丘の上のレイラ
Leila on The Hill

 「レイラ」は女性の名である。ただ、この曲の「レイラ」は特定の人物を表しているわけではない。純真無垢の少女かも知れないし、半生の回顧にふける老女かも知れない。あるいは丘の上に立つ像かも知れないし、はたまた丘の上に咲く一輪の花のことかも知れない。「レイラ」は象徴的な存在なのである。したがって、曲の各部分も具体的な情景を表現したものではない。自由なイマジネーションを働かせていただきたい。

 曲は静かな導入部から開始する。7小節目からオーボエで奏される動機はこの曲全体を支配している重要な動機である。


 導入部に続き、レイラのテーマが新しい気分で奏でられる。


 曲は6/8拍子のスケルツォ風の舞曲になる。


 短調で奏でられるレイラのテーマのエピソードを経て、曲はAllegroの部分に入る。ここでは6/8拍子の部分の動機と冒頭7小節目からの動機が絡みながら展開する


 レイラのテーマがホルンとトロンボーンで力強く奏された後、再度トゥッティでテーマが奏されて曲を閉じる。

 この曲は少子化の進むスクールバンドのレパートリーの拡充というコンセプトで、難易度も音域等も押さえて書かれている。編成も28人で書かれているが、さらにこれよりダブルリードなど5パート程度を省略することも可能である。また、バランスにさえ注意すれば、楽器をダブらせてもっと大きな編成で演奏することも可能である。


データ

演奏タイム:約6分50秒 難易度:中級

編成:Picc., 1&2 Fls., Ob., Bsn., EbCl., 1,2&3 Cls., B.Cl., 1&2 A.Saxs., T.Sax., B.Sax., 1&2 Trps., 1&2 Hrns., 1&2 Trbs., Euph., Bas., Str.Bass, Timp., Wind Chime, Sus.Cymb., Cymbs., Tri., S.D., Glock., Chime

2000年作曲、21世紀の吹奏楽実行委員会委嘱作品。
2001年3月、21世紀の吹奏楽「響宴IV」にて、小澤俊朗指揮、神奈川大学吹奏学部によって初演。

CD:響宴IV 21世紀の吹奏楽 BOCD-7456,7457(2枚組)に収録

レンタル楽譜:アトリエエム(TEL & FAX:03-3952-1156)

なお、このCD音源の使用については、発売元のブレーン株式会社、ならびに21世紀の吹奏楽実行委員会の承諾をいただいた。このご厚意に心より感謝の意を表します。


(c) 2001 by Takashi Hoshide
楽譜の無断転用を禁ずる。