康光は入玉を嫌って自陣に戻って攻めてしまった。千日手と入玉が台所のムシより嫌いな棋聖。
45歩無視以下入玉阻止の捨て身の53金には飛車切りから王手で53龍と抜けば万全だったはず。
羽生も変調。先手が入玉を拒否して45同銀に44歩まで付き合ってくれるならもっと綺麗な寄せがあった。 渡辺明は例の64歩をからかって銀河戦優勝だったが羽生は見透かされている。
日経が名人13連破と数だけ単純比較しては大山にさえ冒涜と言われる。むしろ羽生への反動がキツイ。たかが王座戦で序盤からあのザマでは並んだ数字が腐って見えると。王座戦だけは昔からノーテンキ。

棋聖戦も王位戦も素晴らしかった。王座戦も康光のおかげで奇想天外。今日も半日楽しめた。17手め25歩や43手め55銀は異常かもしれない。

日時：2005.10.01
棋戦：王座戦第3局
戦型：5筋位取り陽動振り飛車
先手：佐藤康光棋聖
後手：羽生善治王座
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６三歩 ▽同　飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲４二角成 ▽同金引 ▲７二角 ▽６四飛
▲８一角成 ▽６六歩 ▲８二馬 ▽６五飛 ▲７七桂 ▽２五飛
▲１六銀 ▽６七銀 ▲同　金 ▽同歩成 ▲同　飛 ▽５六金
▲６一飛成 ▽４七金 ▲同　玉 ▽２九飛成 ▲３九金打 ▽１九龍
▲２八銀 ▽４五歩 ▲同　銀 ▽３九龍 ▲同　金 ▽４三香
▲４四歩 ▽同　香 ▲同　銀 ▽同　銀 ▲８一飛 ▽４一歩
▲４八香 ▽４五銀 ▲３七玉 ▽３三桂 ▲２六桂 ▽２五銀
▲同　銀 ▽同　桂 ▲３八玉 ▽５六角 ▲４七銀 ▽７八角成
▲２九玉 ▽３七桂打 ▲同　馬 ▽同桂成 ▲同　銀 ▽２七金
▲２八金 ▽１八銀 ▲同　金 ▽３七金 ▲３九銀 ▽２七銀
▲２八歩 ▽１八銀不成▲同　玉 ▽４九金 ▲３八銀直 ▽４八金引
▲３七銀 ▽４七金 ▲２五桂 ▽３七金 ▲１四桂打 ▽同　歩
▲同　桂 ▽同　香 ▲１三銀 ▽３一玉 ▲２一金 ▽同　玉
▲４一龍 ▽３一香 ▲投了
134手で後手の勝ち

終局=22時23分

いくら手抜きとは言えB級将棋を王座戦で本当に見せてしまっては日経も泣けない。先手が駒捨ててサッサと入玉したらあとはナニもない。丸山ならそれで芸と褒められるが康光では怒られる。記録係が指し継いでモノホンの二人は観光見物であろう。

いくらなんでも王座に失礼かもしれない。わざわざ羽生がタコ手65同歩で序盤25歩などフザケンナと説教しにきたのだからもう少し言い分を聞いてあげないと次回が怖い。

やはり棋聖は用意。唯一の救世主光臨。
単に28銀は67銀で負け。そこで手番奪回の16銀で飛車アテ。
それでも羽生は67銀。これは前項と違う。飛車を取り合って成り捨てから78飛王手が桂取りにならない。69飛は残る。でも今度は1歩あるのでなんとかなる。

25飛はかねてからの当家変化と同じでも77桂の場合は銀で受けさせるのが羽生のワナ。その場合77桂なので68手めに67銀打がある。飛車の横利きを活かして98飛は清算後77桂の空間開放を狙った89角。26歩+37銀でも再度の25飛で先手はまたも歩切れ。やはり63歩で1歩捨てたのは疑問。その後の変化が1歩でまるで違う。長岡は控え室の森下島深浦が63歩は当然と言ったことを信用した模様。先の強行龍封じにも27桂という39金阻止のカラメ手がある。タイトル戦らしくないので77桂だった模様。
飛車を渡すことになるが78飛は仕方ない。しかし勝ちが見えない。
25歩は先手の顔であった。24歩の寄せも消えた。単に取られたのは63歩のせい。

