実況&分析マシュダ一家
歩得の欲望<
手損
2006.02.22-23王将戦第五局 羽生VS康光 対2手目32金5筋位取り中飛車

王将戦第5局 康光角番しのぐ No: 104 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/23 Thu 23:35:02

日時:2006.02.22-23
棋戦:55期王将戦第五局
戦形:対2手目32金5筋位取り中飛車
先手:羽生善治王将
後手:佐藤康光棋聖
▲7六歩    ▽3二金    ▲5六歩    ▽3四歩    ▲5五歩    ▽6二銀
▲5八飛    ▽4二銀    ▲4八玉    ▽5四歩    ▲同 歩    ▽8八角成
▲同 銀    ▽4五角    ▲7八金    ▽2七角成  ▲5三角    ▽5二金
▲8六角成  ▽5三歩    ▲同歩成    ▽同銀右    ▲7七銀    ▽6四歩
▲7五歩    ▽4一玉    ▲6六銀    ▽3三桂    ▲7六馬    ▽3一玉
▲5五銀    ▽6三金    ▲2八歩    ▽2六馬    ▲8五馬    ▽7四歩
▲同 歩    ▽7二飛    ▲5六飛    ▽3五馬    ▲7六飛    ▽4五馬
▲6六銀    ▽1四歩    ▲3八玉    ▽4四銀    ▲2七歩    ▽5四馬
▲7五飛    ▽2二玉    ▲2八玉    ▽7三歩    ▲同歩成    ▽同 桂
▲7六馬    ▽5三馬    ▲7四歩    ▽6五桂    ▲8五馬    ▽4五桂
▲6八金    ▽5六歩    ▲5八歩    ▽5七桂右成▲同 歩    ▽6五歩
▲同 飛    ▽6四金    ▲7七桂    ▽6五金    ▲同 桂    ▽6四馬
▲7三歩成  ▽7一飛    ▲5六歩    ▽8九飛    ▲3八金    ▽9九飛成
▲7二歩    ▽5一飛    ▲6三と    ▽3七馬    ▲同 桂    ▽同桂成
▲同 金    ▽5六飛    ▲6九金打  ▽3五香    ▲3八歩    ▽3七香成
▲同 歩    ▽7八金    ▲8六馬    ▽6九金    ▲5七金    ▽6八金
▲5六金    ▽3六桂    ▲同 歩    ▽3七金    ▲同 玉    ▽3九龍
▲3八香    ▽4八銀    ▲4六玉    ▽3八龍    ▲2六角    ▽3七銀不成
▲投了
108手で後手の勝ち
終局=17時53分、残り時間=佐藤15分、羽生23分。

