辛光洙(シン・グァンス)

 

〜彼は先の会談により金正日が拉致を承認し死亡と発表した、「原敕晁さん拉致事件」の実行犯である。日本を拠点に活動していたこの労働党対南工作員は、1985年原敕晁さんになりすまして韓国に潜入中逮捕され、国家保安法により死刑判決をうけ(後に減刑され無期懲役)服役していた。しかし2000年9月2日、金大中韓国大統領の太陽政策の下に恩赦を受け、非転向政治犯のまま板門店を通り北への帰国がなされるに至った。金正日の言説の通りに考えれば、彼こそが「特殊機関」のメンバーであり、「妄動主義・英雄主義」の過ちを犯して、「処罰」されるているべき対象であろう。

しかし彼は会談の15日前の9月2日、板門店にて帰国2周年の集会に参加し、代表して宣言を読み上げている。「息が止まる瞬間まで偉大なる将軍を絶対的に崇拝し、党と祖国と人民が呼び起こした信念と意志の強者らしくチュチェ革命偉業の完成のための聖なる道で自分のすべての智恵と力を奉げる」と。この彼らに対して朝鮮中央通信は「統一愛国闘志の非転向長期囚」とその栄誉をたたえている。

http://www.kcna.co.jp/item/2002/200209/news09/03.htm#5

この英雄が17日までの間に処罰されたという発表はない。


ここに公開するのはこの辛光洙のソウル刑事地方法院判決文である。ここには、日本において原さんを拉致する様子が事細かに記述されている。こうした事実が判明していたにもかかわらず事態が長きにわたり放置されていたことに対して憤りを感じずにはいられない。拉致問題を被害者「死亡」にて解決済みの問題としてしまおうという目論見を許さないためにも、あらためて公開することにした。

解説(1994年RENK誌4号より)

ソウル刑事地方法院判決(1985年11月30日)

    解説・判決文前半 RENK誌4号(1994.9.1)掲載、判決文後半 RENK誌5号(1995.1.1)掲載