摩修陀一家の論点「宇宙項」と「悟り」2001.12.20.04.10


「宇宙項」の特性

アインシュタインは1917年、永遠に変化しない宇宙モデルを収縮による「つぶれ」から救うために「宇宙項」を考え出した。重力が引力で物質を「つぶれ」状態にするのに対し「宇宙項」は、物資同士を引き離す「斥力」を空間にもたらす効果をもつ。しかしハッブルの宇宙膨張説によって、アインシュタインは「宇宙項」を「わが最大の誤謬」として自ら否定した。しかし、超新星の観測により、「宇宙項」は99%の確立で存在するとされ、米国の「サイエンス」は1998年のトップの発見とした。「宇宙項(宇宙定数)」の存在とは、真空空間にエネルギーがあり、空間の膨張に関わらずエネルギーが一定であることを意味する。


「力の統一理論」と「プランクエネルギー密度」との不一致

「力の統一理論」は、真空エネルギーによって宇宙は膨張し(インフレーション理論)、真空エネルギーの「相転移」によって物質エネルギーがつくられたとする。しかし宇宙発生から135億年経たとされる現在、真空エネルギーの斥力は物質の重力を上回っているという。このため宇宙は現在第2のインフレーションを始めているとされている。だが素粒子論に従い、真空エネルギー密度を「プランクエネルギー密度」に換算すると、実際の値は120けたも低く、これを説明する理論は今のところ公には存在しない。


我々が考える「宇宙項」と「悟り」

我々が考える「宇宙項」とは「自己認識機能」と「自己保存機能」によって発生する「斥力」である。我々はこれを「相定数」と呼ぶ。この目的は「U認識機能」を得ることにある。 人間はある目的を持つときに「疑似相定数」を発生させる。これにより諸々の目的を達成するための推進力が生まれる。しかし、「疑似相定数」は目的が達成すると消滅するために、次の「疑似相定数」をもたなければ、人間は「自己認識機能」が著しく低下する。

「疑似相定数」に対して「完全相定数」が存在する。これは俗に「悟り」と呼ばれるものである。

以上の機能を最もバランスよく発揮させる世界が理想世界であると我々は認識する。その象徴のひとつとして我々はチェスを認識した時期があった。その限界点を予測し得た現在、将棋に着目する。「完全相定数」が日常へ投射された現象としては、囲碁より、むしろ将棋に興味深いロジックが存在する。