2002.8.10NHK囲碁将棋ジャーナル
王位戦第3局羽生VS谷川 森下解説をめぐり
飛車先不突き矢倉対32銀左美濃
 

矢倉への挑戦者たち

マシュダ談話 2002.8.10


王位戦第3局森下解説をめぐり No: 258 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ02/08/11 Sun 03:43:37

2002.8.10NHK囲碁将棋ジャーナル
王位戦第3局森下解説をめぐり
飛車先不突き矢倉対32銀左美濃 矢倉への挑戦者たち

「いかがです?」
「先手35手め88玉がどうだったかという食い込みは凄まじい。この疑問提出は森下ならではの肉薄。圧倒される」
「マシュダ一家は一筋二筋の攻防に本局の特異点を見いだしましたが、森下説にあえて反論するなら?」
「まずは森下の肉薄に敬意。感動すら覚える。しかしこれを実証するにはプロ棋士はあと1年かかるじゃろうね。しかも先手飛車先不突きに対する後手32銀対抗型という矢倉を数十局以上指してからの話し」
「有り得ますか?」
「有り得ん。そもそも21手め68玉が指されなくなるから、この形は消滅する」
「森下さんも本局以前に佐藤新棋聖相手にこの68玉を指しましたが?」
「飛車先不突き対32銀対抗型への黎明期の模索は当然。しかし森下も手堅く指すなら78金と自分で言っておったろーに」
「後手の急戦がないのでやはり早囲いしたくなるそうです」
「早囲いの一手得より瞬間角道を止めるマイナス値の方が大きい。森下が35手め88玉に疑問を感じるなら、ここは別な手を指したい所」
「飛車先突くとか?」
「ここで16歩があるかどうか。この停滞手が有効なら飛車先不突きを残したまま相手の動きをもう一回観察できるはず」
「今まではどれも1局で片づけられる所ですが」
「森下はやはり序盤の鬼。88玉と22玉の交換に疑問を感じるなら、本気でこの地点に結論を出そうとするかも知れん」
「試練と?」
「こうした変化がでてくる所が矢倉の底無し沼。飛車先不突きに対する後手の対抗手段は長年トップで放置されとったから、今ごろ対抗策が表面化するのはむしろ遅すぎる」
「結果予想は?」
「またヒフミン矢倉に戻るんとちゃう?」
「飛車先を早めに突いて飛不眠と?」
「77銀もその兆候。35手めの局面はそれほど複雑ではないから」
「では終盤へ。後手からの角交換は谷川さんらしいとのことですが」
「お世辞。森下も先手隙がないのに後手は隙だらけと言っとる」
「72手め75銀は凄い手とのことですが」
「勝てば勝因だからそりゃ悪手とは呼べん。同じ局面が今後でても誰もやらんが」
「66桂打に対する68金寄りで矢内さん、66同銀はなかったかと突っ込みいれましたが」
「ほっほ、矢内は猛女。森下もかなわんな」
「森下さんここからしどろもどろです」
「森下も実戦なら68金寄をやりたいんじゃろーね」
「甘い?」
「この辺の食いつきはヒフミンと違って森下は遠慮を知っとるから」
「85手めは63角ではなく74角だったかの羽生さんの局後検討にも触れましたが、73香打たれてそれもむずかしいかとの指摘です」
「あとはえー」
「森下さんは死体にムチ打つことはしないと?」
「最終盤解説は愛敬。森下は先手良くなる変化は一切述べておらんから、68金寄がとんでもない悪手と知っておるのよ。右銀で取りゃ二枚換えで歩まで入り先手負けよーがない」
「しかし実戦心理では駒を渡さずに逃げるものと知っているとも?」
「その実戦心理ってなーに?」
「さあ」
「プロ棋士の逃げ言葉。これも1局というセリフともども最もタチが悪い」
「解説のEDと?」
「森下はもうそんな言葉使っとらんのじゃない?」
「やはり実況通り最初から入玉を目指すべきと?」
「60手め角交換必須の時点で当然」
「手堅く指すという表現は?」
「本局の為にあるような言葉。その言葉を森下が21手め68玉に替る78金に対して唯一使う所に好感がもてる」
「本局では勝負手となった16歩がここであるかが課題ですね」
「なんとも言えん。ただ矢倉は底無しと感じるだけ」