国家再生計画 その名はUNK 2001.12.17


「おーい、ジッチャンまだ将棋に夢中になってんのか?」

「もー子供みたいですよ、民間の掲示板にまでまた書いてるしー」

「もうそろそろ戻って来てもらわないとね」

「例のやつですか?」

「あれ、もともとジッチャンのアイデアだぞ。俺もそれしかないと思う」

「それではワカランプリーズ」


「森首相の日本は神の国発言は大変な批判をくらった。天皇崇拝と思われたんだな。そこで森は人格神ではなく、日本古来のやおろづの神と弁明した。それも古事記の神々だとまた批判されそうなので、 アニミズムにして護摩化した。日本では国家理念をもつと袋だたきにあう。優秀な政治家とは、それをどうやって比喩で伝えるかという能力をもつ者。森はバカ丸出しだった」

「神の国という言葉を使える国はありますかね」

「日本以外、ほとんどが神の国を理想国家としている。しかもこれは人格神だ。神が国家を守るという理念。だから神の前で宣誓することがすべての始まり。日本では内閣任命を天皇が儀式的に行なうが、単一神に宣誓することは今でも憲法で禁じられている。なんせメタA級戦犯と仮定してその子孫という構図に宣誓をするわけにはいかない。キリスト教やイスラム教のような単一神は日本では戦後禁止だ。そこで日の丸を象徴化した。学校やNHKでも国旗掲揚をする」

「それっていいことなんですかね」

「損得で言うと、損する。トップのスポーツ選手ならそのことをよく知っている。国旗につくしても得にならないとね。日本は外国と同じ国家観をもたない唯一例外の国として機能するべきだ。それができるのは実は単一神を放棄した日本しかない」

「日本だけですか?」

「単一言語族だからできる。しかも植民地政策に失敗したからそれが今は功を奏している。原爆まで落とされたしね。言うことない。マラシータはあれだけ痛い目にあってもケロっとしてるだろ。正しく世界平和の鏡だ」

「痛い目にあったんですか?」

「子宮外妊娠でお腹切られた」

「それでケロっとしてるとこが凄いですね」

「しかも相手の責任を問わない。あれを誰もが見習わないといけない。何があっても命さえあれば、ポジティヴなものに相転化できる特殊な能力。それがもともと最高善の力のはずだった。しかもそれは恐ろしい神じゃない」

「神の国じゃないんですね」

「それを言う前に欧米の神の国とはもともとなんだったかを検証しよう。デ・チヴィターテ・デイがその本家だ」

「チビタって?」

「アウグスティヌスの神の国だ。彼は神の国と悪魔の国を対立させることでキリスト教の護国論を展開した。この構図は資本主義と共産主義の対立にも使用される。互いに互いを悪魔の国と定義しあったくらいだ」

「悪魔の国なんてあったら面白そうですね」

「アウグスティヌスは地上のことを悪魔の国と呼んだ。神の国は天国のことだ。しかもアウグスティヌスは多神を崇拝する国家を否定した。多神を崇拝してもたらす繁栄を非難したんだ。多神を崇拝するとローマのように滅びるんと言うんだな。最高権威者がいなくては世の中がまとまらないと考えた。それが神の国の理念だった」

「でもどの国も権威者がいましたよね」

「それは最高善をもった神でなくてはならないとアウグスティヌスは結論した。ところが最高権威者を最高善とすることによって、侵略を正当化したのがキリスト教史だった。今年パプストが史上初めて十字軍遠征を謝罪したんだよ。だがそれは世界が多様化し、カソリックが弱体化したから、そういう謝罪が有効になったということ。

アウグスティヌスは人格単一神を想定したのがまずかった!

カントも惑わされた最高善という言葉自体に問題があった!

