準備中のマシュダ一家新作理論は名付けて「手番換算原理」
後手は第2手めを指す時にすでに奇数番を指していると思考する。
即ち先手の初手76歩は指し手ではなく将棋の原型として後手が認識することで後手の初手が第1手めと計算し始める。

昨年の王将戦第4局で当家が康光の指し手に考察していたこと。
連盟棋士は古いモノサシで康光を罵った。アレは単に芝居が下手だっただけ。昨日のナメカタを当家はコキおろした。
康光でさえ同業者に罵られた市場でナメカタは芝居下手どころか配役を最初から間違えている。俳優の卵は誰でも主役を夢見るという発想が間違い。最強の脇役を夢みるべき。
近未来将棋の最強の主役は棋士ではない。
これを将棋に置き換える。先手は最強ではない。最強とは先手と後手が換算しあう奇数番のこと。

1手損角換りは淡路がかなり深く探求し昨年から多数指されている。
丸山のゴキゲン角換りも先手から手損をする指し方。
際めつけの相掛り十字架銀はそのクライマックス。
まだこれらの戦形は指し手の変化を読まれているだけにすぎない。
商業将棋の宿命は手詰まりでは商売にならないと云うこと。
だから手損をするにも芸をみせないといけない。
羽生が十字架銀の手損を嫌って逆に敗勢に陥ったのは最近の話。
谷川や羽生の立場ではもう限界が見えている。

光速ノート47で谷川が「不思議」と述べたものは商業棋士の真摯な告白。
丸山がタコであったと皮肉りたい気持ちをぐっとこらえ、自分達はまだ何も知らないに等しいと述べている。これを云えるのが現場監督の証し。
谷川は対丸山戦で不利を自認していたことを自ら告白している。
谷川の本心はこのような将棋ではまだダメだと云うこと。
できれば丸山に自分の欠陥を暴いてもらいたかった。
行方ではダメだった。逆に谷川は直進だけで勝てると思い込んでしまった。
谷川の類まれな資質が成長を遅らせたのはこのような勘違い。
行方は最初から持将棋を企画するべきだった。
ところが竜王戦という市場は持将棋にそぐわない。

なぜ後手が千日手の主題をもつ壮大なバリエーションを中盤で企画しなければならないのか？
それは後手は第2手めを初手とする為に先手が最善手を指し続けると絶えず偶数番を握らされる為。駒アタリ予備が偶数番となりやすいので後手は負けやすい。そこでこのナンバー調整を行う必要がある。

昨日ナメカタは何をやりたかったのか。
彼は近未来将棋を指してみたかった。
近未来将棋というモノは現行の商業将棋とは様相が異なる。戦いは引き伸ばされ進めた駒は退却する。
そのもっともクリアーな形は千日手。
従って近未来将棋の中盤とは千日手を大きく展開したバリエーション。