2004.06.18 B2順位戦 加藤一二三VS杉本
対四間棒銀分析 全5部作

2004.06.19分析 マシュダ一家

第1部 相転移から相転化 逆行換算手1-3と奇数番相転化手1-3へ
第2部 自動駒アタリ奇数番換算手 ベートーヴェンの情熱
第3部 相停滞領域1 将棋というゲームの本質抽出「芸術から勝負に」
第3部 相停滞領域2「穏やかな死を望んだ日本」と「玉を詰ます遊戯」
第3部 相停滞領域3 後手が垂らす悪魔の誘惑 禁欲=歩損と歩得
第4部 相転換への道筋1 命を惜しまない場合
第4部 相転換への道筋2 死臭漂う人間劇場
第4部 相転換への道筋3 相停滞領域の曖昧化 将棋世界2004年7月号の表紙
第4部 相転換への道筋4 大長考のふたつの理由
第4部 相転換への道筋5 三回目の複層構造1-2-3
第5部 最終盤 デュアルペガサスで先手陣強化


第5部 最終盤 デュアルペガサスで先手陣強化 No: 5669 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 19:47:26

85手めの局面は明解に先手が駒得している。四間党は相手の駒得など当たり前と考える。その根拠は自陣の美濃が固いと言うこと。ところがヒフミンの本家取りデュアルペガサスで先手陣は強化された。だからこの局面を先手優勢と素直に考える。問題はここまで作成するのにヒフミンは時間を使ってしまったこと。だから棋士を評価する時には結果だけをみては面白くない。大山はあれだけ勝ってもいまだに心底大好きと言っている棋士は藤井しかいない。
86=56飛。自分のオハコを奪われて杉本は内心穏やかではない。猪八戒に金そう棒を奪われた孫悟空の怒りでもここまで動揺しない56飛。49飛とは打てない。ならば自分で作成した偶数番解消。これで歩切れ解消となぐさめるだけの手しか残ってなかった。次に先手にウマイ手があれば負ける。
87=57歩打。二度目の57歩。もう一回出ればこれも1-2-3のトリトヌス三部作だがそれは有り得ないために構造上中途半端な数字。ここは駒アタリ奇数番3を先手が取れる局面。やけに沢山ある。左から95歩、86歩、47角、47銀、そして手駒を使うなら本譜の57歩や金打。47角はヒフミンデザイン3。86歩は香車を吊上げて88歩と打つ為の相手に渡す駒アタリ奇数番。3筋のGNが先手の利権のためにこのように選択肢が多い。
88=46飛。これでも明解な駒アタリ偶数番2の状態。
89=34歩。アブナイ誘い。自らGN解消は大抵危険。
90=87香成。かねてからの狙い筋。
91=87同玉。必然。
96=88飛。この手を見て初めて後手勝勢と確信する四間党は大成しない。
