桃岩荘YH

 YHに泊まって、宿泊者に「一番すごいYHはどこ」と訪ねると、桃岩YHと言う人が多く、いろいろな凄い噂を聞きました。「歌って踊るYH」で北海道3バカYHの一つという話も聞きましたが、その真実を確かめるべく桃岩荘YHに行って来ました。

礼文島の玄関である香深港。写真中央に白い旗が見えますが、あれがYHの送迎です。

これがYHの送迎車。「ブルーサンダーエース」号です。以前は同じくトラックで「ブルーサンダー」号があったのですが、3年前に廃車になって以来、しばらくは普通の車で送迎をしていたようです。ちなみ2001年に購入した新車だそうです。当然ホロ付きの荷台に乗るのですが、3人掛けロングシートが向かい合わせの車内になっています。YHでは他にワゴン車もあります。それにしても、一見するとどこかの工事現場に行くようなトラックですね(笑)。

ヘルパーさん曰く、この車には21世紀の技術を使った音声読みとり装置が付いていて、「発車オーライ」と大声で言わないと発車しないそうです。と言うことで乗客全員で大声で「発車オーライ」と言うと見事に走り出しましたが、フェリーターミナルにいた観光客の視線が痛かったです(笑)。

 山を上った頂上にトンネルがあるのですが、ここは「桃岩タイムトンネル」と言う名前(確か)が付いているそうです。何故タイムトンネルなのかと言うと、ここからは通称桃岩時間と呼ばれる日本標準時より30分時間が進んでいる、時間があるからだそうです。ちなみに、YHの予定は、この時間で進められます。

   

でこぼこの砂利道を通ってようやく到着。断崖に寄り添うようにあるYHです。元々はニシン番屋だったそうで、築140年もたっているそうです。自分達を乗せたトラックはYHの玄関ぎりぎりに停車。ヘルパーさんから「ドアが開いたら一気になだれ込んでくださいね」と言われて、言われるままになだれ込むと「おかえりなさーい!」とYHのスタッフからお客さんまで歓迎してくれました。

  

建物内は元がニシン番屋だけあって、囲炉裏もあって年期の入った作りです。2階部分は男子部屋?で部屋を取り囲むようにベットが並んでいます。壁には歌詞が張られていて、「歌って踊るYH」だけの事はあります。

設備としては、YHで標準的なトイレ・洗面所・風呂が付いている他に売店もあってレインコートも売っているので「ブティック」と呼ばれています。食堂は広くて、指定された時間内に行ってセルフサービスで食事をしますが、味や内容は「まあまあ」と言った所でしょうか。ちなみに、ここにはインスタントコーヒーなどは置いてませんでした。

  

YHの回りはこんな所。左の写真がYHの裏の山。右の写真は「桃岩」です。この「桃岩」は綺麗に見えれば桃の形に似ているそうです。

  

 ここのYHでやっているツアーの「愛とロマンの8時間ツアー」の人達が帰ってくると、ヘルパーさん達は屋根上に上って歌って歓迎してくれます。この時は宿泊者も外に出てツアーの人達を迎えます。それにしても、屋根上に上って歓迎するYHはココしか無いだろうな・・・。ちなみに、左の写真で手を広げているのは手拍子を叩いているからです。

   

 8時間ツアーの人達の歓迎の後は、夕日を沈める儀式が始まりました。ここでは夕日が沈むまで歌い続けたのですが、初心者な自分は全然分かりませんでしたが、他の人達は大声で歌っていました。自分以外の人達は常連だったのかな。それにしても夕日が綺麗でした。ただ、7月上旬だと言うのに13度程しかなくて長袖シャツを着ていても寒いのが難点でした。

その日の夜はここのYH自慢のミーティングが始まり、歌と踊りがありましたが、歌も踊りもよく解らなかったのですが、なんだか楽しい気分になりました。島の観光案内の他に突然パフォーマンスショーが始まったりと、楽しい一晩でした。最後に、明日「愛とロマンの8・4時間」ツアーに参加する人は説明を受けます。

ここのYHはは時間に厳しく、桃岩時間で22時30分(日本標準時で22時)に消灯します。

翌朝、私は「愛とロマンの4時間ツアー」に参加するので桃岩時間で5時10分(日本標準時で4時40分)に起床。朝食を食べたり荷物を送ってもらうのに指定された場所に荷物を移動したりと、あわただしく過ごして、昨日送迎の時に乗ったトラック。いや「ブルーサンダーエース」号に乗ってバスの発車する香深港まで移動します。ちなみに、ツアーに参加しない人も6時30分に大音響で音楽が流れる為に必ず起こされるようです。

この「愛とロマンの8時間(4時間)コース」は、礼文島の一番北の岬のスコトン岬を出発して西海岸をひたすらYHまで歩いて南下するツアーで、8時間と名乗っていますが、実際には10時間程かかります。その為に8時間ツアーに参加する人は要連泊となっています。4時間ツアーは8時間ツアーの約半分の距離で、連泊無しでも参加できます。私は連泊出来なかった為に4時間ツアーに参加し、途中で別れて途中からバスに乗り、香深港へ戻りました。ちなみに、このツアーでは500円で弁当を作ってもらうのですが、圧縮弁当という変わった名前がついています。内容が茶碗3杯分のご飯と7種類のおかずが入っているので、そう呼ばれているようですが、味はご飯の味ばかりで良くありませんでしたが、話のネタには面白い弁当です。

 

港で待っていると、見覚えのある青いトラックがやってきて荷物が運ばれてきました。自分の乗る船で島を立つYHの人は自分だけ。しかし、甲板に出てみると港でたった自分一人の為に4人が歌って見送ってくれましたが、感激でした。他のお客さんの視線が気になったのですが、なかなか楽しい思いでになりました。皆さんも一度桃岩荘YHへ来てみてはいかがですか。

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