアンフェタミン)であった。TMAはメスカリンと化学構造が非常に近いが、側鎖にメチル基が付いている。現在、メスカリンもTMAも法的に規制されているがTMA-2は、原子の配置が少し異なるので規制外である。おそらくTMA-2の体験は日本ではこれが最初なのではないだろうか。
10月某日。深夜12時ちょうどに1カプセルを水で飲む。1時間半ほど経っても変化はない。外で雨が降りだした。
時計を見ると1時45分になっていた。体がクラクラする感じがやってきた。
2時10分。先ほどよりも効果が強まっている。普通の状態ではないが、マジック・マッシュルームやLSDなどのサイケデリックスとは違う、どちらかと言えば2CBなどの系統の効きだ。思考や感情にはあまり変化を与えないが、視覚的世界が濃密になっている。少し嘔吐感がある。
2時30分。効きの強さは20分ほど前と同じぐらいなので、このあたりがTMA-2のピークなのかもしれない。これ以降、一晩中、妄想的な想念の戯れに彷徨していた。ありありとした妄想とでも言えばいいのだろうか。アストラル・トリップ的なドラッグとも言える。
最近、このレベルのリアリティはサイケデリックスのもたらす最深部ではないが、それが持つ強い磁場の力は、現代の社会病理現象を衝き動かしているマグマであり、軽視してはいけないと思うようになった。
3時15分。 半覚醒状態で夢想に引き込まれうつらうつらしている。眠る間際の気持ちのいい状態を感度も繰り返していた。4時過ぎに効果は同じように続いているが、大体、効きも分かってきたので休むことにした。直ぐに眠れる。
10時45分。目が覚めてから頭がボーッとしているが、リアリティは日常に戻ってきている。(このTMA-2体験の詳しいレポートは『オルタード・ディメンション』誌の9号に掲載する予定です)
|