マシューとモリーの幻想対談
第2回
テクノとアート

2004.07.31
モーリー「アートなしのテクノはないですか?」
マシュー「純粋なテクノはない。自然にも必ず美的デザインがある」
モーリー「人間だとわざと無味乾燥にしません?」
マシュー「一見無味乾燥な技術訓練さえすでに美的要素を持っとる。物性があるんで基本はかわらんね」
モーリー「アートとテクノは表裏一体と」
マシュー「テクノは制御し得る。アートは制御外の領域を見せる」
モーリー「そこが不思議なんです。制御外の領域をどうやって天才たちは制御したのか」
マシュー「不思議と思うのは時間のせいじゃね。アルミの灰皿を不思議に思うかね?」
モーリー「これを大昔の人がみたら美術品扱いですか」
マシュー「アルミを知らん民族は毎日磨いて神棚に奉っておる」
モーリー「煙草を吸わないとジャマにみえるだけなんですが」
マシュー「投げる棋士もおった」
モーリー「いましたか、ね(笑い)」
マシュー「そう言う棋士に限って往生際が悪い」
モーリー「投げるときは勇気がいりますね」
マシュー「谷川さえ投げられなかったとは」
モーリー「私でもあそこでは投げませんが(笑い)」
マシュー「世間をダマして面白いかね?」
モーリー「神様にならダマされてみたいとも思いますが」
マシュー「ワシは女にダマされてみたい」
モーリー「(爆笑)」
マシュー「女に嘘泣きされてオロオロした青春が懐かしい」
モーリー「今では嘘泣きの嘘がバレますか」
マシュー「ヒトの嘘を楽しんでおるようでは先は短い」
モーリー「真剣に生きるって大変なことです」
マシュー「ワシの青春を返せ!」
モーリー「すいません」
マシュー「何の話だった?」
モーリー「アートは制御外の領域を見せる所までかと」
マシュー「男はそもそも自分のチンポも制御できん」
モーリー「宇宙で朝立ちしたと公言したTVキャスターもいましたが」
マシュー「宇宙に朝昼晩はない。突撃隣の晩ご飯もない」
モーリー「ヨネスケさんまだやってますか」
マシュー「ありゃ庶民文化最高の番組じゃね。サザエさんより価値ある」
モーリー「どんなところが?」
マシュー「ソノマンマの日本の家庭を撮影しとるからモノに嘘がない」
モーリー「いろいろ映ってほのぼの風情ですか」
マシュー「未来ではあの番組が最高の文化遺産」
モーリー「不思議ですね。ありきたりのモノが当時の日本の一般家庭を記録しただけのものでは済まない気が」
マシュー「フツーにそこにあるものが時間軸を換えただけで価値が換っとる。モノ自体はまったく同じ」
モーリー「棋譜自体は同じでも価値は確かに換りますね。でもミスはミスでしょうけど」
マシュー「ミスが実はミセスであることなどしょっちゅう」
モーリー「ミステイクもテイクのうちですか」
マシュー「いかにミスしたかを楽しんどるのが大衆」
モーリー「ミスそのものにも形式があるとすれば?」
マシュー「人間は神様がミスって造ったと考えりゃえー」
モーリー「生まれつき欠陥品と(笑い)」
マシュー「欠陥ないと豪語しとるのは自動車会社くらいのモン」
モーリー「マシュダ一家さんはむしろ論理の欠陥発見が最も楽しいのでは?」
マシュー「そりゃリフォームの悪徳業者とかわらんな」
モーリー「自分が自分らしさをアピールするのって芝居がかったらオシマイです」
マシュー「よう言うね。またアンチョコ見てスピーチしとったゾ」
モーリー「ほんとにポカで忘れたんですが」
マシュー「本気であること見せりゃえーの。恋愛すりゃ解る」
モーリー「もう結婚していますので」
マシュー「夫婦喧嘩したらまた最初からヨリ戻さにゃならん」
モーリー「初恋と同じぐらい大変ですか?」
マシュー「開き直った女房また口説くの大変。初恋より難解」
モーリー「面白そうですね」
マシュー「難解な局面大好きじゃろ?」
モーリー「半日考えても飽きません」
マシュー「女房をまた口説くのに半年かかることもある」
モーリー「棋聖にも教えておきませんと」
マシュー「ありゃイタリアから帰るまでモツのかね?」
モーリー「成田離婚もハヤリのご時世ですから何とも」
マシュー「棋聖防衛して速攻で離婚では困る」
モーリー「祝儀ハズめば来期の防衛までなんとかモツかと」
マシュー「そりゃ産経に言ってもらいたい」