オカトラノオ[サクラソウ科オカトラノオ属]
Lysimachia clethroides

この花はいつもたいてい群落を形成しているのだが、
穂はどの株も必ず決まった方向にS字型に曲がっている。
別に稲穂のように重くて曲がったというわけではなく、
ススキのように風に揺れてなびいているわけでもない。
ほとんど近縁種のヌマトラノオの穂はまっすぐ直立していのだから。
自然界には何の必然性があってこんな形になっているのだろうか
と、思わず首をひねってしまうものが多くあるが、
そんな人間の疑問をよそに、
今日もこの花は頭を傾いで佇んでいる。
きっと彼らも、「何がそんなに不思議なの?」
と思っているに違いない。

97.6.8  埼玉県武蔵丘陵森林公園にて