ラ・グラン・マルシュ
La Grande Marche

 タイトルは「大行進曲」の意味のフランス語である。フランス語になっていることに特に意味はないのだが、あえて言うなら、所々にちりばめられているハーモニーがフランス風であるということだろうか。
 曲はトリオ部分が再現される比較的規模の大きなブリティッシュスタイルの演奏会用マーチの形式を取っているが、トリオ部分を第2主題とするソナタ形式の変形と捉えることもでき、主題の展開等もいささか古典的な手法を用いて作られている。
 この曲はオプションにオルガンも加えた大編成で書かれているが、工夫をすれば通常の編成でも演奏可能である。

 曲はトランペットとトロンボーンのファンファーレ風の楽句で開始される。


 サクソフォーンによって演奏される第1主題。


 第1主題の推移部の後に続く冒頭のファンファーレのモチーフによる第2マーチ。


 第1主題の変形による第3マーチ。


 トリオ部分。第2主題ともいえるこのテーマは推移部を挟んで二度繰り返される。


 展開部的な部分を経て主部の再現となる。


 トリオの再現。トリオはいきなり推移部から開始され、トリオのテーマがオルガンも加えたトゥッティで演奏される。


 そして冒頭のファンファーレが再現され曲を閉じる。


データ

演奏タイム:約12分30秒 難易度:上級

編成:Picc., 1&2 Fls., 1&2 Obs., 1&2 Bsns., EbCl., 1,2&3 Cls., A.Cl., B.Cl., C.B.Cl., 1&2 A.Saxs., T.Sax., B.Sax., 1,2&3 Trps., 1,2,3&4 Hrns., 1&2 Trbs., B.Trb., Euph., Bass, Str.Bass, Timp., Tri., Tamb., S.D., B.D., Sus.Cymb., Cymbs., Tam-t., Glock., Harp, Organ(Option)

2003年作曲、21世紀の吹奏楽実行委員会委嘱作品。
2003年3月16日、21世紀の吹奏楽「第6回響宴」にて、小澤俊朗指揮、神奈川大学吹奏学部(オルガン:江尻弘子)によって初演。

CD:
響宴VI 21世紀の吹奏楽 BOCD-7470/7471(2枚組)
神奈川大学吹奏楽部第39回定期演奏会ライブ「ハリソンの夢」CACG-0056

楽譜:2004年夏ブレーン株式会社よりレンタル予定

なお、このCD音源の使用については、発売元のブレーン株式会社の承諾をいただいた。このご厚意に心より感謝の意を表します。


(c) 2003 by Takashi Hoshide
楽譜の無断転用を禁ずる。