97=77玉。香車2枚損して後手は飛車一枚で攻めているだけなので玉自らナマ飛車に当てる。こんな所は後手の無理攻めと相場は決まっているので慌てない。
98=89飛成。これで香車2枚と桂馬一枚の取り引き+龍。この龍は村上龍並に鈍臭い。この形は先手玉が危険地帯から脱出してひとめ先手必勝。
99=88香。すでに先手勝ちをみせつけたのであとは遊ぶ。即ち駒の換算というゲームから敵玉を寄せるという将棋に同期。それを強いたのが杉本の無理攻めなのでその心意気を大先輩らしく買ったと読む。
105=87香打。すでに互いに寄せあおうという愛情を確認済なので行く。なり振り構わず勝ち星を重ねるよりウナギを重ねた方がマシとヒフミンの指し手は言う。
106=97角打ち。詰めよ逃れの詰めよ。
107=78金寄り。88龍+55桂の詰めよを消すだけの手。
以下の変化は打歩詰めの禁じ手がある為に先手負け。連盟の子供教室では打歩詰めがないと教えるために先手勝ちとする。
▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲7六歩 ▽4四歩
▲4八銀 ▽3二銀 ▲5六歩 ▽4二飛 ▲6八玉 ▽6二玉
▲7八玉 ▽7二玉 ▲6八銀 ▽8二玉 ▲5八金右 ▽4三銀
▲3六歩 ▽7二銀 ▲5七銀左 ▽1二香 ▲9六歩 ▽9四歩
▲3七銀 ▽3二飛 ▲2六銀 ▽5四歩 ▲4六歩 ▽1四歩
▲6八金直 ▽5二金左 ▲3五歩 ▽4二角 ▲3八飛 ▽5三角
▲1六歩 ▽4二金 ▲3四歩 ▽同 銀 ▲3五歩 ▽4三銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲同 香 ▽同 香 ▲2四歩 ▽同 歩
▲1五銀 ▽1二飛 ▲1四歩 ▽3三金 ▲2八飛 ▽4二角
▲2七香 ▽8四香 ▲6六角 ▽3六歩 ▲4八銀 ▽2三金
▲1八飛 ▽5五歩 ▲同 歩 ▽6四角 ▲2四香 ▽同 金
▲同 銀 ▽5二飛 ▲1三歩成 ▽5五角 ▲5七歩 ▽3七歩成
▲同 銀 ▽6六角 ▲同 歩 ▽5六歩 ▲同 歩 ▽1七歩
▲4八飛 ▽3九角 ▲2五角 ▽4八角成 ▲同 銀 ▽3四歩
▲1六角打 ▽5六飛 ▲5七歩 ▽4六飛 ▲3四歩 ▽8七香成
▲同 玉 ▽8四香 ▲8六歩 ▽同 香 ▲同 玉 ▽8八飛
▲7七玉 ▽8九飛成 ▲8八香 ▽9九龍 ▲3三歩成 ▽7四香
▲4三角成 ▽1六飛 ▲8七香打 ▽9七角 ▲8三香成 ▽同 銀
▲同香成 ▽同 玉 ▲6一馬 ▽7二桂 ▲同 馬 ▽同 玉
▲8四桂 ▽8三玉 ▲7二銀 ▽8四玉 ▲8三金 ▽8五玉
▲8四金打 ▽9六玉 ▲8七銀 ▽9五玉 ▲9六歩
125手で先手の負け

