2006.01.12A級順位戦　谷川VS大介　相振り
日時：2006.01.12
棋戦：A級順位戦
戦形：相振り
先手：谷川浩司九段
後手：鈴木大介八段
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３四飛 ▲７八飛 ▽１二香
▲７六飛 ▽７三歩 ▲９三歩 ▽１四歩 ▲９五香 ▽同　銀
▲７四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８二玉 ▲９二歩成 ▽同　香
▲９三歩 ▽同　香 ▲４四歩 ▽７二香 ▲９三桂成 ▽同　桂
▲９四歩 ▽７四香 ▲９三歩成 ▽７二玉 ▲４六桂 ▽３一飛
▲９四と ▽９二歩 ▲８五香 ▽６九飛 ▲８三香成 ▽６一玉
▲９五と ▽６六飛成 ▲８四と ▽３六歩 ▲同　歩 ▽２四桂
▲７三と ▽４八歩 ▲５九金寄 ▽４四角 ▲６二と ▽同　玉
▲５四桂 ▽同　歩 ▲４五銀打 ▽１一角 ▲４四歩 ▽４六桂
▲４七金 ▽３八桂成 ▲同　玉 ▽４九歩成 ▲５四銀 ▽５三歩
▲４三桂 ▽５四歩 ▲３一桂成 ▽４四角 ▲８二飛 ▽５三玉
▲４五銀打 ▽５九と ▲５四銀 ▽４二玉 ▲３二金 ▽投了
113手で先手の勝ち

谷川は入玉寄せを嫌って51手め93歩のマシュダ一家初期変化から。
これは間違えようがない。58手めは十字飛車狙いを忘れて悠長に14歩など指したツケ。以下観戦しなくてよかった。ヒドすぎる。谷川にとことん失礼なヤツ。コレでよくもゼータイ勝ちますなどと有料番組で言える。
62手めは同桂なら先手に魔が差しやすい地点だったが63手め44歩なら93歩変化で谷川に全く迷いがなかった証し。むしろ手堅く勝ちすぎるので物足りない。
71手め46桂は怒りの発露。大介にプレゼントしたはずの後手からの46桂を先手から見せつける。
76手め69飛は後手からの46桂変化ならあった手。66角など取っているヒマない。
36歩+24桂も昼のマシュダ一家変化。谷川のリクエストに答えないばかりかマシュダ一家変化の残飯整理ばかりでは大介は終わっている。生涯残り物喰って頂きたい。
86手め48歩までマシュダ一家変化の残り物。
谷川冷笑して59金のランバダ。
96手め46桂はおととい来い。負けが決まってフンドシ見せるような開き直りは見苦しい。47金の催促などされてはどうしようもない。谷川も忘れた頃に自分のリクエストをラジオで読まれて怒り心頭の棋譜。
谷川もこういう勝ち方するようになると名人復帰をかなり意識。

余りにギャラリーをナメている。
そんなヌルイ手は温泉にもならない。
端の香車を主役にしたいなら谷川にも99香を主役にして貰う変化で。
どうせ大介は入玉含みなのでソコを仕留める。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３四飛 ▲７八飛 ▽１二香
▲７六飛 ▽７三歩 ▲４四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽３三桂
▲４三歩成 ▽同　銀 ▲６四歩 ▽同　飛 ▲５五角 ▽３四飛
▲７四歩 ▽５四歩 ▲７三歩成 ▽同　桂 ▲同桂成 ▽同　銀
▲同角成 ▽同　金 ▲６五桂 ▽７五歩 ▲同　飛 ▽７四歩
▲７三桂成 ▽同　玉 ▲７九飛 ▽８八角 ▲６九飛 ▽７七角成
▲６四歩 ▽同　歩 ▲６五歩 ▽７八角 ▲７九飛 ▽６五歩
▲４四歩 ▽同　飛 ▲７八飛 ▽同　馬 ▲６五銀 ▽６四歩
▲８二銀 ▽６三玉 ▲７一角 ▽６五歩 ▲４四角成 ▽同　銀
▲７一飛 ▽６四玉 ▲９一飛成 ▽７五玉 ▲９五龍 ▽７六玉
▲７九香 ▽同　馬 ▲６七金打 ▽８七玉 ▲９八龍 ▽投了
107手で先手の勝ち

