森下は何度も「35手目75歩はひどかった」とボヤいたらしい。
換わりにマシュダ一家実況&分析手28玉が検討された。
35手目75歩を朝日実況では「一石二鳥の手」と絶賛したがその理由も呆れる。後手からの74歩+73桂も阻止できると。一体どこの棋士があの形から73桂など考えるのであろう？関西棋士にまたダマされたのであろう。記者業も大変。
当家実況ではすでにNo: 84/14:30に35手目75歩が敗着扱い。正解28玉もその前の実況&分析No: 83/14:07に書いてある。35手目を指す昼前にせっかく「森下はいつものモリタクやっていれば勝てる」と書いたのに奮発して午後に75歩やるから負ける。指し手を読む以前の問題。
しかし谷川のおかげで珍しい特典がついた。

113手目38同金でアッサリ終わってしまった。
日時：2006.02.17
棋戦：朝日OP
戦形：相振り　狂乱55角
先手：森下　卓九段
後手：谷川浩司九段
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛
▲５六銀 ▽２二角 ▲４六歩 ▽２七歩 ▲２九歩 ▽３六飛
▲４七銀引 ▽２六飛 ▲３六歩 ▽１四歩 ▲６五歩 ▽１五歩
▲４五桂 ▽４二銀 ▲２二角成 ▽同　飛 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽８三歩 ▲５四飛 ▽４四歩 ▲７四歩 ▽８二銀
▲７三歩成 ▽同　銀 ▲７四歩 ▽８二銀 ▲５五角 ▽４三銀
▲５三桂成 ▽５四銀 ▲同成桂 ▽５三歩 ▲４四成桂 ▽２五飛
▲４五歩 ▽７九飛 ▲７七桂 ▽７一金 ▲７三銀 ▽同　桂
▲同歩成 ▽同　銀 ▲８五桂打 ▽８四銀 ▲７四歩 ▽４六歩
▲７三歩成 ▽６一玉 ▲４六角 ▽１六歩 ▲同　歩 ▽同　香
▲７二歩 ▽８一金 ▲１八歩 ▽１七歩 ▲同　歩 ▽同香成
▲同　香 ▽１六歩 ▲４八玉 ▽１七歩成 ▲５六歩 ▽７五角
▲５七角 ▽２八歩成 ▲６三と ▽３八と ▲同　金 ▽５九銀
▲３七玉 ▽５七角成 ▲同　金 ▽４八銀打
▲投了
118手で後手の勝ち
終局17時20分、残り時間=森下2分、谷川20分。

99手目18歩とは凄い我慢。16歩を打たせそこで48玉は羽生が指すようなディレイ。56歩は先の変化ではないが今度は飛車アタリが先手。75角を強制して57角の返し技が超森下。28歩成催促には111手63とのタダ捨て。同金は75角から43角王手飛車。
先手：超森下大逆転劇の場合
後手：112手目38と+46香
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛
▲５六銀 ▽２二角 ▲４六歩 ▽２七歩 ▲２九歩 ▽３六飛
▲４七銀引 ▽２六飛 ▲３六歩 ▽１四歩 ▲６五歩 ▽１五歩
▲４五桂 ▽４二銀 ▲２二角成 ▽同　飛 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽８三歩 ▲５四飛 ▽４四歩 ▲７四歩 ▽８二銀
▲７三歩成 ▽同　銀 ▲７四歩 ▽８二銀 ▲５五角 ▽４三銀
▲５三桂成 ▽５四銀 ▲同成桂 ▽５三歩 ▲４四成桂 ▽２五飛
▲４五歩 ▽７九飛 ▲７七桂 ▽７一金 ▲７三銀 ▽同　桂
▲同歩成 ▽同　銀 ▲８五桂打 ▽８四銀 ▲７四歩 ▽４六歩
▲７三歩成 ▽６一玉 ▲４六角 ▽１六歩 ▲同　歩 ▽同　香
▲７二歩 ▽８一金 ▲１八歩 ▽１七歩 ▲同　歩 ▽同香成
▲同　香 ▽１六歩 ▲４八玉 ▽１七歩成 ▲５六歩 ▽７五角
▲５七角 ▽２八歩成 ▲６三と ▽３八と ▲同　銀 ▽４六香
▲４七香 ▽５七角成 ▲同　金 ▽７八飛成 ▲５八金上 ▽３九銀
▲同　玉 ▽２八銀 ▲４九玉 ▽４七香不成▲同金寄 ▽３九銀成
▲同　玉 ▽５八龍 ▲５二と ▽投了
129手で先手の勝ち

