これは番外なので「詰め将棋の話」という標題で読み始めてしまったヒトはこの先を読まないでいただきたい。

当家は「詰め将棋」が大嫌い。どの程度嫌いかと言うと、当家が所構わず「中座飛車は嫌い」と言っている程度であろう。
世の中「練習曲」と名の付いた曲が演奏会用レパートリーとなってしまった例が沢山ある。そこで作曲家はいつしか「練習曲」と言う形式があるのだと思い込んでしまった。宇宙人をＥＴと呼んで親しむような類であろう。
エチュード形式は楽器の性能を利用する。だから一見ヒクツとなる。開き直ると面白かった。楽器と人間がなぜか一体化してしまうからであった。
エチュード形式では厳密な和声法は無視され感覚和声として解釈しなくてはならない。棋士が「感覚」という言葉を好むのもそのようなワケ。
当家はそのような「感覚」を麻薬患者の慢性症状と呼ぶ場合がある。

無双30番は神局と呼ばれるらしい。詰め将棋博物館にそう書いてある。
このようなモノは逆算方式でいくらでも作成できる。
なぜこのような詰まらないモノを崇めるのであろう？
反復運動が楽しいならばセックスの方が良い。
だからこれを神局と呼ぶ心境は女房が私の神様と語る男の妄想であろうか？
無双30番はシンメトリカルな構図への畏怖が背景にある。
カオスから秩序が生成する過程に神秘的な疑似体験をする。
これはムチャクチャなオマンコの後でシンメトリカルなベビーが誕生する構図と男は勘違いしているのであった。

人間は家に住んでいる。
この閉鎖空間も詰まらない。
そこで家具の配置を替えたり壁紙を新調して気分転換を謀る。
壁を壊したり女房を替えてしまう者もいる。
もっとも手っ取り早い気分転換は家出であろう。
しかし地球そのものが巨大な閉鎖空間であった。
それ以前に人間は自己の肉体が閉鎖空間であったことにお父さんは気がついた。
そこで開いた場所を求めたらソレが女房のオマンコだったと最後に気がつくかもしれない。

連盟棋士は日々のトレーニングに詰め将棋を使う。
使い捨ての詰め将棋ではすぐに在庫が不足する。
そこで連盟棋士は一度解いた問題を時間をおいてまた解く。
すると以前つまづいた問題に限ってまた解けないと森下は言う。
これは音楽家ならわかるであろう。
普段でてこない増三和音や減三和音の展開形などがでてくると初見でつまずく。それが終盤にポカをする理由でもあった。

詰め将棋とは最初から玉が詰むようにできている。
このように閉じた輪は「知恵の輪」と呼ぶ。
閉鎖空間なのでハッキリ面白くない。
詰め将棋作家は「知恵の輪」を作成する方なので完成するまで楽しめる。
それを解く方は「知恵の輪」と同じような虚しさを感じるであろうか？
「知恵の輪」はいったんハズれるとまた元に戻さないといけない。
いったん解いた詰め将棋は「ソレまで」の場合虚しくなる。

毎週同じ顔では飽きるので解説を替えているのがＮＨＫ。
聞き手も毎週替えたら面白い。
連盟棋士で生涯ＮＨＫに出演できそうもない棋士から聞き手役を順番に回せば死にモノ狂いで対局者の棋譜を調べてくるかもしれない。
因みに当家では指し手の意味など解説者&聞き手役に一切期待していない。
コイツラはいない方が良いとさえ思っている。

女から選ぶのが鉄則ならば最強の聞き手役は林葉直子に決まっている。
次善手は清水イチヨ。このふたりに比べたら涼子など裸足で逃げ出す。
林葉には先に連盟棋士が逃げ出すであろう。デーマン小暮には己のクビを賭けてこの一世一代の大博打を期待したい。
女以外から選ぶならば古作。連盟棋士でもいいのならばヒフミン。