MashudaBBS2004.09.05-06
2004.09.03B級1組順位戦 郷田VSシーザー 角換り腰掛け銀
2004.09.03B級1組順位戦 青野VS井上 ▲手損角換り腰掛け銀
2004.09.05NHK杯 神谷VS森内 角換り棒銀


2004.09.03B級1組順位戦 郷田VSシーザー 角換り腰掛け銀 No: 6378 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 04/09/06 Mon 01:38:07

日時:2004.09.03
棋戦:B級1組順位戦 5回戦
戦形:角換り腰掛け銀同型 丸山定跡+34歩教皇手順
先手:郷田真隆
後手:堀口一史座
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △3二金
▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲9六歩 △9四歩
▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6八玉 △5二金 ▲1六歩 △1四歩
▲5六銀 △4一玉 ▲5八金 △5四銀
▲6六歩 △4四歩 ▲3六歩 △7四歩
▲7九玉 △3一玉 ▲3七桂 △7三桂
▲2五歩 △3三銀 ▲4五歩 △同 歩
▲3五歩 △4四銀 ▲1五歩 △同 歩
▲2四歩 △同 歩 ▲7五歩 △同 歩
▲2四飛 △2三歩 ▲2九飛 △6三金
▲1二歩 △同 香 ▲3四歩 △3八角
▲3九飛 △2七角成 ▲1一角 △2八馬
▲6九飛 △4三金 ▲2二歩 △3四金
▲4五銀 △同銀右 ▲同 桂 △1三桂
▲2一歩成 △4二玉 ▲7四歩 △同 金
▲6三銀 △8四金 ▲1五香 △4五金
▲2二角成 △7一桂 ▲7四歩 △8三金
▲1三香成 △同 香 ▲5六桂 △5五銀
▲2三馬 △5六銀 ▲7三歩成 △同 金
▲5六歩 △4六馬 ▲5七桂 △6三金
▲4五馬 △同 馬 ▲同 桂 △3五角
▲6八角 △4六桂 ▲2九飛 △2六香
▲3九飛 △3八歩 ▲4九飛
103手まで先手勝ち

王道「角換り腰掛け銀」をこれから見る。
20手めまでゴーダもシーザーも王道を歩むに相応しい棋士。
22=52金。疑問。先手の玉移動に乗るべき。康光の右玉構想の悪影響。
30=44歩。王道へ戻す。キチンとツケの支払い。気持ちよい。
そして互いに襟元を正して38手めの先後同型の局面を迎える。
39=45歩。正調角換り腰掛け銀は8thアタックとなる。
43=15歩。丸山定跡で。ゴーダのこだわり。
51=29飛。2004.06.15C1順位戦第1回戦日浦VS勝又で日浦も見せた29飛型。
仕掛けから郷田は日浦と同じ手順で69飛まで。
この29飛型は日浦の場合単に手が滑っただけであるが、元々の発祥は教皇指摘の55手め34歩と取り込む手から派生したと当家は考える。昨年から28飛型と29飛型の比較検討がされているが丸山定跡では34歩と取り込まないで11角であった為に28飛型となる。しかし2年前の当家の棋王戦羽生康光戦における実況指摘で羽生は33歩を悪手と知った。そして2年前の王位戦で谷川33歩を羽生新手24金とかわして勝ったことが大きな転機となった。24金は2年前の羽生の思い出の一手。そこで再燃した角換り腰掛け銀を再度見直す気運が高まり29飛型を成立させる試行錯誤が繰り返されてきた。教皇指摘の34歩取込みは以下に記載