島が58手め63同金左で後手勝ちと将棋世界で言いそうなので検証してみる。
63同金左では「プロならひとめ」で43地点が傷になる。
ただし単に43角打では芸がない。そこで大介に25香打のポカを演じて貰いダブルで43地点を酷使する。

先手：63手め43角打
後手：58手め63同金左
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３四飛 ▲７八飛 ▽８五銀
▲同　歩 ▽４六桂 ▲７六飛 ▽７三歩 ▲５五銀 ▽４五歩
▲５四銀 ▽６六角 ▲６三銀成 ▽同金左 ▲６六飛 ▽７七角
▲５六飛 ▽９九角成 ▲４三角 ▽２四飛 ▲２一角成 ▽２五香
▲３六銀 ▽３五歩 ▲２五銀 ▽同　飛 ▲４三馬 ▽投了
71手で先手の勝ち

谷川負け変化を出した途端に全国民が総玉砕の悲愴感を帯びてしまう。
先の谷川負け変化で大介は後手勝ちと確信し谷川も負けと思っている。
当家の場合はそこから逆転の構図を楽しむ。即ち65手め25角の攻防手。
32飛なら41銀。また出た。
最後は先手玉が詰まないので大逆転となる場合

先手：並べ詰め
後手：玉砕で投了
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３四飛 ▲７八飛 ▽８五銀
▲同　歩 ▽４六桂 ▲７六飛 ▽７三歩 ▲５五銀 ▽４五歩
▲５四銀 ▽６六角 ▲６三銀成 ▽同金直 ▲６六飛 ▽７七角
▲５五角 ▽６六角成 ▲同　角 ▽６九飛 ▲２五角 ▽３二飛
▲４一銀 ▽５八桂成 ▲５二銀不成▽４九成桂 ▲同　銀 ▽投了
71手で先手の勝ち
遡ると島なら58手め63同金直か左が勝敗を分けたと言う。

当家と同じ手が遅れて来るので谷川負け変化も出きてしまった。

先手：53手め55銀
後手：54手め44歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３四飛 ▲７八飛 ▽８五銀
▲同　歩 ▽４六桂 ▲７六飛 ▽７三歩 ▲５五銀 ▽４五歩
▲５四銀 ▽６六角 ▲６三銀成 ▽同金直 ▲６六飛 ▽７七角
▲５五角 ▽６六角成 ▲同　角 ▽６九飛 ▲投了
64手で後手の勝ち
この場合敗着は55銀となる。62手め99角成なら64歩で先手勝ちだが普通便で66角成と飛車を取られると46桂が活きる。

谷川のふんどしリクエストに46手め85銀とはしないで44歩の歩切れ解消阻止の34飛。これならば44歩同角同角同飛で77歩成と85銀切りが残るとの主張。でも44歩などやらずに78飛なら77歩成どころか期待の新星76歩も喰われる。そこで銀切りからフンドシ見せろと谷川はフルチンのママ言うであろう。

谷川らしい。フルチンで家に電話し直している。
大介にフンドシ見せろと言っている変化は以下。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲４五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽８五銀 ▲同　歩 ▽４六桂
▲４四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽７七歩成 ▲６六飛 ▽７六角
▲４七銀引 ▽３八桂成 ▲同　玉 ▽５五銀 ▲３六飛 ▽同　飛
▲同　歩 ▽投了
61手で先手の勝ち