いよいよ佳境にしては谷川はお茶飲んでいる模様。
ここまで森下に見せ場を与えたので大満足であろう。
もったいぶって98手目81金としている。99手目16香は17角王手で即詰み。
先手：99手目16香
後手：100手目17角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛
▲５六銀 ▽２二角 ▲４六歩 ▽２七歩 ▲２九歩 ▽３六飛
▲４七銀引 ▽２六飛 ▲３六歩 ▽１四歩 ▲６五歩 ▽１五歩
▲４五桂 ▽４二銀 ▲２二角成 ▽同　飛 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽８三歩 ▲５四飛 ▽４四歩 ▲７四歩 ▽８二銀
▲７三歩成 ▽同　銀 ▲７四歩 ▽８二銀 ▲５五角 ▽４三銀
▲５三桂成 ▽５四銀 ▲同成桂 ▽５三歩 ▲４四成桂 ▽２五飛
▲４五歩 ▽７九飛 ▲７七桂 ▽７一金 ▲７三銀 ▽同　桂
▲同歩成 ▽同　銀 ▲８五桂打 ▽８四銀 ▲７四歩 ▽４六歩
▲７三歩成 ▽６一玉 ▲４六角 ▽１六歩 ▲同　歩 ▽同　香
▲７二歩 ▽８一金 ▲１六香 ▽１七角 ▲４八玉 ▽３九銀
▲３七玉 ▽２六角成 ▲投了
104手で後手の勝ち

そこで99手目は64歩から作成。同歩なら63歩。

64歩が来る前に谷川53歩。78手目は25飛打としても45歩が本局最高の双頭手なので28飛成はどちらもない。45歩によって28角も消滅。うまい手があるものと森下の芸当に感心。65歩ばかりか45歩まで自分の双頭手にした将棋は初めて見る。森内羽生も越えていることになる。55角のムチャは越えすぎだった。
谷川は三頭手79飛で対抗。そこで77桂がまたウマイ。ここまで縦横無尽に活躍する角も滅多にお目にかかれない。盲目奏者が四肢でパイプオルガンを引いている風情。フランクフルトを思い出す。谷川71金だが即詰みがあると判断したのではなく催促。
結局73銀打った森下も他に手がない。85桂は74飛成。

70手め再度の応急処置82銀で55角は一応凌げるが74歩が早めに残るので工作後82角切りや73ブチ込み頓死はあるかもしれない。
と思ったらいきなり森下は55角。工作の楽しみさえないソッケない展開。
43銀で飛車が死んでいる。
そこで一直線に飛車銀交換で先手は桂を助けて成る。久保相手の羽生でもこんなムチャしない。形作り要請にしては柄が悪い。

同歩は継ぎ歩+桂跳ね+先手からの55角を嫌がった模様。先の26桂変化では45歩の1手が必要になるが55角が飛車アタリ。
先手：75手め55角
後手：66手め74同歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛
▲５六銀 ▽２二角 ▲４六歩 ▽２七歩 ▲２九歩 ▽３六飛
▲４七銀引 ▽２六飛 ▲３六歩 ▽１四歩 ▲６五歩 ▽１五歩
▲４五桂 ▽４二銀 ▲２二角成 ▽同　飛 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽８三歩 ▲５四飛 ▽４四歩 ▲７四歩 ▽同　歩
▲７五歩 ▽同　歩 ▲７七桂 ▽１六歩 ▲同　歩 ▽１八歩
▲同　香 ▽４五歩 ▲５五角 ▽投了
75手で先手の勝ち

55手目はひとめ45桂。谷川は33地点に利かしつつ玉の逃げ道確保の42銀引きで桂取り示唆だがこれは序盤の作戦主軸だった銀なのでかなり不満。もともと45桂は谷川の招待状だったために来賓への接待であろう。48玉から逃げた時左辺で仕留める構図だが勝負の綾が発生。
角交換後に59手目森下84歩で十字飛車。ここで先の77角に33角迎撃はないが44角がある。同角は同歩が連動手で桂アタリ。そこで相振りのオハコ十字飛車で序盤の顔54歩を食う。換わりに左辺が空いたダロという谷川の主張。
64手目桂取り44歩に同飛は55角で飛車香取り。77角でも同角同桂55角で飛車桂取り。そこで切り札74歩。28角変化では先手最強の1手だが今度はどうか？同歩同飛は73歩で何でもないが歩が2枚あるので桂跳ね+継ぎ歩。しかし45歩で桂を渡すと16歩同歩18歩同香26桂が厳しい。

