日時：2006.08.30
棋戦：A級順位戦
戦形：対中飛車銀冠
先手：三浦弘行八段
後手：谷川浩司九段
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲７八金 ▽５二飛
▲４八銀 ▽５四歩 ▲６九玉 ▽５五歩 ▲５八金 ▽６二玉
▲６六歩 ▽４二銀 ▲７七角 ▽５三銀 ▲８八銀 ▽７二玉
▲７九玉 ▽８二玉 ▲８六歩 ▽７二銀 ▲８七銀 ▽５四銀
▲８八玉 ▽４二金 ▲２五歩 ▽３三角 ▲９六歩 ▽９四歩
▲６七金右 ▽５三金 ▲８五歩 ▽６四歩 ▲８六角 ▽７四歩
▲７七桂 ▽７三銀 ▲５九銀 ▽７二金 ▲６八銀 ▽１四歩
▲７五歩 ▽同　歩 ▲同　角 ▽６三金寄 ▲８六角 ▽７四歩
▲７六銀 ▽３二飛 ▲８九玉 ▽３五歩 ▲６五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽６五歩 ▲同　桂 ▽６四銀 ▲２四歩 ▽同　歩
▲７三歩 ▽同　桂 ▲同桂成 ▽同　銀 ▲６六桂 ▽５六歩
▲５四桂 ▽同　金 ▲７七角 ▽同角成 ▲同　銀 ▽５七歩成
▲同　金 ▽６五桂 ▲同　銀 ▽同　金 ▲６六銀打 ▽３九角
▲３八飛 ▽５七角成 ▲同　銀 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽同　金
▲２三角 ▽６七銀 ▲同　金 ▽８七銀 ▲５六金 ▽３六飛
▲３七歩 ▽２六飛 ▲２八歩 ▽６七金 ▲８八金 ▽同銀成
▲同　玉 ▽７五桂 ▲７九桂 ▽６六歩 ▲７六銀打 ▽７八金打
▲同　飛 ▽同　金 ▲同　玉 ▽５六飛 ▲同角成 ▽５八飛
▲６八歩 ▽５六飛成 ▲８九玉 ▽６七歩成 ▲同　歩 ▽８六金
▲同　銀 ▽７六龍 ▲７七金 ▽８六龍 ▲同　金 ▽７七銀
▲７八金 ▽５九角 ▲７七金 ▽同角成 ▲８八金 ▽６八銀
▲５四角 ▽８六馬 ▲７二角成 ▽同　玉 ▲６三銀 ▽同　玉
▲６六飛 ▽６四角 ▲８六飛 ▽７九銀成 ▲同　玉 ▽６七桂不成
▲８九玉 ▽８六角 ▲８一角 ▽７二桂 ▲５四銀 ▽同　玉
▲７二角成 ▽６三歩 ▲５六飛 ▽５五金 ▲８六飛 ▽７九飛
▲９八玉 ▽７六金 ▲同　飛 ▽同飛成 ▲８七金打 ▽７九銀
▲７六金 ▽８八銀成 ▲同　玉 ▽７九銀 ▲７七玉 ▽投了
161手で先手の勝ち

対中飛車銀冠は昨日も糸谷が淡路相手にやっていたが谷川は当家が何度もダメと言っている5筋位取り。これは谷川講座では位ではない。自分で言っているのだから間違いない。よって10手めで当家では谷川負け。これは歩間理論出現以前の結論。歩間理論でもダメ出しがでたので二重にバッテン。谷川はほとんどイジで55歩を指してきた。本譜の敗因集積はそれがイコジに。
43手め75歩が悪手で谷川にチャンス発生。さすが10連敗中の三浦。
しかし8月6日のJT杯で10連敗中の三浦は谷川に勝ってしまった。不調の疫病神が谷川にすでに乗り移っている。
66手めの最善は45銀。25歩には44角。24歩には27歩で後手勝ち。先手の36歩を咎めるべき。何の為の54手め36歩駒アタリ偶数番2だったのか。
70手めの最善は55桂。ここでも谷川はイケイケで角交換してしまった。
先手：王手飛車喰らう三浦
後手：70手め55桂
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲７八金 ▽５二飛
▲４八銀 ▽５四歩 ▲６九玉 ▽５五歩 ▲５八金 ▽６二玉
▲６六歩 ▽４二銀 ▲７七角 ▽５三銀 ▲８八銀 ▽７二玉
▲７九玉 ▽８二玉 ▲８六歩 ▽７二銀 ▲８七銀 ▽５四銀
▲８八玉 ▽４二金 ▲２五歩 ▽３三角 ▲９六歩 ▽９四歩
▲６七金右 ▽５三金 ▲８五歩 ▽６四歩 ▲８六角 ▽７四歩
▲７七桂 ▽７三銀 ▲５九銀 ▽７二金 ▲６八銀 ▽１四歩
▲７五歩 ▽同　歩 ▲同　角 ▽６三金寄 ▲８六角 ▽７四歩
▲７六銀 ▽３二飛 ▲８九玉 ▽３五歩 ▲６五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽６五歩 ▲同　桂 ▽６四銀 ▲２四歩 ▽同　歩
▲７三歩 ▽同　桂 ▲同桂成 ▽同　銀 ▲６六桂 ▽５六歩
▲５四桂 ▽同　金 ▲７七角 ▽５五桂 ▲５六金 ▽６七歩
▲７九銀 ▽６四桂 ▲６五銀 ▽同　金 ▲同　金 ▽６八銀
▲同　銀 ▽同歩成 ▲同　飛 ▽６七歩 ▲２八飛 ▽７六桂
▲５五金 ▽６八歩成 ▲同　金 ▽８八銀 ▲同　角 ▽同桂成
▲同　玉 ▽５五角 ▲７七歩 ▽２八角成 ▲投了
94手で後手の勝ち
本譜は上記手順の54手め36歩を活かす順を二度も活かさなかったために以下後手難しい。三浦相手なのでなんとかなるはずが谷川がヒドすぎた。最後のポカは148手め。歩合いなら金が1枚多く残るので本譜投了図以下78金から即詰みだった。