62=43金。ここで44角成の銀取りを防ぐには三種類。
1=33歩。
2=43銀。
3=43金。
4=35銀。
1と4の変化は誰も行っていない。25桂と跳ばれてしまうことを嫌った。
25桂なら42玉とするのがマシュダ一家変化。
勝又は2の43銀という角換り腰掛け銀の根本思考を捨てる卑屈な45地点放棄のためかなり自虐的な展開だが日浦相手ならそれで十分。
シーザーは王道というより硬直の3=43金。45地点を死守するという角換り腰掛け銀のセオリー死守のようだが、玉を孤独にする宦官を演じる金。取り柄は飛車の横利きを通す空間開放手として受けの双頭手であるということ。当家なら玉をさっさと危険地帯から逃がす方法をまず考える。
63=22歩。最後の1歩で桂取り。25桂は34金で負け。
64=34金。ここで43金双頭手を生かして22飛と取るとすぐに同角なら同玉で良い。25桂ならそこで34金。先手は飛車一枚では何もできず後手玉は入玉で楽勝。ところがすぐに飛車を取らずに45銀で後手は負ける。これが角換り腰掛け銀特有の45地点魔空間。22飛変化は以下。

先手:64手め22飛
後手:45地点魔空間
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽5二金 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5六銀 ▽4一玉 ▲5八金 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽4四歩
▲3六歩 ▽7四歩 ▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽7三桂
▲2五歩 ▽3三銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲3四歩 ▽3八角 ▲3九飛 ▽2七角成 ▲1一角 ▽2八馬
▲6九飛 ▽4三金 ▲2二歩 ▽同 飛 ▲4五銀 ▽同銀右
▲同 桂 ▽同 銀 ▲4四歩 ▽同 金 ▲4二銀 ▽3二玉
▲3三歩成 ▽同 桂 ▲4一銀不成▽2一玉 ▲2二角成 ▽同 玉
▲4二飛 ▽1三玉 ▲4四飛成 ▽投了
81手で先手の勝ち

65=45銀。すぐに21歩成は同玉で角の犬死。
68=13桂。45金は負け。
対局日:2004/09/05(日) 4:08:10
棋戦:B級1組順位戦 5回戦
先手:光の柱+中空三角理論
後手:68手め45金
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽5二金 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5六銀 ▽4一玉 ▲5八金 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽4四歩
▲3六歩 ▽7四歩 ▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽7三桂
▲2五歩 ▽3三銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲3四歩 ▽3八角 ▲3九飛 ▽2七角成 ▲1一角 ▽2八馬
▲6九飛 ▽4三金 ▲2二歩 ▽3四金 ▲4五銀 ▽同銀右
▲同 桂 ▽同 金 ▲2一歩成 ▽4二玉 ▲4六歩 ▽同 馬
▲4九飛 ▽投了
73手で先手の勝ち

68手め45同銀は43銀打で金当りとなる為21歩成が厳しく後手は即負け。
以下42玉や74歩を見ると上記変化に大きな間違いはないと確認できる。
棋譜は初手から1手ずつ順を追って確認するとこのような一致で読みを再確認できる。本を読むように読めるのが棋譜。
73=63銀。当家と同じ思考順。
74=84金。これも当家と同じ変化だがこれは後手負け変化であった。
そこでこの当たり前の手は本譜変化でもおかしいのではないかとまず考える。83銀の受けはあるか?15香で歩切れ解消となるので74歩を阻止する83銀。金は質駒だが13桂と逃げた駒損回避で先手の手駒を増やさないで抑え込む方針を徹底するなら83銀は恥ずかしくない。ところが以下の進行で83銀はダメ。

先手:ジワジワ挟撃
後手:74手め83銀
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽5二金 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5六銀 ▽4一玉 ▲5八金 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽4四歩
▲3六歩 ▽7四歩 ▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽7三桂
▲2五歩 ▽3三銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲3四歩 ▽3八角 ▲3九飛 ▽2七角成 ▲1一角 ▽2八馬
▲6九飛 ▽4三金 ▲2二歩 ▽3四金 ▲4五銀 ▽同銀右
▲同 桂 ▽1三桂 ▲2一歩成 ▽4二玉 ▲7四歩 ▽同 金
▲6三銀 ▽8三銀 ▲1五香 ▽4五金 ▲1三香成 ▽同 香
▲2二角成 ▽1八香成 ▲2三馬 ▽投了
81手で先手の勝ち

76=45金。45銀は35歩が厳しい。
77=22角成。みんな同じこと考える。
78=71桂。丸山なら打つ。
79=74歩。誰でも打つ。 ゴーダもシーザーも指し手が当家の数十手前の想定手順と似たり寄ったり。