康光がナニもさせない場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６三歩 ▽同　飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲４二角成 ▽同金引 ▲７二角 ▽６四飛
▲８一角成 ▽６六歩 ▲８二馬 ▽６二飛 ▲７三馬 ▽６五飛
▲５六銀 ▽２五飛 ▲２七桂 ▽２六銀 ▲３七桂 ▽２七銀成
▲４八玉 ▽３七成銀 ▲同　銀 ▽２九飛成 ▲２八銀打 ▽２五桂
▲３九金 ▽３七桂成 ▲同　馬 ▽投了
81手で先手の勝ち

良く見たら康光は先に63歩で1歩捨てている。これは事情が全く違う。後手に1歩多いため。これなら55角から寄せ合い可能。65飛には95飛も示唆。35歩が先手の急所。1歩が明暗。

先手：61手め43歩成
後手：62手め45歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６三歩 ▽同　飛
▲６五歩 ▽９六歩 ▲６四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽９三飛
▲６三歩成 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽６七歩 ▲同　飛 ▽６六歩
▲同　飛 ▽５五角 ▲６五飛 ▽３五歩 ▲投了
70手で後手の勝ち

78角には飛車を一旦逃げて桂をあげちゃう。
どうせ後手も桂を逃げる。そこで例の41角から一撃必殺24歩で決まった場合

先手：71手め24歩
後手：70手め42銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽９六歩
▲６四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽６七歩 ▲同　飛 ▽７八角
▲６五飛 ▽８九角成 ▲６三歩成 ▽９二飛 ▲５三と ▽同　金
▲６一飛成 ▽７三桂 ▲４一角 ▽４二銀 ▲２四歩 ▽同　歩
▲２三歩 ▽３三玉 ▲２二銀 ▽４三玉 ▲７四角成 ▽投了
77手で先手の勝ち

マシュダ一家65歩を棋聖は採用。
さて前項変化をもう少し遡ると62手めは67角成で後手圧勝と解る。それほど58手め67歩とはイヤラシイ。そこで一旦逃げるとどうなるか。
このような時に先の攻め筋で可能な一致点を探ることができる。
すべてはIFから始まった。
それが畏怖になると即負け。
先手は桂損で飛車を成ることができる。でも手番を渡してしまう。

まず先手が勝てる構図から作成。後手は銀を自陣に打たずに残して95飛から25飛の展開へ。

先手：67手め41角
後手：68手め42銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽９六歩
▲６四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽６七歩 ▲同　飛 ▽７八角
▲６三歩成 ▽９二飛 ▲５三と ▽同　金 ▲６一飛成 ▽７三桂
▲４一角 ▽４二銀 ▲７四角成 ▽９五飛 ▲９六香 ▽２五飛
▲２六歩 ▽同　飛 ▲３七銀 ▽２七銀 ▲４八玉 ▽３六飛
▲同　銀 ▽同銀不成 ▲７三馬 ▽８九角成
後手の飛車切り1には先手勝てる。

そこで一旦逃げて飛車切り2の場合
先手：67手め41角
後手：68手め42銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽９六歩
▲６四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽６七歩 ▲同　飛 ▽７八角
▲６三歩成 ▽９二飛 ▲５三と ▽同　金 ▲６一飛成 ▽７三桂
▲４一角 ▽４二銀 ▲７四角成 ▽９五飛 ▲９六香 ▽２五飛
▲２六歩 ▽同　飛 ▲３七銀 ▽２七銀 ▲４八玉 ▽２五飛
▲２六歩 ▽５五飛 ▲７三馬 ▽５八飛成 ▲同　金 ▽８九角成
▲中断
これは先手危険。金と銀ではエライ違い。57玉の早逃げが利かない。
遡って68手めは方針通り52銀打ちとするかもしれない。その場合は同角成で千日手。

先の変化に戻るとは棋聖も相当な頑固一徹。まあ森内もソレで名人防衛したのだから許容範囲なのかもしれない。この場合は羽生はすぐに95歩催促と昔から決まっている。それでも先の65歩変化だと今度は67歩と叩かれるかもしれない。後手飛車がカルクなったため。
先手：53手め65歩
後手：58手め67歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９七角 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽９六歩
▲６四角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽６七歩 ▲中断