52手目14歩とは悠然としすぎている。33桂がなくなったので13桂跳ね準備+端攻めの双頭手。端の香を使おうという思いやりか重いヤリか定かでない。22角のツケにしては漬けすぎた大根に見えたので森下ここで65歩。
谷川に77角成から28角やって見ろと脅す。それはこうなって最後に74歩の直撃弾が痛い。

先手：54手目77角成+28角
後手：63手目74歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛
▲５六銀 ▽２二角 ▲４六歩 ▽２七歩 ▲２九歩 ▽３六飛
▲４七銀引 ▽２六飛 ▲３六歩 ▽１四歩 ▲６五歩 ▽７七角成
▲同　桂 ▽２八角 ▲同　歩 ▽同歩成 ▲４八玉 ▽３八と
▲同　銀 ▽２八飛成 ▲７四歩 ▽投了
63手で先手の勝ち

そこで谷川は77桂連動手を与えない15歩古漬け。22角成同飛77角には33角をやりたいので13桂とはしない。

控え室では39手目46歩が候補だったらしい。同角で歩がロハ。そこで37桂には控え室変化の42手目26歩など谷川が打つはずない。当家なら悠然と55角。それで歩損解消し先手の桂をアタリにできる。
飛車角取りの変化を恥ずかしげもなく言える関西棋士。
44手目谷川は22角。よほど森下の投げ気味が目に余るのであろう。
フツー先に27歩と打つ。22角と引いてから打つのはすでにあの棋士谷川ではなく理事に優しい家庭人谷川。森下は桂頭死守で46歩。ヨリが少し戻ってこれならまだ指す気になってくれる。29歩は今度は形作りの迷いもない。36飛で歩損解消し47銀で最強菱形美濃完成。36歩で蓋。あとは谷川から角交換後例の28角ブチ込み。

谷川同様森下は27歩をすぐに打たずに先に56銀。44角なら44銀進出がない。22角なら33桂で角筋が止まる。64角は76飛に回帰。そこで面倒なので谷川らしく角を逃げないで27歩であろう。森下が29歩と受けないで理事会を始めたい場合は55銀だが60手以内に終わる。

40手目に森下は負けを反芻する時間で敗因を考えていた模様。37桂しかないのでここで反省はつらい。敗着は35手目75歩。
相振りを初めて指す森下らしいポカかもしれない。
谷川52金とは先の変化で16角の飛車アタリから43角成も未然阻止。角二枚渡すとモタレて指され逆転されやすい。55角は大介相手にも経験済み。
39手目森下37桂に谷川40手目26歩は酷い。横歩を取ろうとするとは森下イジメに近い。森下が早々に投了して関西で理事会始めようとしていた気配を察したのかもしれない。今度例の強気28玉では紛れ変化もなくなってしまう。

先手：41手目28玉
後手：44手目26歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽２六歩 ▲２八玉 ▽２七歩成
▲同　銀 ▽２六歩 ▲３八銀 ▽３三桂 ▲投了
46手で後手の勝ち
切り札65歩には今度は後手から77角成から27角ブチコミ。
先に歩得したので1歩返すと思って41手目は26同歩しかない。

昼食後森下は75歩だが一度チャンスを見送ればこの75歩はすでに方針と違う。28玉再譲渡を必要以上に畏れた模様。46歩は26歩の仮想3rdアタックがあるが本譜36手目36歩も同様に仮想3rdアタック。
森下らしくロハの歩を即時取ったがGN扱いにしてここでも28玉があった。谷川颯爽と55角で19香取り誇示。今度28玉は反則負け。37銀は27飛成26歩37角成同龍まで。そこで37桂しかない。森下は負けと知って長考中の模様。桂には桂で作成。
先手：39手目37桂
後手：40手目33桂
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５二金左 ▲７五歩 ▽３六歩
▲同　歩 ▽５五角 ▲３七桂 ▽３三桂 ▲６五歩 ▽４四銀
▲５六銀 ▽７七角成 ▲同　桂 ▽３五歩 ▲同　歩 ▽３六角
▲２八玉 ▽２五桂 ▲同　桂 ▽同　飛 ▲３九桂 ▽３五銀
▲３七歩 ▽２六歩 ▲３六歩 ▽２七歩成 ▲同　銀 ▽２六歩
▲３五歩 ▽２七歩成 ▲同　桂 ▽２六銀 ▲３八銀 ▽３六桂
▲投了
66手で後手の勝ち
上記変化48手目は単に35銀でも後手楽勝だがそれでは森下が即投了してしまうので谷川らしくド派手に36角打で作成。
そう言えば一昨日羽生36角変化はやはり後手負けだった。先手不満だった局面で26飛があったため。初日で終わっていたことになる。