先手：本譜同様
後手：148手め歩合い
▲７六歩    ▽３四歩    ▲２六歩    ▽３二金    ▲７八金    ▽５二飛
▲４八銀    ▽５四歩    ▲６九玉    ▽５五歩    ▲５八金    ▽６二玉
▲６六歩    ▽４二銀    ▲７七角    ▽５三銀    ▲８八銀    ▽７二玉
▲７九玉    ▽８二玉    ▲８六歩    ▽７二銀    ▲８七銀    ▽５四銀
▲８八玉    ▽４二金    ▲２五歩    ▽３三角    ▲９六歩    ▽９四歩
▲６七金右  ▽５三金    ▲８五歩    ▽６四歩    ▲８六角    ▽７四歩
▲７七桂    ▽７三銀    ▲５九銀    ▽７二金    ▲６八銀    ▽１四歩
▲７五歩    ▽同　歩    ▲同　角    ▽６三金寄  ▲８六角    ▽７四歩
▲７六銀    ▽３二飛    ▲８九玉    ▽３五歩    ▲６五歩    ▽３六歩
▲同　歩    ▽６五歩    ▲同　桂    ▽６四銀    ▲２四歩    ▽同　歩
▲７三歩    ▽同　桂    ▲同桂成    ▽同　銀    ▲６六桂    ▽５六歩
▲５四桂    ▽同　金    ▲７七角    ▽同角成    ▲同　銀    ▽５七歩成
▲同　金    ▽６五桂    ▲同　銀    ▽同　金    ▲６六銀打  ▽３九角
▲３八飛    ▽５七角成  ▲同　銀    ▽５六歩    ▲同　銀    ▽同　金
▲２三角    ▽６七銀    ▲同　金    ▽８七銀    ▲５六金    ▽３六飛
▲３七歩    ▽２六飛    ▲２八歩    ▽６七金    ▲８八金    ▽同銀成
▲同　玉    ▽７五桂    ▲７九桂    ▽６六歩    ▲７六銀打  ▽７八金打
▲同　飛    ▽同　金    ▲同　玉    ▽５六飛    ▲同角成    ▽５八飛
▲６八歩    ▽５六飛成  ▲８九玉    ▽６七歩成  ▲同　歩    ▽８六金
▲同　銀    ▽７六龍    ▲７七金    ▽８六龍    ▲同　金    ▽７七銀
▲７八金    ▽５九角    ▲７七金    ▽同角成    ▲８八金    ▽６八銀
▲５四角    ▽８六馬    ▲７二角成  ▽同　玉    ▲６三銀    ▽同　玉
▲６六飛    ▽６四角    ▲８六飛    ▽７九銀成  ▲同　玉    ▽６七桂不成
▲８九玉    ▽８六角    ▲８一角    ▽７二桂    ▲５四銀    ▽同　玉
▲７二角成  ▽６三歩    ▲５六飛    ▽５五歩    ▲８六飛    ▽７九飛
▲９八玉    ▽７六金    ▲同　飛    ▽同飛成    ▲８七金打  ▽７九銀
▲７六金    ▽８八銀成  ▲同　玉    ▽７九銀    ▲７七玉    ▽７八金
▲８六玉    ▽８七金    ▲同　玉    ▽８八銀成  ▲８六玉    ▽８七飛
▲投了
168手で後手の勝ち
▽７八金 ▲同　玉 ▽６八飛 ▲７七玉 ▽８八飛成 ▲６六玉　▽５六金でも同様の7手詰みだが谷川が読んだのは後者だけ。最初から55金打なら56金打の必要がないと勘違いして86玉を見落とした模様。谷川だけ時間が沢山あったのに。

先手：封じ手49手め55歩4
後手：50手め55同銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽６二飛
▲６八銀 ▽４二金右 ▲５七銀 ▽１一玉 ▲７七桂 ▽２二金
▲５五歩 ▽同　銀 ▲６五桂 ▽３五歩 ▲５三桂成 ▽同　金
▲３五歩 ▽５四角 ▲４五歩 ▽同　歩 ▲３四歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲５一角 ▽６五飛 ▲２四角成 ▽４三金
▲１四歩 ▽２三歩 ▲１三馬 ▽同　桂 ▲同歩成 ▽同　香
▲同香成 ▽同　金 ▲２五桂 ▽１二金 ▲１三香 ▽２二玉
▲１二香成 ▽３二玉 ▲４四歩 ▽同　銀 ▲５六桂 ▽３五銀右
▲４四歩 ▽４二金 ▲６六銀 ▽１六角 ▲３九玉 ▽２六香
▲２八歩 ▽８五飛 ▲１九飛 ▽２五角 ▲１三飛成 ▽４四銀
▲同　桂 ▽４三玉 ▲８六銀 ▽８四飛 ▲８五金 ▽投了
101手で先手の勝ち

