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  2018年4月6日 更新
 
 

第25期人権学校 受講生募集の案内

川崎桜本のヘイトデモとの闘い

東アジア情勢に関して、外交努力による平和的な事態収拾を求める声明

『人権ブックレットNo.13』案内

 
     
   
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  ▼川崎桜本のヘイトデモとの闘い  
     
 
民族差別と闘う中、他の被差別問題とであい、ながい時間をかけて「学び助け合い励まし歩む実践活動の試行錯誤を重ねて『共に生きる』地域社会の創造を目指してきた」活動の延長線上にこそ生まれ得たネットワーク
「『ヘイトスピーチを許さない』川崎市民ネットワーク」が
神奈川県弁護士会第22回人権賞を受賞!
川崎桜本のヘイトデモとの闘いは
こうしてはじまった
「重度(ぺェチュンド) 神奈川人権センター副理事長/社会福祉法人青丘社理事長
 
     
 

 川崎市桜本の在日コリアン一世の高齢者が「戦争はもういやだよ」と小さな声をあげてささやかな意思表示のデモを地域で実行したのは2015年の夏の事だった。以来、ヘイトとの闘いは今日まで継続されている。

 

 やっと穏やかな日常を過ごせる場が得られ、昔の辛い時代を歩んで来た者同士が、耐えてきた苦労を涙と笑いのなかで語り合える場に出会えた。貧しさ故に字を学べなかったために味わった口惜しさ辛さがあった。食べるがために炭鉱やダム建設現場等で肉体労働に従事して来た過酷な思い出があった。やがて共通して語られたのが全てを奪いつくす戦争の悲惨さ辛さの体験であった。

 平和が維持されながらも在日コリアン一世の高齢者にとって戦争は忘れ得ない体験に根差していた。そうした想いのなか、“戦争ができる体制”へと舵を取る政治のありように強い危機感を感じていた。国会まで行く体力は無いが自分が住む地域で声をあげることはできるとの思いが地域からの戦争反対デモとなったのである。

 ヘイト団体のデモはこれまで十数回川崎駅周辺で繰り返し実行されていた。警察に守られるかの様なデモはそれ自体が異様な光景でもあった。そして、まるで警察機動隊の警備訓練であるかのような光景でもあった。そうしたヘイト団体が桜本をターゲットにデモ攻勢をかけてきたのは、この在日コリアン高齢者の声を聴くに耐えないスローガンとともに圧殺しようと意図されたものだった。

 

 在日コリアンの集住地域である桜本は、日本の朝鮮植民地支配に端を発し、戦前、戦中、戦後を通して地域社会で過酷な底辺労働を支えて生き抜いて来た人々の歴史とともに形成されて来た一面を有している。

 そうした地域においてながい時間をかけて民族差別の撤廃をめざすなかで、障害者、こども、新渡日の外国人、高齢者等の諸問題にぶちあたり、そこからの学びとともに、助け合い、励まし歩む実践活動の試行錯誤を重ねて「共に生きる」地域社会の創造をめざしてきたのが社会福祉法人青丘社であった。

 学校のなかの民族差別と闘う教師との実践連帯を模索する時期もあった。障害者問題と取り組む市民グループとの共同実践もあった。在日コリアンの市民としての権利処遇を求めて行政の各部署との長く熱い折衝が繰り返されもした。しかしその結実として多民族多文化共生をめざし、地域の福祉と人権の確立を求めて「ふれあい館」が誕生した。

 在日コリアンへの差別は、就職・アルバイト、銀行融資、信販、携帯電話購入、保険加入差別をはじめ福祉制度からの適用除外にいたるまで生活の隅々におよんでいた。今日に至るまでそれらすべてが撤廃されたわけではない。

 法的制度差別の頂点にあった指紋押捺制度への熾烈な闘いもあった。公教育教員採用や地方公務員採用の国籍条項撤廃運動はいまも継続されている。とりわけ深刻なのが意識差別である。教育現場や職場のみならず一般社会にそこはかとなくはびこる意識差別は、ITの発達とともにインターネットを通じて拡散する度合いを深めている。

 

 ことさらに民族差別問題をあげ募っているわけではない。「豊かさ」のなかに埋没させられている劣化現象に目を凝らしてみての現実である。

 地域が抱える諸問題に取り組む実践と民族差別撤廃運動を通じて多くの市民運動との繋がりが生まれた。そして、自治体行政とも紆余曲折の関係、多くの課題と壁がそそり立ちながらも僅かながら風が通るようになった。そして何よりも心強く思うのは、地域での立ち位置がつくられてきたことであった。

 ヘイト団体が桜本をターゲットにデモ攻勢をかけてきた2015年11月と翌年1月、地元地域あげての防御にカウンターグループや多くの市民運動関係者、党派を超えて国会議員や市議会議員が駆けつけてくれた。こうした支援の輪のひろがりはこれまでの市民運動的地域実践の賜物であった。こうして桜本への侵入は二度にわたって阻止された。

