『Heart Beat Express!』とはなんぞや?
by あいすはうす
「なんで、うちの会社にはかわいい眼鏡の女の子がいないんだー!」
オレンジ色の看板。「牛丼」とかかれたのれんが揺れている。ようやく梅雨があけた頃の、深夜の事だった。
あるみのーとは、牛皿を肴にビールを飲みつつ、あいすはうすにそう愚痴をこぼした。
「んー、じゃぁさ、そういう話を作ればいいんじゃない? 小説とかありなんじゃないの?」
「簡単にいうなよ。自由な時間もろくにないのに。」
「スニーカー文庫みたいなさぁ、ライトノベルみたいな形式で書いてさ、同人誌にするってのはどうさ?」
「同人誌ねぇ・・・エロい話でもないし、そんなの買ってくれるかなー?」
「・・・さぁ・・・?」

なんという無責任な会話だろうか。
そうこうしながら、数日がすぎた。
あいすはうすのもとへ、一通の分厚い封筒が届いた。
差出人は「あるみのーと」。
その中には、「ハートビート宅配便」と書かれた、いわゆる設定と粗筋やネタのメモなどが入っていた。
「本気だったのか・・・」
驚くあいすはうす。追い打ちをかけるように、背後で突然鳴る電話。びくびくしながらあいすは受話器をとった。

「どうよ、例のアレ」
「いいんじゃない? 意外にすらっと読めて、アクションとかも盛り込まれてるし。」
「いろいろネタはあるんだけどね。」
「でも、絵があった方がいいんじゃないの?キャライメージは大事でしょ? 『スレイヤーズ!』とかさー、あらいずみるいの絵の効果って大きいじゃん。

「・・・でもさー誰が描くの?」
「・・・さぁ・・・?」

あいすはうすは、少なくともそれは俺じゃないと思っていた。
無責任なまま、全てが始まろうとしていた。

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・・・・長くなりそうなので、この話はいずれまたどこかで(笑)。


さて、当時オレンジのストライプで有名な宅配会社に勤めていた「あるみのーと」は、仕事の愚痴を含めて
宅配会社の内側をおもしろおかしく紹介しようと考え、この「ハートビート宅配便」を描き始めました。
それにあいすはうすとぎんちゃんが加わり、原形がつくられていったのです。
いろいろあって、結局、絵はあいすはうすが書くことになり、設定もかわったりしましたが、基本的な部分はかわっていません。


★『Heart Beat Express!』とはなんぞや?

一口でいうと、「宅配会社を舞台に、がんばる女の子の姿を描くハートフルコメディ」。
(を目指しています)


この物語の主人公である森本夕紀(もりもとゆうき)が、大学生になって、はじめての夏。
ひょんな事から一人暮らしをはじめる事になり、「なにもかもがはじめての毎日」に大変化。
街で偶然出会った先輩の三宅聖(みやけひじり)に誘われ、宅配会社でバイトする事になった夕紀ですが
なんせ全てがはじめてづくし。失敗だらけで、店は迷惑まみれでてんやわんやの大騒ぎ。
こんなはずじゃ、と嘆く支店長を知ってか知らずか、今日も「まっすぐ」突き進んでゆくのでした。
幼馴染みの砂姫(さき)、晴美(はるみ)、大学での友達、日晶(あきら
)、美樹(みき)、香菜(かな)
宅配ドライバーの小林(こばやし)、伴道(ばんどう)、配車係の河内(かわうち)。
そして、宅配ドライバー最大の敵、黒船中央警察交通課の婦警「雷帝」こと雷王寺沙弥迦(らいおうじさやか)などとの関わりの中で
彼女はなんとなく(!)成長していきます。
そんな毎日の中で
いつしか彼女は「宅配ドライバー」になってみたいと、密かにそう思うのでした。

・・・・以上がおおまかな粗筋です。

主人公である森本夕紀にとって、全てが「初めて」の事。
それは「日常」という名の冒険。
その中で、失敗して怒られたり、はげまされたりしながら、ある意味「成長」していきます。
それをできるだけ「等身大」の目線で描いてみたい。

仕事を通じて、個人の「世界観」が拡がっていく事ってあると思います。
それこそが「Heart Beat Express!」が目指すところです。
シリアスにならずに、あくまでもコメディを下敷きに、「会社」という組織の中でがんばる「女の子」の姿を描きたいと考えています。

(
絵を描いてる側としては、かわいく描きたいんですが、まぁ、その辺は画力の問題もあって、なかなか難しいです・・・。)

遅筆のくせに、計画は壮大で、このホームページでも、ここでしか出来ない事をやろうと企んでいます。
これから先、夕紀がどんな活躍をするか、期待しつつ、思い出した頃にこのページを覗いていただければうれしいです。

もしよかったら、この後はブラウザの「戻る」で戻っていただいて、ギャラリー等を覗いてください。
ついでに掲示板になぞ足跡を残していただければ光栄に存じます。

よろしくお願いしますです。はい。


文/あいすはうす