先手：封じ手49手め69飛
後手：50手め78角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽６二飛
▲６八銀 ▽４二金右 ▲５七銀 ▽１一玉 ▲７七桂 ▽２二金
▲６九飛 ▽７八角 ▲７九飛 ▽８七角成 ▲８九飛 ▽７八馬
▲８三飛成 ▽８二歩 ▲７四龍 ▽７七馬 ▲７一龍 ▽６四飛
▲８一龍 ▽９四香 ▲７五角 ▽６三飛 ▲８二龍 ▽９九馬
▲９三角成 ▽同　飛 ▲同　龍 ▽２六香 ▲２七桂 ▽投了
71手で先手の勝ち

羽生が駒箱に駒を入れた写真。羽生は以前コレができなかった。谷川が羽生から王位を奪取したアタリから変わった。
どっちでもいいが駒がないと盤面写真だけで初日対局終了が確実に判るので便利。今後も続けて欲しい。
ふたつも先手負け変化では困るので取り敢えず打開した先手に希望を。
先手：封じ手49手め55歩3
後手：50手め55同銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽６二飛
▲６八銀 ▽４二金右 ▲５七銀 ▽１一玉 ▲７七桂 ▽２二金
▲５五歩 ▽同　銀 ▲６五桂 ▽同　飛 ▲８二角 ▽７三角
▲同角成 ▽同　桂 ▲８二角 ▽８五桂 ▲９一角成 ▽７七桂成
▲５六銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽８五飛 ▲８六香 ▽投了
65手で先手の勝ち
64手め61飛は55馬が成桂アタリ。

まだ指していた。さすがに78角のポカはないので康光に封じ手を指して貰う意図。難しい。
先手が打開する場合先に歩損する。明日開始早々千日手かもしれない。
結局27手め49玉に対する当家の最大評価はご破算。
手損の内訳
後手=1手損　先手=4手損　差し引き=先手3手損
最終局面は1-7なので奇数番原理に戻った先手が7thアタックを試作できる。55歩が該当。

先手：封じ手49手め55歩1
後手：50手め55同銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽６二飛
▲６八銀 ▽４二金右 ▲５七銀 ▽１一玉 ▲７七桂 ▽２二金
▲５五歩 ▽同　銀 ▲６五桂 ▽同　飛 ▲８二角 ▽７三角
▲７一角成 ▽９三桂 ▲７二馬 ▽６四角 ▲５六銀右 ▽８五飛
▲５五銀 ▽同　角 ▲８六銀 ▽８四飛 ▲６六銀 ▽４六角
▲４七金直 ▽５四桂 ▲５七銀 ▽６四角 ▲投了
70手で後手の勝ち

先手：封じ手49手め55歩2
後手：50手め55同銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽６二飛
▲６八銀 ▽４二金右 ▲５七銀 ▽１一玉 ▲７七桂 ▽２二金
▲５五歩 ▽同　銀 ▲６五桂 ▽同　飛 ▲８二角 ▽７三角
▲同角成 ▽同　桂 ▲８二角 ▽８五桂 ▲９一角成 ▽７七桂成
▲６六香 ▽８五飛 ▲８六歩 ▽同　飛 ▲５五馬 ▽８七飛成
▲５六馬 ▽７八角 ▲投了
68手で後手の勝ち

49手め55歩を康光が今日書いて明日負けは困るのでこれから対策検討。

まだ指していた。47手め77桂まで。42手め78角は後手負け。

先手：43手め98角
後手：42手め78角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽７八角
▲９八角 ▽９六歩 ▲同　歩 ▽同　香 ▲９七歩 ▽同香成
▲同　桂 ▽９六歩 ▲８八銀 ▽９七歩成 ▲同　銀 ▽投了
53手で先手の勝ち

しかし47手め77桂だとこの順はない。では48手め78角はどうするのか？
先手：51手め89飛
後手：48手め78角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲２九飛 ▽６二飛
▲６八銀 ▽４二金右 ▲５七銀 ▽１一玉 ▲７七桂 ▽７八角
▲６八金 ▽８七角成 ▲８九飛 ▽７六馬 ▲８三飛成 ▽投了
53手で先手の勝ち
トリックのようだが今度は77桂を跳ねたことによって89地点が開放され89飛が可能になる。当家の最初の分析で37桂の意味を真っ先に29飛構想に求めた理由と同じ。桂跳ねの場合当家では第一に空間開放手から見る。

康光は指す手がない為に29飛。今度は笑えない。当家の一番最初の構想に戻ったにしては後手が随分指しやすくなった。以前も端歩から始まった我慢大会で康光が挫けたことがある。
＞2002.3.4&5王将戦第五局 ハブ先手 相掛り15歩戦法 狂った時計
あの時は羽生が15歩を取り逆に後手の95歩を許さなかった。最近の山崎渡辺戦でも先手側は96歩を突いている。
2005.11.02C1順位戦　山崎VS渡辺　手損角換り右玉VS穴熊　右玉の柱
2006.02.06NHK杯　山崎VS渡辺　手損角換り右玉VS穴熊