 一方、日本社会にひろがりを見せていた排外主義と闘い、ヘイトを規制、禁止しようと市民活動家、学者、弁護士たちが粘り強く法制定を求めて先駆的活動を展開していた。大阪や京都ではヘイト糾弾の裁判が闘われていた。国会でもヘイト問題がとりあげられ議論が重ねられるなか、一般市民の日常生活を脅かすヘイトデモの被害状況を、桜本まで足を運び被害当事者からの聞き取り調査を行うまでになった。そして法制定にむけた議論の参考人として被害当事者や学者の意見を求めたのである。そうした運びのなかで、理念法ではあるが「ヘイトスピーチ解消法」が2016年5月24日に成立し6月3日に施行となった。

 

 そのさなか、ヘイト団体はヘイトスピーチ解消法の施行をあざ笑うかのように三度目の桜本へのデモ攻勢を画策し、6月5日に実施するとネットで告知した。さすがに川崎市としても座視し得ず、市議会の同意を求めながら5月31日、市長はヘイト団体の公園使用を不許可とした。桜本にある青丘社は、ヘイトデモの周辺接近禁止を求めて裁判所に訴えた。神奈川県弁護士会の弁護士の尽力もあって画期的な内容の仮処分を6月2日に勝ちとった。

 ヘイト団体の三度目のデモは桜本から離れた中原で6月5日に実行されたが大挙して押しかけた市民団体等の猛抗議のなか10メートルあまりの行進で中止に追い込まれた。さすがの警備当局も混乱状況を鎮めるのに必死の態のようであった。

 しかし、心痛いのはヘイト被害当事者特定個人にかけられた人権侵害の犠牲は大きく、ネットを介しての人権侵害の拡散が今なお継続していることである。

 

 こうした経緯をたどってきたヘイト根絶に向けた市民運動の立ち上がりはヘイト団体の最初の桜本侵入デモが画策された2015年11月8日にさかのぼる。初冬の小雨が降るなか桜本に侵入する直前の交差点をヘイトデモは警察が誘導するままに大師方面へと流れていった。そして二度目のヘイトデモを2016年1月31日に実行すると告知された。

 そうしたヘイト団体の動きに抗して市民がネットワークを構成してデモを阻もうとの声があげられた。1月23日に「オールかわさき」市民集会が企画され、呼びかけに応えてさまざまな立場の市民300人がヘイトスピーチを許さないという決意をひめて結集した。席上、広く賛同団体を募り署名を集め市民の声を川崎市長に届けることが決議された。こうして『「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワーク』が形成された。賛同団体は“オールかわさき”というところから市内のさまざまな市民グループ、各会派政党、一般労組、福祉団体、教職員労働組合等、最終的に140団体に及んだ。

 1月31日のヘイトデモは前回とは違って大島三丁目方面から桜本への侵入が図られたが水門通りでシットインによる阻止線が張られヘイトデモは四つ角でUターンして京急川崎駅方向へと向かわざるをえなかった。再度桜本への侵入は阻止され、団体首謀者の桜本周辺接近禁止の仮処分は今なお有効である。

 

 川崎市にヘイトスピーチ根絶のための基本計画を策定することを求める署名活動は2016年1月末から開始され二か月半で三万一千筆を超えた。そして5月12日川崎市長に届けられた。

 川崎市は、ヘイトスピーチ解消法が施行された直後にはヘイト団体の公園使用を不許可としたもののその後の政策立案については緩慢に推移している。市長はあらゆる差別は許されずヘイトスピーチ解消にむけた何らかの条例制定が必要であると言及はするものの未だ策定はしていない。ただ当面するヘイト問題の対応については公的施設の利用についてのガイドラインを作成しヘイト対策にあたるとしている。

 市民ネットワーク側は、ヘイトはまさに人種差別の問題であるから早期に実効性のある人種差別の撤廃を推進する条例を制定すべきであるとしている。そして差別禁止の実効性を確保するため刑事罰を含めた罰則を制定すべきとしている。特にインターネット上のヘイトスピーチ対策を強化することを求めている。

 

 こうした一連のヘイトと闘う市民活動が評価されて「かわさき市民ネットワーク」は神奈川県弁護士会の人権賞を受賞することとなった。2018年2月4日に授賞式が横浜開港記念館でもたれ、「ヘイトスピーチ規制を国際水準で考える〜川崎の実例を踏まえて〜」とする人権シンポジウムが同時に開催された。

 
     
     
   
     
   
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  東アジア情勢に関して、外交努力による平和的な事態収拾を求める声明
 
     
 

東アジア情勢に関して、外交努力による平和的な事態収拾を求める声明

 
     
 

 今年3月以来、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の動向をめぐって、米国が軍事力を背景にして同国への圧力を次第に強める事態にいたっています。それに対し、安倍首相は、米国の行動を無条件に支持するかのような発言を繰り返し、また国内メディアの一部には、ことさらに緊張を煽るような論調もみられます。