谷川が温泉に行ったので家が火事ですと嘘電話かけている大介。
これでは本当に夕食までに終わってしまう。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲３七歩 ▽３五飛 ▲４六歩 ▽７五歩 ▲９五歩 ▽同　歩
▲７五歩 ▽同　銀 ▲９三歩 ▽同　桂 ▲９五香 ▽８五桂
▲９一香成 ▽７七桂成 ▲９八飛 ▽８四銀 ▲９二飛成 ▽７三玉
▲３六香 ▽２五飛 ▲３二香成 ▽投了
57手で先手の勝ち
フツー谷川が最も嫌いな入玉見せて大逆転のはずが36香が痛い。
逃げると32香成で角が死ぬのは切れてるチーズ篇の32銀成変化同様。
35桂も先の変化同様28玉でスライスチーズ。

35飛が予定通りなどと言っているのは万年振り飛車会社。実態は「仕方ない」。32飛と再度角にヒモつけても今度こそ55銀で放置なら54銀同歩41銀。大介変化の同銀同角には今度は54歩がない。即時91角成で終了。だから情けないが55銀を阻止するしかない。85銀から同歩同飛のような夢の変化もないので35飛は見たマンマ屋根の上でひしゃげたアンテナ。
39手めは当家推奨通り谷川は高笑いで46歩。今期順位戦でこれほど気持ちよい風呂もない。
将棋は温泉に浸かると大抵大逆転するようになっている。だから羽生は37歩で難しいと言える。今度は後手が21桂を使う番。37歩で角頭も桂頭も安泰。しかも歩切れでは先手から早い攻めがない。
谷川が緊張感を湯からあがっても維持できるかが問題。

羽生ならコレで今度は先手自信なくなったと言う。
しかし夕食前に大介が投げそうな気配の場合、これは働く労働者への夜のファンサービスである場合がある。
これならマギレは確かにないどころか先手は46歩で必勝型を築ける。
谷川の揮毫「飛翔」とは必勝型からのナブリ殺しのこと。
ソレを夜見て昼の上司へのウップンをビールと共に晴らすのが一般的タニオタとして定着しつつある。

谷川なら当然。あとは大介次第で先手勝ち変化がいろいろ。
先手：37手め95歩
後手：40手め同桂
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五歩 ▽７三銀
▲３九玉 ▽７二玉 ▲６八飛 ▽６二金直 ▲９六歩 ▽９四歩
▲９七桂 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽同　飛 ▲８五桂 ▽８四銀
▲９五歩 ▽同　歩 ▲９三歩 ▽同　桂 ▲５五銀 ▽６五銀
▲４四銀 ▽７六銀 ▲５五角 ▽４八歩 ▲同金寄 ▽４三歩
▲９一角成 ▽４四角 ▲３七香 ▽７七角成 ▲３六香 ▽６八馬
▲７三歩 ▽投了
55手で先手の勝ち
40手め85銀と桂を取って35桂は28玉で凌げる。22角が浮き駒なのが後手の弱み。36歩のツケ。切り札45歩も援軍45銀もない。
初期変化の反転なら56飛車切りだがその場合スライズチーズとなる。切れている以前に薄い。

大介はナニ考えてんだか意味不明。せいぜい1歩持って端を受けることしかアタマにないとしたら相振りなど指せない。
85桂など全然怖くない。むしろ銀との交換で攻めあいたいほど。
36歩は後手の最強ラストエンペラーだったのでココで出したのでは勝負所が希薄。谷川は37歩をすぐに打つ必要がないのでむしろ1歩貰ってウキウキしている頃。
ここは14歩が当家では最善。谷川が血迷って16歩なら今度こそ36歩が5thアタックになる。なので谷川は歩がない状態で攻めるはずだった。ソコを待つべきだった。これも52金保留の影に怯えた証拠。55銀から41銀はすでにない。別に飛車など無理に動かす必要はなかった。むしろ敵に塩。命の1歩は致命傷。
1歩ない状態では85桂は後手勝ちだが1歩渡したので今度即時85桂は成立。