スポニチ恒例の対局者初日コメントはコントであった。羽生の日本語がおかしい。羽生が言いたいことはこうであろう。
羽生「 馬の使いようもない。駒組みのしようもない」
実際は「馬の使いようも駒組みの仕方も手広く指しようがアル。とらえどころがナイ」と言い間違えたか書き換えられた。
結果だけ見れば敗因は初日分析通り序盤の羽生のポカ。
康光10手目54歩を見落としたとハッキリ言うべき。ウワの空となる事情があったことは別問題。
羽生の感想は1歩得に甘えたことへの自戒。2手損だけならまだ楽しみはあるが飛車を1歩損で使わせたら後に引けない。45手目の局面でも先手はやる気なくすはず。
46手め44銀は53地点空間開放手。ここで昼休みだったらしい。46手め22玉では後ろ向きと見た模様。
47手目27歩はせっかくの手番でマナイタ上のコイ。
コイと言われて行く48手目54馬は飛車アタリ。石田流にこんな迎撃は有り得ないので面食らって75飛。86飛は74金で歩損解消で馬アタリ。1分で指しているので単に歩を惜しんだだけ。74金同馬同飛75歩74金には53飛。46手め44銀の53地点空間開放手が生きている。
50手目ここで22玉。羽生は手拍子で28玉だがこのBBは緩手。上部は厚くなったわけではなく49金が離れ駒。康光は30分使って52手目73歩で勝ちに行く。中空三角理論通りの展開だが同歩同歩成同桂が馬アタリとは泣きッ面に8。フツー63馬切りから74歩+73金ブチ込みだが65桂と手順に逃げられその支えが例の後手の影の主役64歩ではイヤケさした模様。24手目64歩はつくづくいい手だったと認めたくない羽生。しかし6筋制圧は7筋分析に飽きた当家の主題でもあった。素直に認めて頂きたい。
56手目53馬で中空三角柱逆転。理論通り74歩でもやはり65桂跳ねが連動手。74金阻止に85馬はノータイムだが受け専門店で何も考えない羽生。ここは柱相転移しないといけない地点。当家なら85飛82飛75飛で千日手示唆。羽生はまだ勝てると思っている証拠。85飛74飛なら75銀73飛74歩同金同銀同飛75歩以下飛車が成れる。2歩持っていた強味。83飛成で歩切れ補填できるので56歩には本譜同様58歩。桂成だけなら怖くない。
60手目45桂に13分。総攻撃にしてはやけに慎重。57桂成阻止に68金ではやってらんない。ここで4分考えるならなぜ85馬がノータイムなのか。以下見たマンマ飛車は死ぬ。66銀がいなくなると57歩成でアウト。76手目89飛で79歩と打てないのが68金の欠陥。79手目72歩はその弁明だが51飛が連動手なので単逃げ加算できない。21飛や31飛でも温泉勝ちだがそれはキムカズがやるような手。以下は暗黙の了解があったはず。そこで康光は82手目豪快に37馬切り。ところが羽生が裏切った。感想でイケシャーシャーと87手目69金で難しくなったカモと言っている。
あとはおよそ一本道だが103手目38香は変調。桂が三枚あるのだからフツー桂を打つ。107手目26角を打っているので羽生は103手目38桂変化で107手26角は54桂打の一手詰みとだけ思った証拠。

康光が29手詰みを見逃した場合
先手:103手目38桂
後手:108手目36龍
▲7六歩 ▽3二金 ▲5六歩 ▽3四歩 ▲5五歩 ▽6二銀
▲5八飛 ▽4二銀 ▲4八玉 ▽5四歩 ▲同 歩 ▽8八角成
▲同 銀 ▽4五角 ▲7八金 ▽2七角成 ▲5三角 ▽5二金
▲8六角成 ▽5三歩 ▲同歩成 ▽同銀右 ▲7七銀 ▽6四歩
▲7五歩 ▽4一玉 ▲6六銀 ▽3三桂 ▲7六馬 ▽3一玉
▲5五銀 ▽6三金 ▲2八歩 ▽2六馬 ▲8五馬 ▽7四歩
▲同 歩 ▽7二飛 ▲5六飛 ▽3五馬 ▲7六飛 ▽4五馬
▲6六銀 ▽1四歩 ▲3八玉 ▽4四銀 ▲2七歩 ▽5四馬
▲7五飛 ▽2二玉 ▲2八玉 ▽7三歩 ▲同歩成 ▽同 桂
▲7六馬 ▽5三馬 ▲7四歩 ▽6五桂 ▲8五馬 ▽4五桂
▲6八金 ▽5六歩 ▲5八歩 ▽5七桂右成▲同 歩 ▽6五歩
▲同 飛 ▽6四金 ▲7七桂 ▽6五金 ▲同 桂 ▽6四馬
▲7三歩成 ▽7一飛 ▲5六歩 ▽8九飛 ▲3八金 ▽9九飛成
▲7二歩 ▽5一飛 ▲6三と ▽3七馬 ▲同 桂 ▽同桂成
▲同 金 ▽5六飛 ▲6九金打 ▽3五香 ▲3八歩 ▽3七香成
▲同 歩 ▽7八金 ▲8六馬 ▽6九金 ▲5七金 ▽6八金
▲5六金 ▽3六桂 ▲同 歩 ▽3七金 ▲同 玉 ▽3九龍
▲3八桂 ▽4八銀 ▲4六玉 ▽3八龍 ▲5五金 ▽3六龍
▲同 玉 ▽5五銀 ▲3一角 ▽同 金 ▲3三金 ▽同 銀
▲3一馬 ▽同 玉 ▲4一金 ▽2二玉 ▲3二飛 ▽同 玉
▲3一飛 ▽2二玉 ▲3三飛成 ▽同 玉 ▲2五桂 ▽3二玉
▲3三歩 ▽2一玉 ▲3二銀 ▽2二玉 ▲3一銀不成▽2一玉
▲3二歩成 ▽同 玉 ▲4二金 ▽2一玉 ▲3三桂打 ▽1二玉
▲1三香 ▽投了
139手で先手の勝ち

