宮城県の鉄道路線紹介

■東北本線

 東北本線は日本一長い距離を誇った本線で、仙台は東北本線のほぼ中間に位置しています。仙台周辺で東北本線は2カ所で分岐しており、ひとつは長町から東仙台まで短絡する東北唯一の複線貨物線の東北貨物線と、岩切から利府まで延びる利府支線。利府支線は元々山線と呼ばれていた岩切−品井沼までの路線の名残で、線路は全線にわたって東北新幹線の車両基地の脇を走り、終点の利府はかつて車両留置所として使われていた為広い構内でした。

 新幹線開業前は特急が多く走っていましたが、今は常磐線から直通するスーパーひたちと寝台特急北斗星くらいしか走らない路線になっています。小牛田から先と白石以南では701系によるワンマン運転をしてます。

■常磐線

 常磐線は上野から日立までは複線で最高速度130キロまで出せる路線ですが、四ツ倉から岩沼間は単線に変わり、ローカル路線のような区間となります。海沿いを走る路線ですが、実際に海が見えるのはわずかで、海を期待して乗る人は注意してください。

使用される車両は常磐線は全線を通して勾配の少ない路線で、かつては抑速ブレーキの搭載してない717・451・453系の運用が多かったものですが、平成11年3月からは秋田から転属してきた701系の運転も加わり現在では東北本線と車両運用は殆ど共通となりました。

■仙石線

 元宮城電鉄という私鉄だった、この路線は東北地方唯一の直流電化路線で、首都圏で使い古されて改造を受けた205系が走っています。仙台でもきっての通勤路線とあって運転本数は多く、快速列車も多数運転されています。また、沿線には日本三景の松島がある為に観光客も多く、松島付近では海沿いを走り、通勤電車の走る路線ながら海の眺めがいい路線です。

 平成12年3月に予定よりかなり遅れて仙台−陸前原ノ町間が地下化され、あわせて仙台駅から600M程西に延長して今まで仙台駅が起点だったのがあおば通へと変わりました。地上区間の頃は元私鉄の路線とあって仙台から陸前原ノ町の間は随所に私鉄らしい所が見られる他、仙台駅の仙石線ホームも私鉄だった為に離れており、よく旅行者がホームに行くのに迷ってしまうのが多い所でした。

■石巻線

 小牛田から女川まで延びる非電化ローカル線。他のローカル線と同様にワンマン運転をしてますが、この路線はキハ48を2両固定編成にした変わった車両が運転してしています。車両はキハ48・40が中心ですが、快速南三陸の車両運用の関係でキハ110も運転されます。この路線はローカル線では珍しくDE10による貨物列車の運転が小牛田−石巻間で頻繁に行われています。

■陸羽東線

 新庄まで延びる路線で、途中に峠あるが、東北地方の峠越え路線では比較的低い峠です。沿線には有名な鳴子温泉があり、温泉利用者の多い路線です。車両は以前は全国でも珍しいキハ23やキハ58。キハ40等、様々な車両がローカル線にしては珍しい長編成で非ワンマン運転で運転されていましたが、平成10年12月の改正でキハ110が投入され、この路線もワンマン運転路線となってしまいました。

■仙山線

 仙台から山形まで延びる路線です。沿線は仙台から愛子までは住宅地の中を走る通勤路線ですが、愛子から先はローカル線の雰囲気をだしています。奥羽山脈を越えるべく面白山高原駅を頂点とした峠越えの路線となっており、路線中程には東北では長い面白山トンネルがあり、中には信号所もあって時折列車のすれ違いがあります。この路線は観光地が各所に点在して、作並には少し離れていますが作並温泉。奥新川は芋煮会。日本一スキー場に近いと思われる面白山高原駅は冬はスキー客。他のシーズンは芋煮会・コスモス畑への観光。山寺は山寺への観光等、年中を通してレジャー客の多い路線です。

 山形新幹線開業前は485系つばさや、583系急行津軽が走っていた路線ですが、今は急行津軽も運転されなくなり、ひっそりとした路線になってしまいました。なお、山形新幹線開業直前は一番活気づいていた路線で、そのころは最速の特急「つばさ」よりも早い455系の特別快速が走っていたりする変わった路線でした。平成10年秋まで残っていた板屋峠の生き残りのED78は定期貨物列車の運転廃止に伴い、貨物列車も運転されない路線となりました。

■気仙沼線 

 宮城県内の国鉄時代の開通路線では一番新しい路線です。先行開業した前谷地から柳津。本吉から気仙沼まではローカル線の雰囲気ですが、柳津−本吉間は最後に開業した路線とあってPC枕木。高架路線とトンネルの多用。 カーブの少ない路線など、最近の第三セクターのような雰囲気があります。沿線はこれと言った観光地などはないですが、仙台から気仙沼までの直通利用客は多く、仙台から気仙沼まで指定席のついた快速列車が2往復も走っています。