一方今日も戦っている例の二人も先手側は96歩だが打開できずに千日手になった。
2005.12.15A級順位戦　三浦VS谷川　対手損角換り右玉　千日手局

41手めで仕掛けを仕込むなら88角
先手：41手め88角
後手：11玉
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽６五歩 ▲８八角 ▽１一玉
▲６六歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽４二金右 ▲７五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽投了
49手で先手の勝ち

しかし時間的に11玉で封じ手康光だと86銀か66歩しかないので一晩羽生に対策を練られてしまう。寝てしまうのは渡辺明。竜王戦はそれでいいが王位戦は難しい。だから29飛で仕方ない。
75歩同飛は角打たれて負けなので羽生はジっと62飛で66歩も未然阻止。万全の構えで穴熊を明日完成しに。

覇気がない相手の可能性を殺すだけの手に見えるが双頭手以上。82角や64角を可能にする空間開放+位+66銀阻止。デメリットは先手に66歩の権利を与えることだが88角があるのですぐにはない。先手から先に64角も92飛で負け。

56銀はない。しかし56歩では56角構想も永遠にない。57角はすぐにはダメ。この手を見て羽生は12香。後手からの入玉はないが千日手や穴熊の姿焼きは有り得る。
最短の姿焼きを欲して例の63金で撃退された場合
先手：86角
後手：84角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽９五歩 ▲３八玉 ▽５四銀
▲５六歩 ▽１二香 ▲７七銀 ▽１一玉 ▲６六銀 ▽８四角
▲８六角 ▽６五歩 ▲５七銀 ▽４三銀 ▲６四角 ▽９二飛
▲７五歩 ▽６三金 ▲投了
50手で後手の勝ち

すでに対振り飛車の感覚。こうされると77銀+88角は壁叩く囚人にされる。ここで動かないと後手は15歩を逆手に取る穴熊への繰り換え可能。56銀の相腰掛け銀は桂頭が弱くて指せない。
86角は63金で完封。75地点を狙うなら56歩から57角だが52金が不動のまま後手に穴熊に組まれ負け。52金があると57角以下75角63金で急襲もない。

96歩の1手分で実現。しかし56角構想も消えまた当家の29飛構想へ戻った。86角や66角は考えにくい。中空三角理論で飛車交換は右玉側が致命的。88銀滞留でも飛車交換はない。69飛なら79飛同飛同銀69飛59飛同飛同金でいいが78飛だと困る。77銀+66銀はまだ依然残っているが66銀の瞬間88角が飛車香取り。
88銀を動かして88角はどうか？45歩同歩同桂で玉筋を狙う振り飛車の王道。

指し手が判らないので突き越す。94角の選択肢は増えたが端攻めだけなら先手は願ったりかなったり。
しかし43金でも56角はすぐに打てない。

56角最悪の場合
先手：35手め56角
後手：34手め43金
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４九玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽９四歩 ▲４八金右 ▽４三金右 ▲５六角 ▽５四歩
▲７五歩 ▽５五歩 ▲投了
38手で後手の勝ち
56角を実現する為には先に38銀と下がらないといけない。ところがそれでは桂頭が薄い。
よって羽生が42金や43金を指さないのは35手め38玉で後手は指す手がないため。むしろ34手め95歩は康光が余裕で羽生の顔立てそれに羽生が頷いた図。34手め95歩なら38玉は修正手順として成立。しかも序盤15歩を取った優位性のみが抽出される。羽生も金踊りをすぐに見せずに済むので互いに面目保った。

竜王戦のヘボ中継と違って棋譜ミスではない。盤面写真でも確かに48金。
96歩と突きたいが羽生の金移動を催促。康光はやはり羽生の千日手イメージ戦略に対抗している。しかしこれは世界中誰の目にも手損と判るのでイメージ戦略としては不出来。羽生が金を動かして戻したら有り得る。先に待ち手を見せると世間は理解してくれない。
羽生が95歩ならその1手分で相殺となるがそれも羽生次第。

一度断念したはずのマシュダ一家29飛構想へ戻すにしてはヘソマガリ。
ここから29飛を狙うなら48金+38玉が必要なため。これで手損調整は1手だけとなり後手は千日手を狙える。
他には39玉+49飛新構想だが88銀が使いにくい。
羽生は32手め94歩。含みが多い。42金に51角阻止、93角、84角、93桂、92飛など派生変化が多い。96歩なら95歩の仕掛けの権利は後手。先手が95歩をやる時は51角狙い+打開策の延長なのでむしろ後手は歓迎。

当家と羽生の読みは完全一致。やはり45歩+46角構想で千日手は難しい。
あとは康光が49玉をどうするかだが取り敢えず39玉までいいとして28玉とすると先の千日手回避選択肢は消える。
すると28玉から77銀+66銀+75歩を狙うことになるがそれでは余りに直情すぎる。
そこで72飛の最大の弱点83地点を狙い次に56角構想を作成。