この詰み手順は長いようでも111めの31角さえ見えれば簡単。その意味で5手詰めレベル。117手めは51飛の俗手でも構わない。どの合い駒でも即詰みだが合い駒選択の楽しみも与えないとかえって上記変化のように手数が延びる。

108手目35桂の詰めろには39桂同銀57金から上部脱出。57金ではなく44金だと47龍55玉44龍で頓死。
103手目38香だったために本譜は最短の死。
これは懸念した通り羽生最悪の棋譜なのか最悪のジョークなのかは次局で再考。少なくとも序盤のポカ、中盤千日手回避の自信過剰と終盤合い駒ミスは同一棋士とは言えない。やる気ないと言えば最も簡単。


二日目 封じ手から昼食まで No: 103 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/23 Thu 13:54:43

29手目羽生の封じ手は68分で76馬。66銀と出れば55銀と行きたいが封じ手時刻をかなり過ぎて指したので決戦は諦めた模様。
29手目77桂はない。24手目64歩で使い道がないので狙われる。先手は桂を渡せない。29手目68馬も緩手。24歩から23歩を取ると逆襲される。桂頭狙いも馬引けば死守される。
29手目74歩の2-1アタック返しは同歩55銀62飛95馬63飛でやはり24手目64歩が四頭手に逆行相転化。54歩には44銀で銀交換。53銀打は怖くない。大山なら対中飛車は歩で受ける。44銀成でも43歩44成銀45馬で銀が死ぬ。44銀に64銀と躱しても63歩から清算して王手龍取りの75角。
先手:29手目74歩
後手:44手目75角王手龍取り
▲7六歩 ▽3二金 ▲5六歩 ▽3四歩 ▲5五歩 ▽6二銀
▲5八飛 ▽4二銀 ▲4八玉 ▽5四歩 ▲同 歩 ▽8八角成
▲同 銀 ▽4五角 ▲7八金 ▽2七角成 ▲5三角 ▽5二金
▲8六角成 ▽5三歩 ▲同歩成 ▽同銀右 ▲7七銀 ▽6四歩
▲7五歩 ▽4一玉 ▲6六銀 ▽3三桂 ▲7四歩 ▽同 歩
▲5五銀 ▽6二飛 ▲5四歩 ▽4四銀 ▲6四銀 ▽6三歩
▲5三歩成 ▽同銀引 ▲同銀成 ▽同 銀 ▲同 馬 ▽同 金
▲同飛成 ▽7五角 ▲投了
44手で後手の勝ち

