順位戦も竜王戦も持ち時間が一日制で6時間や5時間は長すぎる。
人間はそこまで集中できない。だから思わず財布の中味を数えてしまう。夕食までに勝敗など決まっているのでその後のポカや悪手の海に期待して糞粘りしてもロクな棋譜が生まれない。夕食以後は分析が無意味なので何も見なかったことにして振り返る。
相横歩取りなど死滅したはずと思っていたので血が騒ぐ。 三浦のペンタゴンホルン54角への道筋は素晴らしい。とても三浦とは思えない。丸山かと思ってしまった。深浦の79銀緩手は仕方ない。この将棋は54角までで十分満腹。夕食後の魔がさした34飛は羽生や村山なら35金と行くところ。時間があると自重してグチャグチャにするのが順位戦の悪習。時間がなくても駒をペタペタ打つのが深浦なのでいつまでたっても終わらない。おそらく深浦なら喜んで28飛成に39金と打つと思って三浦もイヤケがさしたのであろう。深浦の終盤はタコなのでコメントするのがもう飽きた。メインの77桂がいつまでたっても引き出しの離縁状ではギャラリーをバカにしているだけ。村山もマンガ好きだったが、将棋が桃色マンガになってはペンタゴンがペンタコンになってしまう。
三浦ともども神谷の情熱にも胸を打たれる。矢倉は最初から無理を承知で4th地獄から打開したが神谷相手に55角など打つようでは投了した方がよかった。こんなところは嫌でも56金と行くしかない。おかげで勇者55銀が取られるだけの駒に成り下がってしまった。神谷は西尾と違って鍛え方が違うのでキッチリ受けてからギャラリー向けに竜を切る筋を選択。先に36桂を打ったのは神谷の色気。もっと簡単に勝てたがそれでは情熱家神谷の血が許さない。やはりどうしても龍切りをやりたかったと言っている。あれは身に染みついた芸であろう。神谷の将棋はだからいつでも退屈しない。

日時：2004.07.23
棋戦：A級順位戦2回戦
戦形：相横歩取り　ペンタゴンホルン
先手：深浦康市
後手：三浦弘行
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲９四歩 ▽２四飛
▲４六角 ▽３四飛 ▲９三歩成 ▽同　香 ▲９四歩 ▽同　香
▲同　香 ▽９三歩 ▲９六飛 ▽９四歩 ▲５五角 ▽５三歩
▲３六歩 ▽４四香 ▲７四歩 ▽２四飛 ▲２七歩 ▽３六金
▲３九香 ▽２七金 ▲７三歩成 ▽同　銀 ▲２七金 ▽同飛成
▲２八歩 ▽２五龍 ▲３五金 ▽２一龍 ▲４四金 ▽同　歩
▲２七香 ▽２五歩 ▲４四角 ▽３四歩 ▲３五歩 ▽同　歩
▲９四飛 ▽４三金 ▲７四歩 ▽４四金 ▲７三歩成 ▽同　桂
▲３五香 ▽同　金 ▲７四歩 ▽９一香 ▲２五香 ▽同　桂
▲９二歩 ▽４三香 ▲７三歩成 ▽同　金 ▲５五銀 ▽３六角
▲６九玉 ▽４七香成 ▲７九玉 ▽４八成香 ▲９一歩成 ▽６九銀
▲６五桂 ▽８七角 ▲投了
128手で後手の勝ち

