全国サイクリングロード紹介

2020年5月29日作成

 かねてから買ってみたかった折り畳み自転車を2017年に購入。折り畳み自転車は気軽に輪行できるるので全国各地へ輪行し、サイクリングしてます。鉄オタなので、廃線跡を転用したサイクリングロードを走って廃線散策をするのが当初の目的だったのですが、今では関係なく走っています。そんな鉄オタ視線で走った一般のサイクリングロードと廃線跡のサイクリングを紹介します。

 サイクリング用自転車は2台所有。最初に買ったのはルノーの16インチ折り畳み自転車。カタログスペック9.8キロというので買いましたが、スピードがあまりに出ないのでチェーンリングを46Tから58Tに変更。25キロの巡行運転が可能な自転車に変わりました。

2台目はダホンの20インチ折り畳み自転車vybe。買って早々に上記の改造をして、巡行29キロで走行可能な自転車へ。ロードバイクと渡り合える自転車へ変身し、100キロのロングライドも余裕で走れます。どちらの自転車も旅行やキャンプで使うのでキャリアを搭載し、折り畳み自転車ながらツーリング仕様になっています。

 
16インチのルノー折り畳み自転車 20インチのダホンvybe てるエンブレム

<北海道 網走常呂自転車道>

・区間 : 網走〜サロマ湖 37キロ
・道路種別 : 自転車道(廃線跡) + 一般道路
・道路状態 : 除草され管理が行き届き、良好
・設備 : トイレ・休憩所・廃止駅跡・保存車両
・起伏 : 一部にあるが、基本ゆるい
・最寄り駅 : 網走
・走行年 : 2018年

旧国鉄勇網線跡を利用したサイクリングロード。網走駅近くの公園からサロマ湖畔まで設定されていて、このうち7割近くが廃線跡になる。能取湖畔を走るので景色が良く、鉄道廃線跡とあって基本なだらかだが、ちょっとした峠が2か所ほどある。鉄道の痕跡は卯原内駅と能取駅跡があるくらいで、両駅ともホームが残り、卯原内駅跡にはSL9600と旧客のオハ47が保存され、雨ざらしながらも保存状態は悪くない。網走を出ると、途中に店は殆ど無いので、網走市内で飲み物等を補充して出発した方が良い。途中の常呂の町では名産のホタテ料理が楽しめる。北海道らしい雄大な風景も見れて、鉄オタじゃなくてもお勧めだが、北海道の東の果てだからか他に走っている人は殆どいなかった。

卯原内駅跡の9600 ホームとオハ47もあり、保存状態は良好 能取湖畔を走る

 

能取駅跡はホームのみ残る 能取駅跡を過ぎて丘を登ると広大な景色が 美瑛の丘に匹敵するような北海道らしい風景

 

常呂の手前ではオホーツク海を横目に走る 遠く能取岬が見える ゴールのサロマ湖へ

<北海道 歌志内サイクリングロード>

・区間 : 砂川市焼山〜歌志内本町 駐車公園 11キロ
・道路種別 : 自転車道(廃線跡) + 一般道路
・道路状態 : 除草され管理が行き届き、良好
・設備 : トイレ・休憩所
・起伏 : 歌志内本町へゆるい上り坂が連続
・最寄り駅 : 砂川
・走行年 : 2019年

旧国鉄歌志内線跡を利用したサイクリングロード。砂川からサイクリングロードが始まる焼山駅跡までは道道627号線を走る。焼山駅跡に石碑と休憩所・トイレがある位で、鉄道の痕跡はほとんど無くなっている。道道と平行して走るが、山の中なので北海道お約束の熊出没注意の看板がある。街中に出ると一般道路となって線路の痕跡が薄くなり、ゴールの駐車公園は街中にある。山を一つ越えて上砂川に行くと、旧上砂川駅と旧客と車掌車が保存されている。こちらもマイナーすぎるからか他のチャリダーとは会わず、逆に熊が出ないか心配になる程だった。

焼山駅跡の石碑 焼山駅跡にある休憩所とトイレ 原野の中を走る

 

お約束の熊出没看板 ゴール地点は公園になっている 山を越えた所にある旧上砂川駅

<宮城県 仙台亘理自転車道>

・区間 : 仙台市宮城野区蒲生〜仙台市若林区 閖上大橋 約11キロ
・道路種別 : 自転車道
・道路状態 : 震災復旧で新しくなり、かなり良好
・設備 : トイレ・休憩所・展望台(避難所)
・起伏 : 平坦
・最寄り駅 : 陸前高砂
・走行年 : 2019年