46角構想では先手が早めに45歩を突く必要がある。
先手：29飛+46角構想
後手：右金踊り千日手
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４八玉 ▽２二玉 ▲４五歩 ▽４二金右
▲５八金 ▽５二金 ▲７九飛 ▽４二金右 ▲６六歩 ▽５二金
▲４六角 ▽中断

もし康光が49玉でこの順を選ぶとすれば48玉の1手分で後手の右金が42地点へ動く。39玉から48玉または39玉から28玉ならば後手は右金を二回動かすことになり先手はどちらがよいか選択することが可能。康光がそこまで読んで49玉を指したか定かでないが千日手打開には最善手だったかもしれない。角換り腰掛け銀のノーマル定跡69玉を反転しただけなら意味は希薄。30手めに羽生が44歩と突けば46角構想は消える。しかし30手め44歩でも1手分調整の意味は残り45地点のアタリを狙って37桂活用を計れるかもしれない。康光は後手番右玉構想でも玉側から動いて羽生に勝った経験がある。

次に45歩46角を作成中に康光は49玉。
この手が意味を持つとすれば羽生の右金踊りの千日手回避。それならば深淵。マシュダ一家29飛構想を1手で笑うなら頑固一徹。39玉に行きたいだけなら48玉の方が選択肢が多いので得なため。
羽生も不可解な顔して22玉。
29手め58金では48飛構想もないので49玉がいっそう間抜けに見える。

23手め37桂は攻撃手を装った空間開放手。29地点を開放し後の地下鉄飛車構想79飛+29飛準備。
28飛と振り直す双頭手に見えても42玉に28飛は敗着。

先手：24手め42玉
後手：25手め28飛
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲２八飛 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８二角 ▽９二香
▲９一角成 ▽７三桂 ▲９二馬 ▽６五桂 ▲５八金右 ▽３九角
▲２九飛 ▽５七角成 ▲同　金 ▽同桂成 ▲投了
40手で後手の勝ち
この手順に抜けがあれば後手は25手め28飛に51玉と戻せば千日手が選択できる。よって24手め42玉に25手め38金は自然。

24手め42玉に代えて35歩は45歩で先手勝ち。ただし先手が26手め36角を打つとマギレが発生し逆転する。

先手：26手め36角
後手：24手め35歩
▲７六歩    ▽３四歩    ▲２六歩    ▽３二金    ▲２五歩    ▽８八角成
▲同　銀    ▽２二銀    ▲４八銀    ▽３三銀    ▲１六歩    ▽６二銀
▲１五歩    ▽６四歩    ▲４六歩    ▽６三銀    ▲４七銀    ▽７四歩
▲３六歩    ▽５二金    ▲７八飛    ▽７二飛    ▲３七桂    ▽３五歩
▲同　歩    ▽２七角    ▲３六角    ▽４九角成  ▲同　玉    ▽２六金
▲１八角    ▽３七金    ▲５八金    ▽１四歩    ▲５九角    ▽２八金
▲３六角    ▽１九金    ▲３七角    ▽１六香    ▲１四歩    ▽４四銀
▲２七角    ▽１七香成  ▲３八角    ▽３五銀    ▲３六歩    ▽２六桂
▲投了
48手で後手の勝ち

先手がポカして58金だと28角で先手負けは35歩があってもなくても同じ。逆に見れば飛車の横利きがある間は35歩も28角もないので25手め38金は不急の1手に見えるが29飛車構想には欠かせない手。よってこのキンアゲは受けではなく攻防の双頭手。

29飛車構想失敗例
先手：33手め61角+35手め29飛
後手：
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４八玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽４三金右 ▲６一角 ▽８二飛 ▲２九飛 ▽７三桂
▲４五歩 ▽８一飛 ▲投了
38手で後手の勝ち

先に35歩を入れてもダメ。61角が敗着になる。
そこで29飛車構想には角換り将棋特有の千日手が発生しやすい。

先手：33手め61角+35手め29飛
後手：73桂
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４八玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽４三金右 ▲７七銀 ▽９四歩 ▲９六歩 ▽４二金引
▲６八金 ▽４三金直 ▲２九飛 ▽４二金引 ▲６六歩 ▽７三桂
▲中断
73桂を跳ね61角以外に81角の選択肢を増やすのも後手の権利。
78角はどうか。
先手：29飛+78角構想
後手：44角+26角構想
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽７二飛 ▲３七桂 ▽４二玉
▲３八金 ▽３一玉 ▲４八玉 ▽２二玉 ▲５八金 ▽４四歩
▲７九飛 ▽４三金右 ▲７七銀 ▽９四歩 ▲９六歩 ▽４二金引
▲６八金 ▽４三金直 ▲２九飛 ▽４二金引 ▲６六歩 ▽４三金直
▲７八角 ▽５四銀 ▲５六銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　飛
▲４五歩 ▽同　歩 ▲７六歩 ▽７二飛 ▲４五銀 ▽４七歩
▲同　金 ▽４五銀 ▲同　角 ▽５四金 ▲６三銀 ▽４二飛
▲５四銀不成▽同　歩 ▲５三金 ▽４五飛 ▲同　桂 ▽４四角
▲３三桂成 ▽同　桂 ▲５二飛 ▽２六角打 ▲同　飛 ▽同　角
▲５八玉 ▽５九飛 ▲６七玉 ▽８九飛成 ▲３二飛成 ▽同　玉
▲４一角 ▽２二玉 ▲３一銀 ▽１二玉 ▲２二金 ▽投了
83手で先手の勝ち