ところが、それを全く否定すると異端者となってしまう。その典型がサドだ。サドはアウグスティヌスがローマに顕在化した地上の快楽地獄を悪魔の国と呼んだことに真っ向から対抗した。近代のソドムを暴いて人間の本性をあからさまに示した。以後の真摯な哲学者はサドを越えることができなくなってしまったほどの凄まじさだ。神学者は当然そういう世界を無視して闇に閉じ込める。今尚あいかわらず最高権威となっているのは旧式の神の最高善というものであり、政治的には国連決議だと思われている。天使の正義の剣は、今や迎撃ミサイルを世界中に張り巡らす防衛構想となっている。こういう考え方は、アウグスティヌスの神の国と構図が全く同じだ。北朝鮮やイラクという悪魔の国が悪さするからというものだ。彼らにしてみれば、神の国同様、国益を考えているだけ。最高善思想の欠点は、経済侵略は自由競争だとしている点にある。ところが実際は自由ではない。そこを正当化するために、旧式の神の最高善が利用されているだけだ」

「なんで旧式にこだわるんですかね」

経済侵略の本音は盗賊の論理なんだよ。新式でやると盗賊の論理になってしまう。だから旧式にこだわる

「日本が平和憲法をそのまんま都合よく使ってるのと同じですか?」

「方式としては同じだ。でも日本人は相転化できる柔軟性がある点が違う。相転化の同義語は笑いだよ。そして、もしアウグスティヌスの時代に、単一神ではなくU認識機能というものが言葉になっていたら、侵略はかくも公明正大には行なわれず、実情通りに盗賊の論理で国益をかけて行なわれたはずだ。ところが、この言葉に該当するものは、古代ギリシャと仏教哲学にしか現れなかった。これは、実は国をまとめるにはいいんだが、領土拡大の侵略には適していない思想だったんだな。最近日本の政治家が、日本も他国並に普通に軍隊つくって外交で正々堂々と意見を主張しましょうなどというのは、どういう理念でいっているのか見当がつく」

「普通の国になりましょうというのはどういう意図なんですか?」

「字義通りなら、古い思想で同じ土俵にたって軍隊強化しましょうということだ」

「実際は違うんですか?」

「経済の問題がデンと構えている。それで日本は今が経済復興の最後のチャンスと言っている」

「ほんとに危ないんですか?」

「国が一旦破産して消滅してもいいと思う人も多い」

「国が破産して消滅するとどうなるんですか?」

「国がいったん亡びると、返済不能となって借金がチャラになる。しかも外国に借りているわけではないから戦争の必要もない。貸し出しもとは郵便貯蓄だ。そこに預けている国民が損をするわけだ。それで日本は別の名前でまた復興するんだが、その時はドイツや米国のように連邦制度をとって、地方自治体が本当の自治権をもって独自に再生するというシナリオだ」

「そんなことできるんですかね」

「戦争ごっごをやると一発でできる。これを相転換理論のクライマックスとするなら、危険思想極まりない。むしろジッチャンの手法は健全だ」

「ほんとに戦争ごっごやるんですか?」

「そういう雰囲気になってるじゃないか。今、有能な政治と思われているのは、KやIみたいに無駄なことはやめましょうと言って節約しているだけのことなんだ。新しいことは民間でやりなさいと言っている。こんなこと誰だってできる。ところが内閣が本気汁出し初めた構造改革とは、この先に都道府県の自立再生のシナリオを用意していなくてはならない。それは日本という国家を分断するんだよ。言語と通貨が共通しているだけの国になる。これは欧州共同体と逆の道を辿るということだ。そしてそれをするためには、軍隊をどうするかという問題にケリをつけないとだめ。日本国民は絶対に自衛隊反対、軍隊は傭兵などと結論付けたがる。その金は塩ミルク米パン以外を対象にした目的消費税で賄うトカネ。ここまで開き直れば俺も反対はしない」

「でも国を守るってそんな問題じゃないでしょう?」


「以下は開き直った場合の俺の発言。その金は直接税ではなく、目的税でとるのは当然だ。安全が必要なのは、より多くをこの国で稼ぐためなんだからね。田舎で自給自足する国民には軍隊なんていらない。そんなとこに爆弾落とされない。軍隊に反対する人は、農作物でもつくって自給自足してくださいというという自由を与えれば、過疎化が進む農村は脱サラ組みで活性化する。一石二鳥」

