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  すべての移住労働者及びその家族構成員の権利保護に関する
国際条約 (抜枠)
 
       '90年12月第45回国連総会で採択
      訳・移住労働者権利条約研究会
      代表 金 東 勲

前 文
この条約の締約国は、 
 人権に関する国際連合の基本文書、 とくに世界人権宣言、 経済的、 社会的及び文化的権利に関する国際規
約、 市民的及び政治的権利に関する国際規約、 あらゆる形態の人権差別の撤廃に関する国際条約、 あらゆる
形態の女子差別の撤廃に関する条約並びに子どもの権利に関する条約に具現された諸原則に留意し、 
 国際労働機関の枠組の中で作成された関連文書、 とくに雇用目的の移住に関する条約 (97号) 及び不正な
条件における移住及び移住労働者の機会と処遇の平等促進に関する条約 (第143号)、 雇用目的の移住に関す
る勧告 (第86号) 及び移住労働者に関する勧告 (第151号)、 並びに強制労働に関する条約 (第29号) 及び強
制労働の廃止に関する条約 (第105号) に示された原則と基準にも留意し、 
 国連教育科学文化機関 (UNESCO) の教育における差別禁止に関する条約に含まれた諸原則の重要性
を再確認し、 
 拷問その他の残虐な非人道的又は品位を傷つける取扱いもしくは刑罰を禁止する条約、 犯罪の防止及び犯
罪者の取扱いに関する第4回国連会議の宣言、 法執行官のための行動網領、 並びに奴隷条約を想起し、 
 国際労働機関の目的の一つが、 その憲章が表明しているように、 自己の国以外の国で雇用される労働者の
利益の保護であること、 並びに移住労働者及びその家族構成員に関連する事項に対する同機関の専門知識と
  経験とを共に想起し、 ……… (中略) 
 国際社会において何百万人の人民を含みかつ多数の国家に影響を及ぼす移住減少の重要性と広がりを認識
し、 
 移住労働者の流入が関係国及びその人民に対する影響を認識し、 移住労働者及びその家族構成員の取扱い
に関する基本原則の受諾によって諸国家の態度の調和に寄与できる規範を確立することを望んで、 
 移住労働者及びその家族構成員が、 他の事柄と共に、 その出身地国から離れていること、 及び雇用地国に
滞在することから惹起し当面する困難のために、 頻繁におかれる脆弱な状況を考慮し、 
 移住労働者及びその家族構成員の権利が、 あらゆる場所で十分に認められていないこと並びにそのために
適切な国際的保護が必要であることを確認し、  移住が、 移住労働者自身と共にその家族構成員によって、 
  とくに家族離散のために、 しばしば重大な問題の原因になることに留意して、 
 移住に関する人道問題が、 非合法的移住の場合にさらに重大であることを認識し及びそのために、 移住労
働者の秘密裡の移動と不正取引を防止し除去するために、 その基本的人権の保護を確保すると共に、 適切な
行動が奨励されるべきであることを確信し、 
 正規の証明書を所持しないか、 又は非合法的状態にある労働者がしばしば他の労働者より不利な労働条件
の下に雇用されていること、 及びある雇用者が不公平な競争の利益を獲得するためにそのような労働者を求
める誘因としていることを考慮し、 
 すべての移住労働者の基本的人権がさらに広く認められるならば非合法的状態にある移住労働者への依存
を防止し、 合法的状態にある移住者及びその家族構成員にいくつかの特別の権利を付与するならば、 すべて
の移住労働者が関係締約国によって定立された法と手続を尊重し遵守することを助長するものと考慮し、 
 そのために、 すべての移住労働者及びその家族構成員の国際的保護を実現し、 普遍的に適用可能な包括的
  条約に基本的規範を再確認しかつ確立することが必要であることを確信し、 
 以下の各規定に合意した。 
第1条 1 この条約は、 以下、 別段の定めがないかぎり、 性別、 人種、 皮膚の色、 言葉、 宗教あるいは信
  条、 政治的な又はその他の意見、 いかなる国民的、 種族的、 又は社会的出身、 国籍、 年令、 経済的地位、 
  財産、 婚姻上の地位、 出生その他の地位等によるいかなる区別もなく、 すべての移住労働者及びその家族
  構成員に対して適用される。 
2 この条約は、 移住の準備、 出国、 通過、 並びに雇用地国に滞在し報酬活動に従事する全期間中、 及び出
  身地国または常居地国の帰国を含む、 移住労働者及びその家族構成員のすべての移住過程において適用さ
  れなければならない。 
第4条 1 この条約において 「家族構成員」 とは、 移住労働者と結婚している者、 あるいは、 適用可能な