70手め41銀で粘っても駒を取られて先手にも受けられ後手負け筋。

75歩阻止。2筋の脅威が消えたからと42玉は負け。

先手：23手め75歩
後手：22手め42玉
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽４二玉 ▲７五歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽８四角 ▲７一飛成 ▽投了
27手で先手の勝ち

先手：23手め75歩
後手：22手め42玉
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７八飛 ▽４二玉 ▲７五歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽２八角 ▲７一飛成 ▽７二飛 ▲８一龍 ▽１九角成
▲９一龍 ▽２九馬 ▲５八金右 ▽７一香 ▲７三歩 ▽同　飛
▲８二角 ▽７八飛成 ▲同　金 ▽同香成 ▲４一飛 ▽投了
41手で先手の勝ち

もし先手の32金が41金のまま手番を持っていればこの構図は反転するが序盤32金から構築しているのでその修正は利かない。あるとすれば20手め52金で42玉だがその場合は37桂から先手が居飛車で戦い15歩が攻撃手に逆行相転化。
78飛には35分。72飛には43分費やされて昼食。

75歩を互いに消すと言うより右玉構想実現の布石。15歩とした時からの最大の選択肢。飛車をどこに振るかだが38飛は35歩同歩同飛が26角王手飛車。玉を左辺に囲うと三頭手15歩が双頭手以下になる。58飛は重い。腰掛け銀にする47銀なので56歩が突けない。するとあとで飛車は振り直すことになる。ならば最初から後手が一番やりたい72飛を牽制する78飛は自然。飛車を振り直す展開になっても58飛より得。

これで先の全変化消滅。次に77銀は75歩。これは2006.07.16NHK杯　松尾VS青野　対手損角換り棒銀65角で登場した65角と違い銀取り。

先手：21手め77銀
後手：22手め75歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７七銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽６五角
▲５六銀 ▽８七角成 ▲７八金 ▽５四馬 ▲７六角 ▽同　馬
▲同　銀
馬は消しても1歩損で手番を渡してしまう。
次に54角で後手が2歩得を欲張ると逆転。

2歩得を欲張った場合は角頓死
先手：21手め77銀
後手：22手め75歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲３六歩 ▽５二金 ▲７七銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽６五角
▲５六銀 ▽８七角成 ▲７八金 ▽５四馬 ▲７六角 ▽同　馬
▲同　銀 ▽５四角 ▲７七金 ▽３六角 ▲５八金 ▽７二銀
▲４五歩 ▽投了
37手で先手の勝ち

歩間理論では緩手だが制空理論ではどうなのか。
制空理論では右辺の36歩権利はすでに先手が確保しているはずと言う。後手から35歩と突けないため。よってこの36歩は37桂や46歩+46角を見せて後手18手め74歩を咎めようとしている。そのように勝ちに行く順は制空理論ではない。制空理論なら手順前後と言うであろう。
では代替手はなにか？
後手が72飛とした局面を想定。

王手飛車を忘れた場合
先手：19手め77銀
後手：20手め72飛
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲７七銀 ▽７二飛 ▲６六銀 ▽５四銀 ▲５六銀 ▽６五歩
▲同銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５五角 ▲６六銀 ▽４六角
▲６四角 ▽同　角 ▲同　銀 ▽６二金 ▲３六角 ▽８二飛
▲６三銀成 ▽３五歩 ▲６二成銀 ▽同　玉 ▲７二金 ▽同　飛
▲同角成 ▽同　玉 ▲５二飛 ▽６二銀 ▲３二飛成 ▽２二金
▲５二龍 ▽６三角 ▲８二金 ▽７三玉 ▲８三金 ▽同　玉
▲６二龍 ▽９五角 ▲投了
56手で後手の勝ち

飛車取りを忘れた場合
先手：19手め77銀
後手：20手め72飛
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲７七銀 ▽７二飛 ▲６六銀 ▽５四銀 ▲５六銀 ▽６五歩
▲同銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５五角 ▲６六銀 ▽４六角
▲６四角 ▽同　角 ▲同　銀 ▽６二金 ▲３六角 ▽８二飛
▲６三銀成 ▽３五歩 ▲６二成銀 ▽同　玉 ▲７二金 ▽同　飛
▲同角成 ▽同　玉 ▲５二飛 ▽６二銀 ▲３二飛成 ▽２二金
▲５二龍 ▽６三角 ▲４三龍 ▽３二角 ▲４八龍 ▽２七銀
▲投了
54手で後手の勝ち

フツーに進行した場合
先手：19手め77銀
後手：20手め72飛
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽７四歩
▲７七銀 ▽７二飛 ▲６六銀 ▽５四銀 ▲５六銀 ▽６五歩
▲同銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５五角 ▲６六銀 ▽４六角
▲６四角 ▽同　角 ▲同　銀 ▽６二金 ▲３六角 ▽８二飛
▲６三銀成 ▽３五歩 ▲６二成銀 ▽同　玉 ▲７二金 ▽同　飛
▲同角成 ▽同　玉 ▲５二飛 ▽６二銀 ▲３二飛成 ▽２二金
▲５二龍 ▽６三角 ▲４三龍 ▽３二角 ▲４六龍 ▽７六角
▲７八金 ▽投了
55手で先手の勝ち