連盟将棋では先手がこの▲9六歩を指した瞬間に反則負けであるが2歩打つよりまとも。手順中なぜヒフミンは16馬と飛車を取り脱出路を確保しないのかと怒っても始まらない。最初から取る気などない。
108=52歩。これもただ受けるだけの手。
このようなことはよくある。杉本の責任。あとの「こースレバよかった」というお決まりの最終盤解説は三浦にも興味ないであろう。この棋譜が語ることは全く別の地点にある為。


第4部 相転換効果への道筋5 三回目の複層構造1-2-3 No: 5667 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 19:21:49

62=55歩。これが後手が手にした駒アタリ奇数番3であるべき地点。ところが直前の18飛によりこれは駒アタリ奇数番1。3なら後手必勝だが1なので形勢不明。明らかなことはここに至り初めて後手が主導権を握る局面が発生したこと。実に62手めまで待った辛抱であった。
63=55同歩。これが人間の故意の妥協。ヒフミンはあることがしたいためにこの緩手を選択したと当家は読む。駒アタリ奇数番に対抗するために歩損主張を取り消し、歩切れ解消のボーナスポイントで対抗しただけではないということ。それだけの理由ならば当家は55同歩などではなくマシュダ一家理論通り奇数番換算手を選択する。
64=64角。1-2筋を制圧されたのでここしか争点が作成できない。これは一見飛車道開通の空間開放手ともなる双頭手。ところが角移動により24地点が自動駒アタリ奇数番1となっている。これが単なる双頭手ならば後手優勢だが、この先手に有利な逆行奇数番を後手の指し手で先手に与えた為に双頭手とは言えない。
65=24香。杉本の展開はひとめなので52飛と回られる前に清算。自動駒アタリ奇数番1をもらった先手の権利は金香交換の駒得を保証している。
68=52飛。後手駒アタリ奇数番1第二展開。
69=13歩成。奇数番1逆行換算手1。34歩の突き出しで33歩成を見せる場合、34歩自体が駒アタリ偶数番2と見る。
70=55角。駒アタリ奇数番1解消により角交換デザイン浮上。ヒフミンはこの角交換を自ら誘った。
71=57歩。奇数番1逆行換算手2。
72=37歩成。駒アタリ偶数番2。杉本の仕掛けは自爆にされた。
73=37同銀。これで歩損解消。金香換えの駒得+と金で先手優勢。
74=56歩。後手はすでに駒アタリ奇数番1を連動させないと負ける。
78=17歩。56歩同様駒アタリ奇数番1。
79=48飛。同飛は39角が双頭手。優勢維持の為に逃げるのは当然。
80=39角。これも当然。飛車が逃げれば66角成で逆転。
81=25角打。大長考で描いたヒフミンデザイン1。これがやりたいために34歩とはしなかった。従って13歩成は緩手ではなく相停滞手。
82=48角成。角を飛車に換算。
83=同銀。ここに至り歩成阻止に銀を下がった運動が1-2-3となり先手の構造が見事な収束を奏でる。素晴らしい。当家の荒御霊のようにあのずうずうしい36歩を強引に金で取りに行けばこのような複層構造にはならなかった。
84=34歩。駒アタリ偶数番2の空間閉塞手。しかも歩切れとなった為に泣きっ面にハチ。
85=16角打。ヒフミンデザイン2。全棋士が唖然とした角打。当家も昨晩コレを見て顎が外れた。もし87香成から同玉に27飛打の王手角取りなら杉本は34歩など打たずにすぐに実行。しかし37桂と連動手で王手角取りが阻止できる為27飛はない。この角打は27飛を阻止したのではなく49-38-27地点をみっつ一挙に阻止。先手の優勢を維持するために自陣を強化するのが第1思考。それをどのようにデザインするかであるが「ヒフミンデザイン2」は角に角のヒモをつける杉本得意のデュアルペガサスの本家取りをした。これは偶然の産物ではなく明解な読みの帰結。その意思とは「本家取りの構図」。そして我々が感動を受けるのはあのみっつの大フーガ複層構造1-2-3がここで攻防手の守備陣強化の1-2-3として光を後方に与えていること。小フーガの均等縮小形をここに聞く。
ここに至り教皇自らB2くんだりまで十字軍覇者として下野した意味も再構築される。教皇には勝敗などどうでもよい。美的デザインとはどのように構築するのか教皇は身をもってB2に教えに来たと当家は読む。


第4部 相転換への道筋4 大長考のふたつの理由 No: 5666 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 19:14:37

なぜヒフミンは昨晩大長考したか?
理由1は第6手めに杉本が角道を止めたからである。信じられないであろうがそれが当家の分析の帰結。そうでないと3手めの25歩が説明できない。まずそれを実証する。
杉本は68手めに駒得をするために14龍とする可能性があった。

▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲7六歩 ▽4四歩
▲4八銀 ▽3二銀 ▲5六歩 ▽4二飛 ▲6八玉 ▽6二玉
▲7八玉 ▽7二玉 ▲6八銀 ▽8二玉 ▲5八金右 ▽4三銀
▲3六歩 ▽7二銀 ▲5七銀左 ▽1二香 ▲9六歩 ▽9四歩
▲3七銀 ▽3二飛 ▲2六銀 ▽5四歩 ▲4六歩 ▽1四歩
▲6八金直 ▽5二金左 ▲3五歩 ▽4二角 ▲3八飛 ▽5三角
▲1六歩 ▽4二金 ▲3四歩 ▽同 銀 ▲3五歩 ▽4三銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲同 香 ▽同 香 ▲2四歩 ▽同 歩
▲1五銀 ▽1二飛 ▲1四歩 ▽3三金 ▲2八飛 ▽4二角
▲2七香 ▽8四香 ▲6六角 ▽3六歩 ▲4八銀 ▽2三金
▲2四香 ▽同 金 ▲1三歩成 ▽同 飛 ▲2四銀 ▽1九飛成
▲2六飛 ▽1四龍 ▲1五金