他の変化でも銀を渡すと45桂の反動が厳しい。
76馬はつらい手だが銀と飛車への充電。ツケで康光に31玉を許してしまう。先手が待機すれば後手が一番指したい手。
31手目当家が封じ手にした55銀が一手遅れで登場。羽生は20分で指した。次に54歩を見せる。康光はお茶飲んで63金双頭手。54歩を阻止しつつ52飛への展開を見せる。
羽生はせいぜい金を上擦らせたことに満足するしかない。
33手目28歩は断腸の思いで打つが31玉を許したので陣形立て直しの礎石と読むしかない。最近の清水イチヨなら躊躇ないが羽生はサスガにヘコむ。こんな手に26分かと。
康光は14分で26馬だが45馬では46歩35馬56飛で45桂が連動手で消されることを嫌った模様。63金で54地点への利きが補填できたので端攻めへ作戦変更。
35手目85馬で38銀は緩手。むしろ玉が狭くなる。39玉まで2手もかかる。28歩を打つと最終盤で38-27-18と逃げて勝てる場合がある。当家でも数回扱った。清水も中井相手にやっている。康光も羽生相手に28歩を打った時その変化があった。
36手目74歩が金取り阻止の後手からの2回目の2-1アタック。同歩と取らせるサクリファイスで32飛迎撃に17分。36手目62飛は54歩44銀同銀同馬71銀61飛63馬同飛62金以下清算後に2回目の53角打が残る。
構造が初日の康光の仕掛けと53角打まで相似形。
後手は飛車先を突いていない2手分を得したのがこの将棋なので連動手で活用できればという前向きな1歩損かもしれない。しかし遠く78金も睨むとオマケ思考するとハマル。羽生は78金を相手してもらいたくてウズウズしている。
39手目でようやく本局で羽生が一番指したかった56飛。76飛で中空三角理論へ。54歩阻止で45馬。11分で66銀だが46銀は44馬が香アタリ+45桂を許す。ソレを許す封じ手55銀を断念したのが羽生自身。
出た銀を下がって腹を押さえながらチャンスを伺う。
44手目14歩は26馬で見えた端攻めだが16歩なら15歩同歩18歩で終了。そこで27歩で蓋をする為に38玉。開き直ると大抵胃痛は止む。
康光は1歩損だからとアセらずにフツーに指せば勝ちが転がり込む。
今回の将棋は盛りだくさん。5筋に歩がない角換わりはあったが今度は馬同士。しかも先手は羽生が昔大好きだった76飛。康光もやる気でてきたはず。


28手目で封じ手 No: 102 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/22 Wed 22:26:16

羽生は昼食を挟んで119分で54同歩決行。
いつもは模様を聞くスポニチの昼のインタビューも有り得ない。
「すでに先手苦しい」とも羽生は恥ずかしくて言えないため。
同歩ならば当然45角で馬作成+歩損解消。康光は水を得た魚のごとく88角成に1分、45角はノータイム。
羽生は14手目78金だったが76歩を死守するなら仕方ない。この段階で歩損は致命的というより見せ物にさえならない。
17手目53角は最後のお願いというより54同歩同様興業棋士としての見せ場作り。
妥協なき戦いへの暗黙の了解があって康光は20分で18手目52金右。
同銀以下二枚換え清算は53飛成に52飛同龍同玉で手番を渡して負け。先手陣は修復可能なので49馬切りもまだない。
放置で18手目45馬は角切りなら垂れ歩で飛車を押さえて後手勝ちだが26角成55歩36馬だと先手の顔54歩が取れない。
19手目86角成に4分だが75角成との比較。75角成では53歩同歩同銀で64銀が馬アタリ。先手は27馬の利きで54歩が利かない。
同じく4分で20手め53歩で羽生の顔をツブしに。やはり27馬の利きでGN扱い不可。連動手で右銀が中央を固めて後手の大戦果。これで先手は55歩にかけた2手分を丸損扱いにされる。
角を取った銀を連動手扱いにするために羽生も23手目77銀だがすぐに手損は奪回できない。
24手目64歩に10分。66銀を牽制しつつ馬筋開通。馬切り阻止と見れば三頭手。
25手目75歩は飛車角交換変化では先手の唯一の攻め筋だったがこの場合は後手の右桂活用阻止と76馬を可能に。74歩の2-1アタックはまだ無理だが先手の初手を連動手扱いできる逆行相転化手。逆転のチャンスを掴むために初手までフル活動。羽生に緩手はもう許されない。
26手目41玉に長考48分だが自陣駒アタリ原理では当然の手。緩手の可能性があるように見えるのは33銀進軍があるか探る必要があるため。康光はここでも妥協していない。33銀では66銀で先手の中飛車に存在理由を与えてしまう。
27手目それでも羽生は66銀。これも自陣駒アタリ原理での有効手だが中飛車の自己弁護になってしまった。
28手目33桂は33銀変化は先の長考で断念したので。先に66銀をやられて待機されたので今度33銀は手番を渡してしまう。
ところがコレに初日で後手最大の長考77分は長すぎる。44歩+43銀は48分で指した26手目41玉が寒いと怒る。どうせ桂頭死守に44歩+33銀は明日でも指せると取り合えず跳ねる康光。これが最も緩手らしくないため。悪手の可能性はある。羽生が45桂を跳ねさせるかもしれない。