82=13同香?正着は63桂。以下で勝ち。
先手:切れ筋
後手:82手め63桂
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽5二金 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5六銀 ▽4一玉 ▲5八金 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽4四歩
▲3六歩 ▽7四歩 ▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽7三桂
▲2五歩 ▽3三銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲3四歩 ▽3八角 ▲3九飛 ▽2七角成 ▲1一角 ▽2八馬
▲6九飛 ▽4三金 ▲2二歩 ▽3四金 ▲4五銀 ▽同銀右
▲同 桂 ▽1三桂 ▲2一歩成 ▽4二玉 ▲7四歩 ▽同 金
▲6三銀 ▽8四金 ▲1五香 ▽4五金 ▲2二角成 ▽7一桂
▲7四歩 ▽8三金 ▲1三香成 ▽6三桂 ▲7三歩成 ▽同 金
▲1二成香 ▽7六歩 ▲投了
86手で後手の勝ち

先手の攻めは切れないので攻防手からの攻め筋を構築しないと後手は逆転できない。
85=23馬。駒アタリ奇数番3。二重駒アタリは1と換算。
86=56銀。最後の敗着。45金アタリを46馬で受けて逆行奇数番3を取るべき。次の44歩にはそこで56銀なら同歩と取れないので先手は馬を切って飛車と交換する。遊んでいる飛車と馬の交換なら凌げる。

先手:馬切りで飛車を取る
後手:86手め46馬逆行奇数番3
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽5二金 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5六銀 ▽4一玉 ▲5八金 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽4四歩
▲3六歩 ▽7四歩 ▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽7三桂
▲2五歩 ▽3三銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲3四歩 ▽3八角 ▲3九飛 ▽2七角成 ▲1一角 ▽2八馬
▲6九飛 ▽4三金 ▲2二歩 ▽3四金 ▲4五銀 ▽同銀右
▲同 桂 ▽1三桂 ▲2一歩成 ▽4二玉 ▲7四歩 ▽同 金
▲6三銀 ▽8四金 ▲1五香 ▽4五金 ▲2二角成 ▽7一桂
▲7四歩 ▽8三金 ▲1三香成 ▽同 香 ▲5六桂 ▽5五銀
▲2三馬 ▽4六馬 ▲4四歩 ▽5六銀 ▲4五馬 ▽同 銀
▲4三金 ▽5一玉 ▲7三歩成 ▽同 金 ▲5二金 ▽同 飛
▲同銀成 ▽同 玉 ▲1二飛 ▽4二歩 ▲投了

100手で後手の勝ち

56銀以下は見どころない。
43金変化が後手自信ないと言うのは後手作成の馬が効いていないため。 この金銀の形は歩で狙われるばかりか馬と連動した桂馬にも弱い。
受け切りが不満なら56手めの39角を打たなければ良い。せっかく3歩得したのだから最初から攻めあいでもよい。それでも11角なら22角で顔面受け。玉の受けが要。受けさえ網羅していれば後手が歩得を主張できる。

オマケ
39角に28飛と逃げた場合。
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽5二金 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5六銀 ▽4一玉 ▲5八金 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽4四歩
▲3六歩 ▽7四歩 ▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽7三桂
▲2五歩 ▽3三銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲3四歩 ▽3八角 ▲2八飛 ▽4九角成 ▲1一角 ▽3五銀
▲4五銀 ▽4六銀 ▲5四銀 ▽3七銀成 ▲3三歩成 ▽投了
65手で先手の勝ち


2004.09.05NHK杯 神谷森内 角換り棒銀 No: 6377 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 04/09/06 Mon 01:38:07