日時：2004.07.23
棋戦：竜王戦本戦トーナメント
戦形：対四間5筋位取り
先手：矢倉規広五段
後手：神谷広志七段
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽８四歩 ▲１六歩 ▽６二銀
▲１五歩 ▽５四歩 ▲６八銀 ▽５二金右 ▲６七銀 ▽４二玉
▲６八飛 ▽３二玉 ▲３八銀 ▽８五歩 ▲７七角 ▽７四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲３九玉 ▽５三銀左 ▲２八玉 ▽５五歩
▲５八金左 ▽５四銀 ▲４六歩 ▽７三桂 ▲５六歩 ▽６四歩
▲５五歩 ▽同　銀 ▲４七金 ▽６五歩 ▲同　歩 ▽８六歩
▲５六銀 ▽８七歩成 ▲５五角 ▽同　角 ▲同　銀 ▽７八と
▲４八飛 ▽８九飛成 ▲４五歩 ▽２二玉 ▲４四歩 ▽同　歩
▲同　銀 ▽６六角 ▲４二歩 ▽３一金 ▲５五角 ▽同　角
▲同　銀 ▽４三歩 ▲６一角 ▽５一歩 ▲５六金 ▽５三銀
▲６四歩 ▽６二歩 ▲４一銀 ▽４二銀 ▲５二銀成 ▽同　歩
▲同角成 ▽６七角 ▲４四歩 ▽５六角成 ▲４二馬 ▽同　金
▲４三歩成 ▽３六桂 ▲同　歩 ▽５五馬 ▲３七銀 ▽４三金
▲同飛成 ▽３二金 ▲２四桂 ▽同　歩 ▲３一銀 ▽同　玉
▲２三金 ▽３九銀 ▲同　金 ▽同　龍 ▲同　玉 ▽３八銀
▲同　玉 ▽６五馬 ▲４七飛 ▽４三馬 ▲３二金 ▽同　馬
▲４二銀 ▽同　馬 ▲２二金 ▽４一玉 ▲３二金打 ▽５二玉
▲４二飛成 ▽６一玉 ▲５二角 ▽７二玉 ▲７四角成 ▽６五角
▲同　馬 ▽同　桂 ▲６三歩成 ▽同　玉 ▲５二角 ▽７三玉
▲５三龍 ▽６三桂 ▲６四銀 ▽８四玉 ▲６三銀不成▽８五玉
▲５四銀不成▽８六玉 ▲６五銀 ▽６八飛 ▲５八桂 ▽６五飛成
▲６六歩 ▽４七銀 ▲同　玉 ▽５六銀 ▲投了
130手で後手の勝ち

信じられないことだが冗談変化のつもりでＵＰしたMF変化が次々に本当に指されてしまっている。
矢倉は55角と打ってしまった。これは当家ではハローワーク手順に認定していたが矢倉は棋士を明日辞めるかもしれない。
三浦に至っては凄い。勝ち将棋を冗談変化にしてしまった。なんと端を手抜いたばかりか飛車を逃げている。
三浦がここまでアホだとわざとやっているようにしか見えない。中村以上の演出家は三浦。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲９四歩 ▽２四飛
▲４六角 ▽３四飛 ▲９三歩成 ▽同　香 ▲同香成 ▽同　桂
▲９四歩 ▽８四香 ▲９六飛 ▽８五桂 ▲同　桂 ▽同　香
▲９三歩成 ▽８七香成 ▲７九金 ▽投了

81手で先手の勝ち

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲９四歩 ▽２四飛
▲４六角 ▽３五金 ▲同　角 ▽２八飛成 ▲９三歩成 ▽同　香
▲同香成 ▽同　銀 ▲８三飛成
ここで82に何を打つかが三浦の趣味。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲９四歩 ▽２四飛
▲４六角 ▽２一飛 ▲９三歩成 ▽同　香 ▲８四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽投了

73手で先手の勝ち

先手：三浦+マシュダＡ
後手：深浦+マシュダＢ

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲９四歩 ▽同　歩
▲１六香 ▽２四飛 ▲２六歩 ▽３五金 ▲１七桂 ▽５三銀
▲２五歩 ▽同　桂 ▲３三角 ▽２三飛 ▲５五角成 ▽１七桂成
▲５四馬 ▽同　銀 ▲８四歩 ▽２八飛成 ▲８三歩成 ▽８五歩
▲同　飛 ▽６六桂 ▲投了