羽生はとにかくどこかの歩を切ってモライたくてウズウズしている。
そこで痒いところを掻いてあげるのが友情。
32玉の形にして最後の1歩で55歩を手抜きして73桂で攻めたとする。先手は歩切れなのでこの瞬間が隙。
74手めの「両取り逃げるべからず」の局面へ誘導。真剣なら頭砕けて死ぬが将棋の両取りに即死はない。「両取りには両取り」が当家の格言。互いに殴り合うと先手が勝つ場合は以下。

先手：55歩
後手：73桂
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲６六歩 ▽３一角 ▲６八飛 ▽６二飛
▲６五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四歩 ▲５六銀引 ▽４二角
▲５八金左 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽７四歩 ▲４八玉 ▽５四歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽４三金右
▲５五銀直 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽５四歩 ▲４六銀 ▽８四歩
▲９六歩 ▽９四歩 ▲９五歩 ▽同　歩 ▲５二歩 ▽同　飛
▲４一銀 ▽６二飛 ▲３二銀成 ▽同　玉 ▲５五歩 ▽７三桂
▲５四歩 ▽６五桂 ▲５五銀 ▽５七歩 ▲４八金寄 ▽５六銀
▲６六歩 ▽５八歩成 ▲同金上 ▽６七銀打 ▲同　金 ▽同銀成
▲同　飛 ▽５六金 ▲５三銀 ▽同　金 ▲同歩成 ▽同　角
▲５四銀 ▽６七金 ▲４三金 ▽２二玉 ▲３二金打 ▽同　飛
▲同　金 ▽同　玉 ▲４三銀打 ▽投了
87手で先手の勝ち

深浦のタコ感性を島が訂正している。
里帰りして浮いている同級生の宥め役になってしまった。
94歩は先の97角阻止だが先手に取って有り難い。いつでも95歩突いて1歩補充権利がある。現在2歩しかないので突き捨ては有効。
手筋は52歩の垂らし。51銀で飛車銀取りを見せる。同飛なら41銀。
金歩から構築する時に95歩を先に入れておくと心強い。1歩が死命を分けるため。55歩の継続手はひとめヌルイが後手も反撃体勢が築けない。歩がどこにも利かないため。

康光機敏。カマボコは紀文。
85歩なら97角の双頭手。86歩を阻止すると共に次に65歩で角交換要請。角銀もてば63歩が残った先手必勝。

アタシの序盤はタコで結構ですと自ら告白する手。完全に1手遅い。大いに笑ってあげないと羽生がカワイソウ。客席でアクビすると棋士と落語家は楽屋で泣く。
深浦が今頃ノコノコ登場して康光55銀で「本格的な戦い」と気炎を吐いている。実家に帰って周回オクレの肩もみでもしてきた方が人生有意義。深浦はこの84歩を見ても「さすが羽生さん」と言うであろう。慶太なら「こんなんでエーんですかぁー？」と言ってくれる。

先手は銀交換後54歩まで打たせて後手を歩切れにさせることに成功。
次に王手飛車変化でもあった63歩の叩きは同飛52銀62飛43銀成同金で継続手がない。持ち駒が銀なら最後の1歩で再度の63歩だが金では二度目の割り打がないため。二枚換えはまだできない。どうせ53手めに46銀と手を戻すくらいなら素直に先に下がって歩を温存。先手の心配は角頭だけ。もし序盤で84歩が22玉の代わりに突いてあれば次の手は間違いなく85歩。86歩同歩87銀を見せる。あの無防備都市に君臨するナサズ角が主役では後手は永遠に覇権を奪還できない。

65銀はサスガに恥じた模様。気前よく55同銀。今日初めて羽生がギャラリー意識したワケではない。65銀だと35歩同歩同銀で44地点が受からない。清算すると最後は44角の王手飛車。それを避けても大盤解説会までもたない。

康光怒りの鉄槌。凄い。
55歩では先の変化で後手負けでは羽生が63銀と下がって自慰行為に耽けると思った棋聖。63銀とは引かせないゾっと。しかし55歩でなければ今度は65銀が可能。同銀がなくなったので今度こそ76銀を狙われる。
銀を前線から遠ざけるという手法は可能。しかし1歩損する。87銀もふせげない。対谷川でも羽生にこういう銀があった。ザリガニ銀として歩をパクってナラズでまた戻る。