2004.09.05NHK杯 神谷森内 角換り棒銀
放映:2004.09.05
棋戦:NHK杯第54回本戦2回戦
戦形:角換り棒銀
先手:神谷広志 七段
後手:森内俊之 三冠
▲7六歩 ▽8四歩 ▲7八金 ▽8五歩 ▲7七角 ▽3四歩
▲8八銀 ▽3二金 ▲3八銀 ▽7二銀 ▲4六歩 ▽7四歩
▲4七銀 ▽7三銀 ▲2六歩 ▽6四銀 ▲2五歩 ▽7五歩
▲同 歩 ▽同 銀 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽7六歩
▲2二角成 ▽同 銀 ▲2八飛 ▽9四歩 ▲5六銀 ▽2三歩
▲7七歩 ▽同歩成 ▲同 銀 ▽4二玉 ▲7四歩 ▽7二金
▲4五歩 ▽3三銀 ▲4六角 ▽6四歩 ▲6六銀 ▽同 銀
▲同 歩 ▽6三金 ▲6五歩 ▽3五銀 ▲6四歩 ▽5四金
▲3五角 ▽同 歩 ▲2二歩 ▽同 銀 ▲6三歩成 ▽3六歩
▲7三歩成 ▽同 桂 ▲7四歩 ▽3七歩成 ▲同 桂 ▽4六角
▲7三歩成 ▽3七角成 ▲6八玉 ▽8四飛 ▲3八飛 ▽同 馬
▲同 金 ▽6六桂 ▲6七銀打 ▽7八桂成 ▲同 銀 ▽6七歩
▲同銀上 ▽3三銀 ▲6六角 ▽4九飛 ▲8四角 ▽5九角
▲7八玉 ▽7七歩 ▲同 桂 ▽6八金 ▲8八玉 ▽6七金
▲同 銀 ▽6八角成 ▲5二と ▽3一玉
88手で後手の勝ち

期待のカード。解説青野で気分よい放映。森内がでるとテレビが締まる。

3=78金。コレに影響。
12=74歩。飛車先を突かないので当然。角頭をいきなり狙われたらもう神谷負けかと思う。それほどの迫力。ところが竜王戦であわやというところまで行った神谷の気迫も相当なもの。
18=75歩。神技3rdアタック敢行。
30=23歩。少しナメすぎたと反省。森内でもさえ神谷相手に3rdアタック完走は残念ながら無理であった。
31=77歩。壁銀では戦えないので当然。
35=74歩。先手の利権を追及して76歩とすべき。
37=45歩。余りに見え透いている。やるならもっと前。
38=33銀。強い。45歩を46角打ちの空間開放手として見ない証拠。44地点が後手の急所のため。
39=46角。これはむしろ怖くない。玉に響かないため。
以下軽い。
58=37歩成。後手優勢。
62=37角成。決め手。
74=33銀。悪手の誘発手。相手がナニ指すか知っている。
77=84角。34歩でも神谷は勝てない。
最終盤は解説青野を信用するとその差がどれ程のものかわからない。青野は投了図から89金の受けにどうするのか森内に聞いているほど。76歩など子供にでも見える。青野がダマレと涼子を威圧する差が森内と青野にもある。だから終盤神谷に勝ちがあったと青野が煽るのは簡単だが、実際神谷が勝つまで大変。神谷があんな受け方したのでは何しても森内に勝てないと言うことだけは変化図から明解。その差が序盤で見えているから森内は3rdアタックを試した。
神谷の独創性より荒削りのいい加減さが引きたってしまった対局。森内はむしろ角換り腰掛け銀の定跡形よりこのような乱戦の方が圧倒的に勝ちやすい。この最終盤は3つの関門を正確にクリアーしないと突破できない。攻防手など最終盤で許しては先手が逆転しにくい。

情熱大陸の鈴木桂治特集が面白い。アテネオリンピックの柔道100Kg級決勝で欧州の王者タメルラン・トメノフを小外刈りで倒した時の秘話。
簡単に決まったように見えたあの1本勝ちの必殺技は世界選手権覇者の棟田康幸を相手に特訓を積んできたと言う。棟田はトメノフのクセを良く知っているためイメージトレーニングの最高のパートナー。棟田相手のシミュレーション試合を何度も繰り返してあの最終戦を準備していたらしい。鈴木桂治は頭を使わないと柔道は勝ちきれないとそっけなく言う。「こうくればこうする」と示す鈴木桂治のわずかな身振り手振りがあの神技の舞台裏の重厚味を与える。棟田なしでは金メダルは無理だったとも言う。
もっとも簡単に見えることがもっとも時間をかけた証し。
あの小外刈りは子供相手のように簡単に決まったかに見えた。