86手で後手の勝ち

どうやら三浦は当家に久しぶりに絶賛されて安心しきっている。
しかし先手には84歩からの角銀取り十字飛車変化がある。

三浦が山崎のように大ポカした漫画は以下
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲９四歩 ▽同　歩
▲１六香 ▽２四金 ▲８四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽投了

71手で先手の勝ち

先手番を握った矢倉得意の四間に神谷は18手め74歩で急戦。ヒフミンを慕ってB2まで追っかけた神谷らしい。
24=55歩。5筋位取り。矢倉がやけに早く決めた7手めの藤井シス15歩の1手分でなんとか先攻したい。矢倉の序盤は両刃なら有効だが四間しか指さないことを神谷に見切られている。恐らく途中で矢倉の気が変わって先手が居飛車で戦っても神谷は勝てる。だから四間しか指さないと言う棋士は序盤で損。
29=56歩。4thの仕掛けは損だが神谷が15歩を無視して2手もかけた55歩に働きかけないと先後が入れ替わった状態で硬直し千日手になってしまう。
30=64歩。55歩をGNにする逆行奇数番。
31=55歩。GN即時解消。
32=55同銀。連動手維持。
33=47金。46歩を死守しつつ58地点開放の双頭手で対抗。
34=65歩。もらった手番で継続手の駒アタリ奇数番1。
35=65同歩。駒アタリ奇数番1即時解消。1歩得。
36=86歩。継続手の駒アタリ奇数番1。
37=56銀。駒アタリ偶数番2。86歩同歩では65桂跳ねの連動手。同角は46銀捨て。
38=87歩成。56同銀は飛車先が閉塞したまま角交換が不満の神谷。
39=55角。これで先手は銀得。
40=55同角。銀損でも銀を浮かせてと金に期待。
41=55同銀。5筋が昼間の山手線となった。
42=78と。と金活用はいつでも気持ちよいシャワー。
43=48飛。角打のアタリを避ける四間特有の逃げ場。
44=89飛成。これで銀を桂馬と交換し龍まで作成して後手優勢。
45=45歩。美濃の陣形の貯金を頼りに逆転を狙う。この位は強烈。
46=22玉。角交換が22地点空間開放手であったことを二次利用。
47=44歩。3rdからの駒アタリ奇数番1。
48=44同歩。駒アタリ奇数番1即時解消。
49=44同銀。左銀の立身出世物語。
50=66角。早く出世すると大抵このような双頭手で先輩に叱られる。
51=42歩。55角ではまた55銀とハローワークに戻され手損の手数料分を損する。
52=31金。42同金はどうせ43歩と打たれる。
52手めまでで神谷猛攻から完勝体勢で夕食。奢ると深浦みたいに一発でズっこける。

三浦おめでとう。いいものを見せていただいた。
深浦の敗因は奢り。

63手めで夕食休憩。そこで64手め以後当家で先に作成した終局図

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２五金 ▲６五角 ▽同　角
▲同　桂 ▽２四金 ▲投了

68手で後手の勝ち

55=28金。逆行奇数番。
56=16歩。後手1歩得。
57=15歩。最後の1歩で逆行奇数番。16飛狙い。
58=35金。先手が1歩使ったので狙いの棒金。
59=86飛。連動手で逃げる。これで65角の逆転連動手第二展開形。
60=26歩。駒アタリ偶数番2。当然のようでも疑問。
61=26同歩。これで先手は歩損解消。
62=26同金。歩得を目指して当然に見えるが逆転のチャンスを与える。
63=24歩。同飛は35角。もう1歩有れば23歩と叩いて先手の大逆転。