そのタコ手だけはやってくれるなと思っていたら見事に期待通りの腰抜け披露。バランス重視とは肥満の言い訳。これでは55歩の涙のリクエストに43銀と下がれない。45歩も自殺行為。そこで65銀と行く。同銀同歩には藤井でも54銀。対して先手には銀打ち込みの隙がない。

先手の唯一の不満48玉から派生した38玉の1手を羽生が有効利用できなかった為に46銀で先手陣がイッキに締まる。キュッと来る感じがいい。
後手はすでに切り札を消費。ナニが取り引きされたかと言うと42地点角移動に使った2手と先手が55歩に投資した2手が相殺。結果先手に持ち歩2枚と玉筋を睨む角がそのまま潜在力を発揮。最初からナニもしていない角が主役では後手もやってらんない。そこで角頭を攻めたいが65銀では同銀と取られて41銀の割り打が残る。22玉とはそれほど怠惰な手。

悪手は指さないが創造手も指せない模様。
一言で詰まらない。先手から譲渡された3rdアタックの新生領域に踏み込めない覇者は実利主義者。隣の島にまでからかわれた羽生。
これなら当家変化の方がカネが取れる。ハブのおかげで王座戦もここまで落ちた。

屋敷の囲碁将棋ジャーナルを見ていたら33手め36歩まで紹介。
すでに58金なら右玉の可能性が高いので46銀から35歩の第二次3rdアタックは勝算が低い。すると35歩阻止という意味合いになる。58金とせずにイキナリ36歩なら飛車を振り直すことは可能。昼前に36歩だと後手が安心してしまう。
だからこそ羽生は昼食後に初めて74歩の攻撃手が指せた。
今度は73桂が早いので67金から38飛はピンがボケる。49金の処置に困るため。そこで48玉と初めて自陣整備から思考。ところが自陣駒アタリ原理では48玉そのものが悪手。この瞬間を羽生が見逃すはずがない。当然切り札54歩。ここで1歩入手しないと手番が来ない。
39手め38玉で手番を渡さなくてはならない先手。
25歩とはナニか？
26地点に銀を移動する天蓋と読むこともできた。
しかし後手から24歩の権利が第二の切り札として発生している。

25歩の狂気に暫く付き合ったが36歩がダメなので57銀効果は薄かった。よかった。今度は薄い涼子にならなかった。ところが25歩指して36歩が出来ないと今度は57銀に46歩がマヌケに見える。そこで康光は66歩。常識的な手。これでいつでも65歩3rdアタックで先手だけ1歩入手。羽生は中原同様54歩を切り札にした迎撃作戦しか思考しないのであとはメシ喰いながら考える。

4-2からの平行歩間4なので今度は後手には驚異ではない。手順前後とは手拍子で発生。可能と打てばなぜ姉妹が勝手に付くのか。こういう文字変換は後で困る。また戻さないといけない。25歩直後の57銀は36歩から早繰り銀狙いもある。42角には79角で対抗。後手が飛車落ち気分なのでこんな悠長な攻めが通用。ところが先手は居玉なので後手は平然と55歩を駒アタリ偶数番2で狙ってくる。

3筋から早繰り銀を狙うと5筋位取りが裏目になる場合
先手：21手め36歩
後手：28手め54歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽５二金右 ▲５五歩 ▽６二銀 ▲５七銀 ▽３二金
▲５六銀 ▽６四歩 ▲６八銀 ▽６三銀 ▲２五歩 ▽３三銀
▲５七銀 ▽４一玉 ▲３六歩 ▽３一角 ▲４六銀 ▽４二角
▲７九角 ▽３一玉 ▲３五歩 ▽５四歩 ▲３四歩 ▽同　銀
▲３五歩 ▽４三銀 ▲５四歩 ▽同銀右 ▲投了
34手で後手の勝ち

羽生は無難に33銀。飛車角いらないらしい。この1手で後手は31角+42角を必ず強いられる。その2手分で先手が3rdアタック敢行可能。ほとんど神業なので森下や島は見守るしかない。45地点と65地点のいずれかを先手が3rdアタックで狙える。後手41玉を誘って46歩から飛車を4筋に振るのがマシュダ一家。