1筋を制圧されたので右辺領土拡張。72飛から75歩を目指すことも出来る。ここで後手が65角で歩得を目指すとどうなるか？
先程の18手め55角ほどにはひどくない。

先手：19手め56銀
後手：18手め65角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲４六歩 ▽６三銀 ▲４七銀 ▽６五角
▲５六銀 ▽７六角 ▲７八金 ▽４四歩 ▲７七銀 ▽４三角
▲４五歩 ▽同　歩 ▲４八飛 ▽投了
27手で先手の勝ち
NHK杯あたりなら青野が後手もってやりそうだが二日制では顰蹙を買う。

16手めで後手が55角で銀歩取りを見せても47銀で簡単に受かり負け。
この発想を逆利用した先手のハメ手がある。
もし飛車の横歩利きが58金等で閉塞していた場合どうか。
55角が成立すると後手に思わせ1歩損で角を捕獲する47金戦法。

1歩損で角を捕獲する場合
先手：15手め58金+21手め47金
後手：18手め55角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽６四歩 ▲５八金右 ▽６三銀 ▲４六歩 ▽５五角
▲７七銀 ▽４六角 ▲４七金 ▽３五角 ▲３六金 ▽４四角
▲４五金 ▽投了
25手で先手の勝ち
22手め55角と逃げても同じ。

「別な理論体系」とは当家らしからぬ曖昧な表現だがまだ理論らしき姿が見えないので謙虚になるしかない。制権理論は俎上に上がった。将棋の升目を囲碁の地同様に扱うなら制空理論。地を這う陣地取りでは味気ないが空を制覇するなら気分良い。
制空理論の語感が意味する通り将棋には立体的なイメージがある。
しかも駒台にワープすることができる。下手な宇宙SF映画見るより面白い。
制空理論が有り得るとすれば悪手や好手は勝敗と直結しない。
玉を詰まして勝つ必要性さえ排除されるため。
これは当家の持将棋23点ルールの主張とも一致する。
大悪手が好きな最近の傾向とも一致。
制空理論では善悪の彼岸を目指す。
そこまでマシュダ一家の屋台骨がもつかが問題であろう。

歩間理論+自陣駒アタリ原理ならば15手めは78金が最善。
88銀を守り第一平行歩間3を維持できる。ところが15歩位取りの優位性で先手はすでに別の理論体系へ移行している。だから康光はすでに終盤へ至る構図を思い描いて15手め46歩を指している。
15歩は三頭手。先手玉の囲いを制限し自玉の右辺領土を拡大している。
囲碁の地なら5目得している。将棋では先後のハンデ差をつけないので勝敗が決したと言っても過言ではない。15手め46歩とは先手の領土の利権を維持する手。

1筋で作れなかった3-2構造作成を後手は1手遅れて14手め64歩で作成しているがすでに遅い。1筋位取りの盤面圧力は勝敗を決するほど。
羽生が明日の感想戦第一声で「終始1手遅れている感じがした」と述べた場合はこの手まで遡る。
手損角換りにおける先手15歩は先手四間における先手15歩より優位。後手は最初から居飛車の為。むしろ先手の振り飛車とは手損戦法なので最初から偶数番原理で指している。その方針を先手15歩で奇数番に戻してしまう為に藤井システムは崩壊した。藤井が奇数番原理で指さざるを得なかったのはその為。それに気がつかなかった羽生たちは奇数番原理で対抗してきたために藤井の竜王時代を許してしまった。

先手が5手め25歩を決めずに後手に84歩を指させた場合先手の16歩は4-1構造になる。後手の手損角換りの1手損とは歩間理論奇偶反転のこと。
よって84歩型では後手が14歩で3-2構造を作成できる。先手の奇数番原理を1手損により奪還する構造。
ところが今回は康光が5手め25歩で1筋による3-2構造作成を許さなかった。もし5手め25歩からの手損角換りで12手めに14歩と突けば歩間理論上の2-2構造になり1手損奇偶反転はまだない状態、即ち単なる手損として指し継ぐことになる。

羽生が髪をバッサリ切った理由？
本人は暑いからと棋譜で笑うが見る者にとっては聖徳太子からヒゲを取ったようなもの。一昨年辺りのNHK杯で見せた鬼気迫る勇姿はどこに行ったのか？
羽生はこうも棋譜で言う。
心機一転初心に帰る。
ならば康光同様終始正座を貫いたらいい。
髪を切ったぐらいで初心に帰ることなどできない。せいぜい別れた女へのあてつけ。
34歩は惰性。
康光25歩は今シリーズ最高の気迫。羽生の飛車先不突き+手損角換りはまだ未熟。羽生は84歩を好んで指していた。
12手め62銀は悪手。
13手め15歩で康光は勝ったと思っているはず。
この2-2構造はすでに歩間理論を離れ明解な位取り。