14龍変化の幻影の帰結は15金打。
連盟棋士はこの地点に金を打つことを嫌う。タカミチがソレでさんざんバカにされた。しかしタカミチがA級に今年復帰できたのは15地点に金を打つ「なり振り構わない」毒手を指せるようになった為と当家は分析した。昨年の王座戦で渡辺明の73歩を絶賛したのも当家のみ。これらの手は「なり振り構わない手」ではなく盤面全てを見た正当な試算表から来た精緻な計算結果と当家は見ている。
では杉本にとって14龍と下がる手はなんであるのか?
連盟棋士にはひとめこの自陣龍が「後手四間のイビリ殺し手順」に見えるはず。加藤一二三の長考はまずこの疑念から始まっている。しかもそれは大山の幻影などではなく杉本の6手めにある。加藤一二三がわざわざ3手め25歩で向い飛車急戦でコイと言っているのに杉本は22飛変化を一方的に避けた。杉本は「先人の遺産による四間」しか指さないという明解な腰抜けぶり。先人が造形した四間の歴史とはこの後手の粘りの歴史であった。「後手四間は粘る」ことが「普通の四間」。大山が若いヒフミンを故意にイビリ殺したことなど関係ない。指し手が全て語っていること。そして後手の明解な解答は58手めの36歩にあり、これを金で取りに行かなかった時点で先手も14龍変化の疑念は解消すべきであった。ヒフミンはこの大長考の前半で36歩の意図の全容を確認したはずである。

さらに続く。ヒフミンの大長考の中味はそんなに生やさしいものではない。この36歩の仕掛けをここですべて見破った教皇は素直に杉本の応酬に感動している。そこで杉本の渾身の仕掛けにエールを贈ろうと考えたはずである。
杉本と言えばデュアルペガサス。2枚角を駆使した華麗な攻防戦が杉本の秘技。朝日OPがその白眉。これを本家取りできる順はないものか?
それが大長考で唸っているうちに「あるインスピレーション」が沸いてきた。その可能性の為に忍耐した18飛。これは飛車を角と交換しても良いという裏づけを確認しないと指せない手。 そもそも「斬新なデザイン」など考えて出てくるものではない。ある瞬間にパッと閃く。大抵リラックスしている時に突然空から落ちてくる。


第4部 相転換への道筋3 死臭漂う人間劇場 No: 5663 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 18:40:06

61=18飛。14金阻止。2歩損は負け。 加藤一二三はなぜこの「普通の手」を指すのに大長考したか?
加藤一二三の代名詞「大長考」はすでに連盟内で病気扱いにされ、何度もその理由が御用ライターによって喧伝されてきた。それは加藤一二三が大山に名人戦で初挑戦した時に遡る。負けが確定した局面でなぶり殺すような迂回手順を大山に故意に指されてヤングヒフミンがオカシクなったというもの。大山によって加藤一二三の若い精神構造が破壊されたといういかにも人間臭いエピソード。このようなモノは当家では分析とは決して言わない。むしろこのようなことを訳知り顔で喧伝する者を人の精神をオモチャにするクソ野郎と断定する。ソレはただの死臭漂う人間劇場。週間芸能誌が扱うような思考法。 その証拠に彼らはこの名人戦の翌年はA級から加藤一二三が陥落し再度名人に挑戦するのに13年かかったと述べるのがお決まり。もう聞き飽きた。それでは「結果がすべて」としか言えない棋士と大差ない。棋士が負けるのは実力と羽生のようにハッキリ認めるべき。ヒフミンが何をしたか、そして今何を見せているか正視しろ。