  法律によれば、 結婚と同様の効力を発生させる関係を移住労働者との間で有している者、 及び移住労働者
  によって扶養されている子ども、 その他適用される法律、 あるいは関係国間において、 適用ある二国間又
  は多数国間の条約によって家族構成員と認められている被扶養者のことをいう。 
第8条 1 移住労働者及びその家族構成員は、 出身地国を含む、 いかなる国をも出国する自由を有する。 
  この権利は、 いかなる制限にも服することはない。 但し、 法により定められ、 国の安全、 公の秩序、 公衆
  の健康もしくは道徳的又は他の者の権利及び自由を保護するために必要であり、 かつ、 この条約の第3部
  において認められる他の権利と両立する制限はこの限りではない。 
2 移住労働者及びその家族構成員は、 何時でも、 出身地国に入国し、 在留する権利を有する。 
第9条 移住労働者およびその家族構成員の生命に対する権利は、 法律により保護される。 
第10条 いかなる移住労働者又はその家族構成員も、 拷問又は残虐、 非人道的もしくは品位を傷つけるよう
  な取扱い又は刑罰を受けない。 
第11条 いかなる移住労働者又はその家族構成員も、 奴隷状態又は隷属状態におかれない。 
2 いかなる移住労働者又はその家族構成員も、 強制労働に服することを要求されない。 
  (a) 作業又は役務であって、 この条第3項において言及されず、 かつ、 裁判所の合法的な命令によって抑
    留されている者又はその抑留を条件付きで免除されている者に通常要求されているもの。 
  (b) 社会の存立又は福祉を脅かす緊急事態又は災害の場合に要求される役務
  (c) 市民としての通常の業務とされる作業又は役務
第12条 1 移住労働者及びその家族構成員は、 思想、 良心及び宗教の自由についての権利を有する。 この
  権利には、 自らの選択する宗教又は信念を受入れ又は有する自由並びに、 単独で又は他の者と共同して及
  び公に又は私的に、 礼拝、 儀式、 行事及び教導によってその宗教又は信念を表明する自由を含む。 
第18条 1 移住労働者及びその家族構成員は、 裁判所の前に関係締約国の国民と平等の権利を有する。 移
  住労働者及びその家族構成員は、 その刑事上の罪の決定又は民事上の権利及び義務の争いについての決定
  のため、 法律で設置された、 権限を有する、 独立の、 かつ、 公平な裁判所による公正な公開審理を受ける
  権利を有する。 
  (a) その理解する言葉で速やかにかつ詳細にその罪の性質及び理由を告げられること。 
  (b) 防御の準備のために十分な時間及び便宜を与えられ並びに自ら選任する弁護人と連絡すること。 
  (c) 不当に遅延することなく裁判を受けること。 
  (d) 自ら出席して裁判を受け及び、 直接に又は自ら選任する弁護人を通じて、 防御をすること。 弁護人が
    いない場合には、 弁護人を待つ権利を告げられること。 司法利益のために必要な場合には、 十分な支払
    手段を有しないときは自らその費用を負担することなく、 弁護人を付されること。 
  (e) 自己に不利な証人を尋問し又はこれに対し尋問させること並びに自己に不利な証人と同じ条件で自己
    のための証人の出席及びこれに対する尋問を求めること。 
  (f) 裁判所において使用される言葉を理解すること又は話すことができない場合には、 無料で通訳の援助
    を受けること。 
  (g) 自己に不利益な供述又は有罪の自白を強要されないこと。 
第24条 すべての移住労働者及びその家族構成員は、 すべての場所において法律の前に人として認められる
  権利を有する。 
第25条 1 すべての移住労働者は、 報酬及び次に掲げるものに関して、 雇用地国の国民に適用されるもの
  より劣らない取り扱いを享受する。 
  (a) 他の労働条件、 即ち時間外労働、 労働時間、 週休、 有給休暇、 安全、 健康、 雇用関係の終了、 及び国
    家の法律及び慣行によれば、 本項の適用を受ける他の労働条件。 
  (b) 他の雇用条件、 即ち最低就労年齢、 家庭労働に対する制約、 国家の法律及び慣行によれば雇用条件と
    考えられるその他の事項。 
2 この条第1項が定める取扱いの平等原則を私的な雇用契約で排除することは違法である。 
3 当事国は、 移住労働者がその在留と雇用の違法性を理由として、 この原則によって認められるいかなる
権利も奪われない事を確保するため、 あらゆる適切な措置をとる。 特に雇用者はそのような違法性を理由に
  よるいかなる方法によっても、 法律上又は契約上の義務を回避し、 もしくはその義務を制限されない。 