2004.09.03B級1組順位戦 青野VS井上 ▲手損角換り腰掛け銀 No: 6376 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 04/09/05 Sun 06:22:19

手損角換りという戦法は何も後手番だけが行なう戦法ではない。ゴキゲン中飛車のように先手でも行なえる。このようなことを最初から知っていたのはマシュダ一家のみ。だから当家のみ早くから「手損角換り」と表記している。青野が行なったのは先手の手損角換り。しかし世間では読朝毎を初めとする将棋メディアのおかげで「手損角換り」と言うと「後手番1手損角換り」のことのみを指し示すようになった。そこで混乱を避けるために前項では▲手損角換り腰掛け銀と表記。腰掛け銀とはオマケで付くのではない。将棋の王道「角換り腰掛け銀」が影となるため。この場合「先手番手損角換り腰掛け銀」という名前は長すぎる。だからこのように優秀な戦法に最初から「後手番」という限定語を付してはいけなかった。

日時:2004.09.03
棋戦:B級1組順位戦 5回戦
戦形:▲手損角換り腰掛け銀
先手:青野照市
後手:井上慶太
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩
▲7八金 △3二金 ▲9六歩 △8五歩
▲2二角成 △同 銀 ▲8八銀 △9四歩
▲7七銀 △6二銀 ▲3八銀 △6四歩
▲4六歩 △6三銀 ▲4七銀 △3三銀
▲5八金 △1四歩 ▲1六歩 △5四銀
▲3六歩 △4二玉 ▲6八玉 △5二金
▲7九玉 △7四歩 ▲5六銀 △6五歩
▲8八玉 △3一玉 ▲4七金 △4四歩
▲3七桂 △6四角 ▲1七香 △7三桂
▲1八飛 △2四銀 ▲4五歩 △同 歩
▲同 銀 △同 銀 ▲同 桂 △8六歩
▲同 銀 △4四歩 ▲5六歩 △4五歩
▲5五銀 △同 角 ▲同 歩 △6四桂
▲7七銀 △7五歩 ▲同 歩 △7六銀
▲同 銀 △同 桂 ▲7七玉 △6九銀
▲7九金 △6八銀 ▲7六玉 △7九銀成
▲7四銀 △6三金 ▲8六歩 △8九成銀
▲6三銀成 △8四桂 ▲7七玉 △4六歩
▲5七金 △7八金 ▲同 飛 △同銀成
▲同 玉 △7六桂 ▲7七玉 △7九飛
84手まで後手勝ち

7=96歩。ゴキゲンを先手で行う場合16歩を突くが手損角換りの場合は96歩。16歩だと後手のブランコ後進14歩の方が有利。
8=85歩。慶太は自分でやりたかったのでムっとしながらも堂々と胸を貸す。気持ちよい。谷川のブレーンだけのことはある。
9=22角成。これしかない。
11=88銀。68銀だと腰掛け銀の進行中68玉とできない。
12=94歩。すぐに85歩と行くのはナガシマじゃぱゆきさんだけ。
14=62銀。谷川研特有の決め打ち。彼らは棒銀変化を親分の谷川がすべてダメと言うので最初から放棄。
15=38銀。青野-森下-丸山の「研究の鬼三羽鴉」はこれしかない。彼らの頂点には教皇加藤一二三。教皇はすべての将棋がコレのみしか頭にない。
16=64歩。そうは言っても慶太はどうせ腰掛け銀を青野が大好きと知っている。
17=46歩。あのニヤケ顔で。
20=33銀。26歩保留でも他の手は手の内をみせるのでマイナス。
21=58金。33銀を損と見る青野。
22=14歩。ブランコ前進。
23=16歩。ブランコ後進。これでブランコ二部作完成。即ち先後が入れ換ったのではなく先手が1手損したと見る。だから慶太はヒフミンのように青野の背後に立たなくともよい。
25=36歩。ここでブランコ後進となる56銀は後手から神技の3rdアタックがある。慶太には無理だが当家ならやる。
26=42玉。嫌でもコレしかない。
27=68玉。ブランコ後進。これが1手損の中枢となるブランコ運動。これですべて後手優位に逆行相転化。
28=52金。後手が優位に立ったのでブランコ後進でバランスを取る。
29=79玉。矢倉における22玉並の緩手と認定される日が来るかも知れない。
30=74歩。後手1ポイント先取となる5th作成。
31=56銀。この局面で青野に仕掛けがないことが問題。
32=65歩。深浦が好きな形。64角打ち空間作成+66歩阻止。位取りであると同時に空間開放手となる双頭手。
33=88玉。悪手というより独りよがり。青野もフケタ。
34=31玉。65歩が6thなので待機。後手優勢。
35=47金。先手はこれで負け。
36=44歩。容赦しないというより「楽勝やねん」という7th。緩手。
37=37桂。悪手。最善は25歩。
38=64角。ここまでやれば誰でも指す。
39=17香。青野は前日の羽生森内戦で恥かいて頭おかしい。
43=73桂?慶太の温情。当家なら7thアタックで開戦。
41=18飛。慶太の緩手に青野は悪手で付き合う。
42=24銀。温情2。谷川研でこれが正解と教えるのは昔の教官。
43=45歩。青野最初で最後のチャンス。
44=45同歩。43銀と下がる者は谷川研にいない。
46=45同銀。緩手。ここは46歩が教皇一派の最強手。