第4部 相転換への道筋2
相停滞領域の曖昧化 将棋世界2004年7月号の表紙
 
No: 5662 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 18:28:36

相転換効果とは将棋世界2004年7月号の表紙と同じ手法。棋士は駒で「読みを指す」が、この表紙写真では「駒に画鋲を刺す」。愛棋家と駒職人組合からは連盟にクレームの嵐であった。連盟の広報責任者米長が公言した弁解は「ナニしても売れれば良い。数字がすべて」。これは勝ち星がすべてと考える連盟棋士の思考形態と同じ。羽生の常套句「結果をだせてよかった」も同じ思考法。当家はこんなモノみても今さらとしか思わない。連盟棋士は振り駒と言う悪習で歩を放り投げる行為を延々と続けているため。もともと彼らは駒など汚すための道具と思っている。谷川など駒を齧ったことが美談とされた程。
米国の弁解法はこの相転換効果を導いた相停滞領域の曖昧化。これは連盟棋士が「企業秘密」などと言う台詞と全く同じ。彼らにはもともと「企業秘密」などと言う大層なモノはない。これはマシュダ一家理論に基づく2年がかりの壮大な実験サイト「マシュダ一家」で実証された。将棋連盟は自分達でも不明な領域を「自転車操業の勝ち星」のみで神聖化してきた。「勝ち星」のみで国益を正当化した国の構図とパラレル。


第4部 相転換への道筋1 命を惜しまない場合 No: 5661 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 18:19:06

加藤一二三は夕食休憩を挟むこの61手めの大長考で全国のヒフミンファンをハラハラさせた。ここは行くか引くかの分岐点。行くなら初志貫徹の24香。しかし以下の変化とその分岐で相転換しかない。

24香の特攻変化
▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲7六歩 ▽4四歩
▲4八銀 ▽3二銀 ▲5六歩 ▽4二飛 ▲6八玉 ▽6二玉
▲7八玉 ▽7二玉 ▲6八銀 ▽8二玉 ▲5八金右 ▽4三銀
▲3六歩 ▽7二銀 ▲5七銀左 ▽1二香 ▲9六歩 ▽9四歩
▲3七銀 ▽3二飛 ▲2六銀 ▽5四歩 ▲4六歩 ▽1四歩
▲6八金直 ▽5二金左 ▲3五歩 ▽4二角 ▲3八飛 ▽5三角
▲1六歩 ▽4二金 ▲3四歩 ▽同 銀 ▲3五歩 ▽4三銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲同 香 ▽同 香 ▲2四歩 ▽同 歩
▲1五銀 ▽1二飛 ▲1四歩 ▽3三金 ▲2八飛 ▽4二角
▲2七香 ▽8四香 ▲6六角 ▽3六歩 ▲4八銀 ▽2三金
▲2四香 ▽同 金 ▲1三歩成 ▽同 飛 ▲2四銀 ▽1九飛成
▲2六飛 ▽3七歩成 ▲同 銀 ▽2二香 ▲2三歩 ▽同 香
▲同銀成 ▽1五角 ▲2五飛 ▽3七角成 ▲同 桂 ▽8七香成
▲同 玉 ▽8九龍 ▲8八香 ▽7四桂 ▲投了
82手で後手の勝ち

上記変化では後手の58手36歩が先に1歩得した歩を成捨てで先手に返すことによってどんどん駒損して行くが84香の仕掛けから相転換に突入。すでに駒の損得の折衝は無意味となり死ぬか生きるかと言う領域。
従って24香を決断する意思は宗教戦争に近い。己の神を死守するために命を惜しまない場合は一般理論が通用しない。マンハッタンテロが典型。そこには権益拡大の為に商談による合理的な順番を諦め、命を捨てた破壊に焦点を当てる。これを相転換効果と言う。


第3部 相停滞領域3 後手が垂らす悪魔の誘惑 禁欲=歩損と歩得 No: 5660 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 18:12:42