この手は驚く。当家には絶対指せない。55歩より強行。
強気というより狂気に見える。
マシュダ一家理論はこの手が悪手と言っている。
5-1の一触即発から4-2の軟体構造へ一挙に転身したため。
当家なら17手めは迷わず57銀。それで何の不満があるのか？
康光25歩とは33角か33銀を羽生に直接聞く手。
直接手なので後手の腰抜けぶりを煽った手と読み替えることは可能姉妹。

「王座戦の対局を記念して将棋盤に揮毫する羽生王座」という写真がある。将棋盤は一昨日から不機嫌。昨日はとうとう怒り出した。ミミズの行進でオレの皮膚呼吸を邪魔する気かと。
立会い森下や深浦まで厚顔無恥をさらけ出す。
この盤は今後タイトル戦で使われることはない。短い命。
特に深浦は情けない。挑戦者として帰郷するつもりがオコボレ頂戴で来てしまった。思えば深浦がＡ級を落とされた理由も1年前にあった。

康光の5筋位取り補強に羽生もしぶしぶ5-1へ。
ようやく不精な王座が腰あげたので15手め68銀。
ひとめ素晴らしい。康光の才気を見る楽しみ。
今度は歩間6戦法の陽動振り飛車への組み替えが反転。57銀+77角の形なら飛車に新幹線乗り放題切符を渡すようなもの。
それほど後手の52金と32金は重い。文鎮では手ぬるい。鈍行列車。

佐世保なので時差があるかと思い10時開始と勘違い。
10時までに10手指された。羽生の腰抜け将棋のおかげで30分経っても天才康光作成の4-1構造は換らない。5筋位取りを尻目に今度は32金。
敗着の52金より悪質。天才が独りで仕事している風景。
あのアタマはまだ寝ている飛車。寝たまま起きなかった彼女の母はあの世で目覚めて「今日はいい天気」と言った。

マシュダ一家「後手番陽動歩間6戦法」

棋戦：スボンテスウハ戦
先手：歩間5誇示
後手：陽動歩間6
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽８四歩 ▲７八銀 ▽３三角 ▲５八金右 ▽４三銀
▲投了 12手で後手の勝ち

歩間6戦法　後手番陽動振り飛車コンセンプト
1=先手が向い飛車を嫌う性向を煽動。
2=飛車先不突き矢倉を示唆して煽動。
3=歩間5の瞬間に歩間6攻撃手で煽動。
4=疑問1は平行歩間6となるはずの銀。
5=三頭手となる角移動で逆行相転換。
6=敗着58金を引きだし平行歩間6で。

4手めはいい。羽生も覚悟した証し。
8手めは王子の横死。羽生には創造性のカケラもない。あるのはテーマパークの虚栄にしがみついた成金趣味。そこには故郷再生の気概もない。
なぜここで歩間6が取れないのか？
羽生は新規構築を畏れた。廃墟から即座に立ち去った銀行のように。
9手め55歩。後手の飛車先不突き矢倉への転身を許さない4-1構造。
6の夢は一旦撤退。

10まで数えたら時間切れ負けであった。
あとふたつ数えてくれたら名局が誕生?
Xとは数字ではない。
なぜ5と書いてくれないのか？
6まで行けたかもしれないのに。
6が逆立ちしても9。
10には行けなかった。
そこでこう考える。
12前から数えれば解決すると。

1から5までの数字はあの世界では夢。
6で現実世界への口を瞬間開き7の直前に速やかに閉じる。
あの口が再び開くには12まで数えないといけない。
すると魔方陣からはみ出してしまう。
そこで数字を重ねる。
出てくるか？

6筋に飛車を振っても六間飛車とは呼ばれない。
連盟棋士は四間飛車もしくはヨン様と呼ぶ。
なぜ6なのに4と呼ばれるのか？
4筋に振ればわざわざ右四間などと彼等は言う。
将棋盤とて生き物なので怒るかもしれない。
6thアタックの重相構造を解き明かせと。

100ｍ走はゴールまで設定する必要性がなかった。
60ｍまでに勝負がつく。
だから主催側は100ｍ地点を壁の直前に設けた。
都会の新築学校の校庭は狭いので仕方ない。
王者はどうせゴール直前で減速するであろうと。
ところがギリギリまで競った為に走者は壁に激突。

6ほど敬遠される数字はない。
2と3で割り切れる優柔不断さが嫌われる。
6を取り入れた商品キャラも売れない。
消費税でさえ6％より7％にしろと。
ロクデナシとも言われる。
666なら悪魔扱い。