第27条 社会保障に関して、 移住労働者及びその家族構成員は、 適用可能な当該国法律及び二国間又は多国
  間条約によって規定された要件を満たす限りにおいて、 雇用地国において国民に認められるものと同じ取
  扱いを享有する。 出身地国と雇用地国の権限ある当局は、 いつでもこの規範の適用方法の決定に必要な取
  決めを行うことができる。 
2 適用される法律により、 移住労働者及びその家族構成員に給付が認められない場合には、 当該国は、 当
  該給付につき同じ状況にある国民に認められる取扱いを基盤に払い込んだ拠出金の償還の可能性を検討し
  なければならない。 
第28条 移住労働者及びその家族構成員は、 関係締約国の国民と平等な取扱いに基づき、 その生命維持又は
  回復しがたい健康上の危害を回避するために緊急に必要とされるすべての医療を受ける権利を有する。 こ
  のような緊急医療は、 在留又は雇用に関するいかなる不法性を理由に拒否されない。 
第29条 移住労働者の子どもはすべて、 名前、 出生の登録及び国籍に対する権利を有する。 
第30条 移住労働者の子どもはすべて、 関係締約国の国民と平等な取扱いに基づき教育を受ける権利を有す
  る。 公立の就学前教育施設又は学校で教育を受ける権利は、 雇用地国における両親の在留又は雇用に関す
  る違法な状況もしくは子どもの在留の違法性を理由として、 拒否又は制限されない。 
第31条 1 締約国は、 移住労働者及びその家族構成員の文化的独自性の尊重を確保し、 その出身地国との
  文化的結合の維持を妨げない。 
2 締約国はこのことに関する努力を援助し及び奨励するため、 適切に措置をとる。 
第42条 締約国は、 出身地国及び雇用地国の両国において、 移住労働者及びその家族構成員の特別な必要、 
  願望及び義務を取扱う手続きまたは機関の設置を検討し、 適当な場合は、 それらの機関に移住労働者及び
  その家族構成員の中から自由に選ばれた代表が参加できる可能性を考慮する。 
2 雇用地国はその国内法律に従って移住労働者及びその家族構成員が、 地域共同体の生活および運営に関
  する決定に協議または参加するために便宜をはかる。 
3 移住労働者は、 雇用地国において、 その国が主権行使において、 政治的権利を認める場合、 その権利を
  享有できる。 
第45条 1 移住労働者の家族構成員は、 雇用地国において、 次の各号に定める事項に関し、 その国民と同
  様の待遇を受ける。 
  (a) 教育的機関及び施設を利用すること。 但し、 当該機関及び施設の入学 (場) 要件及びその他の規則に
    従うことを条件とする。 
  (b) 職業紹介及び職業訓練機関並びに役務の利用。 但し、 参加要件を満たされている場合に限る。 
  (c) 社会的及び保健的役務の利用。 但し、 各制度への参加要件が満たされている場合に限る。 
  (d) 文化的生活に参加すること。 
2 雇用地国は、 適当な場合は出身国と協力し、 地域の学校制度、 特に地域言語の教育について、 移住労働
  者の子どもの統合の助長を目的とする政策を追求する。 
3 雇用地国は、 移住労働者の子どものためにその母語及び文化の教育のため便宜を計るよう努力しなけれ
  ばならず、 このことに関しては、 出身地国は、 適当なときはいつでも、 これに協力しなければならない。 
4 雇用地国は、 必要であれば出身地国の協力を得て、 移住労働者の子どもに対する母語教育のための特別
  計画を用意することができる。 
第54条 1 移住労働者の滞在する権利あるいは労働許可、 そしてこの条約の第25条、 第27条に規定されて
  いる権利を損うことなく、 移住労働者は次の事項に関して、 雇用地国の国民と平等の処遇を享有する。 
  (a) 解雇に対する保護
  (b) 失業手当
  (c) 失業対策のための公共事業計画への参加。 
  (d) この条約第52条の規定に従うことを条件に、 失業又は報酬活動の終了した場合、 新規の雇用を求める
    こと。 
2 移住労働者が、 自己の労働契約の条件が雇用者によって侵害されたと主張するときは、 この条約第18条
  第1項が規定する条件によって雇用地国の権限を有する機関に当該事項につき救済を求める権利を有する。 
第70条 締約国は、 合法的な状態にある移住労働者及びその家族構成員の労働条件及び生活条件が適切、 安
  全及び健康の基準並びに人間の尊厳の原則に適合することを確保するため、 自国民に適用されるものに劣
  らない措置を講ずる。 
 
     
   
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