仙台市の沿岸に貞山堀と呼ばれる江戸時代に作られた運河があるが、その運河沿いにある。昔からあったのだが、東日本大震災に伴う津波で崩壊。再建が気になっていたが、去年完成し、再び全線で走れるようになった。久しぶりに走ったが、風景は一変していて、海岸沿いに密集していた松林は大幅に無くなり、集落も津波で流されて津波被害の大きさを実感する。旧荒浜小学校の建物は震災遺構として残され見学する事ができる。ただ、景色はかなり解放感がある所や、津波避難所になっている高台の展望台もあり、距離は短い物の見どころが多い。閖上大橋を渡って閖上に行けば、閖上朝市や、かわまちてらす閖上でグルメを楽しめる。ここへは、陸前高砂駅が一番近く、七北田川の土手を走っていくとサイクリングロードに出られる。ちなみに、仙台亘理自転車道となっているが、名取〜亘理間は未整備区間のようだ。

解放感のある一直線 仙台にもある津波に耐えた一本松 展望台からは牡鹿半島が見渡せる

<茨城県 つくばりんりんロード>

・区間 : 土浦駅〜岩瀬駅 約36キロ
・道路種別 : 自転車道(廃線跡)
・道路状態 : かなり良好
・設備 : トイレ・休憩所・駅跡
・起伏 : 岩瀬駅へ向けてゆるい上り坂
・最寄り駅 : 土浦・岩瀬
・走行年 : 2017年

関東では一番身近な鉄道廃線跡のサイクリングロード。筑波鉄道の廃線跡に作られており、随所に残る駅跡のホームや道路との立体交差もあり、いかにも鉄道廃線跡を走っている感じがする。農村を走るが、筑波山の雄大な山並みを見ながら走り、平坦で走りやすいからかチャリダーの数も多い。途中に休憩所やトイレも多く、自転車初心者にはお勧めでしょうか。土浦駅ではレンタルサイクルもしていて、自転車を持って行かなくても廃線跡をサイクリングできる。途中には真壁の古い町並みを見たりと、見どころもある。ちなみに、私は筑波山が登りたくなって5合目まで自走し、そこから登山したが、頂上からの眺めは最高。脚力に自信のある方は是非チャレンジ。

筑波山を正面に走る 筑波山に近い筑波駅跡にあるホーム休憩所 行き違い駅のホーム跡が残る

<東京都 多摩川サイクリングロード>

・区間 : 羽村〜羽田空港 約50キロ
・道路種別 : 自転車道(多摩川土手)
・道路状態 : 程ほどの舗装だが、登戸付近にダートあり
・設備 : トイレ・休憩所
・起伏 : 羽村(約120m)へ向けてゆるい上り坂
・最寄り駅 : 京急空港線・南武線・中央本線・青梅線等多数
・走行年 : 2017〜年

関東ではメジャーなサイクリングロード。都内で信号で止まらずに延々走りれるのは、ここと荒川サイクリングロード位だろう。そんな訳で、いつでも爆走チャリダーやポタリングチャリダー等で一杯だが、ジョギングや散歩する人も多くて、休みの日になると狭いサイクリングロードはひしめきあい、自転車で事故が起きる事も多い。そんな訳で敬遠気味なのだが、府中から北は割と空いていて安心して走れる。川のどちら側を走るか考え所だが、基本的には東京都側を走る。サイクリングするようになってから、飛行機に乗るのに家から自転車でサイクリングロードを走り、羽田空港まで行って飛行機輪行する事があるが、自転車で行けるのは国際線ターミナルまで。ここからは無料の空港内シャトルバスに乗って国内線ターミナルへ向かう。空港見学する場合、国際線ターミナル脇に無料駐輪所もある。

 
多摩川サイクリングロードゴール 大鳥居 国際線ターミナルから先は行けない

<神奈川県 境川サイクリングロード・境川ゆっくりロード>

・区間 : 町田〜藤沢 約26キロ
・道路種別 : 自転車道(境川土手) + 一般道
・道路状態 : ほどほど
・設備 : トイレ・休憩所
・起伏 : 町田(約100m)へ向けてゆるい上り坂
・最寄り駅 : 横浜線・小田急線・東海道本線等多数
・走行年 : 2017〜年

こちらもメジャーなサイクリングロードで、所々一般道挟む。多摩川程人は少なく、走りやすいし、足を延ばせば江の島や鎌倉が近いので、東京に居ながら自分のホームコースになっている。途中に休憩所が何か所かあって、沿線には小さい牧場で有名な飯田牧場もあり、ジェラートを食べるチャリダーで賑わう。アニメ「ろんぐらいだぁず」にも登場した。

