飛車逃げ+桂頭死守+歩成阻止の受けの三大立ち回りの挙げ句にブチ切れては以下で負け。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽３四飛 ▲５五銀 ▽５七歩
▲２六飛 ▽３六歩 ▲５七角 ▽３七歩成 ▲３五歩 ▽４七と
▲６八角 ▽３二飛 ▲７五歩 ▽６三銀 ▲７四歩 ▽同　銀
▲６四銀 ▽６二銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲５三歩成 ▽同　金
▲同銀成 ▽同　銀 ▲３三角成 ▽同　飛 ▲２四飛 ▽投了
71手で先手の勝ち
銀桂取りを防いで33同桂でも41角の飛車銀取りで負け。
結局33桂の活躍を先送りした為にこうなった。頑固一徹はよくない。

86角では千日手にされるので羽生は77角で香取り。アナ側はこちらの桂香を取れないと攻めにならない。後手陣はビッグ4で固めているため。
香取りを防ぐのに33角で行くと虎の子のと金を外してシッペ返しするのが以下の変化。

と金ハズシ+26角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽３四飛 ▲５五銀 ▽５七歩
▲２六飛 ▽３六歩 ▲５七角 ▽３七歩成 ▲３五歩 ▽４七と
▲６八角 ▽３二飛 ▲７五歩 ▽６三銀 ▲７四歩 ▽同　銀
▲６四銀 ▽６二銀 ▲７七角 ▽３三角 ▲同角成 ▽同　飛
▲２四飛 ▽２三歩 ▲４四飛 ▽４三歩 ▲４七飛 ▽３五飛
▲２六角 ▽投了
73手で先手の勝ち

65手目34歩の連動手狙いは44角の迎撃。その反対が26角。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽３四飛 ▲５五銀 ▽５七歩
▲２六飛 ▽３六歩 ▲５七角 ▽３七歩成 ▲３五歩 ▽４七と
▲６八角 ▽３二飛 ▲７五歩 ▽６三銀 ▲７四歩 ▽同　銀
▲６四銀 ▽６二銀 ▲８六角 ▽７七歩 ▲同　銀 ▽７五歩
▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　角 ▽７四歩 ▲４一銀 ▽３五飛
▲５二銀成 ▽同　金 ▲５三金 ▽６一銀 ▲中断

後手が飛車を逃げたり桂頭を守ったりすると96歩のチャンスが来ないのはどの変化もニタリ寄ったり。一旦受け出すと後手の陣形は千日手に最適。

今日の森内は相当な頑固一徹だが羽生の方はついに昼前のMF最強26飛で防戦。
ここまでドサ廻りをやるくらいなら最初からやっていただきたかった。
次に33角と銀取りに出ると56飛。そこでそれを阻止しつつ歩成を見せる双頭手が36歩。後手はと金が必ず作成できるので先手は暴れるしかない。

46手目42飛ではなく34飛の場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽３四飛 ▲５五銀 ▽５七歩
▲８六角 ▽３三角 ▲６四銀 ▽５四飛 ▲７三銀成 ▽同　銀
▲３一角成 ▽５八歩成 ▲同　飛 ▽同飛成 ▲同　金 ▽６九銀
▲６八金右 ▽７八銀成 ▲同　金 ▽２八飛 ▲投了
64手で後手の勝ち

どの変化も後手の急所が一見64桂や64香のようでも大したことはない。
ところが初日分析通りに78金と49金はどの変化でも致命傷となった。

羽生は44銀を選択した模様。47手目24飛の場合=参照＞No: 7152　
以下47手目35角の場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽４二飛 ▲３五角 ▽３四歩
▲５三歩成 ▽３五歩 ▲４二と ▽同　角 ▲５三歩 ▽同　銀
▲同銀成 ▽同　角 ▲２四飛 ▽９六歩 ▲投了
58手で後手の勝ち

45手目26飛には今度こそ33桂で逆に復讐された場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲２六飛 ▽３三桂 ▲３四銀 ▽２五歩
▲同　銀 ▽同　桂 ▲同　飛 ▽４二飛 ▲４六角 ▽同　飛
▲同　歩 ▽６九角 ▲投了
56手で後手の勝ち