先手:7thアタック
後手:偶数番原理
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲7八金 ▽3二金
▲9六歩 ▽8五歩 ▲2二角成 ▽同 銀 ▲8八銀 ▽9四歩
▲7七銀 ▽6二銀 ▲3八銀 ▽6四歩 ▲4六歩 ▽6三銀
▲4七銀 ▽3三銀 ▲5八金 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽5四銀
▲3六歩 ▽4二玉 ▲6八玉 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩
▲5六銀 ▽6五歩 ▲8八玉 ▽3一玉 ▲4七金 ▽4四歩
▲3七桂 ▽6四角 ▲1七香 ▽7三桂 ▲1八飛 ▽2四銀
▲4五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽4六歩 ▲4八金 ▽4五銀
▲同 桂 ▽2七銀 ▲1九飛 ▽4七歩成 ▲投了
52手で後手の勝ち

50=44歩。関西風現物支給要請。
51=56歩。青野の唯一の狙い。伊豆高原牛乳。
52=45歩。ここで54歩は71角。
53=55銀。青野でもこういうゴッツイ手を指すときがある。
54=同角。2枚換えの駒得+手番。
56=64桂。手番は大きい。V2固めで勝勢。
60=76銀。慶太なら歩があってもここで銀を打つ。
61=76同銀。歩なら逃げるが銀なら取るのが伊豆高原牛乳。おこっぺ牛乳ならここでかわす。
65=79金。ここでかわすのがウスイ牛乳。
66=68銀。ウスイ牛乳に砂糖を入れる。
67=76玉。同金は勝又でもやらない。
69=74銀打ち。大悪手。ここは駒アタリ奇数番1だったのでそれを解消する97桂が最善。それで85金をふせぎつつ桂を逃がす双頭手となる。
74銀打は詰めろでもない85金を防ぐというより駒アタリ偶数番2を作成した為に先手が選択した奇数番原理とは矛盾して負け。78成銀の詰めろなら59角と遠くから受けるのが裸玉の正しい防御。以下の変化でも詰まない。
先手:69手め97桂+59角
後手:関西風イケイケ
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲7八金 ▽3二金
▲9六歩 ▽8五歩 ▲2二角成 ▽同 銀 ▲8八銀 ▽9四歩
▲7七銀 ▽6二銀 ▲3八銀 ▽6四歩 ▲4六歩 ▽6三銀
▲4七銀 ▽3三銀 ▲5八金 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽5四銀
▲3六歩 ▽4二玉 ▲6八玉 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩
▲5六銀 ▽6五歩 ▲8八玉 ▽3一玉 ▲4七金 ▽4四歩
▲3七桂 ▽6四角 ▲1七香 ▽7三桂 ▲1八飛 ▽2四銀
▲4五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽同 銀 ▲同 桂 ▽8六歩
▲同 銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽4五歩 ▲5五銀 ▽同 角
▲同 歩 ▽6四桂 ▲7七銀 ▽7五歩 ▲同 歩 ▽7六銀
▲同 銀 ▽同 桂 ▲7七玉 ▽6九銀 ▲7九金 ▽6八銀
▲7六玉 ▽7九銀成 ▲9七桂 ▽7八成銀 ▲5九角 ▽7七金
▲同 角 ▽同成銀 ▲同 玉 ▽2九角 ▲4八飛 ▽4七角成
▲同 飛 ▽7八金 ▲7六玉 ▽投了
81手で先手の勝ち