「軍隊というと憲法改正ですかね」

「平和憲法はそのままだ。軍隊は国軍ではなく、すべて民間の傭兵を使う。そもそも自衛隊員なんてフニャチンに国の安全を任すのがバカだ。あんなもの世界の笑い物だ。スイスの傭兵は有名。命張ってる男にはボンと金だす。今は米国に金払って守ってもらってるんだが、それではまとまな外交交渉ができない。民間軍隊に依頼すれば完全な傭兵だから言いたい放題だ」

「民間軍隊ってなんか怖いですね」

「指揮権は内閣がもっている。クーデターはできないように完全にマインド管理されている。士官や兵隊にはプライベートもなくなるだろう。そのかわり金は沢山払う。しかも能率給だ。領海犯した敵機なんか確実に撃ち落としてくれるよ。自衛隊は領海犯した密猟漁船もつかまえられない腑抜け。あんな集団に税金使うほうがおかしい。しかも兵器は民間に作らせるもんだ。どこでもそうだ。そうでないといい兵器ができない。米国軍は旧式兵器を民間の兵器マニアに垂れ流しているくらいだ。解体したソ連でもやってきたこと。軍隊はビジネス」

「自衛隊ではだめなんですか?」

「今の自衛隊は東京都だけの傭兵の規模しかない。国全体を守るなんて不可能だと自衛隊首脳部が断言している」

「ならば、現実には北海道や九州は自分達で守らなくちゃならないってことですかね」

「そういう所は米軍が守ってくれてる。実際はベースキャンプとして利用されているだけだが、安心料を誰が負担するかという問題だ」

「国じゃだめなんですか?」

「連邦制になったら安心料は自分で支払うことになる。米軍のミサイル構想計画には都道府県でそれぞれが出資して参加してもらえばいい。安全と水はただじゃないとわかればそれが道理だ。金がなければ警官にしか頼めないが、なにもしてくれないよ。自衛隊も米軍もなにもしないけど」

「でも民間の軍隊に依頼するなんてできますかね」

「憲法改正論議の結論は決まっている。国軍はもたないということだ。しかも国民の総意をえたという体裁にしなければならない。そこで自衛隊の無能をさらけ出す大事件が勃発する。米国と日本は、****をぶっぱなしてもらいたいんだな。あれを一発打ってもらうと、日本は大騒ぎだ。今年東海大地震を想定したシュミレーションが再燃しているが、あれは**に****落としたらどうなるかという試算と同じなんだ。その結果、人が数万人死ぬが、彼らは貴い犠牲者ということで博物館効果の範疇に留まる。逆に自衛隊不要論が燃焼し、プロのスパイ集団、*******にもっと金を出せという結論になる。自衛隊では信用できないから民間のプロ集団に依頼される。しかも一石二鳥の現象がおきるんだ」

「一石二鳥?」

「インフレだよ。最大の被害は実はインフレだ。世界大戦の原因がインフレだった。今度は逆だ。まともに世界大戦したら世界の主要国は滅亡する。だからあくまでも戦争ごっこでなくてはならない」

「戦争ごっこで数万人を殺すんですか?」


「もとの俺に戻って話そう。今は不況で自殺者が年間三万人も日本にいる。不況の原因は、俺は日本人の奢りだと思うね。米国のようにしょっちゅう侵略戦争してきた国と同じ生活水準を求めること自体が奢り。日本のサラリーマンは凄いぞ。昼に一杯260円のそば食っても、これがうまいんだと胸張ってる。民衆の底力。ところが国庫は破綻寸前だ。このままじゃ国家崩壊だ」