三浦が圧勝と思って呑気に指していると以下のように後手は簡単に負けてしまう。

三浦のいつものポカを漫画にした場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽１六歩 ▲１五歩 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩
▲同　歩 ▽同　金 ▲２四歩 ▽２七金 ▲同　金 ▽同角成
▲２三金 ▽２一飛 ▲３二角 ▽７一飛 ▲２二金 ▽１五香
▲２三歩成 ▽２五桂 ▲２一角成 ▽同　飛 ▲同　金 ▽１七歩成
▲１二飛 ▽４九角 ▲６九玉 ▽４五馬 ▲１五飛成 ▽５八金
▲７九玉 ▽４八金 ▲２五龍 ▽５四馬 ▲３二と ▽５三銀
▲２二龍 ▽６一玉 ▲８五香 ▽７二銀 ▲３一龍 ▽５二玉
▲４一龍 ▽投了
97手で先手の勝ち

最強ペンタゴンホルン54角を一挙に破壊する手は65角打。同角なら65同桂が連動手となり中盤の逆行相転化手がすべて元の攻撃手に一瞬で戻り、切り札77桂が連動手として華々しく君臨。これで序盤からのすべて意味が連鎖しドラマは終焉へ向かう。しかし65桂が即時殺される三日天下であれば先手は負ける。
65角打は最後の聖戦。44飛車切り敢行前に金を逃げられると先手が負ける。

ペンタゴンホルン54角の威力でこれは同歩と取れない。
取ればNo: 6029変化中26歩の時に18歩と打たれて香車が死ぬ。そこでこの15歩には18歩を阻止するために残念ながら放置で攻めあうか28金で逆行奇数番を取るしかない。44飛車切り変化が三浦に見切られたため28金で我慢するのが深浦。端でなんとか駒を入手し44飛切り変化に色を添える以外に勝機はない。
三浦にはこの15歩ばかりか94歩や75歩の権利も掌握している。深浦が指した端の3手と抑え込みにかかった75歩打まですべてペンタゴンホルン54角のみで緩手に逆行相転化してしまった。

ここですぐに35金から26歩とガジガジ行くと24歩から35角打で先手に逆転される。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲６八銀 ▽１五歩
▲２八金 ▽３五金 ▲８六飛 ▽２六歩 ▲同　歩 ▽同　金
▲２四歩 ▽同　飛 ▲３五角 ▽投了

63手で先手の勝ち

三浦は飛車を切れと深浦を恫喝した。No: 6027の変化で ▽５二玉と後手が逃げれば先手は勝つが、▽５三玉ならば下記変化で後手が勝つ。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲４四飛 ▽同　歩
▲２三金 ▽２一飛 ▲３二角 ▽同　角 ▲同　金 ▽７一飛
▲３四角 ▽４三角 ▲２三角成 ▽４五桂 ▲４二金 ▽同　玉
▲３四銀 ▽７六角 ▲３三馬 ▽５三玉 ▲４五銀 ▽同　歩
▲６五桂打 ▽６四玉 ▲４四馬 ▽５二金打 ▲投了

76手で後手の勝ち

上記変化で明かなように54角は65桂跳ねを阻止している。三頭角からペンタゴンホルンへの華麗な転身。
そこで深浦は飛車が切れずに68銀。苦しい証拠。
なぜ三浦にペンタゴンホルンを許したのか？
それは69銀が奢りから発生した緩手だったため。もともと69銀が緩手だった為にこの68銀は仕方なく連動手にしたと見る以外にない。すでに逆転されたがすぐには負けないという後ろ向きな手。しかし飛車切りから再逆転はいつでも発生する。

以下の展開は後手負け

飛車切り変化1

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽８八角成 ▲同　銀 ▽７六飛
▲７七桂 ▽３三金 ▲８四飛 ▽８二歩 ▲５八玉 ▽２六飛
▲２八歩 ▽５二玉 ▲３八金 ▽７二金 ▲２七歩 ▽８三歩
▲５四飛 ▽２二飛 ▲５六飛 ▽４二銀 ▲９六歩 ▽４四金
▲９五歩 ▽３三桂 ▲２六飛 ▽２五歩 ▲８六飛 ▽８二銀
▲７五歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲７九銀 ▽１四歩
▲１六歩 ▽５四角 ▲４六飛 ▽６二金 ▲４四飛 ▽同　歩
▲２三金 ▽２一飛 ▲３二角 ▽同　角 ▲同　金 ▽７一飛
▲３四角 ▽４三角 ▲２三角成 ▽４五桂 ▲４二金 ▽同　玉
▲３四銀 ▽７六角 ▲３三馬 ▽５二玉 ▲４四馬 ▽５七桂成
▲同　銀 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５七歩 ▲同　玉 ▽５九飛
▲４六玉 ▽２九飛成 ▲５四桂 ▽投了