青野がやる気ないので慶太は70手め63金。ガッツンと喰らわす目覚めの一発。今度は63銀成どころか97桂もまるでダメオ。

先手:71手め63銀成
後手:関西風イケイケ
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲7八金 ▽3二金
▲9六歩 ▽8五歩 ▲2二角成 ▽同 銀 ▲8八銀 ▽9四歩
▲7七銀 ▽6二銀 ▲3八銀 ▽6四歩 ▲4六歩 ▽6三銀
▲4七銀 ▽3三銀 ▲5八金 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽5四銀
▲3六歩 ▽4二玉 ▲6八玉 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩
▲5六銀 ▽6五歩 ▲8八玉 ▽3一玉 ▲4七金 ▽4四歩
▲3七桂 ▽6四角 ▲1七香 ▽7三桂 ▲1八飛 ▽2四銀
▲4五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽同 銀 ▲同 桂 ▽8六歩
▲同 銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽4五歩 ▲5五銀 ▽同 角
▲同 歩 ▽6四桂 ▲7七銀 ▽7五歩 ▲同 歩 ▽7六銀
▲同 銀 ▽同 桂 ▲7七玉 ▽6九銀 ▲7九金 ▽6八銀
▲7六玉 ▽7九銀成 ▲7四銀 ▽6三金 ▲同銀成 ▽8五金
▲7七玉 ▽7八成銀 ▲同 飛 ▽同銀成 ▲同 玉 ▽7六金
▲7九桂 ▽1八飛 ▲4八歩 ▽4六歩 ▲2九金 ▽1七飛成
▲2八銀 ▽同 龍 ▲同 金 ▽4七歩成 ▲同 歩 ▽6六歩
▲投了
90手で後手の勝ち

先手:71手め97桂は今度は負け
後手:関西風イケイケ
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲7八金 ▽3二金
▲9六歩 ▽8五歩 ▲2二角成 ▽同 銀 ▲8八銀 ▽9四歩
▲7七銀 ▽6二銀 ▲3八銀 ▽6四歩 ▲4六歩 ▽6三銀
▲4七銀 ▽3三銀 ▲5八金 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽5四銀
▲3六歩 ▽4二玉 ▲6八玉 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩
▲5六銀 ▽6五歩 ▲8八玉 ▽3一玉 ▲4七金 ▽4四歩
▲3七桂 ▽6四角 ▲1七香 ▽7三桂 ▲1八飛 ▽2四銀
▲4五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽同 銀 ▲同 桂 ▽8六歩
▲同 銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽4五歩 ▲5五銀 ▽同 角
▲同 歩 ▽6四桂 ▲7七銀 ▽7五歩 ▲同 歩 ▽7六銀
▲同 銀 ▽同 桂 ▲7七玉 ▽6九銀 ▲7九金 ▽6八銀
▲7六玉 ▽7九銀成 ▲7四銀 ▽6三金 ▲9七桂 ▽7八成銀
▲5九角 ▽7四金 ▲同 歩 ▽6四銀 ▲7五金 ▽7七金
▲同 角 ▽同成銀 ▲同 玉 ▽7五銀 ▲投了
82手で後手の勝ち

74=84桂。桂を取られたために2回目のV2固め。
76=46歩。恐らく青野の顔は赤い。
A級は青野が居なくて寂しい。ガンバレ青野。