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲２六飛 ▽４二飛 ▲４六歩 ▽４一飛
▲３四銀 ▽３一飛 ▲２三銀成 ▽３六歩 ▲２二成銀 ▽３五飛
▲２一成銀 ▽２五飛 ▲６四桂 ▽８一玉 ▲２五飛 ▽同　歩
▲５二桂成 ▽投了
61手で先手の勝ち

45手目46角で千日手にする場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４六角 ▽４二飛 ▲３四銀 ▽３二飛
▲４五銀 ▽４二飛 ▲３四銀 ▽３二飛 ▲４五銀 ▽４二飛
▲３四銀 ▽３二飛 ▲４五銀 ▽千日手

45手目46角で千日手を打開したい場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４六角 ▽４二飛 ▲３四銀 ▽３二飛
▲５五角 ▽３四飛 ▲１一角成 ▽３三角 ▲２一馬 ▽９六歩
▲投了
54手で後手の勝ち

38手目35歩で千日手にする場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽４二飛 ▲５三銀成 ▽４七飛成
▲５九金 ▽５六歩 ▲３五角 ▽５七歩成 ▲５二成銀 ▽同　金
▲５三金 ▽６一銀 ▲５二金 ▽同　銀 ▲５三金 ▽６一金
以下千日手


千日手を打開した場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３五歩 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲５五歩 ▽同　歩
▲５四歩 ▽６二銀引 ▲４四銀 ▽４二飛 ▲２四飛 ▽４一飛
▲２二飛成 ▽４四飛 ▲２一龍 ▽４七飛成 ▲５九金 ▽６六歩
▲同　歩 ▽４二角 ▲４八歩 ▽６七銀 ▲投了
58手で後手の勝ち

封じ手36手目45歩の場合　33桂変化1
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３三桂 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽４五桂
▲２一飛成 ▽４二飛 ▲投了
44手で後手の勝ち

封じ手36手目45歩の場合　33桂変化2
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３三桂 ▲３四銀 ▽４二飛 ▲４六角 ▽４四銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽２二歩 ▲２三歩 ▽４五銀
▲同　銀 ▽同　桂 ▲２二歩成 ▽４三飛 ▲投了
52手で後手の勝ち

封じ手36手目45歩の場合　33桂変化3　36銀+35銀の連続泡踊りにはナイト固め
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩 ▽４五歩
▲同　銀 ▽３三桂 ▲３六銀 ▽３五歩 ▲同　銀 ▽４五桂
▲２四歩 ▽同　歩 ▲３三歩 ▽同　飛 ▲３四歩 ▽４三飛
▲２四銀 ▽３六歩 ▲４八金 ▽３七歩成 ▲同　桂 ▽３六歩
▲４五桂 ▽同　飛 ▲３五銀 ▽８五桂 ▲２二飛成 ▽９六歩
▲同　歩 ▽６六歩 ▲同　歩 ▽６四桂 ▲４六角 ▽同　飛
▲同　銀 ▽７六桂 ▲投了
68手で後手の勝ち

2005.01.18王将戦第2局三間急戦アナシス 初日分析2　7thと6thの分岐

もし封じ手直前の35歩が7thアタックならば先手は優勢から勝勢を導けた。ではなぜこれが見切り発車の6thアタックとなったのか？

7で上部構造が確定した原因
原因1=36歩と95歩の交換。
原因2=森内の72玉を見て美濃放棄を強要させる為に羽生が腰掛け銀にした為。
原因3=1筋の端歩のブランコ運動交換がない為。
逆から見ると14歩と16歩の交換が後手有利の為に先手が放置したことが根本要因。33角が双頭手の為に後手に46銀の瞬間に15歩と逆に後手から7thアタックを喰らう。無条件に1筋で1歩渡しては穴熊側が不利。
そこで24手目に遡る。73桂で角銀取りの両取りを見せているが通常は穴熊側が66歩と受ける。ところがすでに後手は20手目に64歩を突いている為に65歩とすぐに反撃を受けてしまう。羽生の救いは62玉型でまだ94歩が突かれていないこと。すぐに65桂は95角と逃げて王手なので銀まで逃げられる。そこで26手目に95角を阻止するように見せかけて94歩を指したのが心理戦。序盤で早めに94歩を突くと先手は別の組み方で後手に選択肢が発生してしまうが、この順だと今度は95角がない為に先手は角移動を強いられている。角がどこに移動しても後手は65歩。
これが今回の森内の主題。この位が後手の全てなのですぐにでも66歩で奪還しに行きたいが46歩で負け。そこで羽生は先手の序盤の25歩にかけた2手の利権を拡張する為に36歩という急戦で5thアタックを提示。四間ならここで飛車を三間に振り直す為に1手損する。三間飛車ならその1手を別な手に相転化できる。それが30手目の95歩。この手が入ると後手は85桂からいきなり97桂成も成立してしまう。桂香歩を確実に歩+etcに換算できる。31手目の78金とはかつて栄転を画策する万年課長のゴマスリであった。ここで16歩は緩手。51角ではなく48角の為に後手は手抜きをしても14歩でも有利。従ってここまで羽生が序盤でマネしたアナシスに欠陥があったことになる。三間にはなんでも穴熊にすればなんとかなると言う楽観主義は森を見て枝を見ない指し方。
今回森内が極めて意欲的に序盤に時間を使っているが前日の丸山の影響かもしれない。森内が振り飛車を指すと康光同様面白い。