81手で先手の勝ち

第二部後半「相転化2」では19手めの77桂が連動手になるのか不明であった。後手は逆にこの桂を狙えば逆転できる。すべては後手が負債を背負ったまま局面を誘導し、この77桂馬を巡って進行する。

第三部　相停滞
27=38金。ブランコ12前進
28=72金。ブランコ12後進
29=27歩。ブランコ13前進　駒アタリ奇数番1
30=83歩。ブランコ13後進　駒アタリ偶数番2X
ここで飛車を取り合うと先手に有効な継続手がないため、駒台仮想番に後手の選択肢を増やしてしまう。
31=54飛。駒アタリ偶数番2のトリトヌス地点への換算。珍しい飛車のスライド運動。深浦の見せ場。
この地点で飛車を取り合うと65桂で53地点への王手による駒打ち込みが可能。現在停滞した77桂が連動手に逆行相転化しては後手負けなので取れない。
32=22飛。駒アタリ奇数番1逆行　相手の手を強制する双頭手。
33=56飛。駒アタリ奇数番1逆行解消。55飛は角や金で狙撃される。
34=42銀。65桂と角打ち連動手を未然に阻止。
35=96歩。角打双頭手を実現させる端攻め。
36=44金。96歩を緩手にすれば均衡を戻せる。飛車の動きを牽制しつつ桂跳ね空間作成の双頭手として見る。
37=95歩。96歩を緩手にしては逆転される。初志貫徹の連動手。
38=33桂。三浦の勝負手。ここで77桂のブランコ後進を選択したのは9筋の2手が緩手になれば逆転できるため。
39=26飛。危険を察した深浦。33桂の弱点は21地点が開放したこと。
40=25歩。飛車交換できない為手番維持のために1歩再投資。これで歩の貯金は1枚のみ。
41=86飛。ただ逃げたのでは負け。これは連動手。94歩からの攻め。
42=82銀。ここで受けるのはつらい。後手劣勢。三浦ついに息切れ。
43=75歩。64角打と74歩を同時に阻止する双頭手。深浦優勢。
44=54歩。負け自認の最後の勝負手。
45=48銀。54歩さえ緩手にしようとする勝利宣言。
46=55歩。三浦は行くしかない。
47=79銀。緩手。勝ちと思っているので何もさせない魂胆。
48=14歩。54角打に期待。
49=16歩。疑問。このブランコ後進は疑問でも他に手がない深浦。68銀は89飛の攻めあいを後手に許してしまう為飛車交換しにくい。26歩には同飛と応じたい。同歩では16歩-同歩-18歩で逆転。この緩手で15歩の権利は後手に。

第四部　相転換
50=54角。トリプル手。
　1=即時94歩からの香頭攻めを示唆
　2=即時75歩からの桂頭攻めを示唆
　3=即時14歩からの香頭攻めを示唆
即ちこのトリプル手で端の権利はすべて奪われ先手は3手損したことになる。これで後手の負債は一挙に解消し逆転に成功。後手優勢。
この角は54地点の傷を空間閉塞手として消す効果もある他、深浦の最終切り札65桂をも阻止。
51=46飛。逆転に気がついた深浦の勝負手。飛車切りで金を取り23金打から34角打の王手飛車を狙う縁台将棋で盛り上げたい。後手は79銀保留で飛車打ちにしばらく耐えられるので先手の攻めが続くとの判断。

