マシュダ一家
2006.10.31-11.1竜王戦第2局 渡辺VS康光 対急戦中飛車手損角換り


竜王戦第2局 対急戦中飛車手損角換りとはなにか No: 1609 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/11/02 Thu 08:02:21

先手勝ちと思ってデカイ音だしてお茶飲んでいた渡辺明。カミさんに後ろからパーンと叩かれて「熱い。もう一杯」。
康光はコメカミ震わす電気仕掛けの最終盤。全変化は把握してあったのでどのコースと一致するかの楽しみだったが先手がひどすぎた。
序盤から見る。
4手め54歩と5手め25歩はいい。急戦中飛車へ。
7手め22角成は横着手。10手め94歩は康光自嘲。本気だしても仕方ないと。康光羽生戦以上のものはここにない。後手の特権を康光が自ら放棄した3-2構造。もし95歩で後手勝てるなら手合違い。その証拠は最終盤から見る必要もなかった。19手め36歩が悪手のため。46歩に関しては羽生康光分析で当家が実に久しぶりに局後の反省を行なった回から連盟棋士間でも随分試行錯誤が繰り返された。問題は49金解釈に尽きる。渡辺明が当家分析を受けて代替手をここに求めたことは好ましいが19手め36歩は後手の千日手回避に甘えた手。20手め88角は素晴らしい。先手の怠惰な3-3構造からの誘惑をイッキに打ち砕く手番調整としては最高。この手がなければこの将棋はここまで盛り上がらなかった。23手め77銀の形はひとめ先手窮屈。これは丸山康光へ遡るとその理由がよく判る。指した棋士が康光本人なので後手勝ちとなる。77桂と跳ねないと先手は勝てない。よって以下の展開は後手が主導権を握る。25手め46歩は敗着級の大悪手。36歩の悪手には逆転の可能性を期待できるがさらに46歩では温泉勝ち。康光がその感触を得た証拠は26手め71玉。これほど気分よい足湯の平行歩間4-3は最近類例がない。これで一挙に後手の緩手はすべて最善手にヒックリかえる。27手め47銀で水泡に帰す羽生分析の反省会。29手め78金の第四平行歩間4-3でいっそう先手は悪手の累積を固める。第五はない。
理想の4-3アタックで後手優勢に。37手め37歩は当家が渡辺明像を生んだ73歩の反転+森内分析の白眉。阿部が嫉妬した由縁。渡辺明が今回見落としたのは当家の千日手イメージ戦略分析。如何に同一手順を避けるか。羽生の狡猾将棋の最大の犠牲者康光は20手め88角でその苦悩の塊を開放し38手め22飛で蝶番理論の痕跡を刻印。この一見アタリ前の手が康光地獄の集大成のみならず現代将棋後手番の在り方を集約。手損計算は別な理論体系に移行。39手め58金は緩手。40手め33桂は悪手。41手め75歩は77銀のツケ。これで後手は73桂を阻止されたかに見えるが先手がすぐに77桂とできないので調整できる。42手め42金がその象徴数。これで37歩に対抗可能。第三仮想平行歩間3-3を経て45手め36歩で大爆笑。康光の悪手に誘われた渡辺明。ここでの最善は4-3構造作成。47手め67金を阿部が疑問視したが解析地点が遅れている。50手め59角で康光が打開したが渡辺明のリクエストなので乗るところ。対羽生の58角は一発で決まったが今回は胸貸し。この辺でやろうと。初日は微笑ましい。
51手め封じ手は阿部山崎が16歩。連盟棋士が誰もその名の由来を知らない7は65歩。1時間考えて16歩指すようでは職業棋士が最終盤困る。51手め65歩は初日のツケとなる歩切れ解消+77角実現の空間開放手。双頭手として4thアタックの弊害補填。56手め15角成はカラ成り。89手め42角成のカラ成りに呼応。阿部山崎田村がここで57飛成と切る一手と言う根拠は「最終盤大駒逃げて勝てるワケない」。ところが42角成のカラ成りで先手は1手使用。問題は逃げ場所。中盤を見る。57手め77角は59馬阻止の双頭手。58手め24歩に15歩の駒アタリ偶数番2に60手め25馬は悪手。逆行奇数番1を康光が回避したのは相手を格下と思っている証拠。仮想番ヤルから歩をクレと。以下すべて駒アタリ仮想番扱いを康光は嫌って76手め34馬となった。これは立会い有吉が勧めた手だが山崎は76手め55銀が絶対手と述べた。76手め55銀は66歩+空間閉塞の双頭手となる仮想駒アタリ奇数番3。これを放棄して34馬の重複駒アタリ偶数番2を選択した理由はひとつ。仮想番消去。当家の最善はここで能動駒アタリ偶数番2。理由は歩の数。後手に1枚多いので返す。
78手め66銀=完全駒アタリ奇数番3
81手め64歩=完全駒アタリ奇数番3
82手め45桂=進行駒アタリ奇数番3
83手め66銀=跳躍駒アタリ奇数番1で大爆笑
跳躍駒アタリ奇数番3が森内羽生の名人戦主題だったのに。
縁台な構想の間違いであろう。進行番に決まっている。
どこで1歩返すかだが田村が言う64手め35歩は有り得ない。日本人特有の奢りあい。68手め55歩や74手め66歩の局後検討は酒場の支払い風景。強引な財布出しは嫌われるから。重要な所で一切言及がないばかりかむしろゴマかしている。品切れの間違いであろう。
最終盤は康光の土壌。寄るか寄らないかなので93手め65銀は康光大喜び。ここでお茶飲みたい場合は田村が言う72銀成+67金。忙しい時代に相手の時間切迫を鼻で笑う渡辺明。67金やられたら康光は96手め64歩で自信アリはジョーク。新規1を先手に取られて後手負け。
縁台最終盤突入以降はアンチョコ見てレポート提出だけ。正確か性格か。当家は後者しか鑑賞しない。前者は自分で作ったものがより克明。
人間に残るもの=性格。
101手め79歩で歩切れ。二重に悪手。歩切れ解消に103手め24飛では小銭稼ぎに動く守護神。110手め66歩は悪手。これを最善と言い張った場合相手の悪手に染まることになる。
対急戦中飛車手損角換りとはなにか?
それは対急戦中飛車の後手最善が千日手と言う当家の初期結論への先手の寝返り。