 核兵器のない世界を目指していくためには、これ以上核兵器保有国が増えることは認められないのは当然のことであり、北朝鮮には核実験を取りやめ、核兵器の放棄を求めます。しかし、北朝鮮の核実験・核兵器保有を阻止するためと称して、多くの人命が失われることが明らかである戦争を引き起こすことは断じて許されません。

 また、北朝鮮に対する軍事的な示威を目的に日本海に入った米空母カール・ビンソンと自衛隊の艦船・航空機が共同行動をとることは、国際紛争を解決する手段として武力による威嚇を永久に放棄している憲法9条に違反しているといわざるを得ません。

 私たちは、琉球処分から台湾・朝鮮の植民地支配、そして満州事変からアジア太平洋戦争にいたる、近代日本が軍事力を背景に引き起こした歴史的過ちへの反省を踏まえて、どんな状況においても平和的な手法によりこの現状を打開しなければなりません。決して一部の政治家やマスメディアによる危機感を扇動する発言や論調に惑わされることなく、冷静に対応していくべきであると考えます。

 そして、日本政府に対しては、戦争の放棄を謳った日本国憲法を遵守し、最大の人権侵害である戦争が、私たちの暮らす東アジア地域で惹起されることのないよう、米国の武力による北朝鮮への威圧に加担・追従することをやめ、ことさらに危機感を煽るような発言を慎むことを求めるとともに、外交的な努力によって平和的に事態を収拾すべく行動することを強く求めます。

 
     
   2017年5月10日  
  一般社団法人神奈川人権センター  
  理事長 江原由美子  
     
     
   
     
   
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  ▼『人権ブックレットNo.13』案内  
     
 
人権ブックレットNo.13 を発刊!!
「国際人権保障と平和/戦争
― 多元的な社会のダイナミズム
神奈川大学法科大学院教授 阿部浩己
 
     
 

 一般社団法人神奈川人権センターは事業計画に基づき、人権被害者の相談、支援、救済活動から差別・人権侵害を撤廃するために人権教育、啓発事業にも活動の重点を置いています。その一環として人権ブックレットを作成し、現在No.12まで発行しています。

 人権ブックレットは、毎年神奈川人権センターが開催している「人権学校」「人権研究交流集会」「国際人権集会」などでの貴重な講演や提起をまとめたものであり、活動にあたっての学習文献として活用されています。

人権ブックレットNo.13「国際人権保障と平和/戦争 ― 多元的な社会のダイナミズム」
 

 このたび発刊しましたNo.13は、2015年10月に開催された「第26回神奈川人権研究交流集会」での神奈川大学法科大学院教授の阿部浩己さんの講演録をまとめ、修正加筆したものです。暴力というものを肯定するような状況が拡がっている中で、歴史を振り返りながら国際人権保障の枠組みはその暴力をどうやって封じ込めようとしているのか。1990年に国連総会で採択された「国際法の10年」決議に込められたメッセージの意味とは何だったのか、と阿部さんは私たちに投げかけます。

 国連憲章の目的は、人間の尊厳というものをいかに世界の中に行き渡らせていくのかにある。人間が人間らしく生きていく社会を築いていく、そのために法は何を出来るのか、法制度は

 
  どのような役割を果たしうるのか、そこに参画していく人たちは何ができるのかということを、日本国憲法や国連憲章は私たちに訴えている。「暴力」とは人間の可能性を奪ってしまう障害であり、この暴力を封じ込めていくということが平和を実現する。ということを、子どもの権利条約をはじめ各条約や世界人権宣言など様々なデータを引用して解き明かしています。歴史、条約や国内法との比較、平和学の視点、といった多角的な面から「国際人権保障」を学ぶことができます。  
     
 

 4月から障害者差別解消法が施行されましたが、今回の講演でも「人間モデルの抜本的な見直し」の項で、障害者権利条約について人種差別撤廃条約など様々な条約を引用して解説されました。この項をお読みいただければ「合理的配慮」の意味するところが理解できるのではないでしょうか。

 今回のテーマである「国際人権保障」とは、世界のどこに人間が住んでいても等しく尊厳を保障されるということを実現しようとする仕組みで、人権を保障するということが平和の基礎になるということです。日本国憲法が掲げている脱暴力の理念、これは国際法が求めている理念であり、そして人権保障を通じて日常的に実現していくことができます。

 私たちに今求められているのは、「差別撤廃、人権尊重」へ向けた人権意識の定着化と人権文化を育む環境づくりなど、具体的な取り組みと活動です。本ブックレットがそのための一助となることを切に願っています。

 
     
  神奈川人権センター事務局長 早坂公幸  
     
  *定価 1冊800円(税、送料別)
*申込みは、一般社団法人神奈川人権センターまで
 
     
     
   
     
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