58=36歩。後手が得した1歩を桂馬に換算する垂らし。
杉本はこの手に全てを賭けた。これは凄まじい誘惑。金で取りに行けるため。喉から手が出るほど取りたい。
59=48銀。37歩成を死守するだけなら緩手だが57地点空間開放手と見る。歩損解消なら47金だがそれは駒アタリ偶数番2でよくないとみるのがマシュダ一家理論。ヒフミンの場合序盤の歩損は作戦なので歩損解消しないという方針一貫。禁欲の48銀。
60=23金。先手の歩切れを突く14金逆襲+角筋開通の連動偶数番2。
この交換により先後の立場が鮮明になる。先手=1歩損を主張。後手=1歩得を主張。
60手までの消費時間 (残り時間)
先手=4時間15分(1時間45分)
後手=2時間37分(3時間23分)


第3部 相停滞領域2「穏やかな死を望んだ日本」と「玉を詰ます遊戯」 No: 5659 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 18:07:56

以下は相停滞領域における先手の展開法。
57=66角。空間開放手。これが後に74角切り+75角のトリプル手になる可能性を見せて先手の攻撃を三重に牽制。まず香打に備えて角を開放しつつ受けの空間作成が第一義。84香を取りに行く為には66角+75歩+77金+76金+86歩+85歩+84歩の7手分必要。この悠長な展開は年金計算並にズサン。7手分支払って香車一枚貰う頃には自玉が死んでいる。政治と役所仕事に似ている。専門家はそんな手順は有り得ないと知っているが現実にそのような悠長な展開で日本は穏やかな死を望んだ。この相停滞領域が相転化であると言い張る種族は任期が決まっている政治家と生涯安泰が約束されている職種に多い。自玉が決して死なない領域で発言するためにそれも当然の構造。もし将棋というゲームが「玉を詰ます遊戯」ではなく「もうひとつの側面である点数合戦」になればどうか?
ところが先手はすでに1歩損している。従ってこの後双方最善を尽くすと先手は永遠に1点足りないという計算になる。1歩損で先攻すると言う決断をしたのが論理上に整然と並んだ序盤にある。「損して得取れ」と言う処世術? 違う。千日手にはさせないという明解な動機?
それはある。せっかく築いたデザインをご破産にする者がのさばっては努力など築きようもない。ヒフミンはそのような後ろ向きの思考だけでなく、棒銀で中盤に自分の創造性を発揮できるから指している。彼が生きている間に見せたモノはこの創造意欲。


第3部 相停滞領域1
将棋というゲームの本質抽出「芸術から勝負に」
 
No: 5658 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 18:05:22

56=84香。香車が入れば重ね打の牽制。桂馬があればこの地点に桂を打つY字固めが先手31手68金直緩手2を咎める場合の後手の常道。しかし桂を渡さない先手の方針で香車と歩のみが交換された為、84香の攻撃手を後手は強いられた。この84香は27香先のGNに対して王手となるナンバーの為、ここに至り将棋というゲームの本質が抽出される。即ち将棋が芸術から勝負に相転換する直前の相停滞手がこの84香。ここまで相転移1-3から相転化1-3の運動は主題拡張という芸術性を誇示していた。この84香はその線上で発生した持ち駒で王手をかけるという手に突然変異している。これを相停滞の領域に入れるのがマシュダ一家分析結果。連盟棋士は序盤中盤終盤とみっつに局面を分割するが、その腑分けでは将棋の構造を鮮明に理解できなかった。彼らが大まかに中盤と言う領域が極めて曖昧なため、誰もが中盤が最も難解と言うのは当然。この84香から明らかに領域は換っている。「芸術から勝負に」という表現は情緒的なので当家ではこれを相停滞領域と呼ぶ。「芸術から勝負に」の言葉にある「から」の相停滞領域にこの84香がある。将棋は曖昧ではない。歴史で曖昧にされた部分が相停滞領域であるが、将棋では明解に曖昧となった手が目に見える。だからこれを当家ではハッキリ相停滞手と呼ぶ。政治経済哲学すべての分野でこの曖昧宿を論理上ゴマカしてきた学者はコレを見るべき。なぜ戦争が発生するのか?なぜ経済恐慌が突発するのか?なぜ環境汚染や流行性感冒で数万人死ぬのか?なぜガンが抑制できないのか?
それは人間がこの相停滞領域を直視しなかった為。
加藤一二三はこの曖昧を嫌った。だから3手めから人間の強靭な意思を見せ棒銀により相転移1-3から相転化に1-3の構造を見せた。彼にはこの構造が抽出できなかったが長年の経験値によりそれが論理上の必然であると知っていた。