94歩は悪手。これで後手の端攻めが加速定跡に突入するので36歩が歩を先手に渡す4thアタックの緩手にされる。
谷川即時97桂だがこれは先の75歩変化に至るまでに先手が諦めた最も贅沢な手だった。大介の62金直で成立すると思考する路線図は当家と谷川は全く同じだが当家では46歩を先に入れる。先に97桂だと45歩に先手から角交換しないといけない。理想は後手からの77角成に連動手で同桂。
角にヒモがついていないと後手にふたつの選択肢が発生。
1=45歩で角交換要請。77角33角同角同桂で33桂型を連動手で作成。
2=97桂が入手可能なので24桂打でV2固めから36歩を決め手にする。
36歩同桂の形は先手玉が即時詰めろ。33桂援軍と持ち角で後手勝勢の図が描ける。

当家の場合55銀はまずGN換算。間違っても同銀変化からは読まない。
大介は逆。55銀同銀同角54歩を先に読む。54銀同歩と55銀同角54歩では同じ54歩でも全然違う。
テレビの映りが違っても中味は同じだろうと大介は言う。
14インチのテレビと50インチのプラズマディスプレイでは涼子の鼻の穴の印象が違う。
谷川は55銀同銀同角54歩73角53金を嫌って着々と96歩で端攻め狙い。
こうした大局観は当家と全く同じ。

これは谷川にフンと思われる手。谷川の浮いた恫喝が通った形。
先手が28玉を決めたら有り得るがまだ39玉なのでこれは形を決めすぎ。
谷川が嫌がるのは 62金寄+72金直。28手め62金直だと谷川に9筋攻めの権利を与えるので無理に桂を跳ねる必要がない。99香が使えたら谷川が勝つ。
62金直の欠陥はさらに先手から55銀同銀同角の局面で41銀が残ること。これは切れてるチーズ変化にも再三でてくるので当家では62金寄+72金直しか作成しない。谷川も拍子抜けかもしれない。
55角に切り札45歩は角交換後22飛には77角打が常道。

谷川は余りに名人挑戦を意識しすぎ。大介を苦手としている理由もよく分かる手。谷川は相手が鈍臭いので波長を無理に合わせて負けないように指している。シリーズ「切れてるチーズ」が無理攻めなら今日の谷川は無理な波長合わせ。
65歩は谷川の中庸精神から来る。中産階級意識と読み替えてもいい。
68飛は後手からの64歩も許さないと言う手。
これでわからなくなった。8VS3は先手必勝だが6VS3なら後手が勝ちやすい。
中産階級意識の現在の憧れはハイビジョンをプラズマディスプレイで見ること。大介は14インチのテレビを買い換えようかとまず考える。
盤面が映るときは正常なのになぜ涼子が映ると走査線は狂い出すのか。
テレビが悪いのか地上波を妨害するマンションが悪いのか。
その場合マンションの耐震構造は関係ない。気がつくと春一番でアンテナが曲がっていたと言う場合がある。

66角も86角も75歩を狙う手。森内が得意。86角変化の欠陥は45歩の権利を後手に与えること。ネジリ相腰掛け銀は千日手になるのが当家の結論。すべて65歩のツケ。大介の方が36歩がある分指しやすい。先手が結局打開することになるが成り行きで仕方なく行く場合は万年サービスセールの「切れてるチーズ」ではない。賞味期限間近の50円引きとなる。

谷川を故意に怒らせる手。フツー72金71玉82玉の順だが清算後の61銀を嫌った。65歩を先に決めるとこの危険そうな72玉に先の85歩から95角変化はない。56銀が使えないため。
そこで先手は左桂を使うしかないが三種類ある。96歩は先手から突くと緩手になる可能性がある。しかし66角+77桂も冴えない。そこで86角を谷川ならデザインする。85歩+86角+77桂+68飛。そこで端歩は互いに9筋と1筋を突き越すと40手めに硬直した状態で後手に手番が戻る。
後手の陣形はその時82玉+62金+72金になるので61銀もない。
ここで有効な手がない場合千日手になる。ところが36歩が後手の権利として最後まで残る。44角などとしなくとも36歩同歩同飛37歩で今度は先手に手番が戻ってしまう。