先手:29手目55銀封じ手
後手:30手目45桂
▲7六歩 ▽3二金 ▲5六歩 ▽3四歩 ▲5五歩 ▽6二銀
▲5八飛 ▽4二銀 ▲4八玉 ▽5四歩 ▲同 歩 ▽8八角成
▲同 銀 ▽4五角 ▲7八金 ▽2七角成 ▲5三角 ▽5二金
▲8六角成 ▽5三歩 ▲同歩成 ▽同銀右 ▲7七銀 ▽6四歩
▲7五歩 ▽4一玉 ▲6六銀 ▽3三桂 ▲5五銀 ▽4五桂
▲5六飛

以下57歩には33手目28歩で馬殺し。その場合は49馬切りから取った金で65金の二枚換えだが26飛55金でも後手切れている。33手目28歩でなくいきなり54歩でも後手困る。以下後手がやりたい49馬切りから44歩と銀を取って27銀と詰めろをかけても68金寄りで受かってしまうどころか角を渡すと71角で形も作れない。清算後王手飛車の57金打ちでもアッサリ同飛で後手負け。
55銀に馬引きならやりたい49馬切りはアッサリ諦めたと思われるかもしれないが上記変化31手目56飛が元々先手が55歩を指したときからやりたい手だったので言い分は聞いてあげないといけない。先手も78金を相手にされないと困る。
先手の利権は27角成で歩が切れたので2筋に歩が立つこと。封じ手前に31玉なら22歩の垂らしはないが妥協しない33桂だったので先手から22歩はいつでも嫌味。先手は陣形で対抗できないので59玉と戻って28飛と馬にブツケるかもしれない。手負いの獅子にはご用心。
康光の仕事は初日で終わっているのであとは森内風に指せば後手の完勝。康光風妥協なき戦いに酔いしれると一挙に差が縮まって大逆転は有り得る。
人間同様に自己修復機能は必要。


閑話休題 2手目32金の思い出 No: 101 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/22 Wed 13:47:33

2手目32金ですぐに思い出すのは1994.01.31棋聖戦五番勝負第4局と1995.05.15第53期名人戦第4局。特に森下の名人戦登場は忘れ難い。

日時:1994.01.31
棋戦:第63期棋聖戦五番勝負第4局
戦型:対2手目32金5筋位取り中飛車
先手:谷川浩司
後手:羽生善治
▲7六歩 ▽3二金 ▲5六歩 ▽3四歩 ▲5五歩 ▽6二銀
▲5八飛 ▽4一玉 ▲4八玉 ▽4二銀 ▲3八玉 ▽3一玉
▲2八玉 ▽6四歩 ▲3八銀 ▽6三銀 ▲7七角 ▽5二金
▲6八銀 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽4四歩 ▲5七銀 ▽4三金右
▲5六銀 ▽3五歩 ▲6六歩 ▽3三銀 ▲6五歩 ▽同 歩
▲8六角 ▽6二飛 ▲6五銀 ▽6四歩 ▲5四歩 ▽4二銀
▲5三歩成 ▽同 銀 ▲6四銀 ▽同銀直 ▲6五歩 ▽6七銀
▲6四歩 ▽5八銀不成▲同金左 ▽4五歩 ▲5四歩 ▽4二銀
▲5三銀 ▽投了
49手で先手の勝ち

