●ヴァイオリン防音の種類
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1.組立式ヴァイオリン防音室(ボックス)
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防音パネル式で、工場でパネルを作成しておいて現地で組み立てる方法で、利点は、現場工事の期間が短い、引越のとき持っていけるので、賃貸マンションでも設置可能。短所は、いかにも防音BOXって感じがして狭さ、圧迫感がある。設置に対して、注意が必要な事項は、防音室と既存の床との間に、計算された防振ゴムを設置すること、そして防音室が既存の壁、天井などに接触していないことが、性能を上げるポイント。 |
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2.部屋全体をヴァイオリン防音室に
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壁、床、天井に遮音層を作り、部屋全体を防音する方法です。工事期間はかかりますが、施工面積単価はボックスタイプより安く(防音工事範囲が広くなる傾向にあり、トータル費用は上がる)、広く部屋という感じになります。また、少し割高にはなりますが、一部を防音パネル式にすることも可能で、賃貸マンションでも対応できます。防音工事だけでなく、排煙、採光、24時間換気、消防設備、避難経路、積載荷重など、建築基準法にからむ部分の対応も必要です。たとえば、簡単に窓を塞ぐことはできません。なぜなら、排煙、採光、24時間換気、消防設備、避難経路など法規にからんでくるからです。 |
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3.部分防音
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天井だけ防音、壁だけ防音、床だけ防音、窓だけ防音というように問題となりそうな部分だけを防音対策する方法ですが、廻り込みの音、振動から、その部分の防音仕様の性能は、計算値より低くなります。できるだけ廻り込みの音、振動を少なくすることが効果をあげる決め手となります。ヴァイオリンを弾く時間帯など使用上の注意で、問題を回避できる場合もあり、コストダウンになる場合もあります。
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●ヴァイオリン防音の目標値
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部屋の防音性能は、D値という遮音性能の等級で評価されます。D値と人の聞こえ方(感じ方)の対応はおおよそ下記表のような関係になっています。隣室の使用条件によって必要な防音性能は変わりますが、Dr-75〜Dr-65が目標値となります。
完全防音という言葉は、プロの世界には存在しません。隣室側の暗騒音とのマスキングにより聞こえなくなるという感覚になるだけです。したがって、耳の感覚が良い人、神経質な人、深夜になり暗騒音が想定外に低くなった時、隣室が寝室の場合など状況により苦情が発生する場合もありますので注意が必要です。また、完全防振ということも不可能です。どんな防振材でも最低共振周波数があり、その3倍程度の周波数から性能が発揮され、最高でも40dB程度の減衰量なのです。防音工事業者の過剰広告には十分な注意が必要です。
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| 表示尺度と住宅における生活実感との対応例 |
| 遮音等級 |
Dr-65 |
Dr-60 |
Dr-55 |
Dr-50 |
Dr-45 |
Dr-40 |
Dr-35 |
Dr-30 |
Dr-25 |
Dr-20 |
Dr-15 |
備考 |
| ピアノ、ステレオ等の大きい音 |
通常では聞えない |
ほとんど聞えない |
かすかに聞える |
小さく聞える |
かなり聞える |
楽曲がはっきり分かる |
よく聞える |
大変よく聞える |
うるさい |
かなりうるさい |
大変うるさい |
音源から1mで90dBA前後を想定 |
| テレビ、ラジオ、会話等の一般の発生音 |
聞えない |
聞えない |
通常では聞えない |
ほとんど聞えない |
かすかに聞える |
小さく聞える |
かなり聞える |
話の内容がわかる |
はっきり内容がわかる |
よく聞こえる |
つつぬけ状態 |
音源から1mで75dBA前後を想定 |
| 生活実感、プライバシーの確保 |
ピアノやステレオを楽しめる
*機器類の防振は不可欠 |
カラオケパーティ等を行っても問題ない
*機器類の防振が必要 |
隣戸の気配を感じない |
日常生活で気がねなく生活できる
隣戸をほとんど意識しない |
隣戸住宅の有無がわかるがあまり気にならない |
隣戸の生活がある程度わかる |
隣戸の生活がかなりわかる |
隣戸の生活行為がよくわかる |
隣戸の生活行為が大変よくわかる |
行動がすべてわかる |
遮音されているという状態ではない 小さな物音までわかる |
生活行為、気配での例 |
| 日本建築学会より |
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●遮音等級D値
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図-1のようなJIS A 1419-1(2000)「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法ー第一部:遮断性能」に示される空気遮断性能を評価するための基準曲線の周波数特性と等級を用いて評価します。各周波数における測定値をプロットし、結んだ曲線に対して、等級曲線を全て上回る一番高い等級曲線をその等級と読みます。(各周波数最大2dB許容)図-1で示した例では、Dr-40となります。また、ここで読んだ遮音性能Dr値を表-1、2のような評価表(日本建築学会推奨基準)を用いて評価しています。
一般の建物を設計する場合、遮音性能は、表-1の値を目標におこなわれます。マンションなど集合住宅では、一級のD-50程度が標準的なものです。したがって、ヴァイオリンを弾く場合は防音が必要となるわけです。
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●ヴァイオリン防音室の室内騒音
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ヴァイオリンの練習では、室内の静けさが必要となります。室内で生じる騒音源は、外部から侵入する騒音及び室内で生じる設備騒音です。室内騒音の設計目標は35dB(A)程度です。また、外部騒音については建設予定地の環境騒音を事前調査し十分検討した上での設計が必要となります。
防音工事をして静かな空間を作ったのに、エアコンや換気扇の音がうるさくて気になるなど、また、湿気が多くて楽器の音が変わってしまったり、カビが生えたりなど、防音以外の環境設計も合わせて考慮しましょう。 |
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●ヴァイオリン防音・防振構造
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単一部材の遮音性能は、入射音の周波数と材料の面密度の対数に比例します。(質量則)つまり、材料の重量が増えると遮音性能があがります。しかし、質量則では、重量を2倍(同一材なら厚みを2倍)にしても6dBしか遮音量は増加しません。
この質量則以上の遮音量を得るには、部材間に空気層をとった二重壁を構成することにより可能となります。また、この部材間の振動伝達を抑えることによりさらに防音性能が向上します。したがって、マンションのヴァイオリン防音のような高度な防音性能が必要な場合は、防振設計が必要不可欠となります。また、音は空気を伝播してくるもの(空気伝播音)と壁・床・天井などの物体内を伝播するもの(固体伝播音)があります。固体伝播音は、その物体が振動することで音が伝播するので壁などを厚くするだけでなく防振構造(浮遮音層)が必要となります。特にマンションで工事する場合は、床に伝播する振動に対して、防振構造が必要不可欠となります。
苦情の発生しているヴァイオリン防音室では防振構造が無い、または十分でないことが非常に多いため注意が必要です。
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