親なん定食食べて谷川は「おやナンですか」と言う手を指した。
これは後手の金矢倉を許さない位取りに見えるが大介喜んで73銀。
これで3rdアタックの権利は先手から後手に譲渡された。
谷川は切れてるチーズが嫌いと言っている。大介に乗せられたくないとも。そこで9筋の端歩を大介が突けば相振りなら先手勝ちが今までの結論だが後手は24歩と突かないで待機する権利も64歩で1歩入手する権利もある。谷川の第二の主張45歩阻止とて都合いい時に45歩突く権利は後手。譲渡理論では後手に分がある。
彼等は譲渡理論で当家のように厳密に読まない。せいぜい相手の挑発に乗らずに逆に乗せるとしか思考しない。即ち後手から64歩なら大歓迎と谷川は思っている。
ところが玉頭の傷は36地点の方が大きい。谷川は39玉を必ず指すのでむしろ狭いところに囲わせたと後手は試算できる。
36地点補強には46歩+47銀下げの菱形美濃が最強だが47銀引きでは65銀で負け。65歩は後手に狙われる位。

シリーズ「切れてるチーズ」には飛車逃げから32銀成で22角を召し捕る変化もある。ところがメシ喰うと勝負を見送りたくなるのが胃袋の常。日本人が海外に行く場合、友人がこぞって空港に見送りに行く風習がある。兵隊を戦地に見送る時、村民一同旗振った時もあった。
95角などいかにも見えているので先に筋良く65銀ならどうかと胃袋は言う。
その場合は26手め43金で全てが水泡と帰す。飛車の犬死。
戌年なので似合うかもしれない。

先手：23手め65銀
後手：26手め43金
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲６五銀 ▽同　銀
▲同　歩 ▽４三金 ▲８五歩 ▽７三銀 ▲９五角 ▽４五歩
▲７七銀 ▽７二金 ▲８四歩 ▽同　歩 ▲同　角 ▽同　銀
▲同　飛 ▽８三歩 ▲７四飛 ▽７三金 ▲７五飛 ▽７四銀
▲９五飛 ▽９四歩 ▲９六飛 ▽８五銀 ▲投了
46手で後手の勝ち

日本人がキレルと怖い。谷川が棋士でなかったら怖いヒトに見える。
切れている場合でも消費者の心をくすぐるモノがある。
切れてるチーズ。あんなモノを考えるのは日本人しかいない。
占領軍は敗戦国民の目前で大きな塊のチーズを丸カジリしていた。
谷川が「切れてるチーズ」なら大介は給食に出るチーズであろう。

谷川の打診に大介は方針通り22手め54銀。昼食後に85歩突けと言っている。先手の強襲は後手の歩切れを狙ったものだが別バージョンが数種類ある。どれもひとめダメそうなので連盟棋士は誰も読まない。