日時:1995.05.15
棋戦:第53期名人戦第4局
戦型:対2手目32金四間飛車
先手:森下 卓
後手:羽生善治
▲7六歩 △3二金 ▲6八飛 △6二銀 ▲4八玉 △5四歩
▲3八玉 △5三銀 ▲7八銀 △4一玉 ▲6六歩 △3四歩
▲6七銀 △7四歩 ▲2八玉 △4二銀上 ▲1八香 △7二飛
▲1九玉 △3一玉 ▲2八銀 △3三角 ▲3九金 △2二玉
▲3六歩 △5一金 ▲7八飛 △4一金 ▲5八金 △3一金寄
▲5六歩 △2四角 ▲4八金寄 △4四銀 ▲6五歩 △6四歩
▲同 歩 △6二飛 ▲4四角 △同 歩 ▲6三銀 △6一飛
▲5四銀成 △4五角 ▲5五成銀 △3六角 ▲5八銀 △5四歩
▲4四成銀 △6四飛 ▲3四成銀 △6八角成 ▲同 飛 △同飛成
▲3三歩 △同 桂 ▲3五成銀 △5九飛 ▲3四歩 △2七角成
▲3三歩成 △同 銀 ▲3四歩 △4二銀 ▲4四桂 △4三金
▲4六角 △6五龍 ▲2七銀 △3九飛成 ▲3八金 △8九龍
▲2四歩 △同 歩 ▲5二桂成 △3七歩 ▲同 金 △1五桂
▲3八銀 △3九金 ▲6九歩 △7八龍 ▲2六角 △5八龍
▲1五角 △6九龍右 ▲2八玉 △3八金 ▲同 金 △2七銀
まで90手で後手の勝ち

いずれも羽生自身が2手目32金を自分で指して自分でダメと棋譜は言っている。森下は逆転された。康光は上記棋聖戦における谷川相手の羽生8手目41玉の換わりに8手目42銀を指したので今回羽生勘違いの9手目48玉に10手目54歩が成立。48玉には3分しか使っていない。


「俺が負けるワケない」と昼食休憩に No: 100 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/22 Wed 13:17:50

10手目康光の2-1アタックで羽生は自分の油断に呆れて何も指せずに昼食休憩。これで投了は困る。先の変化で手番を取りたいなら13手目は55同飛。

先手:11手目78金+13手目55同飛
後手:16手目33銀
▲7六歩 ▽3二金 ▲5六歩 ▽3四歩 ▲5五歩 ▽6二銀
▲5八飛 ▽4二銀 ▲4八玉 ▽5四歩 ▲7八金 ▽5五歩
▲同 飛 ▽同 角 ▲同 角 ▽3三銀 ▲中断
序盤は飛車より角と言うがすでに中盤なのでこの格言も怪しい。
すでに先手は不満。2手目32金に負かされたのでは王将戦以前に羽生の棋歴に最大の汚点。
今度は羽生が「俺が負けるワケない」と思い込む番。


10手目54歩まで 平行歩間2-1の4thで後手の1stアタック No: 99 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/22 Wed 12:54:01

