荒木三段が久保を後手にしてくれたので楽しめた。
52手め37桂が期待の谷川阿部久保組だったがNHK杯なら勝っていたかもしれない。37桂が取られた瞬間に逆に後手玉が詰めろ逃れの詰めろ。展開確認を久保は見損じたおかげでまたも負け。
長時間将棋だと急戦中飛車は展開が単純すぎて新手をだしても応手を正確に読まれてしまう。現に急戦中飛車は先手勝ちの結論が先にある羽生はその場で読んで対応。1手先攻+居玉で2手分=勝ち。いい夢だった。久保も名人戦立会い断っていれば今頃挑戦者。

日時：2008/05/13
棋戦：第79期棋聖戦挑戦者決定戦
時間：4時間
先手：羽生善治王座・王将
後手：久保利明八段
▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △５四歩 ▲２五歩 △５二飛 ▲５八金右 △５五歩
▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △５六歩 ▲同　歩 △８八角成 ▲同　銀 △３三角
▲２一飛成 △８八角成 ▲５五桂 △６二玉 ▲１一龍 △９九馬 ▲３三角 △４四銀
▲同角成 △同　歩 ▲６六香 △７二銀 ▲８二銀 △２七角 ▲９一銀成 △８九馬
▲８一成銀 △５七歩 ▲同　金 △４五桂 ▲５八金引 △５七香 ▲６三桂成 △同　銀
▲１三龍 △６四桂 ▲５五桂 △同　飛 ▲６四香 △同　銀 ▲６三香 △７二玉
▲５五歩 △８一玉 ▲６一香成 △３七桂不成▲５七金 △５六香 ▲７一飛 △９二玉
▲９一金 △８二玉 ▲７四桂 △同　歩 ▲８一飛成 △同角成 ▲同　金 △９二玉
▲３七桂 △５七香不成▲５八香 △同香成 ▲同　金 △７九飛 ▲６九香 △５三歩
▲８二角 △８一玉 ▲６四角成 △７二金 ▲７三銀 △同　金 ▲同　馬 △８二金
▲７一成香 △同　玉 ▲５三龍
まで83手で先手の勝ち

56金は負けなのでまたも消去法で久保のポカ期待
▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △５四歩 ▲２五歩 △５二飛 ▲５八金右 △５五歩 ▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △５六歩 ▲同　歩 △８八角成 ▲同　銀 △３三角
▲２一飛成 △８八角成 ▲５五桂 △６二玉 ▲１一龍 △９九馬 ▲３三角 △４四銀 ▲同角成 △同　歩 ▲６六香 △７二銀 ▲８二銀 △２七角 ▲９一銀成 △８九馬
▲８一成銀 △５七歩 ▲同　金 △４五桂 ▲５八金引 △５七香 ▲６三桂成 △同　銀 ▲１三龍 △６四桂 ▲５五桂 △同　飛 ▲６四香 △同　銀 ▲６三香 △７二玉
▲５五歩 △８一玉 ▲６一香成 △３七桂不成▲５七金 △５六香 ▲７一飛 △９二玉 ▲９一金 △８二玉 ▲７四桂 △同　歩 ▲８一飛成 △同角成 ▲同　金 △９二玉
▲５六金 △４九飛 ▲５八玉 △３九飛成 ▲７一角 △５七歩 ▲同　玉 △７三銀打 ▲９六香 △４五桂 ▲同　金 △６五桂 ▲５六玉 △８一玉 ▲投了
78手で後手の勝ち

羽生は久保の頓死期待。82玉だけは負け。92玉で後手玉寄らない。先手玉は受け無し。
だんだん羽生が意図したオチが見えてくる。羽生もアレにはカチンと来て当たり前。

すでに久保37桂自体が49角成以下の詰めろ逃れの詰めろなので後手玉に必死掛けるヒマがない。37同桂が前項でダメなら詰めろ回避に57金しかないので悲観的な消去法。谷川は37同桂に67馬で後手勝ちと阿部に語った。

▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △５四歩 ▲２五歩 △５二飛 ▲５八金右 △５五歩 ▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △５六歩 ▲同　歩 △８八角成 ▲同　銀 △３三角
▲２一飛成 △８八角成 ▲５五桂 △６二玉 ▲１一龍 △９九馬 ▲３三角 △４四銀 ▲同角成 △同　歩 ▲６六香 △７二銀 ▲８二銀 △２七角 ▲９一銀成 △８九馬
▲８一成銀 △５七歩 ▲同　金 △４五桂 ▲５八金引 △５七香 ▲６三桂成 △同　銀 ▲１三龍 △６四桂 ▲５五桂 △同　飛 ▲６四香 △同　銀 ▲６三香 △７二玉
▲５五歩 △８一玉 ▲６一香成 △３七桂不成▲同　桂 △５八香成 ▲同　金 △４九金 ▲６八玉 △７九銀 ▲５七玉 △５六歩 ▲同　玉 △３九金 ▲７一飛 △８二玉
▲６二成香 △４五銀 ▲同　桂 △同角成 ▲６六玉 △６七馬引 ▲同　金 △６五香 ▲７七玉 △６七香成 ▲８六玉 △７四桂 ▲８五玉 △９四金 ▲９六玉 △８四桂
▲投了
80手で後手の勝ち

89馬+79銀の形が深浦を沈めた底銀を想起。今度は逆行。久保は9筋逃げる筋に滅法強い。

上記変化で思い出した。37桂変化は昨年谷川が竜王戦2組に落ちるかもしれない対局の阿部谷川の感想でやっていた。引き出しをみるとあの時の感想の穴が入っている。

63手めが詰めろだったと言うオチ　当家篇
▲７六歩    △３四歩    ▲２六歩    △５四歩    ▲２五歩    △５二飛    ▲５八金右  △５五歩    ▲２四歩    △同　歩    ▲同　飛    △５六歩    ▲同　歩    △８八角成  ▲同　銀    △３三角
▲２一飛成  △８八角成  ▲５五桂    △６二玉    ▲１一龍    △９九馬    ▲３三角    △４四銀    ▲同角成    △同　歩    ▲６六香    △７二銀    ▲８二銀    △２七角    ▲９一銀成  △８九馬
▲８一成銀  △５七歩    ▲同　金    △４五桂    ▲５八金引  △５七香    ▲６三桂成  △同　銀    ▲１三龍    △６四桂    ▲５五桂    △同　飛    ▲６四香    △同　銀    ▲６三香    △７二玉
▲５五歩    △８一玉    ▲６一香成  △３七桂不成▲同　桂    △５八香成  ▲同　金    △４九金    ▲６八玉    △７九銀    ▲５七玉    △５六歩    ▲同　玉    △３九金    ▲７一飛    △９二玉
▲９一金    △８二玉    ▲７四桂    △同　歩    ▲８一金    △９二玉    ▲８四桂    △同　歩    ▲９一金    △８二玉    ▲８三香    △投了
75手で先手の勝ち

37桂に同慶の至りと同桂は角筋開通効果で71飛以下81金の即詰みがない。マサカ27角が81にまで利くとは流石利明。1手空くので31銀を最後に取って先手玉を銀打からの詰めろ形にすれば久保勝ち。

久保の研究？

単純な展開。61香成は詰めろでないので55歩で飛車取るっきゃない。
当家格言2「大駒取って詰めろを掛けろ」。
今度は取ったばかりの飛車を82に打てば詰みなので56香や56桂或いは例の63角成凱旋は間に合わない。

55同歩は逆4。56桂打で64香以下52手め57桂不成で27角筋が63地点まで開通するので先手玉に詰めろ逃れの詰めろがかかってしまう。ナノデ先に64香で63龍以下の詰めろを掛けた羽生。
当家格言1「大駒取るより詰めろを掛けろ」。

羽生はガムシャラの足し算だが久保は受けるだけなのでラク。61金は51玉時に里で主人帰還を待つ大奥なので動かさない。ナノデ63龍阻止に64桂。なぜ桂かと言うと先に57香打ったので持ち駒がそれっきゃない。逆に58香成からの清算後51玉は羽生が先に13龍指すか63桂成かの問題が先。羽生が1手早く決定権を行使できるので久保は従うだけ。58で清算する時は羽生が龍を切って必至を掛けるとき。先手陣は49飛で詰む形。