車両はローカル線と言えば定番のキハ40・48が中心で、快速南三陸1往復と間合いの普通列車にはキハ110が使用されます。

■仙台市地下鉄

 東北唯一の地下鉄。架線集電。直流1500V電化の路線で、両終端駅近くは地上区間を走る区間があり、特に泉中央付近は川を渡ったり山間を走ったりするので、どこかの私鉄を思わせる所があります。

■阿武隈急行

 国鉄丸森線を引継、福島まで延長開業した三セク路線。JR以外では珍しく交流電化された路線で、713系を元に作られた8100系と元JRのA417系電車で運転されています。仙台・福島近郊な事から乗客が多く、経営難の多い三セクの中では優良な経営をしてます。

■くりはら田園鉄道 廃線

 かつて鉱山輸送で栄えた栗原電鉄を引き継いで開業した第三セクター。それまで走っていた味のあるスタイルの電車をコスト削減の為に気動車に転換した珍しい路線です。車両は自社発注したKD95型気動車と名鉄で走っていたレールバスが主力となっています。しかし、三セクになったとはいえ、沿線の人口が少ないので相変わらず乗客は少ない路線です。しかし、以前のシステムをそのままに運転しているので、腕木信号機が残っている他、交換駅では映画「ぽっぽや」のように駅員がホームで列車待ち、タブレットを交換する昔ながらのスタイルで列車を運転している味のある鉄道です。

様々な施策を行ったものの乗客の減少に歯止めがかからず、平成19年度末に廃止になりました。

■東北貨物線(貨物専用線)

 東北本線の長町と東仙台の間をショートカットする貨物専用線。全線複線電化されており、中間には宮城野貨物駅があります。普段は貨物列車しか走りませんが、時々旅客列車が走る事があります。以前特別列車で貨物線を乗った事があったのですが、思っていたよりも乗り心地のいい路線でした。

■仙台臨海鉄道(貨物専用線)

 陸前山王から仙台港へ分岐する貨物専用路線。普段は港湾の工場などへ貨物輸送をしている路線ですが、仙台港で行われた過去2回のイベント時には仙台から直通の旅客列車が運転され、C56牽引の客車列車やキハ110−300番台が走った事があります。

■仙石線貨物支線(貨物専用線)

 仙石線陸前山下駅から石巻港へ分岐する貨物専用路線。港湾の工場などへ貨物輸送をしている路線です。

■日本製紙専用線(貨物専用線)

 東北本線岩沼駅から2キロ程離れた日本製紙岩沼工場まで延びる日本製紙専用貨物線です。岩沼駅の南側でJR貨物から列車を授受されますが、列車は牽引する日本製紙の入換機は授受する時にしか姿を現しません。

■塩釜線(貨物専用線) 廃線

 東北本線陸前山王から塩釜港へ分岐する貨物専用路線。塩釜港へ貨物輸送をしている路線でしたが、運転している時から廃線だか生きている路線だか分からない位列車本数の少ない路線で、平成9年に廃線となったようです。仙石線本塩釜駅前に塩釜港駅があって、広いヤードには貨物車両や解体する車両があり、そこから先に延びる支線には東北では珍しい可動橋がありました。

■東北貨物線仙台市場支線(貨物専用線) 廃線

 東北貨物線の宮城野貨物駅から仙台市場まで分岐していた貨物専用線。線と言っても貨物駅から少し延びている引き上げ線みたいな路線です。宮城野貨物駅近くの宮城野球場の脇にはかつて仙台市場があったのですが、移転に伴って昭和49年に廃止になりました。しかし、書類上は廃止と言っても、実際には昭和63年頃まで使われており、年に何度か貨車がやってきて留置線代わりに使ってました。延々と延びるホームのような所と廃線のような雰囲気がよかったのですが、今では土で埋められて線路の跡形も無くなってます。ただし、市街地図を見ると未だに線路が書かれていたりします。

■仙山線貨物支線(貨物専用線) 廃線

 仙山線東照宮駅付近から東に分岐していた貨物専用線。東照宮の少し仙台側に空き地があるが、貨物線のヤードのあった場所である。ここから東に線路が延びて仙台市ガス局・日本たばこ産業の敷地まで続いていたが、昭和60年頃には廃止になったようである。仙台ガス局に長年展示してあったSLと貴重な客車(SLは仙台総合車両所に展示してあるが、客車は老朽化がひどくて解体された)は、その貨物線を使って搬入された。この線路跡は市街地とあって早々に無くなった。

 

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