RENK速報 No.8(2005年 6月21日)
北朝鮮民主化目指す脱北青年が激写した北朝鮮内部画像
日本の対北援助の実態が初めて映像に!
今回公表する画像は、今年4月26日午前11時ごろ、北朝鮮は平安南道安州(アンジュ)市にある「南興(ナムフン)市場」で撮影されたものである。安州市は首都平壌から中国国境の新義州に向かう際の、ほぼ中間地点に位置している。「南興市場」は、2002年の「7・1経済管理改善措置」以降、当局主導で各地に設置された「一般市場」の一つと見られる。
撮影者は、北朝鮮民主化運動に献身している脱北青年の金萬鉄(キム・マンチョル=仮名)氏。彼はこの間、勇敢にも中朝国境を頻繁に往来しては、北朝鮮の実状を次々と映像におさめたり、北朝鮮当局の公式文書を大量に入手し、外部世界の人々に対して注目を呼びかけている。
今回の画像で最も注目すべき点は、何と言っても日本の対北援助の実状に関する一端が明らかになったことである。画像を見れば一目瞭然だが、穀物袋の中央部には「WFP」の紋章と「日の丸」が大書され、その上には英語と朝鮮語で「世界食糧計画」と書かれている。ちなみに、袋の折り返された部分には、同じく英語と朝鮮語で「日本政府寄贈」「日本国民から」との文字が入っている。袋の最下部は、非常に見づらいが、順に英語で「正味重量 50kg」「製造日付 2004年10月」「原産地 パキスタン」と書かれている。
これは、昨年5月に小泉首相が二度目に北朝鮮を訪問した際に表明した「25万トンの食糧援助」のうち、実施された12.5万トン(約4000万ドル相当)の一部である。日本からはこれまでにも何度となく食糧支援が行われているが、従来の援助はほとんどが「丸投げ」方式で、国際機関に相当分の資金を供与し、後は国際機関が買い付けから搬入まで行なっていた。昨年の12.5万トンも基本的には同じ方式だが、袋に日本からの援助であることを明示したのが、唯一これまでと異なっている。
そうした準備を念入りに施し、「依然深刻な北朝鮮の食糧事情にかんがみ、国際社会の人道支援にわが国も参画するとの観点から行うことにした」(川口外相=当時)援助だったが、結局、まわりまわって市場に横流しされ、本来の対象とはかけ離れた、1kgあたり1,000ウォン(名目上の月収の3分の1)で売られる末路となった。
北朝鮮への食糧援助が取り組まれるようになってから、すでに10年近い。にもかかわらず、事態は一向に改善しておらず、むしろ悪化しているようだ。WFPのリチャード・レーガン平壌事務所長は先月31日、「特別な支援対策が準備されない限り、今年、妊婦、高齢者など約350万人たちへの支援が中断されることが考えられ、その場合、最悪の事態になる」と憂慮を表明した。いったい、10年にわたる「緊急」援助は、何の役に立ったのだろうか。援助機関の熱意を疑うわけではないが、単純に考えても納得できないことが多すぎる。「最悪の事態」が迫っているというのに、そうした弱者に対して第一に責任を負うべき北朝鮮当局は無為無策、あまつさえ「核だ、ミサイルだ」とのぼせ上がっている始末である。まともな金の使い方を教えるべきではないのか。
不足しているのは食糧支援ではなく、むしろ民主化支援である。RENKはこれまで何度も、そう主張してきた。すでに10年以上経つ。にもかかわらず、この期に及んで未だに同じ警句を吐かねばならない。「援助」の美名の下で飢餓を強制しているのは誰なのか、国際機関も国際社会も、もういい加減に気付くべきだ。2005年6月21日
救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)