久保も懲りないが羽生も懲りない。
27角は57歩ともども随分前の感想戦でやった第二候補第三候補だった。久保が実戦で負けても固執しているので羽生も挑発。逆に羽生が27角以下長考を繰り返したので1時間ほど久保稼いだ。

61飛には42玉で詰まないので58金しかない。羽生の場合は3手先のために長考する傾向。58金には57香しかないため。
久保は羽生の波長に合わせるだけなのでラク。今日の羽生は森内後遺症で最短思考。ナノデ一番手数が長い順を選ぶと勝機発生。

長考しているのでイキナリ13龍やるかと思えば第三変化で羽生も諦めた模様。37手め58金以下は57香に13龍が詰めろ。第四変化まで先手勝ちだが51玉早逃げの第五変化から後手にも勝ちが出てくる。

玉の逃げ間違い
▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △５四歩 ▲２五歩 △５二飛 ▲５八金右 △５五歩 ▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △５六歩 ▲同　歩 △８八角成 ▲同　銀 △３三角
▲２一飛成 △８八角成 ▲５五桂 △６二玉 ▲１一龍 △９九馬 ▲３三角 △４四銀 ▲同角成 △同　歩 ▲６六香 △７二銀 ▲８二銀 △２七角 ▲９一銀成 △８九馬
▲８一成銀 △５七歩 ▲同　金 △４五桂 ▲１三龍 △５七桂成 ▲５四桂 △同角成 ▲６五香打 △６七馬 ▲６三桂成 △５一玉 ▲５二成桂 △同金右 ▲６一飛 △同　銀
▲同香成 △４二玉 ▲３三銀 △４三玉 ▲２四銀成 △４二玉 ▲３三龍 △投了
55手で先手の勝ち

羽生でも棋聖戦3年ぶり、久保なら棋聖戦初挑戦。
羽生は一昨日どころか名人戦第3局もヘンなので久保チャンス。
後手応援。

羽生の反則負けは有り得ない。これを公式戦にしたのは間違い。全集からは削除していただきたい。

棋戦：ネット埼京線
先手：渡辺　明
後手：羽生善治
▲７六歩 △８四歩 ▲６八銀 △３四歩 ▲６六歩 △６二銀 ▲５六歩 △５四歩 ▲４八銀 △４二銀 ▲５八金右 △３二金 ▲７八金 △４一玉 ▲６九玉 △５二金
▲７七銀 △３三銀 ▲７九角 △３一角 ▲３六歩 △４四歩 ▲３七銀 △６四角 ▲４六銀 △４三金右 ▲３七桂 △３一玉 ▲５七角 △７四歩 ▲７九玉 △７三桂
▲６七金右 △９四歩 ▲２六歩 △９五歩 ▲８八玉 △２四銀 ▲１六歩 △２二玉 ▲３八飛 △５三銀 ▲１五歩 △４二銀 ▲１七香 △８五桂 ▲８六銀 △９七桂成
▲同　銀 △８五歩 ▲６五歩 △７三角 ▲３五歩 △９六歩 ▲同　銀 △同　香 ▲同　香 △３六銀 ▲９三角成 △４七銀成 ▲１八飛 △４六角 ▲２五桂 △８一飛
▲１四歩 △同　歩 ▲１三歩 △時間切れ
67手で先手の勝ち

羽生は後手勝勢から27銀を指さないで時間切れ負けに。
最終感想は「マウスの練習をもう少しします」。

羽生が述べる変化
▲７六歩 △８四歩 ▲６八銀 △３四歩 ▲６六歩 △６二銀 ▲５六歩 △５四歩 ▲４八銀 △４二銀 ▲５八金右 △３二金 ▲７八金 △４一玉 ▲６九玉 △５二金
▲７七銀 △３三銀 ▲７九角 △３一角 ▲３六歩 △４四歩 ▲３七銀 △６四角 ▲４六銀 △４三金右 ▲３七桂 △３一玉 ▲５七角 △７四歩 ▲７九玉 △７三桂
▲６七金右 △９四歩 ▲２六歩 △９五歩 ▲８八玉 △２四銀 ▲１六歩 △２二玉 ▲３八飛 △５三銀 ▲１五歩 △４二銀 ▲１七香 △８五桂 ▲８六銀 △９七桂成
▲同　銀 △８五歩 ▲６五歩 △７三角 ▲３五歩 △９六歩 ▲同　銀 △同　香 ▲同　香 △３六銀 ▲３四歩 △４七銀成 ▲２五歩 △４六成銀 ▲中断
以下後手が116手で勝つ。決め手は後手玉に必至を掛けた瞬間に99銀からの即詰み。97も87もアウト。77も飛車切りから46角。
変化中で渡辺明が述べる62手め38銀成など羽生は指さない。この飛車取り畏れて9分も長考？
実戦でも感想でも渡辺明は羽生に完敗。飛車角惜しむ竜王に見切りつけて指すの面倒になった模様。一昨日の森内と同じ心境かもしれない。