三浦が相横歩取りを見せている。顎が外れるほど驚く。
しかもA級順戦で深浦が相手。三浦は大変な変貌ぶり。
選択の動機は大きくわけてふたつ。
美学的問題=先後のシンメトリカルな指し手がどこで変換するか。
技術的問題=相横歩取りで先手若干有利の結論は中座飛車でも同じ。
三浦の情熱に笑いを殺し、当家も初めて相横歩取りを分析してみた。

第一部相転移　4つのブランコ運動1
01=76歩。ブランコ1前進
02=34歩。ブランコ1後進+駒アタリ予備X
03=26歩。ブランコ2前進
04=84歩。ブランコ2後進
05=25歩。ブランコ3前進+駒アタリ予備1
06=85歩。ブランコ3後進+駒アタリ予備2
07=78金。ブランコ4前進
08=32金。ブランコ4後進
分析=2手めに角交換の将来の可能性発生。Xと表記。相転移ではX以外の駒アタリが発生しない。Xは逆行相を内包するため最重要キー。

第二部前半　相転化1　4つのブランコ運動2
09=24歩。ブランコ5前進+駒アタリ奇数番1新規
10=24歩。ブランコ6前進+駒アタリ奇数番1解消　1歩獲得
11=24飛。ブランコ7前進+駒アタリ奇数番1連動　1歩獲得
12=86歩。ブランコ5後進+駒アタリ偶数番2新規
13=86歩。ブランコ6後進+駒アタリ偶数番2解消　1歩獲得=2
14=86飛。ブランコ7後進+駒アタリ偶数番2連動　1歩獲得=2
15=34飛。ブランコ8前進+駒アタリ偶数番2連動X 1歩獲得=3
16=88角。ブランコ終了1+駒アタリ偶数番2連動　角入手　手損
17=88銀。ブランコ終了2+駒アタリ奇数番1連動　角入手　手得
18=76飛。ブランコ8後進+駒アタリ奇数番1連動　1歩獲得=3
分析=飛車先の歩を同飛と取ることにより双方の角筋開放手の歩が連動駒アタリ偶数番となる。特異点は15手め。これが逆行奇数番にならずに連動偶数番となるのは第一部相転移で発生したXが加算されるため。先手から22角成とすれば勝ちになる為、角交換原理の先手の手損デメリットはその場合のみゲームオーバーで清算される仕組み。だから後手は22角成を阻止しないといけない。15手めまでは横歩取り共通の構造。以下は相横歩取りの変化。
18手めで後手が駒アタリ奇数番1連動手を獲得できたのは78金が浮き駒のため。これが角交換原理の手損デメリットを換算する後手の主張。互いに3歩持ちあった直後に後手は手損をここで手番に換算できる。これがゲームオーバーとならずに相横歩取りでも試合が続行される理由。後手が負債を清算できるか破産するかは定かではない。
後手の戦略はふたつ。
1=換算した手番で局面を誘導。後手は手損で手番を買った。
2=誘導する局面で連動手を作成して手損を解消。
連動手がひとつ多ければ均衡。ふたつ多ければ逆転。

第二部後半　相転化2 　3つのブランコ運動1
19=77桂。駒アタリ奇数番1連動解消 桂馬の連動手となるか未定
20=33金。駒アタリ奇数番1新規作成　24手めの王手飛車解消連動手
21=84飛。ブランコ9前進　駒アタリ奇数番1連動
22=82歩。ブランコ10前進　駒アタリ奇数番1連動解消 1歩連動投資
23=58玉。ブランコ11前進　後手からの75角打ちの駒台仮想番消去
24=26飛。ブランコ9後進　駒アタリ奇数番1新規作成
25=28歩。ブランコ10後進　駒アタリ奇数番1即時解消 1歩投資投資
26=52玉。ブランコ11後進　後手からの35角打ちの駒台仮想番消去
分析=後手が負債を背負ったまま宙吊りの状態。
以下は対局者同士の意思が反映される相停滞領域。