康光は6手目62銀に46分使う。当家は44歩+43金型をも想定。62銀は同じく55歩に働きかける手でも平行歩間2。ここで歩間相反転と読むとしたら今日の康光は凄い。平行歩間2を逆行歩間2と普通の棋士は絶対読まないため。
7手目に羽生は58飛だが7分で指すとは55歩のツッパリをいきなり三頭手解釈した証左。歩間理論では平行歩間2-1の譲渡2nd。58飛の欠陥は27歩が浮くこと。従って三頭手解釈はまだできないはずだった。羽生の朝は負けてもイイヤと言う感じのノンビリさが目に余る。
8手目42銀は先手からの54歩をGNにする準備+44歩から43銀示唆の双頭手に見えるがこれはすでに平行歩間2-1の3rdと読むのが歩間理論の裏ナンバー。
9手目48玉はそのツケとなる平行歩間2-1の4th。羽生は谷川相手の棋聖戦と勘違いしている模様。先手は左銀を動かすと角が浮くので即時後手から54歩と突かれて負け。しかし右銀は中飛車では動かせない。68金や78金は67地点死守+77-76からの夢幻金による先手からのクライゼル効果期待だが56金停留を強いられる。77角はヌルい温泉に映った。どれも平行歩間2-1の4thのため。同じ2-1の4thならば乱戦を誘って自陣駒アタリ原理へ期待する48玉が羽生の第一感。これは受けの手に見えるようでも後手の攻めを誘う手。
10手目54歩は初回分析の当家と同じ指向性だが2-1アタックを羽生は同じ時間帯で想定しなかった模様。同歩88角成同銀なら45角。38玉なら67角成で歩損解消+桂歩取り。飛車取りは怖くないが78金の馬アテに76馬と初手の歩を取られては困る。その時先手は22角と香取りに打てないのが序盤32金の強味。
55歩を取ることができないのではGNしかないが後手からの55歩には同角同飛が王手になるのが先手唯一の救いと期待すると
先手:11手目78金
後手:12手目55歩
▲7六歩 ▽3二金 ▲5六歩 ▽3四歩 ▲5五歩 ▽6二銀
▲5八飛 ▽4二銀 ▲4八玉 ▽5四歩 ▲7八金 ▽5五歩
▲同 角 ▽同 角 ▲同 飛 ▽5二金 ▲5八飛 ▽中断
こうなると羽生は手番を渡す上に手損がヒドイ。康光は温泉に行く。


王将戦第5局 2手目32金から5手目55歩まで 歩間相反転とクライゼル効果 No: 98 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  06/02/22 Wed 11:54:25

王将戦第5局 2手目32金 歩間相反転とクライゼル効果
羽生の初手76歩に康光はいったん退室。
「俺が負けるワケない」と言い聞かせる時間。
11分後に指した手が32金。
すでに負けている。
ナニに負けているのか?
歩間理論と偶数番原理に負けた。
羽生が勝てるかは別問題。
32金とはナカヒロが言うような単なる振り飛車への誘いではない。
歩間相反転で後手が奇数番を取る戦略と当家なら読む。
その証拠に4手目34歩で後手が歩間3を取るようになる。
羽生は55歩で5手目にして最短手順。歩間4作成は後手にチャンスを与える。
55歩は位取り+角筋閉鎖+56空間開放手の三頭手だがここでは2-1構造とのみ読む。位取りとして読むと後手の思うツボ。2手もかけて歩だけで空間制圧は不可。銀が進出していないためにこの位は飛車と角に働きかける。だから先手も牽制手を指しにくい。55歩を56銀で位として維持すると先手も3段目に同じく3手か或いは2手で54歩の1stアタックを阻止。その時に指す44歩或いは64歩が歩間4牽制手なら歩間相反転
44歩から43金を目指せば2手で54歩阻止できるばかりか45歩44金とできる。その場合32金が例のクライゼル効果をもたらす可能性はある。それは羽生の応手次第。いずれにしても歩間4を後手が取ることで構造が反転することを32金は期待結果後手から54歩を突く戦略で逆転は有り得る。そこで序盤は指し手を読まずに歩間理論と偶数番原理のみで序盤を見る。後手はどこで歩間3を取るのかと。