<新潟県 久比岐(くびき)自転車道

・区間 : 上越市虫生岩戸〜糸魚川市中宿間 約32km
・道路種別 : 自転車道(廃線跡) + 一般道
・道路状態 : 良好
・設備 : トイレ・休憩所・道の駅・トンネル・落石覆い
・起伏 : 平坦だが、ややアップダウンあり
・最寄り駅 : えちごどきめき鉄道 糸魚川〜直江津間各駅
・走行年 : 2017・2018年

旧北陸本線の旧線跡のサイクリングロード。海沿いは災害が多かった為、山側(トンネル)に線路が移動し、旧線跡はサイクリングロードとなった。糸魚川方面は梶屋敷駅付近が起点となっており糸魚川から梶屋敷までは国道を走る。サイクリングロードは海沿いで国道より高い所を走るので日本海の絶景を楽しめる。このサイクリングロードの特徴はトンネルの数。レトロなレンガ作りのトンネルが8つと落石覆いもあるが、大小様々なトンネルはLED照明で明るく路面もしっかりしており、安心して走行できる。途中に橋脚が残っていたりするが、駅跡は無い。休憩所は何か所かあるが、地図にある水場は水道では無く、山の湧き水なのがワイルド。沿線には道の駅が2か所もあり、日本海グルメを堪能できる。数あるサイクリングロードの中で珍しく、微妙に萌えないマスコットキャラ「久比岐 凛」ちゃんが設定されている。風光明媚でグルメも堪能できるのでPRすれば人気が出そうだが、マイナーな場所だからかすれ違うチャリダーは少ない。

日本海沿いを行く レトロな橋脚が残る こんなレトロなトンネルを走れる

 

トンネル内は明るくて安心して走れる 廃線跡の落石覆いを走れるのは珍しい 線路跡らしい雰囲気

 

 
地図の水場の湧き水 冷たくて美味しかった マスコットキャラクター(新潟県HPより)

<福井県 旧北陸本線(県道207・国道476号線)>

・区間 : 南今庄駅〜敦賀駅 約23km
・道路種別 : 県道・国道(廃線跡) 
・道路状態 : トンネル内以外は良好
・設備 : 駅跡・落石覆い・信号付きトンネル
・起伏 : 山中トンネルを頂点に峠 最高標高265m
・最寄り駅 : 南今庄・敦賀駅
・走行年 : 2019年

ここはサイクリングロードでは無いのだが、廃線跡を自転車で走れるので紹介。旧北陸本線の旧線区間で、かつて北陸本線きっての峠越えで難所だった所が県道と国道に変わり自転車でも走れる。所々に駅や信号所跡が残っているが、なんと言ってもこの廃線跡の特徴は9か所も残るレトロなトンネル群。鉄道トンネルを拡張もせずに転用してしまった為、車一台が通れる狭いトンネルが続き、一部のトンネルの入り口に交互通行の為の3・5分毎に変わる信号機がある。この間に自転車でも通過しないといけないのだが、老朽トンネルなので漏水がひどく、路面はビショビショで少しデコボコしているので転ばないように注意が必要だ。また、一応照明は点いているものの、一か所は照明が無く真っ暗でカーブしており、かなり明るいライトを持って行くのが必須だ。トンネルは1キロ以上から200m位と長さは様々なのだが、夏に行ったらトンネル内はかなり涼しくて、夏に行くのがお勧め。ちなみに、峠の頂上にある山中トンネル手前の信号所跡はスイッチバックの遺構が残っており、引き上げ線にもトンネルがあったりする。南今庄から敦賀方面に行くと連続25パーミルの勾配をトンネル内は下るだけなので、南今庄から行くのを勧めます。

ホームが残る大桐駅跡 山中トンネル手前の落石覆い 山中ロックシェイド 峠の頂上 山中トンネル 左は引き上げ線跡のトンネル

 

最長1170mの山中トンネル入り口  山中トンネル内は直線 対向車が来たら車は大変だ トンネル入り口の信号機

<京都府 加悦岩滝自転車道線

・区間 : 与謝野駅〜道の駅シルクのまちかや 約12km
・道路種別 : 自転車道(廃線跡) 
・道路状態 : 良好
・設備 : 休憩所・トイレ・鉄道資料館
・起伏 : 平坦
・最寄り駅 : 京都丹後鉄道 与謝野駅
・走行年 : 2020年