「崩壊してもいいんでしたよね」

「あの底力がある限り、一度崩壊したってびくともしない。過去の記憶さえライブラリーにあれば、日本民族は存続する。俺は国家の最大の使命とはこのライブラリーを作ることにあることだと確信しているくらいだ。国を守るということは、軍艦や戦闘機つくることじゃないんだよ。そんなもの目先の利益を守っているだけ。国益とやらの駆け引きに使われるだけ。実際はそんなものをつくると人命を守るどころか、人命をもっと失うことは歴史が証明してきたことだ。原子爆弾を落とされても大丈夫なライブラリーを建造することが最高の国家使命。本当の滅亡とは、これさえも滅ぼすことを言う」

「日本が一旦崩壊するというのは実感が沸きませんね」

「インフレになるとわかるよ。オイルショックの時は凄かったぞ。物資がスーパーからあっと言う間に消えた。俺は新聞紙でウンコふいてたくらいだ。今度のはその比じゃない。なにせ突然****が飛んでくる。東海工業地帯はおろか全国がパニックだ」

「もっと遠いとこに落としてくれませんかね」

「佐渡ケ島じゃインパクトない。日本経済が一発で混乱しないとだめとヤツラは考える」

「石油を日本に輸出させないとかではだめなんですか?」

「ウィーンのOPEC会議でそれやらせるのは簡単だ。その方がはるかに少人数の犠牲ですむ。だが他国の人を巻き添えにするというのはサムライではない。そういう卑劣なやり方は後世評価されない」

「やっぱり****が一番手っ取り早いですか?」


「以下は世間を惑わすクソ人間どものセリフとして言ってみることにしよう。妄想として聴いてくれ。日本人も早く一発やってくれって身を捩ってウズウズしている。できれば富士山の火口に落として、噴火を誘発すれば二重の効果が期待できる。パニックには最高の演出だ。火山灰と死の灰で数週間都市が機能しなくなる」

「名付けて?」

「爆裂富士計画。戦争準備が始まる。これで全国民の資産は凍結し、長いインフレ時代が始まる。貯金は目減りする。国債は有事法でそのまま据え置かれ、インフレで債権者はバカをみる。そこでかつての日本は一旦亡びる。国家公務員は全員解雇となり、地方自治体が独自に再生を始める。連邦制になると当然大統領の公選となる。首相公選と言っているのはその前兆だ」


「そうなりそうですかね」

「ジッチャンなら、こんなんアホだって笑い飛ばす」

「やっぱり経済再生には千島改造計画の方がいいんじゃないですか?」

「お前説得してこい」

「将棋三昧ですよ。(背後で声 ハブー、キッサマー)」

「****おとすよりマシだろうと恫喝したらどうだ?」

「そんなもの何本でもぶっ放せって言いますよ」

「怖いものしらずだからなあ。腰がぬけてもびくともしない」

「やっぱり落としてもらいますか?」

「国庫が破綻すればそれもある。しかもインフレは止められない。金を持っている人間はばかを見る」

「そんなんでいいんですかね」

「日本人は金の亡者になっているよ。信用するのは金しかないとね。だからジッチャンの千島改造計画の方が戦争ごっこの妄想よりよっぽどいい。それがわからなきゃ、一発おとしてもらうしかないかな」

「なんか金しか信用できないって悲しいですね」

「神の国にかわる理念がなければだめ!」

「U認識機能じゃだめですか?」

「その名前じゃだめなんだ。それは理念を抽象的に記号化したものだ。U認識機能を掲げましょうなどと言っても空を切る。地球にやさしい日本という類のキャッチコピーでないといけない」

「なんにしましょうかね」

「ドイツのキリスト教民主同盟だとCDUという略語表示することによって機能化してるだろ。キリストをツェーと発音すると全然イメージ違う。米国ならUSAだ。日本だとU認識機能オルガニゼーションだからUNKOだな。ユーエヌケーオー。これでいこう」

「ウンコですね」

「そのくらいの名前にしないと大損した預金者も納得しない」

「でもそれじゃ臭いませんかね」

「ならOをとってUNKだ」

「新生ニッポンはUNKですね」

「表向きはユナイテッド・ナショナル・キングダムの略語としよう」

「天皇制は残るんですね」

「恰好のカモフラージュ」

(ハタケヤマー!)

「もうやめろって」