追悼原田泰夫 原田5th讃歌 在りし日の王将戦
1973.11.11王将戦大山康晴VS原田泰夫 対中飛車棒銀 原田5thX3
第一部 中飛車GN作成
第二部 原田の絶妙手94歩 ブランコ前進
第三部 最強原田の5thの仕掛けから銀の泡踊り
第四部 3回目の5th駒アタリ奇数番1 不沈戦艦大山撃沈

分析マシュダ一家

追悼原田泰夫 原田5th讃歌 在りし日の王将戦 No: 5859 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/07/12 Mon 11:46:38

追悼原田泰夫 原田5th讃歌

日時:1973/11/11(日)
棋戦:王将戦
戦形:対中飛車棒銀 原田5thX3
先手:大山康晴
後手:原田泰夫

▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲5五歩 △6二銀 ▲6八銀 △4二玉 ▲5八飛 △3二玉
▲4八玉 △4二銀 ▲6六歩 △7四歩 ▲6七銀 △7三銀
▲3八玉 △5二金右 ▲2八玉 △4四歩 ▲3八銀 △4三銀
▲4六歩 △9四歩 ▲9六歩 △7五歩 ▲同 歩 △6四銀
▲6五歩 △7五銀 ▲5六飛 △8六歩 ▲同 歩 △6四歩
▲同 歩 △同 銀 ▲6六飛 △6五歩 ▲7六飛 △7五歩
▲5六飛 △3三角 ▲1六歩 △1四歩 ▲3六歩 △4二金直
▲3七桂 △6三金 ▲5八金左 △5四歩 ▲同 歩 △同 銀
▲5五歩 △6六歩 ▲5四歩 △6七歩成 ▲同 金 △5五歩
▲5九飛 △5四金 ▲6六金 △3五歩 ▲6五歩 △7六歩
▲8八角 △3六歩 ▲6四歩 △8六飛 ▲9七角 △8七飛成
▲5七歩 △2四角 ▲6三歩成 △8六歩 ▲3五歩 △同 角
▲8八歩 △7八龍 ▲6七銀 △3七歩成 ▲同 玉 △4六角
▲同 玉 △4五金 ▲3七玉 △2五桂
まで88手で後手の勝ち


第一部 中飛車GN作成
3=56歩。この1手により後手の指し手を促す。王者大山の風格。
4=85歩。駒アタリ予備1作成。位取り1。
5=77角。駒アタリ奇数番1阻止。
6=34歩。駒アタリ奇数番1作成。
7=55歩。駒アタリ奇数番1阻止。位取り2。
先手が意欲的に見えるが、56歩以後後手原田がこの局面に誘導。
8=62銀。待機1。後手が主導権を主張したはずが、ここで待機は緩手。位取り3ならば35歩(34歩を単なる空間開放手ではなく位取り連動手とする為に双頭手へ逆行相転化させる最強手順)。
9=68銀。この交換は先手大山有利。この銀は55最強の位に作用する為。
10=42玉。待機1を緩手とすれば緩手2。62銀に意味を与えるなら64歩。
11=58飛。これで後手の強制手がすべて反転し主導権は先手に。
12=32玉。54歩には42銀連動手で受ける用意。22角成には同玉。

第二部 原田の絶妙手94歩 ブランコ前進
13=48玉。先手大山はとっくにGN作成終了。従って第2舞台は玉移動。
14=42銀。原田の双頭手。現在の連盟棋士は穴熊放棄の悪手扱いであろう。
15=66歩!強烈。65歩の位取りを見せる。
16=74歩!百戦錬磨の魔王大山相手に迫真の駒アタリ奇数番予備3。
17=67銀。ここで65歩の位取り3は4thの為危険。
18=73銀。原田の最強応手。これで緩手1解消。
19=38玉。絶妙のタイミング。後手32玉より有利。
20=52金。疑問。73銀の方向と逆。原田が大山二枚腰をからかう。
21=28玉。さすがの王者もここで初めて自重。
22=44歩。73銀を65歩への抑制手とし、ここで位取り示唆かつ54地点補強をみせる原田の二枚腰2。
23=38銀。王者らしく堂々と美濃完成。
24=43銀。45歩&35歩の位取り3を示す。
25=46歩。45歩の方を阻止。
26=94歩!絶妙手。原田の二枚腰3。ブランコ前進。ここで35歩の位取り3は5th作成の為に先手に攻められる。読売と朝日は昨日の原田訃報記事に訂正文を出すべき。あのバカどもはこともあろうに「原田は玉損の攻め」などと書いている。毎日はそんなこと絶対に書かない。原田の絶妙手とはこの94歩。
27=96歩。何も知らずにブランコ後進で5th作成してしまった大山。