旧加悦鉄道の旧線跡サイクリングロード。与謝野駅裏手から始まり、道の駅シルクのまちかやまで専用道路となっている。街中を走り、道路状態は良いが交差点が多く、スピードは出せない。鉄道遺構は少なく、途中に踏切跡の柵が残っている位だが、サイクリングロード整備の際に駅名標や勾配票が新たに設置されていて、のんびり走って駅名標の説明書きをじっくり読んで行くのがお勧め。途中には旧加悦駅舎を利用した鉄道資料館があり、終点の道の駅の脇には加悦鉄道資料館があったが、2020年3月に惜しくも閉館となってしまった。与謝野駅ではレンタルサイクルを冬季以外はやっているので、気軽に廃線跡を散策できる。

街灯も設置されていて設備が整っている 廃線跡らしく線路の模様が 交差点に残る踏切の名残の柵

 

各駅跡毎に設置されている駅名標 所々にある勾配票 道の駅手前が急こう配 無料で走れる鉄道資料館

<広島・愛媛県 しまなみ海道サイクリングロード>

・区間 : 尾道駅〜今治駅間 約75km
・道路種別 : 自転車道 + 一般道
・道路状態 : 良好
・設備 : トイレ・休憩所
・起伏 : 橋の上り下り・島内に峠が数か所
・最寄り駅 : 尾道・今治
・走行年 : 2017・2018年

日本で一番人気のサイクリングロードで、自転車で島を巡って四国まで行ける。パンフレットには延長70キロとなっているが、来島海峡大橋の今治側にあるサンライズ糸山が起点になっていて、実際には尾道駅から今治駅まで走る必要があるから約75キロが正しい距離だ。尾道からは渡し船で向島へ渡り、向島からスタート。道路にひいてある青い線の通りに行けば迷わず行ける。橋の上り下りの坂道があるものの急坂ではないので、それ程疲れる事なく登れるが、意外と島内に点在する峠道の方が坂道がキツかったりする。各島では様々なご当地グルメを味わえるが、特に集中しているのが井口島。70キロ以上も走れば普通は少しは体重が軽くなりそうだが、ここの場合は今治に着く頃には逆に太る位グルメが豊富だ。グルメ以外では因島に自転車神社として知られる大山神社や、大三島には歴史ある大山祇神社の他、大島には村上水軍博物館もあり、見どころが多い。一日で渡り終える事も可能だが、折角来たのだから途中の島で一泊して、のんびりするのがお勧め。自転車は各所で借りれて乗り捨ても可能。また、途中で疲れて折り返したい時は自転車を載せられる船も出ているので、至れり尽くせりだ。

尾道から短い船旅で向島へ 自転車神社で有名な大山神社 自転車お守りもある 橋の上は高速道路と並走

 

こんな雄大なつり橋を渡る 多々羅大橋の真ん中にある県境 大三島にあるサイクリストの聖地石碑で記念撮影)大三島に

 

来島海峡大橋は、しまなみ海道最長の大橋 絶景のループ橋を走る この橋を渡れば四国へ上陸

<大分県 メイプル耶馬サイクリングロード>

・区間 : 中津駅〜山国町守実 約36km
・道路種別 : 自転車道(廃線跡)+一般道 
・道路状態 : ほどほど
・設備 : 休憩所・トイレ・駅跡・トンネル
・起伏 : 山口町守実へ向けて緩い勾配
・最寄り駅 : 中津駅
・走行年 : 2018年

旧耶馬渓鉄道の廃線のサイクリングロード。中津駅が起点だが、しばらく一般道を走り、専用道は22キロとなっている。廃線から年月がたっているせいか、鉄道遺構は少ないものの、ホーム跡やトンネルが残っている他、このサイクリングロードで特徴的なカーブを描く第二山国川鉄橋がある。一見鉄道当時のままの鉄橋に見えるが、災害で橋脚が流されたもののサイクリングロードの為に掛けなおされていて、サイクリングロードに力が入っている。途中には観光名所の耶馬渓があるが、終点には特に見どころは無い。終点から標高400mの峠を超えると約17キロ日田に抜けられるので、セットで日田を回るのがお勧め。

短いトンネルが点在 観光名所の耶馬渓 手掘トンネルも走れる 数少ないホーム跡

 

駅跡に設置されている駅名標 再建された橋脚の形が微妙に異なる第二山国川鉄橋 湾曲する橋自体が珍しい第二山国川鉄橋

 

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