結局ここでも考えて谷川は自重。鈍いならナニも考えずに指す手。
35歩を突けば継続手で34飛が目につくが下記で負け。
先手：35手目28玉
後手：34手目34飛
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽３四飛 ▲２八玉 ▽３六歩
▲４六歩 ▽３七歩成 ▲同　銀 ▽３六歩 ▲２六銀 ▽４四銀
▲４七金 ▽３五銀 ▲同　銀 ▽同　飛 ▲２六銀 ▽３四飛
▲３五歩 ▽２四飛 ▲３六金 ▽投了
51手で先手の勝ち

そこで銀移動後の53地点補強+αの52金で譲渡理論行使となった模様。
ところがこの52金は58金のBBなので35歩の方針とは違う。やるだけやって諦めた風情。52金では下記のように飛車交換を挑めない。
先手：35手目88玉
後手：34手目55歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽４二銀 ▲７八銀 ▽５四歩
▲６七銀 ▽５三銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲８八飛 ▽２二飛
▲８六歩 ▽６二玉 ▲８五歩 ▽２四歩 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽７二玉 ▲８六飛 ▽８三歩 ▲４八玉 ▽２五歩
▲３八銀 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲２七歩 ▽２四飛
▲３九玉 ▽３五歩 ▲５八金左 ▽５五歩 ▲２八玉 ▽８四飛
▲同　飛 ▽同　歩 ▲投了
38手で後手の勝ちか千日手

本譜52金で再譲渡すると鈍さに底光りが消える。

谷川暫く考えて35歩。当家と思考形態が同じ。先手が75歩をやらなかったので後手がやる。でも谷川は7筋に固執して羽生に負けたばかり。
7筋の対となる3筋固執は谷川往年の経験値のため息切れしたらアウト。
それを見透かして森下すぐに58金で後手の攻めと先手の受けの構図にニンマリ。先手は後手に追従するのでラク。エネルギー温存にはもってこい。森下はいつものモリタクやっていれば勝てる。
先手からの58金は先手に構造作成権利がある場合緩手だが、後手が構造変換したので好手になる。こんな当たり前の手が好手？
これは譲渡理論で扱った主題。先手は後手に同じように攻めさせて実は4-1アタックを誘い手番を譲渡している。後手の責務に案の定考えるところも谷川らしい。谷川はもっと鈍感なら羽生や森内に勝てる。

15手目85歩は疑問と言うより単調。先手から歩間4に戻すため。
谷川はここで16手目24歩だが今度は13手目24歩無難手と違って歩間5なので「売られた喧嘩は買う」態度。
関西の対局室は襖が無地のため清々しい。棋譜はキナ臭い喧嘩。
17手目84歩の5-1アタックから84同飛は光った床の間同様明解すぎる。72玉で83飛成阻止は谷川が今岡相手に二枚落ちで指すような気分。飛車の位置を玉で聞く。森下は86飛。谷川すぐに83歩の蓋で84歩の圧迫拒否。
23手目48玉は62玉と違って疑問ではないが86飛故の緩手。先手は75歩と突きたいが64銀には86飛を生かして76飛から74歩を見せる。25歩には65歩。森下は居玉での戦いを好まない模様。
25歩に38銀は先受け+美濃の経験値通り。後手の4-1アタックで谷川も24飛。28歩を避けて39玉で先手は一息だが後手も1歩持ったので今度75歩や65歩は危険。双方に仮想歩間5を設定できるため。
手番は谷川なので53銀型を生かす主導権掌握可能。でも考えすぎると朝日OPらしくコケル。

14手目62玉は疑問。54歩で歩間4作成したならば13手目歩間5を4に戻さないといけない。手が余りに広い。13手目の歩間4は94歩だけはない。
14歩や24歩は無難。44歩なら谷川らしい。55歩は53銀の趣旨に添うかもしれないがやや固い。64歩は53金型なら有り得る。極めつけは74歩。85歩なら飛車を8筋に戻して手損相振りで73銀84歩からの逆襲を狙う。