日時：2005.01.18
棋戦：第54期王将戦第2局
戦形：穴熊VS三間
先手：羽生善治二冠
後手：森内俊之王将・名人
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲４八銀 ▽３二飛 ▲６八玉 ▽４二銀 ▲７八玉 ▽６二玉
▲５六歩 ▽５四歩 ▲７七角 ▽５三銀 ▲５七銀 ▽５二金左
▲８八玉 ▽６四歩 ▲９八香 ▽７四歩 ▲９九玉 ▽７三桂
▲８八銀 ▽９四歩 ▲６八角 ▽６五歩 ▲３六歩 ▽９五歩
▲７八金 ▽７二玉 ▲４六銀 ▽５一角 ▲３五歩

森内の主張は28手めの65歩の位。この圧迫に誘発されて羽生は急戦アナシスを決断。
上部構造
04=4+0
05=3+1
13=4+1
14=3+2　問題手。森内故意に不利に。 森内のおかげで羽生優勢に
20=4+2　最強修正手順。これが森内の作戦。
22=3+3　対アナシス急戦
26=4+3　上部構造確定
28=3+4　後手の顔。問題手以後は後手の森内がすべての上部構造構築。
29=2+5　羽生の問題手。5thアタック示唆。
30=1+6　森内の牽制手。以下羽生は畏れて78金で自重。72玉は51角から85桂の直後に73角or84角の展開を計る空間開放手。
35=6thアタック。羽生の見切り発車。
36=封じ手

下部構造では自陣駒アタリ原理が上部構造と結合。 先手49金は飛車成阻止の要なので動かせない。三間の強味。先手78金は浮き駒。一見破天荒な後手布陣だが後手の駒アタリはすべて連結。先手の主張は飛車先突破だが72玉が双頭手の為2筋は放置できる。72玉が三頭手であったか否かが最終盤の見どころ。最終盤に81玉と下がって不詰めが可能。63金+62飛は好形。後手は1歩確実に入手できるので9筋で香を貰い先手75歩の直撃には76香。78金が浮き駒の為に先手からの玉頭攻めは反動がキツイ。後手は玉頭攻めを63金で防戦できるが、先手の金はその時49地点で孤独を楽しんでいる。この金を馬で取ってから31馬が天馬効果になる可能性もある。3年前の王将戦第1局で康光は破天荒な三間を見せたが天馬効果が決め手となった。
この将棋はどちらが芸術的に優秀かと言うと圧倒的に後手。先手の城も前線の攻めも単調。6thアタックのため。後手にはすでに常識など通用しない。大山や藤井が好きな43金連動手からの夢幻金は49金を活かす為に得策ではない。むしろ75歩を待って63金と展開した方が49金との機能を差別化。
アナシス急戦では78金&49金の浮き駒によって自陣駒アタリ原理でも先手は99玉の利点を差し引いている。桂VS香の戦い。

アベ&シーが初日を解説した場合
アベ「初日でオワっとるやん」
シー「どちらかがすでに勝ちと？」
アベ「あのね、シーちゃん。（会場に）見て下さい。この後手の陣形」
シー「それでドッチが？」
アベ「コレで羽生さん負けたらワタシ竜王になってました」
シー「（微笑む）」
アベ「でも必勝将棋を負ける時もあるんですねー」
シー「（微笑む）」
アベ「フツーに一言フォローでしょ」
シー「残念」