2006.08.27JT杯　羽生VS深浦　向い飛車
日時：2006.08.27 熊本県立劇場 コンサートホール
棋戦：JT杯日本シリーズ
戦形：向い飛車
先手：羽生善治
後手：深浦康市
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽９四歩 ▲６八玉 ▽９五歩 ▲７八玉 ▽４二銀
▲５六歩 ▽４三銀 ▲５八金右 ▽２二飛 ▲５七銀 ▽６二玉
▲６六歩 ▽７二銀 ▲６五歩 ▽７一玉 ▲６八銀上 ▽８二玉
▲６七銀 ▽３五歩 ▲４六銀 ▽３四銀 ▲６六角 ▽３二金
▲７五歩 ▽４三金 ▲７七桂 ▽４五歩 ▲５七銀 ▽５四歩
▲８六歩 ▽４四金 ▲８八玉 ▽５五歩 ▲７八金 ▽５二飛
▲６八金右 ▽４三銀 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲７四歩 ▽同　歩
▲５五歩 ▽同　金 ▲同　角 ▽同　飛 ▲２二歩 ▽３九角
▲５八飛 ▽２二角 ▲５六金 ▽５二飛 ▲３八飛 ▽５七角成
▲同金上 ▽７三桂 ▲２八飛 ▽６五桂 ▲同　金 ▽５七飛成
▲６八角 ▽５六歩 ▲２四飛 ▽３三角 ▲２一飛成 ▽６九銀
▲５七角 ▽同歩成 ▲７三歩 ▽７八銀成 ▲同　銀 ▽７九角
▲同　玉 ▽６八金 ▲投了
80手で後手の勝ち
何度も言うが10手め95歩は悪手。
最近先後の差が余りに目立つ。だから後手が悪手を指して先手を挑発することは戦略的に可能。悪妻が理に反することをわめき散らしてダンナまで錯乱する場合がある。深浦にはゴネ得が似合う。
13手め56歩は緩手。最善は58金。これは最近当家が新しく主張していることなので連盟棋士で理解した者は現在皆無。
18手め62玉は緩手でヨリが戻る。藤井の居玉構想は理にかなっている。
21手め65歩は大悪手。羽生将棋の集大成かもしれない。
悪妻の悪口連打を黙って我慢していたダンナ。
妻がおとなしくなった瞬間ダンナが豹変しもっと理不尽なことを言い出す場合。慶太はこれを「ちょっとレトロ」と表現した。玉頭位取りと言うが65歩の瞬間家庭で孤独な父親になる。95歩の孤独な妻といい対比。子供は母親しか理解できない。ひとめ先手勝てない。67銀が後だしジャンケンなので35歩で3-4構造を取られると雁字搦め。55銀には42飛。そこで64歩は54歩63歩成同銀64歩ならいいが64歩同歩同銀52金は単身赴任のお父さん。45歩突かれて先手負ける。諸々を断念し天蓋張って33手め77桂は大悪手。
発想が中原に似てきたがそのうち不倫スキャンダルが勃発するかもしれない。羽生は77桂を後悔したが公開対局なのでこの程度は朝飯前と思っている。慶太はサッサと角交換すれば先手不満ナシと言うがトップ棋士は同桂連動手与える時は勝ち筋が見えた時だけ。39手め88玉は悪手。40手め55歩は悪手に握手。すでに76銀と上がれない離婚調停なので最初に理不尽な戦略でゴネた女が勝つようになっている。深浦は絶好の65桂から68手め56歩に最後の3分を使った。
投了以下は即詰み
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽９四歩 ▲６八玉 ▽９五歩 ▲７八玉 ▽４二銀
▲５六歩 ▽４三銀 ▲５八金右 ▽２二飛 ▲５七銀 ▽６二玉
▲６六歩 ▽７二銀 ▲６五歩 ▽７一玉 ▲６八銀上 ▽８二玉
▲６七銀 ▽３五歩 ▲４六銀 ▽３四銀 ▲６六角 ▽３二金
▲７五歩 ▽４三金 ▲７七桂 ▽４五歩 ▲５七銀 ▽５四歩
▲８六歩 ▽４四金 ▲８八玉 ▽５五歩 ▲７八金 ▽５二飛
▲６八金右 ▽４三銀 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲７四歩 ▽同　歩
▲５五歩 ▽同　金 ▲同　角 ▽同　飛 ▲２二歩 ▽３九角
▲５八飛 ▽２二角 ▲５六金 ▽５二飛 ▲３八飛 ▽５七角成
▲同金上 ▽７三桂 ▲２八飛 ▽６五桂 ▲同　金 ▽５七飛成
▲６八角 ▽５六歩 ▲２四飛 ▽３三角 ▲２一飛成 ▽６九銀
▲５七角 ▽同歩成 ▲７三歩 ▽７八銀成 ▲同　銀 ▽７九角
▲同　玉 ▽６八金 ▲８九玉 ▽７八金 ▲同　玉 ▽６七金
▲８九玉 ▽７八銀 ▲９八玉 ▽８七銀成 ▲同　玉 ▽７七金
▲９八玉 ▽８八金 ▲投了
92手で後手の勝ち
詰み上がり図=95歩で端を詰められたことが逆に祟った。歩切れ。
9筋に2手。6筋に2手。6筋から7筋に攻めが移るとチグハグ。