日時:2006.10.31-11.1
棋戦:竜王戦第2局
戦形:対急戦中飛車手損角換り
先手:渡辺 明
後手:佐藤康光
▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽5四歩    ▲2五歩    ▽5二飛
▲2二角成  ▽同 銀    ▲9六歩    ▽9四歩    ▲7八銀    ▽7二金
▲6六歩    ▽6二銀    ▲6八玉    ▽3三銀    ▲4八銀    ▽6一玉
▲3六歩    ▽8八角    ▲7七角    ▽同角成    ▲同 銀    ▽2二飛
▲4六歩    ▽7一玉    ▲4七銀    ▽4四銀    ▲7八金    ▽3五歩
▲7九玉    ▽8二玉    ▲8八玉    ▽3六歩    ▲同 銀    ▽3二飛
▲3七歩    ▽2二飛    ▲5八金    ▽3三桂    ▲7五歩    ▽4二金
▲4七銀    ▽2一飛    ▲3六歩    ▽6四歩    ▲6七金右  ▽6三銀
▲7六銀    ▽5九角    ▲6五歩    ▽同 歩    ▲同 銀    ▽6四歩
▲7六銀    ▽1五角成  ▲7七角    ▽2四歩    ▲1六歩    ▽2五馬
▲4五歩    ▽5三銀    ▲5六銀    ▽5五歩    ▲同 角    ▽5四銀直
▲7七角    ▽5一飛    ▲6五歩    ▽同 銀    ▲同銀右    ▽同 歩
▲8六角    ▽5二金    ▲7七桂    ▽3四馬    ▲5五銀    ▽6六銀
▲同 金    ▽同 歩    ▲6四歩    ▽4五桂    ▲6六銀    ▽6四銀
▲7四歩    ▽6三金左  ▲7三歩成  ▽同 銀    ▲4二角成  ▽5四飛
▲6一銀    ▽6二金打  ▲6五銀左  ▽5七飛成  ▲同 銀    ▽同桂成
▲6四歩    ▽6一金    ▲6三歩成  ▽同 金    ▲7九歩    ▽7二銀
▲3一飛    ▽4四馬    ▲2四飛    ▽6六歩    ▲6八歩    ▽6七歩成
▲同 歩    ▽6六歩    ▲同 歩    ▽6七歩    ▲5二金    ▽6八歩成
▲6一金    ▽7八と    ▲同 歩    ▽6七成桂  ▲4四飛    ▽同 歩
▲7一角    ▽9二玉    ▲7五馬    ▽8四銀打  ▲同 馬    ▽同 歩
▲9五歩    ▽8三玉    ▲6二金    ▽9五歩    ▲8二金    ▽9四玉
▲7二金右  ▽7九角    ▲同 玉    ▽6九飛    ▲8八玉    ▽8九金
▲9七玉    ▽8二銀    ▲7六角    ▽8五歩    ▲同 角    ▽8四玉
▲7五銀    ▽同 玉    ▲7六銀打  ▽6六玉    ▲4四角成  ▽5五歩
▲8六玉    ▽8四金    ▲5五馬    ▽同 玉    ▲3五飛成  ▽4五歩
▲6三角成  ▽7五銀    ▲同 銀    ▽同 金    ▲同 玉    ▽5七角
▲投了
162手で後手の勝ち