第2部 自動駒アタリ奇数番換算手
ベートーヴェンの情熱
 
No: 5657 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 17:45:57

以下後手の手番なので杉本はオリジナルデザインを披露できる。その為には駒アタリ奇数番1から始まる。45歩が最も過激な順。次に35飛で飛車交換を迫る十字飛車。15銀に同時にあたるのがミソ。しかし45歩には24銀と逆行奇数番を先手に取られてしまい清算すれば先手に31飛の角桂取りが残る。44角で勝負するには怖すぎる。四間の天才ならば怖くてもそこで読みを打ち切らない。藤井が竜王になれたのはその心意気をトップ棋士に買われた為。それが最初からない者には「四間」とは単なるラクチン戦法。
50=12飛。サードギアからの駒アタリ奇数番1で逆襲。
51=14歩。銀取りを死守しつつ24銀で歩損解消を謀る自動駒アタリ奇数番換算手。
52=33金。陣形を開放して歩得主張。以下後手の徹底防戦を強いたのは先手。
53=28飛。Uへの帰還+奇数番換算手維持。
54=42角。24地点死守。杉本は何も考えていない。自分で何もデザイン構築できなかったということ。これでは客が逃げる。
55=27香打。24地点攻略の直接手。
この27香は第3手め25歩と似ている。強靭な首尾一貫。ひとつの主題のみを展開する。加藤一二三はモーツァルトが好きと言うが棒銀からこの争点強化の手法はベートーヴェン。相転移1-3から相転化に1-3にそのまま展開して重なる棒銀の構造抽出は今回の分析でマシュダ一家が初めてMashudaBBSに披露した。これも加藤一二三の情熱ゆえ。ベートーヴェンが好きな者はあのパッションにイカレル。


2004.06.18A級順位戦 ヒフミンVS杉本
棒銀完全分析全5部作
第1部 相転移から相転化
逆行換算手1-3と奇数番相転化手1-3へ
 
No: 5656 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/06/19 Sat 17:40:21

昨晩はB2順位戦が熱狂の嵐。今年B2へ下った教皇加藤一二三が四間皇子杉本に棒銀を披露。白熱のヒフミン。当家も唸っていた。

日時:2004.06.18
棋戦:B2順位戦
戦形:対四間急戦棒銀
先手:加藤一二三
後手:杉本昌隆

▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲7六歩 ▽4四歩
▲4八銀 ▽3二銀 ▲5六歩 ▽4二飛 ▲6八玉 ▽6二玉
▲7八玉 ▽7二玉 ▲6八銀 ▽8二玉 ▲5八金右 ▽4三銀
▲3六歩 ▽7二銀 ▲5七銀左 ▽1二香 ▲9六歩 ▽9四歩
▲3七銀 ▽3二飛 ▲2六銀 ▽5四歩 ▲4六歩 ▽1四歩
▲6八金直 ▽5二金左 ▲3五歩 ▽4二角 ▲3八飛 ▽5三角
▲1六歩 ▽4二金 ▲3四歩 ▽同 銀 ▲3五歩 ▽4三銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲同 香 ▽同 香 ▲2四歩 ▽同 歩
▲1五銀 ▽1二飛 ▲1四歩 ▽3三金 ▲2八飛 ▽4二角
▲2七香 ▽8四香 ▲6六角 ▽3六歩 ▲4八銀 ▽2三金
▲1八飛 ▽5五歩 ▲同 歩 ▽6四角 ▲2四香 ▽同 金
▲同 銀 ▽5二飛 ▲1三歩成 ▽5五角 ▲5七歩 ▽3七歩成
▲同 銀 ▽6六角 ▲同 歩 ▽5六歩 ▲同 歩 ▽1七歩
▲4八飛 ▽3九角 ▲2五角 ▽4八角成 ▲同 銀 ▽3四歩
▲1六角打 ▽5六飛 ▲5七歩 ▽4六飛 ▲3四歩 ▽8七香成
▲同 玉 ▽8四香 ▲8六歩 ▽同 香 ▲同 玉 ▽8八飛
▲7七玉 ▽8九飛成 ▲8八香 ▽9九龍 ▲3三歩成 ▽7四香
▲4三角成 ▽1六飛 ▲8七香打 ▽9七角 ▲7八金 ▽5二歩
▲8六銀 ▽8八角成 ▲同 金 ▽6六飛 ▲8九歩 ▽6四香
▲6七歩 ▽7六飛 ▲同 馬 ▽同 香 ▲同 玉 ▽6九角
▲6八飛 ▽8八龍 ▲同 飛 ▽7八金 ▲同 飛 ▽同角成
▲8五香 ▽7九飛 ▲投了

