MashudaBBS2004.03.17
2004年王将戦羽生VS森内 全局を振り返る

2004年王将戦羽生VS森内 全局を振り返る No: 4637 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/03/17 Wed 12:02:53

004.01.14&15王将戦第1局 Uへの帰還
力戦形3手め56歩+88銀
森内の作戦に序盤で羽生は失敗。しかし森内にも緩手が多い。前例がない将棋では連盟棋士の最高峰と言えどもはこの程度までという典型。森内の自己修復機能と相手のミスに乗じる最善手発見能力は評価。羽生はすでに相手ではなくこの1局のみで王将防衛は無理とわかる。羽生はチャンスを故意に見送り相手が来たところで逆転を狙う棋士という構図も定着。封じ手も丸見え。当家は封じ手以前に羽生勝ち手順を公開したが森内がそのままパロディーにして羽生は完敗。

2004.01.29&30王将戦第2局 循環変化
千日手局 中飛車
指直し局 中座飛車
「和室のアルミサッシのように冷たくて軽薄な」羽生の23手め59金と25手め98玉。29手め36歩はどうしようもない悪手。初日で終わった。羽生の自己修復機能が底から血を滲ませた57歩。森内が羽生に同情して千日手となった。
指直し局は見飽きた中座飛車。開始早々すでに終盤だけ。一手バッタリで森内最後にポカ。マシュダ一家手順が正解。実況ではマシュダ一家の完勝。羽生の強みを最終盤の叩きあいだけなどと評価して勝率で羽生を称えてきたのが将棋村という所。当家はデザインしか直視しない。

2004.02.18&19王将戦第3局 波の表裏73桂
アナグマVS四間 
王将戦の規定では千日手も先後だけは1局と数えるために羽生はまたしても先手。これでは王将戦は羽生のように短時間将棋が得意な棋士が防衛しやすいことになる。31手めと32手めの玉頭歩交換で当家は後手優勢と判断。38手め73桂には圧倒される。森内の独壇場。羽生はまたしても作戦負けを認め千日手か打開を期待した挑発。マシュダ一家最強変化封じ手55歩で森内圧勝と当家が初日に分析した通りの結果。作戦負けの挙げ句に37桂など見せる王将には失望。羽生によって縮小再現された角の正四辺形は当家も評価。当家が常に羽生に期待するのがこのデッサン力。しかしすでに遅い。終局図もロクにつくれない状態。

2004.02.25&26王将戦第4局 相矢倉 グランクロス42角

封じ手以前に両者無反省のコピー将棋。悪いところまでコピーした為に封じ手以前の問題。当家は全面戦争につきまとう持将棋問題を考察。
森内完勝というより当家変化を故意に避けた羽生のプライドだけで指された将棋。森内の疑問手へ正解手を出したのは羽生ではなくMF変化。

2004.03.08&09王将戦第5局 矢倉反地獄門本定跡
二人が当家へ自信をもって見せた公開質問状は矢倉。当家は新作理論で矢倉序盤を総ざらいし連盟棋士が無反省にコピーを繰り返す47手め25桂への道筋に疑問を提示。その疑問へ見事な解答を示した森内に心から賛辞を贈る。60手め31玉に笑いがしばらく止まらない。意外な55歩の封じ手は今期王将戦の白眉。森内がここまで見せたからには我々も熱狂。ついに幻の57桂を発見。負けたとは言え後手番矢倉の一大作戦を提示した森内に際限ない可能性を感じる。こう言う将棋を名人戦で見たい。勝ち筋への可能性があるというだけで心踊る。

2004.03.15&16王将戦第6局 角換り腰掛け銀同型 吊革の輪32
後手負け筋の丸山ラインには失望。
羽生が勝負を賭けた54桂に森内はアッと驚く84角。我々もこれを見て脳が凍りついていた。角換り腰掛け銀の魅力を引き出せる棋士こそ最高峰の証し。攻め筋の再構築は半日では無理かもしれない。それほど魅力ある変化満載。

http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/2004ohsho.html


好漢  No: 4634 [返信][削除]
 投稿者:凡夫  04/03/17 Wed 10:59:36

 森内は竜王位奪取の後「番勝負で羽生さんに勝てて嬉しい」と述べた。又、「名人戦で羽生さんと持ち時間の長い将棋をさせて感覚が取り戻せた」とも言った。いずれも遠慮でも負け惜しみでもなく卒直な心情の吐露である。森内はハッタリと無縁な男である。それは彼の解説を聞いていれば分る。その森内が「番勝負で羽生さんに勝てて嬉しい」とコメントした。余りにも素直過ぎてメディアの煽り担当者は物足りなそうな様子であった。あるいは「積年の無念が一気に晴れた思いです」くらいを期待していたのかも知れない。もしそう語っていたら森内の快進撃もそこで止まっていたろう。一気に晴れる程度の無念など大したものではない。そんなものは忠臣蔵に任せておけばよい。森内はそこを弁えていた。彼はそれまで番勝負をただの勢いで戦ってきたのだが羽生との名人戦で何かを掴み、竜王戦でそれを表現することに成功したのである。その何かとは「羽生の本性を見抜いた」といった類いの観戦記者好みの浅薄なものではなく、自分を生かすことを知ったということである。森内はあの名人戦で将棋人生でおそらく初めて自分の能力の全体像を発見したのではあるまいか。その充実と歓びをそのままぶつけたのが竜王戦でありその結果であった。あの戦いはリベンジではなく森内が新課程に入ったことを示している。
 小生はあるところで今回の王将戦を森内の4-2奪取と予想した。2敗の意味は羽生が当然森内の変化を感じ取って対策を講じるだろう、それが奏功するのは、しかし2つが精一杯かなということである。2敗が対策によって生じたものかどうかは棋力がないから分らないが、この結果は現在の力関係を数字化したものとして妥当なところだとは思う。谷川の復活、森内の覚醒、新鋭の台頭と羽生もとんでもないものに晒されているが、これにどう巻き返すかが羽生教徒である小生の最大の関心事である。次は名人戦。マシュダ一家は史上最強決戦を期待している。内容は期待を裏切らないことを小生も確信するが、結果については王将戦で押し返せなかった以上森内4-3奪取を予想。フルセット奪取なら更に新課程突入で森内が18世名人。防衛するようなら、将棋に口出しすることを今後一切慎み、生涯決して改宗しないことを誓います。といっても、こんな薄っぺらな宣誓になんの意味もありゃあしないが。因みに棋王戦は谷川3-2奪取と予想している。フルセットを勝ち切るのはエライことである。谷川もそうして新課程に入るのでは、という期待を含んだ予想である。