これが天才坂田の末裔かと思うと悲しい。谷川阿部久保。貴様等は名人戦の立会いなど引き受けて恥ずかしくないのか？
康光どころか郷田でも引き受けない。
立会いなど有吉内藤に譲るべき。新聞社は解説聞きたいから谷川以下の棋士を出したがるだけなので棋士側で断らないといけない。どうせ谷川程度では彼らの将棋が誤解されるだけなのでむしろ有吉内藤の口三味線の方がマシ。
特に谷川。一昨年名人戦に出ておきながらよくもその顔で立会いなどできる。しかも光速ノート137の名人戦第2局変化ごときで「将棋の奥深さを改めて感じた」では困る。谷川が言う83歩に92飛などボツ変化。思い込みの出所で以下いくつも作成するから中原に負けて当たり前。

出陣前に戦友と将棋を指している神風特攻隊員。戦友は形見の将棋の駒を戦死した隊員の母親の元へ。母親は涙も流さずに受け取りその駒を終戦後に神社へ持って行く。
鳩森神社ではない。靖国神社。しかし背景が寂しい。
加藤一二三の人間国宝が決定した後は玉将駒碑を靖国神社に寄贈していただきたい。王将駒ではなく玉砕の玉。
母親の役は薬師丸ヒロコ。玉将駒碑の前でなにか唇だけでつぶやく彼女。「タタタン」。森内がなぜか遠景に。
このシナリオはパブリックドメインとする。

毎日=大逆転ですねと解説の阿部隆八段が驚いた。
朝日=「解説の深浦康市王位「なんなんだこの人は」と絶句。「驚異的な粘りが名人のポカを生み出した。50年に1度です」と総括。
広大妄想集団らしく朝日は「50年に1度の大逆転」と掲げて記事に。
これが不評で渡辺明以下の棋士から総スカン喰らった深浦だが、この程度で怒ってはいけない。朝日新聞はそういうノリが大好き。地球温暖化まで利用して正義を振りまくほどだから名人戦なら靖国問題のネタにさえしかねない。
「50年に1度の大逆転」の意味は簡単。50年前に日本人は力道山とシャープ兄弟の戦いを本気で観戦。森内羽生も現在そのように本気の戦いと世間では見られている。最高峰のライバル決戦と。今ではプロレスで賭け事する人はいないが森内羽生ならいる。先手10連勝中ともなるとオッズが凄い。しかも二日目夕方に深浦が先手必勝宣言などしてしまうと30分の最後の休憩の間には最後の賭け率が過去50年最高値。羽生に賭けた方は今頃億万長者。
「50年に1度の大逆転」=「50年に1度の大穴」が真相。
森内は141手め98銀を打ったときに控え室の喚声が聞こえたと楽しげに証言。これをポカと言うのは簡単だが55玉で詰む筋を摸索している最中に大受けだったので森内も口を滑らせてしまったのであろう。
羽生は終局後泣き声だったとの記事。ここまで名人に面倒みてもらわないと後手で勝てないのかと思ったのか定かでない。明らかなことは打った銀が直後に王手のス抜きで取られるタコ手はかつて名人戦でなかったこと。玉の逃げ間違いどころのポカではない。10秒将棋でも有り得ない手を指した名人の心境？
嬉しくて仕方ない。こういう一世一代のバカ手をこともあろうに名人戦で指せたらもう死んでもいいほどの快感。
だからね、朝日だけでなくて毎日ももっと大げさに扱って頂きたい。
「名人乱心」程度の標題で一面を沸かせるべきだった。
升田並の演出家がいない将棋界で森内演出は上出来。