128手で後手の勝ち


3=25歩。3手めで25歩は主導権を握る最短手順。これを向かい飛車を誘う最新研究と見るか単なるファーストフードと見るかは杉本次第。
6=44歩。22飛とできない杉本。33角成なら同桂が連動手。他の手なら向かい飛車の主導権を構築できる。すでにヒフミンに研究負けと言うより生活かかっているからと言う態度。女房に負けている。ワタシには四間しか指せませんと素直にペコペコしている指し手は女房に頭が上がらないのと同じ。
22=12香。セカンド維持の相停滞手。四間党は誰でも指す遺産。
24=94歩。このブランコでサードギアから先手先攻できる。杉本の序盤は貴方任せ。
25=37銀。ご存じヒフミン十八番。ワクワクする。
ここで「またヒフミンの棒銀か」と思う者は愛人の呼吸も永遠に愛せない。「また杉本は四間か」というおマタとは違う。四間党はラクして女にもてることしか考えていないと思われて良いのであろうか?
26=32飛。杉本=果報は寝て待つ。
27=26銀。行く。
28=54歩。4th作成で牽制。
29=46歩。5th作成で駒アタリ奇数番1いつでもOK。
30=14歩。このブランコ前進は緩手。後述。
31=68金直。緩手には緩手で応じる。
32=52金左。緩手2。これは主導権構築の領域で悪手。
33=35歩。緩手2を見て初の駒アタリ奇数番1。このGNは以下の構造。
34=42角。駒アタリ奇数番1逆行換算手1/相転移1
35=38飛。駒アタリ奇数番1逆行換算手2/相転移2
36=53角。駒アタリ奇数番1逆行換算手3/相転移3
37=16歩。ここでGNを残して再度5th作成。
38=42金。駒アタリ奇数番1逆行換算手4。
39=34歩。GO。GN解消で1歩獲得。
40=34同銀。歩損解消。
41=35歩打。貯金はしないヒフミン。5thからの駒アタリ奇数番1相転化1。
この駒アタリ奇数番1は34手め-35手めに登場した逆行換算手1-3の構造と対位。
42=43銀。相変らず5thで手番を渡す後手。1歩手持ちが主張。
43=15歩。5thからの駒アタリ奇数番1相転化2
44=15同歩。歩得
45=15同香。歩損解消で連動駒アタリ奇数番1相転化3
46=15同香。香得。
47=24歩。4thからの駒アタリ偶数番2で偶数番原理始動。
48=24同歩。歩得。
49=15銀。連動駒アタリ奇数番1相転化1-3の運動で香損解消。
この49手めの局面のデザインは初手からすべて先手の意思で形成された。後手は何が面白くて相手に好きなようにさせてきたのか?
それは「陣形の差で多少の駒損でもなんとか挽回できる」という安直な思考法。だから四間党は口が達者で努力しないというパターンになりやすい。口下手で努力しているのは久保と杉本であるが、ここまで杉本にはまるで見せ場がない。