先手：35手め41銀+39手め65銀
後手：40手め73銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲４八玉 ▽５四銀 ▲８五歩 ▽７三銀
▲９五角 ▽７二金 ▲８四歩 ▽同　歩 ▲同　角 ▽同　銀
▲同　飛 ▽８三歩 ▲７四飛 ▽８八角 ▲４一銀 ▽４二飛
▲５二銀成 ▽同　飛 ▲６五銀 ▽７三銀 ▲５四銀 ▽同　歩
▲４三銀 ▽７四銀 ▲５二銀成 ▽同　玉 ▲３二飛 ▽４二飛
▲２二飛成 ▽同　飛 ▲３一角 ▽４二飛打 ▲７五歩 ▽同　銀
▲７三歩 ▽同　金 ▲２二角成 ▽同　飛 ▲８二飛 ▽７二銀
▲７一金 ▽６一銀打 ▲７四歩 ▽同　金 ▲７二金 ▽５三玉
▲８一飛成 ▽７二銀 ▲６五桂 ▽同　金 ▲５一龍 ▽６四玉
▲６五歩 ▽同　玉 ▲７七銀 ▽同角成 ▲同　桂 ▽７六玉
▲７八金 ▽６九銀 ▲６五角 ▽８六玉 ▲８七金 ▽９五玉
▲９六歩 ▽９四玉 ▲５四龍 ▽投了
87手で先手の勝ち
歩切れなので40手め73銀や52手め42飛などいかにも大介らしい鈍臭い手だが控え室では大抵「さすが振り飛車党らしい最強の受け。大山先生を彷彿させる」と言う。66手め53玉が飛車のスヌキを狙った手だが入玉まで色気を出したおかげで敗着にされる。
投了以下は羽生なら64歩で粘る。最後の1歩で85歩には86角で打歩詰め。1手スキは先手玉即詰みと勘違いさせるのがブーハ式煽り。

大介の狙いは相腰掛け銀で先手の無理攻めを誘うと言うだけ。

無理攻めで相手を踏み倒したい場合
先手：21手め85歩+23手め48玉
後手：22手め73銀+24手め54銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽５二金左
▲６七銀 ▽３五歩 ▲７七角 ▽６二玉 ▲８八飛 ▽７二銀
▲８六歩 ▽７四歩 ▲３八銀 ▽４二銀 ▲５八金左 ▽４四歩
▲５六銀 ▽４三銀 ▲８五歩 ▽７三銀 ▲４八玉 ▽５四銀
▲９五角 ▽７二金 ▲８四歩 ▽同　歩 ▲同　角 ▽同　銀
▲同　飛 ▽８三歩 ▲７四飛 ▽８八角 ▲８四歩 ▽９九角成
▲８三歩成 ▽同　金 ▲４一銀 ▽４二飛 ▲５二銀成 ▽同　飛
▲５四飛 ▽同　歩 ▲４三銀 ▽５一飛 ▲３二銀成 ▽３三角
▲同成銀 ▽同　桂 ▲４二角 ▽７一飛 ▲５三金 ▽７二玉
▲３三角成 ▽２八銀 ▲７五桂 ▽８四金 ▲６三金 ▽８二玉
▲４四馬 ▽７九飛 ▲７一馬 ▽同　玉 ▲７二飛 ▽投了
65手で先手の勝ち

23手め48玉は角切り以下32手めの95角王手飛車を避けた手と渡辺明なら昨日のようにブログに書く。
今見たら谷川は本譜で先に21手め48玉だがその場合双頭手にならない。
上記変化の23手め48玉なら双頭手。

2005.01.12A級順位戦　谷川VS大介　相振り　8VS3
昨年の囲碁将棋ジャーナルでゲストの大介は今日谷川に「絶対勝ちます」と視聴者に宣言。
約束の時間に待ち合わせて相手が来ない場合悲しいか？
待っている時間に思わぬいいことがあるかもしれない。
よくぞ来てくれなかったとあとで感謝する場合もある。
ボビー・オロゴンに絶対勝つと約束した曙が実際負けたのが昨年末。戦争に絶対勝つとマスメシアが煽って最初から負けが決まっていた大平洋戦争終演は60年前。
大介が約束を破っても裏切られたと怒るほどの信頼は最初からない。
羽生が昨日の王将戦前夜祭で「明日は絶対挑戦者に勝ちます」と言ったら康光はなんと言うか？
「魅せる将棋で対抗しますから」ではありきたりで面白くない。
「明日は負けても明後日には私が勝っていますから」と言って欲しい。

谷川VS大介は相振りで8VS3の戦い。大介は負けないように指して谷川を煽れば勝機が転がり込むと相変らず思っている。
8VS3は先手優勢が当家の結論。谷川もそう思っている。
一億総玉砕の決意表明は悲愴感が同情を生む場合がある。