第三部 最強原田の5thの仕掛けから銀の泡踊り
28=75歩!5thからの駒アタリ奇数番1。これが原田の5thの仕掛け。
29=75同歩。駒アタリ奇数番1即時解消で1歩得したつもりの大山。
30=64歩。連動駒アタリ奇数番1。原田絶好調。
31=65歩!逆行駒アタリ奇数番1の返し技で双頭の空間開放実現。74歩などとしない。しかもこれはトリプル手。恐ろしい達人。
32=75銀。原田は行くのみ。これで歩損解消。
33=56飛。86歩阻止。これが65歩空間開放手の意味1。
34=85歩!それでも行く。これが5thからの駒アタリ奇数番1part2であることに活路を見いだす。トリプル手をそのまま認めては敗勢という鬼の勝負勘。
35=85同歩。当然。再度1歩得。持ち駒2枚に。大山は勝ちを意識。
36=64歩。掟破りの原田迫真の絶妙手2。76歩は銀がソッポでハマリ。
37=64同歩。持ち歩3枚で必勝気分の大山。
38=64同銀。銀の泡踊り大成功。

第四部 3回目の5th駒アタリ奇数番1 不沈戦艦大山撃沈
39=66飛。次に桂まで使われてはたまらない。
40=65歩。総大将で駒アタリ奇数番1を作成されたら素直に応じる。
41=76飛。得意のイビリ殺し。
42=75歩。暴れる大将には財布を空にしてなだめるのみ。
43=56飛。後手に2歩使わせて楽勝気分で凱旋。
44=33角。絶妙手94歩へ連動する双頭手。
45=16歩。緩手。大山教則本を信用してはダメ。
46=14歩。このブランコ後進は後手有利。33角効果。
47=36歩。大山はいつの間にか自分が不利になっていると気がついた。
即ち1歩得して後手に2歩打たせたはずが、どの歩も後手の強靭な位となっている。対して先手の攻撃体勢が皆無。角まで出陣しては敗勢となる。そこで5thの攻撃手を作成。原田5thの後追い。
48=42金。名人のような指し回し。谷川ならこう指す。
49=37桂。大山の勝負手。
50=63金!双頭手。すでに5thの臨戦体勢の為即時5筋逆襲可能。
51=58金。勝負手後の大山二枚腰。これは実は腰砕け。
52=54歩!原田3回目の5th駒アタリ奇数番1ゲット。後手優勢。
以下角捨ての猛攻で不沈戦艦大山を撃沈。


原田泰夫九段逝去 No: 5858 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/07/11 Sun 18:01:38

原田泰夫九段
7月11日午前3時48分、間質性肺炎のため逝去。享年81歳
黙祷。

原田泰夫は全ての駒を愛した。
プラスチックの駒さえ愛した。
ひとつも欠けては指せないと。

座右の銘は「正々堂々」

原田泰夫九段
■生年月日 1923年3月1日
■出身地 新潟県分水町
■師匠(故)加藤治郎名誉九段
■順位戦−A級10期
■優勝履歴 NHK杯戦1回(第6回-1956年度)他優勝合計3回 
■将棋大賞
第1回(1973年度) 敢闘賞
第9回(1981年度) 東京将棋記者会賞 
■表彰
1982年 藍綬褒章
1996年 勲四等旭日小綬章